葉室麟のレビュー一覧
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第165回直木賞受賞作家の口から、「葉室麟」という名前が出てきました。
ーー澤田瞳子は明治から昭和を生きた女性画家河鍋暁翠(きょうすい)を追った時代小説「星落ちて、なお」で直木賞を射止めた。5度目の候補での受賞に「まだぽかんとしております」としながら、親交が深かった先輩作家、故葉室麟さんも同じ5度の挑戦で受賞したことに触れ、「うれしく、ご報告できるかな」と喜んだ。ーー
解説では、本書はシリーズものの3作目だということです。とはいえ、黒島藩という舞台が同じでも時代も人物も異なっているにもかかわらず、「過去に過ちを犯した人物」が主人公だという点でシリーズものとなっているようです。
本書では、茶の湯の神髄を織り交ぜながら、真摯に過去と向き合ってはじめて乗り越えることができる過ちを感動的に描き切っています。筆者の筆力に改めて感服。
以下、PR文:
静謐で、熱い心が滾っている。また、人生を信じたくなる。
―朝井まかて(作家)
茶室という戦場では、すべての真実が見抜かれる。
刀を用いぬ”茶人の戦”が、静かに、熱く、冴え渡る!
『陽炎の門』『紫匂う』につづく、大好評「黒島藩シリーズ」第3弾!
かつて政争に敗れた柏木靫負(ゆきえ)が、千利休の流れを汲む高名な茶人となって国に帰ってきた。
孤狼の心を胸に秘めた男は、家督を養子に譲り、山裾の庵で隠遁生活を送る。
今日も山月庵に客を招く。派閥抗争の最中に喪った、妻の死の真実を知るために。これぞ直木賞作家の真骨頂! 静かなる闘争の記。 -
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面白かった
時代小説の名を借りた純愛エンターテイメント?
ヒロインの思わせぶりな態度に振り回される男たち(笑)
ストーリとしては
6年前に故郷を追われ、江戸で暮らす元武士二人。
一人は武士の身分を捨て、飛脚問屋に婿入りした喜平次
一人は道場のに閑古鳥が鳴いている弥市
そんな二人のもとに、初恋の女、萩乃が密命を帯びて江戸に訪れます。
結果、二人は萩乃の護衛をすることに。
藩内抗争ものと思いきや、萩乃に思いを寄せていた二人の恋の行末は?
といった展開。当然、萩乃は妻女になっているし、喜平次にも家庭があります。
どろどろの不倫+三角関係の雰囲気です(笑)
さらに、萩乃が天然?のようにふらふらしていて、二人は振り回されます。悪女としてふるまってくれたほうがもっとスッキリなんですが(笑)
しかし、弥市が出会った弥生の存在によって救われます。
「好きな女人と大切に思う友を救いに駆けつける殿方を好ましく存じます」
弥生ってすごい女性!
武士の恋愛
「武士とは命がけで人を信じるもの」
...いいですね。 -
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良かった
「義か情か、武士の妻の選ぶ道」
武士の生き様、矜持、夫婦愛を感じる物語。
しかし、これ、現代劇で語られるとかなりドン引きのストーリだと思います(笑)
主人公の澪は、寡黙な夫の蔵太とともに暮らしていますが、ある時、一度だけ契りを交わした幼馴染の笙平が現れます。
実は笙平は藩内構想に巻き込まれ、逃亡中
そんな笙平を匿う澪
澪は笙平と蔵太の間で心が揺れます。
しかし蔵太は澪を信じ、その逃亡劇をサポートします。
澪、笙平、蔵太は逃れることができるのか?
3人の関係はどうなる?
という展開です。
何よりも蔵太が素晴らしい。
武士としての矜持、芯の太さ、ぶれない考えがしっかりと伝わってきます。
その蔵太の想いにようやく自分の心の在りどころに気づく澪。最後、芯が通ります。
で、どうしようもないのが笙平。
この男どうなのよって感じです。
最後は、落ち着くところに落ち着きます。
読みどころは3人の逃亡劇と、蔵太の矜持、澪の人間としての成長?
