あらすじ
あす吹く風は、どこからどこへ。黒田官兵衛、ジョアン、細川ガラシャ、織田秀信――伴天連追放令下、「かなわぬ夢」と「かなえてはならない夢」のはざまで生きた人々の思い。『風渡る』に続く葉室麟の「官兵衛」。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
大河が始まった黒田官兵衛の晩年期の話。
九州からキリシタンの目線で観ると戦国時代は、この様に読み解く事が出来るのかぁ。
歴史モノは正直とっつきづらいので、あまり読まないが、読みやすいし「花の慶次」以来に面白い!と思った本と出会った。
Posted by ブクログ
歴史小説として読むと、従来のイメージとあまりに違いすぎてえ?!となる部分が多いです。
けれど「キリシタン」というものを筋の一本通った人として見たらこういうストーリーも全然ありだなぁ、と。
官兵衛がかっこよすぎるんじゃないか、と微笑ましく思うところもありましたが、面白い作品です。
表題に黒田官兵衛と書いてありますが、数多のキリシタンたちが主人公である、と捉えた方がいいかもしれません。
Posted by ブクログ
大胆な構想を胸に策謀を巡らせる黒田官兵衛が本作の主人公ではあるが…彼と行動を共にしている修道士、そしてその修道士とぶつかって最終的に棄教する別な修道士、黒田官兵衛の家臣で武辺者の後藤又兵衛、細川ガラシャとマリアこといとの主従、彼らと関った織田秀信…更に“敵役”的な石田三成と嶋左近主従や、彼らに近い小西行長…或いは黒田官兵衛とは別箇に己の大胆な構想を胸に動こうとする毛利輝元…こう言った面々の“群像劇”という趣も在る…
こういう「本当はこういうことだったかもしれない?」的に纏めた時代モノ…凄く面白い!!
Posted by ブクログ
キリシタンを前面に出した作品で最後の短編は切ない。
もしキリスト教が広まっていたらまた違う日本になっていて、神に対する概念も違っていたと思うと徳川が頑張って日本を守ったともいえる。
キリシタン側にたった小説は初なので面白く読めた。
Posted by ブクログ
葉室麟さんの作品は大好きなのですが、この作品は読みにくかった~!
クリスチャンネームが山ほど出てくるのでそのたびにこの人は誰だったっけなあ、になってページを元に戻る。
信長から家康まで、戦乱の世の中の裏では日本をクリスチャンの世界にするという思いと動きがあったとする考察がこの作品の軸になっている。
いつ果てるかもわからない戦乱の世を、未来永劫平和な国にしたいという純粋な思いが天下人をも挿げ替えようとする膨大な計画に黒田如水はことごとく関わってくるのだ。
戦国時代の策士、名軍師としての黒田官兵衛のクリスチャンからの思いが伝わる。
教科書で習う日本の歴史の裏にはもしかしたらこのような流れがあったのかと思わせるし、この話だけでなく私たちが常識的に「知っている」と思っている事も実はその裏に流れるストーリーが隠れているかもしれないと心しておくべき。
Posted by ブクログ
黒田官兵衛について知りたいと思って手に取った本。
だけど、この本で描かれているのは軍師としてではなく、キリシタンとしての一面の方が多く描かれている。
もちろん政治に関しての策略はなかなかだが。
期待は外れたけど、それはそれで黒田官兵衛というか如水を理解できた気がする。
Posted by ブクログ
大河ドラマを見て興味を持ち、異なる切り口の物語を期待して手に取った一冊。
面白かった。
キリシタン、キリシタン大名の視点で策をめぐらす如水。
宗教で繋がる外国との遠謀策略が絡む。
飄々としているが筋を通す武士、後藤又兵衛。
明智光秀の娘のガラシャの態度。
本編後の短編が歴史のもの悲しさを追加している印象だった。
Posted by ブクログ
「心の底にあるものを見せつけるのが、悪魔なのかもしれませんね」
いとの娘が不干斎に言った言葉。
自分の心の中にある
蓋をしていた黒いもの
その蓋を開けるきっかけを
悪魔がつくる
あとは気がついたら
自分で開けてしまって
もう後戻りができない。
誰にでもそんな経験が
あるような気がする。
今の時代、
そのきっかけをつくる悪魔が
あらゆるところに存在している
それも、
天使の顔をして。
蓋を頑なに閉じる術を身につけておかないと、大変なことになる。
そんなことを最後の最後で
考えさせられた言葉だった。
黒田官兵衛の物語としては
吉川英治の『黒田如水』の方が
読み応えはあったかな。
Posted by ブクログ
完全に読む順番を間違えた。。。風渡るをすっとばしてる。
なんか、フィクションだというのをわかりながらも、歴史上の人物たちの印象がどんどんと変わっていく。。
あ、如水を完全に岡田准一にあてはめてたのは内緒。
Posted by ブクログ
「風渡る」に続く、黒田官兵衛を主人公にした小説の最終章。
