葉室麟のレビュー一覧
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時代小説です。
江戸時代、藩には藩校という学校があった。
とはいえ、予算の関係などで、数は少ない。
村塾で15歳までは学ぶ。
「桃栗三年、柿八年、柚は九年で花が咲く、梨の大馬鹿十八年」というのが口癖だった恩師。
日坂藩の青葉堂村塾で、子供の頃に、筒井恭平は、梶与五郎という先生に習っていた。
ふだんは川で一緒に釣りをしたり、よく遊べといわんばかりのお気楽な先生だったが、藩校へ上がる段になって、みっちり仕込んでくれて、春の試験で8番となる。
群方となった恭平は、恩師の予想外の死を知らされる。
人妻を伴っていたため、その夫に女敵討ちになったというのだ。
折しも、洪水で川の流れが変わり、隣の藩との境界 -
Posted by ブクログ
実力派の歴史短篇です。
やや説明にくどさを感じますが、しっかりした構成と人物造形で読ませます。絵師の物語とはいえ、絵がそのものより、権力抗争や恋が主題に描かれています。
葉室さんは「乾山晩愁」がデビュー作だそうですが、後に行くほど硬さが取れた感じで読みやすくなっていきます。
読みながら、何となく作品の感じが似てるなと、白石一郎さんを思い出しました。。白石さんは古川薫氏、滝口康彦氏と九州三人衆と呼ばれ、中央文壇に巻き込まれず、九州の地から歴史・時代小説を発表し続けた人(白石一文・白石文郎さんの父親)。葉室さんも九州だそうで、どこかに繋がりが有るのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
豊後日田で私塾咸宜園を主催する広瀬淡窓。
家業を継いだ弟久兵衛。
粛々と画期的な教育方針を打ち出す淡窓、次男でありながらも家業を継ぎ商人として邁進する久兵衛。
その二人へ重箱の隅をつつくような嫌がらせをする郡代。
そんな最中、天保の大飢饉や大塩平八郎の乱が起き、様々な権力闘争の弊害が生じる。
時代のうなりの中でも、慎ましくも着実に清貧に堅実に生きてゆく。美徳な一冊でした。
しかし、どの時代でも圧政者がいて、民が苦しむ、一揆が起きる、革命が起きる、歴史は何度となく同じことを繰り返すのだが。
SNS時代で成功した革命はジャスミン革命くらいだったろうか。令和の世にもそのような日が来るのだ