葉室麟のレビュー一覧

  • この君なくば

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    幕末の激動のなかを生きる武家の譲と、檜垣鉄斎の娘栞の恋愛小説。とはいえメインはどちらかというと、幕末の読めぬ時勢と栞の強さか。今作は架空の人物も多いようで、設定もどこまで史実に基づいているのかわからないが、面白かった。
    幕末はあまり詳しくないのだが、日本が大きく変わった時代。まさに国造り。国の形を作っていくのは、大変だが、ものすごく面白い仕事だったろうな。

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    2018年09月10日
  • 風かおる

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    妻敵討ちの旅から帰ってきた佐十郎は、余命幾ばくもない身で、真の敵に決闘を挑もうとする。若き優秀な4人に若者たちが、どうして不幸な運命に巻き込まれてしまったのか。
    妬み、イジメが、もたらすもの。ほんのすこしの勇気、きっかけ、新たな風が吹けば、運命は変わったのかもしれない。

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    2018年06月15日
  • 決戦!本能寺

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    ついつい読んでしまうシリーズだ。
    最初の感動程はないがやはり面白い。

    一つの戦いに関わる人物達を別々の作家が書いている為に、事柄や登場する人物の捉え方がこの1冊の本の中でも全く異なってくる。
    本当はどうだったのだろうかが分からなくなるシリーズだ(笑)。

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    2018年06月09日
  • 決戦!大坂城

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    このシリーズは間違いがないと思う。
    例えばこの「決戦! 大阪城」で言えば、秀頼、淀殿、真田信繁は知っていてもその他については全くと言っていいほど知らなかった。何万人もの人々がこの戦いに絡んでおり、その何万人ものストーリーがあるのだとも思った。
    一般的の史実を分かっているとフィクションの部分も楽しめて面白みも感じる。

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    2018年05月15日
  • 河のほとりで

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    作年12月に亡くなった葉室麟さんの二冊目の随筆集(一冊目は「柚子は九年で」)。
    西日本新聞に連載された随筆の数々からは、彼の作品執筆に対する裏側が読み取れていいし、「書物の樹海へ」と題した項目で取り上げられた数々の本に寄せた解説文も素晴らしい。
    ただ、「日々雑感」としてまとめられた中にある「健康への出発」は、亡くなる5か月ほど前に書かれたものだけに切ない…。
    それだけ自覚していたのなら、もっと早く実行に移していればいいのに、との思いを禁じえない。
    ※「書物の樹海へ」で取り上げられた作品…
    早乙女貢「奇兵隊の叛乱」山本兼一「おれは清麿」「修羅走る関ヶ原」青山文平「伊賀の残光」安部龍太郎「レオン氏

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    2018年05月04日
  • 緋の天空

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    聖武天皇の皇后、光明子の話。長屋王の変を中心に大仏建立までの奈良時代を、藤原不比等の娘がどうやって生き抜いたか。ひとりの女性の成長譚。葉室麟のなかでは異質な話だったが面白かった。

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    2018年04月09日
  • 乾山晩愁

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    尾形乾山のことを調べていたら、辿り着いた小説。
    乾山だけではなく、江戸時代の絵師を題材にした五編からなる本書は、読みながら江戸時代にタイムスリップしたような感じをひしひしと感じる臨場感がたまらない。

    狩野派や土佐派などをはじめ、名前は聞いたことがあっても、長い江戸時代においてその関係性は意外と知らないことが多い。こういう物語形式で展開されると相関関係がわかりやすくていい。

    直木賞作家だった葉室さんという初めて知った作家。。。これからの作品も過去の作品ももう少し読んでみたいなと思わせる異才!

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    2018年04月04日
  • 山桜記

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    戦国時代から江戸時代初期にかけての女性、特に「妻」の姿・生き方を描いた短編7作。
    仙台藩から柳川藩に嫁いだ鍋姫の目を通して伊達騒動を扱った『牡丹咲くころ』が、特に印象深い。
    伊達騒動については、従来悪役とされていた原田甲斐を主人公に、深謀遠慮で仙台藩を守った忠義の人とした山本周五郎の『樅の木は残った』が有名である。
    葉室麟は、鍋姫と原田甲斐とのほのかな交情を描きながら、姫の婚姻も仙台藩を守るための、甲斐の画策によるものだとしている。
    他の作も含めて、どこまでが史実で、どこからが著者の構想によるものかは、判別しがたいが、いずれにしても人の心の美しさ・真情を想起させてくれる物語となっている。

