葉室麟のレビュー一覧

  • 古都再見(新潮文庫)

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    ベストセラー作家である葉室氏の遺した師玉の随筆集。京都に仕事場、住まいを構えた作者の深い思いが此処に。

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    2020年04月16日
  • 辛夷の花

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    面白かった
    ハッピーエンドで終わる勧善懲悪の鉄板ストーリ

    ストーリとしては、
    九州豊前の小竹藩の勘定奉行澤井家の長女志桜里と隣家に引っ越してきた「抜かずの半五郎」との物語。
    志桜里は嫁ぐも子供ができず、実家に戻されたある日、隣家に半五郎が引っ越してきます。二人の心は惹かれあいながらも微妙な距離感。そんな中、藩主頼近と家老三家の間で主導権争いが激化していきます。
    三家に対抗する頼近と澤井庄兵衛、半五郎は表から、裏から澤井家を助けていくことになります。

    そして、いよいよ上意討ちとして、澤井家に三家が押し入ってきます。
    澤井家はどうなるのか?
    抜かずの半五郎は太刀を抜きます。
    それぞれが信じるも

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    2020年04月12日
  • 風花帖

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    小倉藩の白黒騒動を下敷きにした物語。
    主人公印南新六の想いに胸打たれます。

    小倉藩勘定方の印南新六が生涯をかけて守ると誓った女性・吉乃。
    しかしながら、ある事件を契機に、吉乃は他家に嫁いでしまいます。
    その後、「白黒騒動」と呼ばれる御家騒動が起こる中、新六や吉乃の夫源太郎も派閥の争いに巻き込まれていきます。
    吉乃とその家族を守るため、新六は刺客となって命を懸けることに。
    見返りも求めず、全身全霊で吉乃を守るという新六の想いには胸打たれます。
    そこまで、思うことができるのか?
    そのように生きることができるのか?

    そして、最後、吉乃がようやく気付いた新六の想い。そしてそれに応えた言葉。

    二人

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    2020年04月04日
  • 風かおる

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    黒田藩での複雑な人間関係
    その中でもがく人々

    様々な伏線もありすいすい読みました

    ちょっと物足りない感は残りますが

    ≪ かおる風 悲しみの中 友想う ≫

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    2020年03月30日
  • おもかげ橋

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    気楽に読める時代劇
    葉室麟さん、男性描くのはうまいのに
    女性はなぜこんな中途半端なのでしょう
    ただ美人だとしか……
    大福餅さん素敵でした
     
    ≪ 伝えたい 想いはまっすぐ 届けたい ≫

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    2020年03月26日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    3月-7。3.0点。
    幕末の物語。肥後藩の武士、尊皇攘夷で天誅を与え続ける、人斬り。ある女人と通じながら、幕末を生きていく。

    うーん、説明文が多すぎて感情移入が難しかった。

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    2020年03月13日
  • 山桜記

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    戦国時代から江戸初期にかけて、九州を舞台に生きた武士の妻たちの短編集。
    「花の陰」が良かった。

    男だらけの話だと文章は漢字だらけで堅くなるのに、女が入ると仮名が増えて、柔らかくなるのは必然なのだろう。
    短編は、その話の世界観に入るまでが面倒だけど、その分たくさんの話に触れられるところが好き。

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    2020年03月09日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺を主題に沿えた、7作家によるアンソロジー。
    実行者は明智光秀であるが、その動機あるいは黒幕については、いまだに諸説紛々。
    本作では、葉室麟著『鷹、翔ける』は、明智光秀の家臣斎藤内蔵助こそ、変を起こした随一の者としている。
    木下昌輝著『幽斎の悪采』では、細川藤孝の謀を示唆する。
    天野純希著『宗室の器』は、宗室の独白で信長への思惑が語られる。
    裁判などで分かるように、事実の裏にある真実や当事者の心理などを正確に明らかにすることは、現代の事件においてさえ困難を極める。まして、過去の歴史上の事件など。
    だからこそ、あれやこれやと、作家の想像力を刺激するのだろう。読者にとっても、歴史小説を読む楽し

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    2020年02月18日
  • さわらびの譜

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    「淡白なんだけど不思議な魅力の本」
    葉室麟氏の作品群、一言でいうとわたしはこう思っている。

    直木賞受賞作の『蜩の記』から初めて読み始めて11作品、
    以来ずっと感じているところだ。

    はっきり言って、淡々とした文章運び、メリハリが薄いストーリーのよう。
    いくらライトノベル全盛と言っても、江戸時代をこういう風に描くのはどーかなあ。
    歴史的時代背景に現代風な心根を持って書きすぎてるような。

    じゃあ、なぜ読み継ぐのか、というと
    友人がこのこの作家を好きで貸してくれるからなんて、
    しまりのないことである。

    でもこの作品は、めずらしく後半一気に読めた。
    いわゆるアメリカ映画の結末を望むように

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    2020年02月14日
  • 散り椿

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    藩を飛び出した無敵のストレンジャー新兵衛が舞い戻った! 渦巻く陰謀、旧友との友情、若者の恋、亡き妻との思い出などなどよくばりセットを片付けていく。
    西部劇みたいな筋立てやなと思いました。善玉キャラが善玉過ぎて私はちょっと苦手です。

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    2020年02月01日
  • あおなり道場始末