官兵衛、キリシタン、九州をキーワードに、細川ガラシャ、織田秀信、イエズス会の修道士ジョアンが見事に絡み合わせながら、時の権力者とキリスト教と政治を語る。布教、殉教、棄教、そして侵略を戦国時代の視点で浮き彫りさせている。
官兵衛は何を為したかったのかを考えるヒントになる。
Posted by ブクログ
歴史小説の題材としてど真ん中の戦国時代を舞台としているが、キリシタンがキーワードの短編小説。
合戦の描写はなく、それぞれの立場の心の動きや思いを描き、なんとも物悲しい余韻に包まれる。
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官兵衛を題材にした作品が数多くある中で、他の作品と一線を画すストーリー展開は、狙いとしては意欲的と思うが、読み手としては、良し悪しの感じ方はさまざまかと思う。
Posted by ブクログ
「風渡る」の続編なのだが、「風渡る」はかれこれ2年以上前に読んでいた為全く記憶になく、ちょっと残念な気がした。やはり連続物は続けて読まないといかん…
内容は私が好きな武将の黒田官兵衛に纏わる話。
沢山のifで構成されていて、なかなか楽しく読み進められた。
Posted by ブクログ
読み終えてから日にちが経ってしまい、正直ほとんど内容の記憶がありません。
ただ、これまで読んで来た葉室麟 さんの作品はどれも感情移入して入り込んでしまうものが多かっただけに、少々期待外れ。その理由が思い出せず・・・
Posted by ブクログ
風渡るの続編。関ヶ原ではこれまでの徳川対石田の決戦だけではなくキリシタンとしての如水が第三勢力として天下を狙い毛利輝元も凡将ではなく策略家として描かれているので新しい関ヶ原として楽しめた。短編の伽羅奢では細川家の為に犠牲になったガラシャが秀信、咲庵に出会い激動の時代にあって唯一心の安らぎを得られたのではと思わずにはいられない。
Posted by ブクログ
なぜなのかさっぱりわからないのだけれど、葉室先生の作品にしては、あまりにも人物に魅力を感じなかった。
流石に、関ケ原の策謀の裏にキリシタンの存在を持ってくる所といい、視点やストーリーは半端なく面白い。
ぐいぐい先を読ませる所も健在だ。
だが、特にキリシタン側の人々が、随分と「自分の論理」だけで自分勝手に動いているようで、なんだか腑に落ちなかった。
読み終えて、思わず「葉室先生って如水たち好きじゃないのかな?」と首を傾げたくらいだ(出身地を確認してますます混乱したのだが)。
「風渡る」の続編だというのに、肝心の1作目を読んでいなかったせいもあるのかもしれない。
まずはそちらに目を通して、考え直してみたいと思う。
Posted by ブクログ
黒田官兵衛の話と思って読み始めたら、長政が成人後の、黒田如水キリシタンとしての部分がテーマでした。
如水やガラシャ夫人、織田信長の孫の秀信などを取り上げた短編集のような作りで、今までとは違った視点でこの時代を考えることが出来た。
Posted by ブクログ
黒田官兵衛の人生を、キリシタンとしての側面にスポットを当てて描いた小説。彼がキリシタンのための国家をつくろうと策を巡らせたという斬新な解釈が面白かった。
着想は面白いけれど、メインのテーマがキリシタンなので、キリシタンを守るために官兵衛がどう寄与したかというふうに読め、官兵衛の活躍メインで読みたい場合には肩透かしかもしれない。
Posted by ブクログ
妙に若者向けで写実性がない表紙の絵は気に入らなかったけど、お話の内容は「ほぅ~」って感じの官兵衛さん小説です。
秀吉さんが壊れて朝鮮出兵をするあたりからお話は始まるんだけど、官兵衛さんが如水さんとしてキリスト教を信仰していた部分に物語の焦点が当てられていました。
織田信長さんを本能寺の変で殺害した黒幕は官兵衛さんだったとかね。
歴史はいろんな説があって当たりまえなので、こういう説を小説で楽しむのもオツなものだと思いました。
Posted by ブクログ
キリシタン「黒田官兵衛」は、キリシタンを弾圧する秀吉を討つ謀略のために文禄の役で朝鮮に渡る。そして、伴天連の王国を造るべく関ヶ原の戦いで九州で挙兵。異国の風を受け、夢を追う男のキリシタン側から見た戦国。
筋に少々無理があるが、関ヶ原で従来の豊臣恩顧、反石田、徳川側という単純な構図だけでなく、キリシタン勢力をどう取り込むかという着想はなるほど有り得る。
Posted by ブクログ
葉室さんは「蜩の記」を最初に読んだから本作は戸惑うばかりでした。トンデモ設定満載の異説関ヶ原なんですね。写実的で静かな時代小説を書く人だと思ってました。まぁ方向転換して正解ではないでしょうか。
Posted by ブクログ
黒田官兵衛の話だが、官兵衛が登場するのは全体の半分くらい。
関ヶ原以外見せどころがないのも残念。
どっちかというとガラシャと織田秀信主体のキリシタンの題目にした方が合っている感じ。