葉室麟のレビュー一覧

  • 緋の天空

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    天皇の娘以外、臣下の娘でありながら、初めて皇后となった光明子の話。
    元明、聖武の時代を光明子の視点から描いたもの。
    永井路子さんの美貌の女帝が元明天皇(氷高皇女)視点なので、そのちょうど反対側といったところ。

    この本の長屋王は野心が強すぎる印象だけど、それぞれの歴史の点と点の間が小説として繋がって面白く読めた。
    この時代は、蘇我の血を受け継ぐ娘達、持統天皇からの元正、元明と藤原一族との皇位をめぐる駆け引きの執念を描いた永井路子さんの本の方がしっくりくる。

    弓削清人、光明子が子供の頃からお互い知っていたという設定も面白い。

    聖武天皇と光明皇后はある意味では、長屋王の祟りに苦しめられてその半

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    2023年07月15日
  • 春雷

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    前作までと違い今作の主人公は最初どのような考えを持って生きているのかよく分からなかった。
    しかし最後になぜそうなったのかが分かり、その苛烈な生き様の目的を知ることが出来る。
    悪人とは何か、善人とはどういう人物なのか。

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    2023年07月05日
  • 蒼天見ゆ

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    うーん、自分が読んできた葉室麟のなかでは、今一つの感がある作品。幕末の秋月藩の執政臼井亘理は、小藩が生き残るために西洋式兵術の導入を進める。そして、大政奉還後の京において、大久保利蔵や公家らと渡り合って、秋月藩への圧力を跳ね返す。しかし、藩主の不興をかい、任を解かれ国許に帰されたところを、不満分子により寝込みを襲われ妻と共に惨殺される。ここまでは、葉室麟らしい展開なのだが、これ以降は、息子の六郎が敵討ちを決意し、政府の役人になっていた首謀者を付け狙う。その過程で山岡鉄舟や勝海舟、星亨などと知己を得るのだが、敵役も卑怯なやつで罠を仕掛けてきたりする。どうも作り話しめいていて、武士の時代の最後の敵

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    2023年06月30日
  • 孤篷のひと

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    戦国の時代を大名として茶人として生きた小堀遠州の半生を描いた物語、千利休や古田織部、伊達政宗等歴史上の人物が遠州の目を通して書かれいる。特に埋火の章は人の思いや儚さが書かれている。

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    2023年06月21日
  • 恋しぐれ

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    蕪村の残した句から、こんなにたくさんの奥深い物語を書く葉室さんって凄い人だ…と感動した。
    静かに小川が流れるように進むお話しに心が和みました。

    西條奈加さんの ごんたくれ は、
    蘆雪と箏白目線の物語で、
    こちらは月渓の目線で、どちらも同じ時期に読めて良かった。
    再読の時も、ごんたくれ→恋しぐれ で読もう。

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    2023年05月16日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    藤原隆家の小説。

    雑誌には掲載されたが、単行本になる際にカットされた箇所があるらしい。どこだろう。そこに編集者や筆者の意図があり、作品が表現したいことが変わっていくと思う。

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    2023年05月03日
  • 紫匂う

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    当初は主人公が自身の心を把握出来ずに戸惑い行動していたのが歯がゆく思っていたけれど、最後には立派な態度で凛々しかった。
    幼なじみに思うところがあるが、夫の静謐な佇まいが『蜩ノ記』を思い出させる。
    武人らしく泰然自若とした様が武士の鑑だなぁと思った。

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    2023年04月29日
  • この君なくば

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    どんなことがあろうとひとりの男を想う姿、武士の妻としての姿、これから新しい時代を生きていこうとする姿、立場が変われどそこで十二分に存在意義を発揮する姿、どれも女の強さ、美しさが描かれていた。それは主人公栞だけではなく五十鈴の存在感も際立たせた
    事実に基づいて描かれているだけに重みはあったが冷めた時間も多かった。かなりの部分を淡々と読み続けた
    あくまでも私の感想です(歴史苦手)

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    2023年03月29日
  • 津軽双花

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    ネタバレ

    津軽家に嫁いだ家康の姪と石田三成の娘。政略結婚の結果、家康と三成の演者がともに同じ「夫」のもとで過ごす。仇同士のように見えた二人が、世の静謐を守るために私憤を捨てて手を携えて戦う。『鳳凰記』もまた茶々と寧々、女の関ヶ原。葉室麟には史実をもとにしたものと、そうでないものがるが。、史実を元にしたものは当然おことながら、窮屈な気がする。

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    2023年03月14日
  • 霖雨

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    時代小説は自分では手に取らないジャンル、人から貸してもらったので読んでみた

    豊後日田(現在の大分県?)で、
    私塾咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ弟の久兵衛が
    様々な困難を乗り越えていく様を淡々と描く
    タイトルや各章に「雨」が含まれていて、その雨の表現が秀逸

    響いた本文中の文言
    *********
    「生きるのに値打ちがあるのだ、と教えてくれるのが学問ではありますまいか。
    おのれが生きることが無駄ではないと知れば、おのずから楽しめるというものです」