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    人情物として楽しい作品なのだけれど自分に染み付いている葉室麟作品の感覚から一歩横にズレて読む事になれるのに手間取った。
    血縁でない弟が藩主の落とし胤とわかり、このままでは城中に上がらねばならず兄弟がバラバラになってしまう。
    これを避けるため兄弟は江戸に出て剣術道場を開いて今まで通り兄弟3人で暮らす道を選ぶという大団円だけれど、それはどういうことなのだろう?
    脱藩?なのだろうか。
    江戸に出るだけで後継問題に手を焼く藩主が手を出さなくなるのだろうか。
    わからない。

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    2020年01月27日
  • 風のかたみ

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    上意討ちとなった一族の女性たちの住む、“白鷺屋敷”に送り込まれた、女医師・伊都子が主人公。

    最初は女性同士の確執がメインかな。と思ったのですが、男性側の勝手な都合で、不自由を強いられている白鷺屋敷の女性たちを通して、武家の女性の悲しさ、そして強さが描かれている切ない話でした。

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    2019年12月29日
  • 無双の花

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    面白かった
    実在の人物、立花宗茂の半生を下敷きとした物語。

    ストーリとしては、
    秀吉によって筑後柳川十三万石の大名に取り立てられながらも、関ヶ原の戦いで西軍に加担したことにより、家臣とともに浪人の身に。
    そこから、さまざまな苦労・苦難を乗り越え、ついに十数年後、領地に返り咲くという展開です。

    Wikiによると関ヶ原の戦いで改易後、旧領を回復した武将は宗茂ただ一人とのこと。

    本作のテーマは、自らの「義」を貫き通す姿。
    立花の義は「決して裏切らない」ということ。
    戦国から江戸の初期で、逆境に耐えながらもその義を貫き通す姿に引き込まれます。
    また、それを支える家臣たち。

    そして、本作では様々

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    2019年12月21日
  • 辛夷の花

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    志桜里と半五郎の距離が、近付くようでなかなか縮まらないのがもどかしく、まさに“辛夷の花”のような似た者同士の二人ですね。
    理不尽で横暴な家老三家に立ち向かう、澤井家の人々とそれを支援する、半五郎や幸四郎の姿がカッコいいです。

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    2019年12月09日
  • この君なくば

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    時代恋愛小説
    激動の幕末の時代を下地にした恋愛小説です。
    「この君なくば」は「この君なくば一日もあらじ」の想い。

    ストーリとしては、
    勤皇佐幕で揺れ動く九州・日向の伍代藩で軽格の家に生まれた楠瀬譲。その恩師の娘・栞と惹かれ合います。藩主の密命で京の政情を探るべく京に赴任しますが、そんな中、譲に思いを寄せる気丈な娘・五十鈴が栞のもとへ。

    この三角関係がどうなる?っていうのが一般的な恋愛小説の鉄板ですが、時代小説では、その清冽な思いがすがすがしい。
    栞や五十鈴の想い、そして譲の志が幕末の勤皇佐幕で大混乱の中、浮かび上がります。
    清廉で凛とした純愛の物語です。

    特に、五十鈴の想い・振る舞いが全

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    2019年12月07日
  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

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    12月-5。3.5点。
    徳川家光の時代、黒田藩の物語。
    黒田家の家臣、大膳は殿に説教する等で、疎まれている。
    長崎奉行から、兄妹の監視役を送り込まれるが。

    面白い。大膳の幾重にも張った伏線が、ラストに向けて回収される。

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    2019年12月05日
  • 冬姫

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    信長の次女が主人公。蒲生家に嫁いだんだ。茶々との関係性が想像を掻き立てる。忍びのことも随所に盛り込んでてエンターテイメントとしても面白かった。

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    2019年11月25日
  • あおなり道場始末

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    葉室麟というと、もっとこう、骨太で固く・・言いかえるとちょっと地味なお話を書く時代小説の作家さんという印象が強かったんですが、こういうちょっと軽めのお話もあったんですね。そのあたり葉室さんをずっと好きな方とかだと酷評されたりするんでしょうか?そこまで御作を読んでない自分からしたら普段の読み応えのある重厚なお話もとても面白いですがたまにはこういうのも悪くないなあ、と。
    ただまあ、長男・権平さんの「とても弱くて周りからバカにされてる」というのはどうなんでしょうね?結局のところ作中では無敗のとんでもない強さなわけで。ポンコツ感があんまりないよな。千草勘六の二人ももっとこう見せ場があっても・・・・いや

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    2019年11月21日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    刀伊入寇です
    葉室鱗です(蜩ノ記)
    面白いことうけあう
    こういう主人公を描く作者は力がある
    運命的な描き方…伝奇小説・半村良か?

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    2019年11月15日
  • 風のかたみ

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    ネタバレ

    藩主に謀反を起こした武家、男たちは当然上意討ち、残された妻女たち。理由あって軟禁されている屋敷に、送り込まれた女医者の伊都子。女だけの屋敷、対立する女たち、徐々に明らかになる秘密、、、
    閉鎖空間で起こるミステリアスな展開は、気になってぐいぐい読めた。これ実写化されたらお初は誰かなあ。田中みな実さんとかどうだろう。蒼井優さんとかも良いな(妄想)それにしても哀しい半生だ。せめて、きぬや伊都子にはほんとうの自分がすこし見せられただろうか。
    にしても、まともな男がいなかったな。こういうのも珍しいな。こんな性根の男らに嫁して人生翻弄された時代の女性はほんと苦しかろうなあ。椎野ははなから胡散臭かったが清吾

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    2019年11月15日