葉室麟のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦国時代から江戸時代初期にかけての女性、特に「妻」の姿・生き方を描いた短編7作。
仙台藩から柳川藩に嫁いだ鍋姫の目を通して伊達騒動を扱った『牡丹咲くころ』が、特に印象深い。
伊達騒動については、従来悪役とされていた原田甲斐を主人公に、深謀遠慮で仙台藩を守った忠義の人とした山本周五郎の『樅の木は残った』が有名である。
葉室麟は、鍋姫と原田甲斐とのほのかな交情を描きながら、姫の婚姻も仙台藩を守るための、甲斐の画策によるものだとしている。
他の作も含めて、どこまでが史実で、どこからが著者の構想によるものかは、判別しがたいが、いずれにしても人の心の美しさ・真情を想起させてくれる物語となっている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ葉室麟の随想集。
日経新聞のリレーコラムは読んでいる時も思ったが、小説の清廉なイメージより、少し柔らかい文体でエッセイを書くんやなぁと、この本を読んでも改めて思った。
葉室さん自身も行っているので失礼を承知で書くが、彼の魅力は遅咲きの花であるところ。小説家一筋何十年って人の作品もいいものだが、葉室作品は小説家になる前の経験なり思索なりが積み重なって磨かれたものなんだと、この随想集を読んで分かった気がする。
年齢だけは半世紀を経ようとしている俺、折り返しを過ぎてしまって、残りの人生はこれまでより短いものになるはずだが、その場で出来ることを着実やっていく、そういう生き方を指南されたような気がした。
そうそう、藤沢周平、北重人作品もフォローしておこう。