葉室麟のレビュー一覧

  • 影ぞ恋しき 下

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    ネタバレ

    著者最後の作品だったのだな…
    葉室先生の作品は、難しさがちょうどいいくらいで好きなのです
    ちょっと背伸びして読む感じ
    この辺りの事情をもっと分かったうえで読みたいと思わせる作風

    夫と認めなかった結婚当初から
    どんどん深まっていく夫婦の絆
    ラスト、清武とすれ違う場面
    こういうのが好きなんです

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    2026年10月05日
  • 柚子の花咲く

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    舞台は瀬戸内の日坂藩と鵜ノ島藩。
    両藩には干拓地を巡る境界線に問題の火種があり、政治的紛争が続いていた。
    鵜ノ島藩老中家老である永井兵部の三男・清助は、腹違いの息子ということが原因なのか自暴自棄なのか、放蕩息子となってしまう。
    あまりの放蕩ぶりに永井家を勘当された後、自分を変える人生修行を経て姓名を永井清助を梶与五郎に改め、隣の日坂藩で郷学と呼ばれる村塾の教師となる程に変身する。
    郷学では身分の分け隔てなく、武士、町人、農民が一緒に勉強する場であり、与五郎は勉学のみならず、子供たちには身分に捉われず、友情を分かち合える人に育つ教育を心掛け、子供たちからも慕われていた。
    その与五郎が両藩の政治紛争に巻き込まれ、出身地の鵜ノ島藩で一太刀で斬られ、無惨な遺体となって発見された。

    子供の頃に与五郎から教えを受けた日坂藩士の筒井恭平、穴見孫六は共に22歳に成長し、与五郎が何故に斬られて死に至ったのか、その真相を探ろうと決意する。
    まずは村塾では頭脳明晰だった穴見孫六が隣の鵜ノ島藩に入り、与五郎惨殺の真相を探るのだが、何者かに斬られてしまう。
    幼少の頃からの親友の不審死に、筒井恭平は命を賭けての真相究明に臨むのだが、鵜ノ島藩の隠された人間関係と士族の出世争いが絡み、それが原因で与五郎と孫六が消されたところまでは恭平は掴むのだが⋯。

    かなりヒヤヒヤする場面が続く時代物サスペンスが展開するのだが、物語の根底には子供の頃に与五郎から学んだ教え子たちの絆があり、見事に事件の解決に寄与するという内容だった。

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    2026年09月19日
  • 孤篷のひと

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    茶の湯を通じての歴史小説
    どこまでが実話でどの部分が創作なのだろう
    作者の知識の深さと広さに感銘した

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    2026年08月31日
  • さわらびの譜

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    扇野藩の重臣有川家の将左衛門は弓術の日置流雪荷派を率いている。息子はなく、後継として娘の伊也が稽古をしていた。
    藩随一の使い手で大和流の樋口清四郎と弓術奉納試合のおり、伊也は清四郎に惹かれていく。
    妹の初音に清四郎との縁談がきたが、伊也とのあらぬ噂がでで、清四郎の汚名をはらすべく、二人は立ち会う事になる。

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    2026年08月31日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    主人公河上彦斎のことを全く知らなかった
    彦斎を「げんさい」と読むことはもちろん知らなかった
    こんな一途な人間がいたとは
    自分の行動を決めるにあたっての神へのお伺いは真実なのか作者の創作なのか

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    2026年08月26日
  • 決戦!関ヶ原

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    怪僧恵瓊・安芸武田家を滅ぼした毛利家に復讐するために蜘蛛の巣の様に罠を張り巡らす。吉川広家は徳川家と内通し毛利家をなんとか戦闘に参加させない様に画策する。主君輝元は天下人の器も無いのに中途半端な欲に目が眩む

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    2026年08月13日
  • 恋しぐれ

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    与謝蕪村、円山応挙、呉春といった有名人本人やその周囲の人々を恋愛という視点から語る短編集。
    しっとりした味わいではあるけれど、葉室作品としては何か物足りない。

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    2026年07月26日
  • 千鳥舞う

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    物語の舞台は、活気あふれる湊町・博多。主人公の里緒は、若き女絵師。彼女は、博多の豪商・亀屋藤兵衛の依頼を受け、博多の美しい風景や名所を織り込んだ「博多八景」の屏風絵の制作に取り組むことになる。博多八景を描こうと巡り歩いた景勝地で出会ったのは様々な哀しみ。そして、彼女自身もまた、江戸へ旅立ったままの恋人への切ない想いを胸に秘めていた。絵筆を通して人々の人生に触れ、自身の恋心と向き合っていく八景の屏風絵の先に見えたものは。。。。絵筆を通して人々の人生に触れ、自身の恋心と向き合っていく里緒の姿を描いた、静謐で涙を誘う連作集。旅にはもってこいの作品ですよ~

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    2026年07月25日
  • 散り椿

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    上役の不正を告発し、藩を追われていた主人公が、妻からの遺言を守るために藩に戻ってくる話です。
    昔、同じ道場で切磋琢磨した4人の幼馴染みとの関係や、最後の決戦まで読む手を止めずに一気に読み切りました。
    少し立場のわかりづらさを感じてしまいましたが、それでも楽しく読むことができました。