    鋭きも鈍きもともに捨てがたし、錐と槌とに使いわけなば
    頭の鋭い秀才も、一見鈍く見える努力型も、ひとは皆、使い道しだいであり

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    2023年02月26日
  • オランダ宿の娘

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    シーボルト事件含めた物語。
    本編では、日本地図流出のみならず、江戸城見取り図流出まで疑惑を広げています。

    主人公は江戸に参府したオランダ人向けの宿泊施設・長崎屋の姉妹のるんと美鶴。彼女たちの周りで起こる様々な事件。万能薬にまつわって、回船問屋の番頭が不審死。サルと連れた怪しい武士。さらに、長崎で変死した丈吉。
    だれが、番頭を殺したのか?
    丈吉の死の真相は?
    そして、シーボルト登場
    描かれるシーボルト事件。
    事件の真相が明らかになるとき起こった江戸の大火事。
    その大火事の真相
    といった展開です。

    ミステリっぽい展開で楽しめました。

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    2023年02月26日
  • 天翔ける

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    物語はペリー来航の10年後より始まり、途中から主役である松平春嶽の半生を描き出す。

    淡々とした抑揚のない文章に心惹かれる部分もある。歴史証言を山積した文脈!!!

    松平春嶽は劉備でいう伏龍と鳳雛に、横井小楠と橋本左内を挙げる。横井と橋本の描き方が葉室麟さんらしく、とても丁寧に描かれている。

    解説にもあったがこの『天翔ける』の初版発行日の3日前に葉室麟さんは亡くなられている。なんとも感慨深い作品である。

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    2023年02月23日
  • 天翔ける

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    幕末から明治の時代を生きた、松平春嶽の生き様が語られた物語。
    福井藩の松平春嶽という人物は、本書で初めて知りました。

    本書を通して感じられる春嶽は中庸の人物。
    さまざまな困難がありながらも、国益のため尽力を尽くす人物。
    とは言いながらも、「俺が俺が」というタイプの人ではなく、様々な人の意見を聞き、参謀を育て、あるべき姿を求めるリーダ像を感じさせる人物でした。

    その対比となるのが慶喜。
    「私」を捨てられず、坂本龍馬暗殺の黒幕のような描かれ方でした。それはそれで面白い。

    そして、明治維新後に西南戦争で戦死した西郷。その志と生き様も熱いです。

    そんなこんなで、幕末、明治維新を生きた男たちの物

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    2023年02月18日
  • 蒼天見ゆ

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    「最後の武士」の物語。

    裏表紙も解説も前情報を何も読まずに、読み進めて行ったら、主人公と思っていた臼井亘理が前半で殺されてしまいます。
    「え?主人公が死んじゃうの?何これ?」
    って思い、裏表紙を読むと、ここからが神髄でした(笑)
    その亘理の息子、六郎の仇討ちの物語でした。

    江戸時代には美徳とされていた「仇討ち」
    しかし、明治時代では、それは犯罪。
    それでも、本懐を遂げるべく、六郎の信念に心打たれます。
    そして、六郎が出会った人たちメッセージ、さらに六郎の周りの人たちの想いが伝わってきました。

    時代が変わり、人の考え方も変わっていく中、まさに「最後の武士」でした。

    さらに仇討ちできて終わ

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    2023年02月18日
  • いのちなりけり

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     設定が細かい、佐賀の鍋島家、龍造寺家、天源寺家、その分かれがどうのこうのと、読み終えてすぐ忘れてしまった。まあ武士というのもこんなことが一大事では、とても長くは持つまいと思う。
     うまく中身になじめなかった作品。

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    2023年01月21日
  • 風花帖

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    史実である藩の内乱をベースにしているらしいけれど、とにかく双方の企みがレベルが低くかつ卑怯過ぎる。
    新六は葉室作品らしくどこまでも一途で清廉な性格で、芯の通った行動を貫くものの、藩の上役たちの酷さに救いがないので少々興醒めしてしまった。
    常に静かな感動を与えてくれる葉室作品にしては少し残念な印象かな。

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    2023年01月14日
  • 暁天の星

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    ネタバレ

    葉室麟最晩年の作で未完。陸奥宗光を描いたものと坂本龍馬の姉を描いた短編。龍馬の姉については、司馬遼太郎も津本陽も作中に登場させているが、こんふうに活劇の中に登場するとは思いもよらなかった。未完で十分な手を入れられないまま出版せざるを得なかったことがとても残念。

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    2022年12月04日
  • 星と龍

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    ちょうどNHK大河ドラマで鎌倉幕府と北条家の争いを放送していることから割と分かりやすく入って来た。楠木正成はもう少し時代的に新しい人かと思っていたが大きく違った。
    歴史の勉強にもなった一冊だった。

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    2022年11月24日
  • 実朝の首

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    いきなり雪の鶴岡八幡宮のシーンから始まる歴史ミステリー。前半は実朝の首、後半は三寅をめぐる三つ巴の“争奪戦”がスリリング。特に三浦氏の郎党・武常晴ら“七人の侍”の活躍が痛快。暗殺の真相についても一捻りあって面白かった。ちょっと説明的に過ぎるところがあるけれど、考証のしっかりした内容で読み応えはあった。

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    2022年11月13日
  • 秋月記

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    淡々とした筋運びで、いまひとつ物語に入り込めなかった。登場人物やエピソードが多すぎて、私には消化しきれなかったのかもしれない。

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    2022年10月28日