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    2018年03月31日
  • 恋しぐれ

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    江戸中期、京都に住む俳人の与謝蕪村を中心とした短編集。
    蕪村は芸者の小糸に老いらくの恋をするが、門人に反対され別れさせられるところから、最後はやはり小糸に終わる。
    全篇が恋の話で、所々に蕪村の読んだ句が挟まれたつくりになっている。
    現代では芸者という職業がどうの不倫がどうのとやかましいのだろうが、それはそれ。
    当時の京都の住民の人情話を読んだ、みたいな感覚。
    「牡丹散る」で見せた円山応挙の男ぶりがッコイイ。ラストの「梅の影」もよかった。

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    2018年02月26日
  • さわらびの譜

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    有川家長女伊也の真っ直ぐな生き方に最初は災いを大きくし浅慮だと思ったが、後半になると段々その生き方に感動する。
    ただ、全体的には、次席家老渡辺兵部や三浦靱負が画策する策略も淡白なものばかりで、少し深みがないように感じた。

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    2026年01月17日
  • 陽炎の門

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    ライバルでもある友を切腹に導いたことで、桐谷主水が若くして藩の執政の要職に就く。更にその友の娘を嫁にとり、息子には父の仇討ちとして申入れを受ける。私だったら、複雑なこの人間関係に耐えられないと思うが、主水はそれを逆手取って窮地を脱する。また、謎の早瀬与十郎が現れるが、主水の味方なのか敵なのかが分からず、ミステリー小説を読んでいるようで楽しむことができた。

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    2026年01月17日
  • 月神

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    月形洗蔵も高杉晋作同様、夜明け前の月が日を先導し明ければ消える月神のような生き方をしたのだと思う。同郷の福岡藩の幕末を初めて知り、薩長同盟をなしたのは土佐藩以上に福岡藩だったことが分かった。狭量な藩主黒田長溥が指揮した乙丑の獄で優秀な志士を失ったことで、幕末維新の歴史に福岡藩志士の名が残せなかったのは残念でならない。

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    2026年01月17日
  • 春雷

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    藩主兼清や筆頭家老、更には藩民皆んなの真の理解を得られない中で、羽根藩の将来を掛けて黒菱沼の干拓を敢行する隼人以下の4人衆は、どんなに虚しく辛いだろう。特に良き理解者であるべき藩主が形だけの名君なのは、タチが悪い。その真の姿をあからさまにするために、命を掛けて藩主に具申意見をする隼人はどんなに悔しかっただろうと思う。

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    2026年01月17日
  • 山桜記

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    これまで読んだ作品は、武士の凛とした生き様を表現したものが大半であったが、今回は取り分け奥方や母方の凛とした生き方に視点が当てられたものだと感じた。視点は違えども読後は爽やかです。

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    2026年01月17日
  • 河のほとりで

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    昨年の12月突然亡くなってしまった、遅咲きの時代小説家でした。「蜩ノ記」で直木賞を受賞したのが、ついこの間のようです。まだまだ、書いて欲しかった作家でした。

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    2018年02月14日
  • 決戦!大坂城

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    寄せ集めてもストーリーにはなりえないのだが、それでも各作家の特徴は良く出ていると思う。
    司馬遼太郎、池波正太郎、松本清張はとても詠みやすいし、安部龍太郎、火坂雅志は短いながらも濃厚。

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    2018年02月11日
  • いのちなりけり

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    直木賞作家の葉室麟さん、惜しい人をなくしました…。この作品のなかでは、たくさんの人が死んでゆき、普段の自分なら少しついていけないと思うかも知れませんでしたが、きっと御本人も命をかけて作品に取り組まれていたのだろうと思います。

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    2018年01月27日
  • いのちなりけり

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    2014.4/30 葉室作品2作目。うーん、徳川綱吉治世の謀略にまみれた話題が、役職と幼名と改名で語られ物覚えの悪い私には非常に読みにくい(;-_-) 話の筋になるプラトニックな男女の愛情が霞むほど。もう少し読みやすいといいのだけど…

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    2018年01月08日
  • 決戦!大坂城

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    うーん、無知な私には人間関係がわかりにくく難しかった。
    こんなにもいろんな解釈が成り立つのかと驚き。
    けれども、つくづく家康嫌いと思ってしまった。

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    2017年12月20日
  • 秋月記

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    内容(「BOOK」データベースより)

    筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨て石となる決意を固めるが―。絶賛を浴びた時代小説の傑作、待望の文庫化。


    平成29年12月11日~19日

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    2017年12月19日