葉室麟のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全1巻。
与謝蕪村というか、
与謝蕪村周辺の文学サロンの恋模様を
連作短編集のかたちで描いた作品。
歌を効果的に使用する手法を得意とする著者にとって、
俳人・与謝蕪村周辺を描く今作は、
面目躍如な感がある。
が。
これは読む人や、
読むタイミングを選ぶ本だと思った。
特に盛り上がりもなく、
淡々と、淡く静かに描写しているだけなので、
ぐっと引きつける部分もなく、
特に歌の知識がない自分みたいな人間には
ただ上辺をなぞるような読み方しか出来なかった。
与謝蕪村が題材なため、
いつもより、より歌が前面に出てきており、
結果、文学チックな装いだし。
歌に興味が有る人、文学的な恋が好きな人
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Posted by ブクログ
ネタバレ司馬遼太郎の「播磨灘物語」の黒田官兵衛とはいささか様相が異なり、キリシタンとしての黒田官兵衛とジョアンという2世の宣教師が主人公。
戦国期のキリスト教の苦難の裏面史という面では良く書けているが、「本能寺の変」は竹中半兵衛の意志を継いだ黒田官兵衛が仕掛けた設定で、かつその後の関ヶ原の戦いも官兵衛の仕掛けによるとあっては、歴史小説としては、いささか無理があり、白けてしまう。
黒田官兵衛とジョアンとの関係にしても、ところどころでの接点はあるが、上手く噛み合っていない感じがする。
「乾山晩秋」「いのちなりけり」「花や散るらん」「銀漢の賦」「秋月記」「蜩ノ記」など史実から距離をおき、自由な構成で心情 -
Posted by ブクログ
見知った土地で起きた昔の出来事を知ることができたのがとても良かった。誰がどう腹の中で考えて動いているかと言うものはなかなか分からないもの、でも命を賭しても今の政治を変えようと思う気持ちで動く人々は、諦めが蔓延した今とは違ってキラキラしてるな。
子どもの頃からの仲間たちが時代に翻弄され大人になり立場の違いからギクシャクしながらも変わらぬ友情で・・・っていうところは好きだけれど、そして確かにわくわくしたけどその一番の盛り上がりのシーンがあんまりにもありきたり過ぎて、とはいえそこが盛り上がりがあっただけに物語の終息が、小四郎一人の話だけになってしまったのが何とも物足りなく。
小四郎の最後の頃のほかの -
Posted by ブクログ
黒田官兵衛を主人公にした長編には、司馬遼太郎の「播磨灘物語」があるが、葉室氏のこの作品は、虚構の主人公ジョアンを絡ませ、キリシタンにして智謀の軍師、黒田官兵衛の活躍を違った視点から描いており、興味深く読んだ。読み始めは、取り付きにくかったが、読み進むにつれ物語に引き込まれていった。「本能寺の変」の黒幕には、諸説あるが、葉室氏は、官兵衛黒幕説を採る。そして、さらにその後ろに、半兵衛を介した秀吉を見据えている。戦国末期から、信長、光秀、秀吉、そして家康へとたどる歴史には、様々な形で、キリスト教および宣教師が、時代の流れに関わっていることが読み取れる。