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    2026年06月03日
  • 決戦!大坂城

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    冬、夏の大坂の陣をテーマにしたアンソロジーですが、主要人物の個性に独自の解釈を加えて史実の裏側を想像している幾つかの作品はそれなりに面白かったものの、それ以外はただ奇を衒った仕掛けを放り込んだだけで小説としての質は全く物足りず、前作と比べてかなり残念な一冊でした。

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    2026年05月22日
  • 月神

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    前半は幕末、尊王攘夷派の話。後半は維新後、監獄を作った男の話。後半はアイヌが絡む。このアイヌが印象的だった。

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    2026年05月22日
  • 日本人の肖像

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    葉室氏の作品では“無双の花”という、めっちゃ強い戦国武将の立花宗茂が主役の本を読んだ。本作は葉室氏と各歴史学者他との対談本。個人的には福田千鶴教授と語られた豊臣秀頼、淀君に関する内容が面白かった。葉室氏の作風(少し堅い感じ…)を思い出しつつ、他の作品(散り椿、はだれ雪)も読んでみようと思う

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    2026年05月11日
  • 螢草

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    主人公・菜々がスーパーウーマン過ぎる!
    主の子供たちを立派な跡継ぎに育てるため、大八車をひいて野菜を売り、父の仇、主を陥れた男に御前試合を申し込み、見事に目的を果たす。
    ちょっとやり過ぎなんじゃないの〜?と思ってしまうが、菜々の行動力に周囲が巻き込まれていくのが楽しい。

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    2026年04月20日
  • 名こそ惜しめよ 歴史小説アンソロジー

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    北条政子を軸に日の本のひとつの時代が歴史小説として五人の作家によって描かれる

    源平のとき、御所と鎌倉の確執、
    武士という生き方、女として生きる道……

    そして時は流れ去る

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    2026年02月16日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    河上彦斎の話

    四カ国連合艦隊との戦に敗れ、幕府の征討が始まり、まさしく四面楚歌の長州がなおも復活の兆しを見せているのは、高杉晋作と大村益次郎という戦の天才をふたり擁しているからにほかならない。
    (それに比べて、わが剣になすべきことはあるのか)
    彦斎の胸に肥後を出て以来、初めての疑念が生まれた。彦斎がいかに精妙な剣を振るおうとも、戦を決するのは将たる者の器量だと思えば、白刃を振るう自分が将棋の駒のひとつにしか思えなくなる。

    戦は性能が勝る武器を手にする者が勝つ。大村益次郎はそう考える。義も不義も考えず、ただ、理があるかないかだ

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    2026年02月13日
  • 影ぞ恋しき 上

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    三部作の第1作目の上巻と思って読んだ
    上巻を読み終え、影ぞ恋しきが完結編であることに気がついた
    どうしようか迷ったが、下巻を読もうと思う
    江戸時代の大事件のその後なのかな
    ということは三部作は大事件の前後かな?

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    2026年01月28日
  • 霖雨

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    豊後日田で私塾咸宜園を主催する広瀬淡窓。
    家業を継いだ弟久兵衛。

    粛々と画期的な教育方針を打ち出す淡窓、次男でありながらも家業を継ぎ商人として邁進する久兵衛。
    その二人へ重箱の隅をつつくような嫌がらせをする郡代。

    そんな最中、天保の大飢饉や大塩平八郎の乱が起き、様々な権力闘争の弊害が生じる。

    時代のうなりの中でも、慎ましくも着実に清貧に堅実に生きてゆく。美徳な一冊でした。

    しかし、どの時代でも圧政者がいて、民が苦しむ、一揆が起きる、革命が起きる、歴史は何度となく同じことを繰り返すのだが。

    SNS時代で成功した革命はジャスミン革命くらいだったろうか。令和の世にもそのような日が来るのだろうか。

    静かな一冊でした。

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    2026年01月05日
  • 散り椿

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    ネタバレ

    采女がもう少し漢だったらなぁ
    名前に似て女々しいのが気になってしまい、感想となるとそこが際立って出てしまう。
    この時代の空気感は好きですが、陰謀にまかれて死んでしまう漢たちは毎回読んでて悲しい

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    2025年12月28日
  • 乾山晩愁

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    名前と作品はある程度概知のものだが、もう少しその知識に肉付けしたいと常々思っているので、こういう作品はありがたい。
    勿論フィクションも踏まえてではある。
    江戸の絵師が色々出てくる短編集なので、軽いアプローチとしてお勧め。
    その中で気に入った絵師を深掘りすればよいと思う。
    私は清原雪信の話が好き。
    「納涼図」の久隅守景の娘ということが知れたことも収穫!

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    2025年12月28日
  • 嵯峨野花譜

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    主人公の成長を感じさせる、花を描く小品10作
    人の成長をこれほど上手く描ける作者は素晴らしい
    それとともに、作品から花が目の前に浮かんでくる

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    2025年12月27日