といったところでしょうか。
お勧めです! -
Posted by ブクログ
緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。
この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。
以下は気になったポイントです。
・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)
・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称される逸品である、初花と新田はすでに信長の手中にあり、楢柴を手に入れれば天下三肩衝が揃うことになる、信長は手柄を立てた家臣に領地の代わりとして名物茶器を与えている(p140)
・博多の湊は南蛮船が来航して賑わっていたが、南蛮交易の拠点は肥前の平戸や長崎に移りつつあった。代わりに武士の姿、軍船が博多には多くなった(p142)商いの特権を持つ座を廃し、船が入る際の税である津料も免除すればさらに人と物が集まってくるだろう(p178)
・家康が武田信玄に決死の覚悟で挑んだ三方ヶ原合戦では、結果的に敗れはしたが信長も宿老筆頭の佐久間信盛に3000の兵を授けた(p202)
・信長、家康、秀吉といった諱は、本来、その死後に言う忌み名である。存生中は、特に目下の者などが口にして良いものではない(p221)
・信長の元では手柄を上げるほど危地へと送り込まれ、より強大な敵と戦わなければいけない。それが織田の家老の宿命である(p258)
・木綿は絹よりも高価な繊維だが、硝石やかねで加工することで水に強い雨火縄となった(p267)
・正親町天皇の弟である覚恕法親王を主とするなど朝廷の加護厚く、地理においては陸路の要衝をなし、軍事において数万の兵をおいている坊舎、山から延びる道を支配し、政治・貿易・軍事・信仰の拠点として一帯に君臨してきたのが比叡山である。越後の上杉景虎が四宝としたものを全て持っていた(p381)
2020年12月30日作成 -
Posted by ブクログ
ちょっといまいち
平安時代の刀伊入寇を下敷きにした物語
刀伊入寇という史実は恥ずかしながら初めて聞きました。
元寇よりもずいぶん前にそんな事件があったんですね
大陸の異民族である悪役「刀伊」に対して、主人公「藤原隆家」がどんな戦いを繰り広げるか?
「村上海賊の娘」のような物語かと思いきや、その辺のくだりは後半の最後のほうだけ、それもわりとあっけなく終わってしまいます。
前半は伝奇ふくめた平安の政権争い。
といったところで、ちょっと想定と違いました。
清少納言や紫式部、安倍晴明なども出てきますが、正直とってつけた感じ(笑)
とはいうものの、ページ数が少ないながらも、刀伊の悪役っぷりに対して、隆家達の戦いはメインのストーリ。
さらに、刀伊の首領が隆家の息子という設定も面白い。
本書を通して感じたことは、国防
現代にあてはめてみると、どうなの?って思います。
さらに刀伊が村人たちをさらっていったといった件については、現在の北朝鮮の拉致問題を連想してしまいました。
国防って大事!
ということで、平安時代における貴族の戦いのエンターテイメントストーリでした -
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面白かった
戦国時代での茶の道を主題とした物語
千利休、古田織部と異なり、「泰平の茶」を目指した小堀遠州の物語です。
やはり、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかわかりませんが、遠州が目指そうとしていたものが伝わる物語でした。
ストーリとしては
戦後乱世の時代、武人でもあり茶人でもある小堀遠州の生涯を語るもので、茶道具にまつわる章立ての、短編連作となっています。
各章で、遠州のもとに訪れる様々な人との会話から、自らの過去の出来事を振り返る形で、石田三成、伊達政宗、藤堂高虎などとのエピソードを語っていく形です。
茶道具に秘められた想い、一つ一つのエピソードがしっかり語られ、その中で、遠州の目指す茶の道がより明らかになっていきます。
「われも生き、かれも生き、ともにいのちをいつくしみ、生きようする心」
「おのれがいかに生きるか」
「ひとはひとりでは生きられぬ」
心にしみる言葉です。
お勧め -
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面白かった
織田信長の二女、冬姫の数奇な生涯を語る物語
どこまでが史実でどこまでが創作なのか、自分の知識不足のため、相変わらずよくわかりませんが(笑)、エンターテイメントとして楽しめました。
ストーリとしては
織田信長の二女の冬姫は蒲生氏郷の妻になり、戦国時代の中
、その覇権を競うため、「おんないくさ」を仕掛けあうというもの。
「武家の女は槍や刀ではなく、心の刃を研いでいくさをせねばならないのです」
と育てられ、さまざまな女たちが闘うことになります
信長の妹お市の方をはじめ、淀君、鍋の方、五徳、ガラシャ、築山などなど
心の刃とは言いますが、実際には諜報戦ともいえます。
冬は「もず」と「又蔵」を従えて、その戦いの中生き抜くことになります。
そんな中、氏郷と冬姫の絆は強い。
氏郷へのひたむきな愛情を胸にこの乱世を生き抜いた冬姫
楽しめました。