葉室麟のレビュー一覧

  • 柚子の花咲く

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    本当のその人の値打ち、そういうものが後から立ち現れてくる。葉室さんの物語はそういう清々しい人物が理不尽なことになる。まあ今回もそうなんだけど、、恭平の粘りで良かった良かった。

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    2010年07月03日
  • 乾山晩愁

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    室町から元禄にかけて実在した絵師達を取り上げた短編集。表題作を読むと表紙の「花籠図」がまた違って見えてきます。文化と歴史上のできごとをうまく重ねた物語は人間としての絵師を親しみやすく感じさせ、光琳と赤穂浪士の関係についての新たな考察も興味深く読みました。一冊通して読んだときの、ぐるりと巡る構成も面白い。またそれぞれの短編に「絵師とは、芸術とは」を表す力強い一文が入っていて、何回か繰り返し噛み締めて読みました。あとがきの「(光と影だけでなく)光の周りの、光を支えている存在」、そこに目を留める著者の温かさが伝わってくるような一冊でした。

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    2010年01月10日
  • 乾山晩愁

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    実力派の歴史短篇です。
    やや説明にくどさを感じますが、しっかりした構成と人物造形で読ませます。絵師の物語とはいえ、絵がそのものより、権力抗争や恋が主題に描かれています。
    葉室さんは「乾山晩愁」がデビュー作だそうですが、後に行くほど硬さが取れた感じで読みやすくなっていきます。
    読みながら、何となく作品の感じが似てるなと、白石一郎さんを思い出しました。。白石さんは古川薫氏、滝口康彦氏と九州三人衆と呼ばれ、中央文壇に巻き込まれず、九州の地から歴史・時代小説を発表し続けた人(白石一文・白石文郎さんの父親)。葉室さんも九州だそうで、どこかに繋がりが有るのかもしれません。

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    2016年08月05日
  • 影ぞ恋しき 上

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    三部作の第1作目の上巻と思って読んだ
    上巻を読み終え、影ぞ恋しきが完結編であることに気がついた
    どうしようか迷ったが、下巻を読もうと思う
    江戸時代の大事件のその後なのかな
    ということは三部作は大事件の前後かな?

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    2026年01月28日
  • 霖雨

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    豊後日田で私塾咸宜園を主催する広瀬淡窓。
    家業を継いだ弟久兵衛。

    粛々と画期的な教育方針を打ち出す淡窓、次男でありながらも家業を継ぎ商人として邁進する久兵衛。
    その二人へ重箱の隅をつつくような嫌がらせをする郡代。

    そんな最中、天保の大飢饉や大塩平八郎の乱が起き、様々な権力闘争の弊害が生じる。

    時代のうなりの中でも、慎ましくも着実に清貧に堅実に生きてゆく。美徳な一冊でした。

    しかし、どの時代でも圧政者がいて、民が苦しむ、一揆が起きる、革命が起きる、歴史は何度となく同じことを繰り返すのだが。

    SNS時代で成功した革命はジャスミン革命くらいだったろうか。令和の世にもそのような日が来るのだ

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    2026年01月05日
  • 散り椿

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    ネタバレ

    采女がもう少し漢だったらなぁ
    名前に似て女々しいのが気になってしまい、感想となるとそこが際立って出てしまう。
    この時代の空気感は好きですが、陰謀にまかれて死んでしまう漢たちは毎回読んでて悲しい

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    2025年12月28日
  • 乾山晩愁

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    名前と作品はある程度概知のものだが、もう少しその知識に肉付けしたいと常々思っているので、こういう作品はありがたい。
    勿論フィクションも踏まえてではある。
    江戸の絵師が色々出てくる短編集なので、軽いアプローチとしてお勧め。
    その中で気に入った絵師を深掘りすればよいと思う。
    私は清原雪信の話が好き。
    「納涼図」の久隅守景の娘ということが知れたことも収穫!

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    2025年12月28日
  • 嵯峨野花譜

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    主人公の成長を感じさせる、花を描く小品10作
    人の成長をこれほど上手く描ける作者は素晴らしい
    それとともに、作品から花が目の前に浮かんでくる

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    2025年12月27日
  • 天の光

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    仏について多くの事を学ばせてもらった
    どの作品を読んでも葉村麟という作家に驚かされる
    伊藤小左衛門は実在することは読後知った
    人の心についてもあらためて考える機会になった

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    2025年12月24日
  • 暁天の星

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    葉室麟が最後に書きたかった未完の作品。
    近代日本が歩き出すにあたり、不平等条約の改正に力を注いだ陸奥宗光を描いている。
    坂本龍馬に学び、その志を継いだ陸奥宗光。魅力的な人であるだけに、最後まで読みたかった。

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    2025年12月13日
  • 実朝の首

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    私には難易度が高い作品
    鎌倉時代の人の名前、派閥、皇族等複雑に入り組んで理解できないまま読み進めた箇所が相当あったと思う
    作者の知識、調査力はこの作品でも感銘した

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    2025年10月29日
  • 乾山晩愁

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    表題の乾山晩愁を含め5作て絵師を描いている
    作者の歴史観や卓越した調査力には驚かされる
    江戸時代以前の絵師の作品を含めた生き方をこのように描ききるとは

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    2025年10月06日
  • 冬姫

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    冬姫の芯が通っていて、凛とした佇まいが美しいと感じました。

    女性には男性とはまた違った「女いくさ」があり、そちらの戦も重要な役割を果たしていたのだと知りました。

    この時代は常に緊張感のある厳しい時代だったということもわかりました。

    今まで歴史小説はほとんど読んだことがなく、歴史にはあまり関心のない方でしたが、本書を読んで、歴史小説も面白いんだなと思いました。

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    2025年08月28日
  • 風かおる

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    ひとの心には時として魔が入り込む
    先に潮騒かおるを読んでしまったので、後追いでこの作品を読んだ
    時代物の推理小説
    最後の最後でなるほどと思ったとともに、人の心は自分も含めて隙間があると再認識させられた

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    2025年08月28日
  • オランダ宿の娘

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    作者は史実を使い、このような小説を描き上げたことに驚きを隠せない
    登場人物も実在と架空の人物
    このような描き方に感銘だ

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    2025年08月20日
  • 潮鳴り

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    ネタバレ

    どん底から這い上がり悪を成敗する。わかりやすく読みやすかった。とんとん拍子に味方が増えていくのが出来すぎてると感じだけど逆に安心感があり、多くの口コミで見る通りエンタメとして楽しめた。
    作中何度もでてくる「落ちてしまった花をもう一度咲かせることができるのか」の問いを通して主人公伊吹櫂蔵の再生までが描かれているが、解説にある通り
    「誰かのために生き直そうすることが自らの再生になる」。人は人によって生かされてる。

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    2025年08月02日
  • あおなり道場始末

    購入済み

    中程度の面白さ

    単純なストリで短時間に読み終えたが期待外れ。

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    2025年07月22日
  • 月神

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    この作品を読み始めすぐに頭をよぎったのは吉村昭著「赤い人」
    視点は違うけど、舞台は同じ
    幕末の騒乱も含め読み応えがあった

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    2025年07月20日
  • 実朝の首

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     『金槐和歌集』のネーミングってそういう由来だったのか……。高校の頃、日本史で妙に印象に残って名前だけずっと覚えてたけど、今更知る事もけっこうある。




     鎌倉幕府三代将軍源実朝の暗殺から物語は幕を開ける。実行犯である公暁は討たれるが、実朝の首の行方が分からなくなってしまう。
     軈て実朝の首を巡って北条、三浦、源氏、和田の残党、果ては京の後鳥羽上皇らの利害が複雑に絡み合い、鎌倉は血で血を洗う陰謀の府と化す。

     自分が気に入っているのは、実朝のキャラクター像である。開幕早々に死亡する実朝だが、読み進めるにつれ理世撫民を旨とした優しき将軍の姿が鮮明になっていく。単なる舞台装置ではなく、死して

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    2025年05月06日
  • 秋月記

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     福岡藩の支藩を舞台に繰り広げられる藩内政争。流罪を言い渡され、晩節を汚す憂き目に遭って尚も泰然とする余楽斎の過去を描く。

     「私は逃げなかっただろうか」

     終盤の此の台詞が沁みる。今まさに落魄の最中にある人間を描いているとは思えぬほど清澄な余韻を残して物語は幕を閉じる。武士の誇りと云うものがあるのなら、本作の結末は、其の誇りの一つの有り得可き形なのだろう。

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    2025年05月05日