葉室麟のレビュー一覧

  • 柚子の花咲く

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    村塾の恩師が殺された。
    死にまつわる悪い噂を信じられない恭平は
    死の謎を追って、藩の抗争に巻き込まれていく。

    登場人物にすごい魅力を感じるわけではないのに
    一気に読めるのは何故だろう。。。
    人を想う気持ちとか、自分勝手な振る舞い、
    思うようにはならない事情とかが惹きつけるんだろうな。

    「桃栗三年、柿八年、柚子は九年で花が咲く」

    武士ものならではの心温まる感じが良かった。

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    2013年09月10日
  • 恋しぐれ

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    全1巻。
    与謝蕪村というか、
    与謝蕪村周辺の文学サロンの恋模様を
    連作短編集のかたちで描いた作品。

    歌を効果的に使用する手法を得意とする著者にとって、
    俳人・与謝蕪村周辺を描く今作は、
    面目躍如な感がある。

    が。
    これは読む人や、
    読むタイミングを選ぶ本だと思った。

    特に盛り上がりもなく、
    淡々と、淡く静かに描写しているだけなので、
    ぐっと引きつける部分もなく、
    特に歌の知識がない自分みたいな人間には
    ただ上辺をなぞるような読み方しか出来なかった。

    与謝蕪村が題材なため、
    いつもより、より歌が前面に出てきており、
    結果、文学チックな装いだし。

    歌に興味が有る人、文学的な恋が好きな人

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    2014年09月03日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    キリシタン「黒田官兵衛」は、キリシタンを弾圧する秀吉を討つ謀略のために文禄の役で朝鮮に渡る。そして、伴天連の王国を造るべく関ヶ原の戦いで九州で挙兵。異国の風を受け、夢を追う男のキリシタン側から見た戦国。
    筋に少々無理があるが、関ヶ原で従来の豊臣恩顧、反石田、徳川側という単純な構図だけでなく、キリシタン勢力をどう取り込むかという着想はなるほど有り得る。

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    2013年08月28日
  • 風渡る

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    ネタバレ

    司馬遼太郎の「播磨灘物語」の黒田官兵衛とはいささか様相が異なり、キリシタンとしての黒田官兵衛とジョアンという2世の宣教師が主人公。

    戦国期のキリスト教の苦難の裏面史という面では良く書けているが、「本能寺の変」は竹中半兵衛の意志を継いだ黒田官兵衛が仕掛けた設定で、かつその後の関ヶ原の戦いも官兵衛の仕掛けによるとあっては、歴史小説としては、いささか無理があり、白けてしまう。
    黒田官兵衛とジョアンとの関係にしても、ところどころでの接点はあるが、上手く噛み合っていない感じがする。

    「乾山晩秋」「いのちなりけり」「花や散るらん」「銀漢の賦」「秋月記」「蜩ノ記」など史実から距離をおき、自由な構成で心情

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    2013年08月26日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    葉室さんは「蜩の記」を最初に読んだから本作は戸惑うばかりでした。トンデモ設定満載の異説関ヶ原なんですね。写実的で静かな時代小説を書く人だと思ってました。まぁ方向転換して正解ではないでしょうか。

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    2013年08月02日
  • いのちなりけり

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    清廉な印象のお話、好きな感じです。それにしても水戸光圀が、テレビの黄門様のイメージを超えていました(いや、このお話は光圀は主人公ではありませんが!)冲方丁の光圀本も読んで見たくなったり。

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    2013年07月25日
  • 秋月記

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    時代小説好きにはたまらないと思う。さらに、どちらかと言えば男性向けかなぁ。

    藩のために捨て石になり、憎まれ役を引き受け…そんな男の生き方。

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    2013年07月03日
  • 乾山晩愁

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    尾形光琳の弟、乾山を主人公にした1編からはじまって、歴代狩野派、長谷川等伯らの物語を勧め、井原西鶴なんかを狂言回しにして、最後に再び初めの作品の時代に戻る。

    その構成は良いし、文章も美しいし、あの歴史的事件を隠れたメインテーマにしてる当たりもすげえし、さすが葉室さんやわぁと感心する短編集なんだが

    いかんせん、なんとも地味。日本画に興味がない俺がアカンのかも知れんけど、もうちょっとこうエンターテイメント性が欲しいなぁ。

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    2013年06月30日
  • 実朝の首

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    葉室は、歴史小説好きに人気が高いと聞く。
    北条ものには、そんなに食傷していないし、確かに面白くて最後まで読ませる。しかし、やや散らかった講談物の印象が否めないし、和田の役割、政子の役割造形も類型的で、他の先達の作品とあまり変わらない印象だ。実朝の首を象徴に京と鎌倉の関係を描いた、というところなのだが、スケールがあまり大きいとは感じられない。

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    2018年10月14日
  • 風渡る

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    黒田官兵衛を主人公に、戦乱の世におけるクリスチャンとしての武将の生き様を描いた作品。史実に則った展開なのだろうが、乱世に生きる人々の葛藤と宗教が織りなす内なる揺らぎが全編にわたって響きドラマを盛り上げる

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    2013年06月09日
  • 風渡る

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     秀吉の懐刀・黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアン。2人は、未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた。居場所を求めて駆け抜けた2人。信長から、キリシタン禁止令の時期を、折々にかかわりあいながら生きてきた2人。お互いの心にあるものを察しながら、時代を体現した黒田官兵衛とジョアンの交歓を、さわやかに描く。

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    2013年06月02日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    官兵衛が活躍する中盤まではおもしろい。
    でも、官兵衛が亡くなった以降、謎が次から次へと明かされていく後半は、若干食傷気味。

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    2013年05月27日
  • 花や散るらん

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    水戸光圀の隠居と赤穂浪士事件の裏側に潜む一つの思惑。朝廷、幕府の暗闘に絡む大奥の権力闘争。「いのちなりけり」よりミステリー要素が強めの作品。

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    2013年05月26日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    黒田官兵衛の話だが、官兵衛が登場するのは全体の半分くらい。
    関ヶ原以外見せどころがないのも残念。
    どっちかというとガラシャと織田秀信主体のキリシタンの題目にした方が合っている感じ。

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    2013年05月02日
  • いのちなりけり

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    良質の大衆小説。
    ただ巻末解説者が吠えるほどの出来ではないんでは?
    別に直木賞を崇め奉る訳ではないが、少々輪郭が弱い感がある。
    良い娯楽小説というのは骨太で分かり易い(決して単純という意味ではない)ストーリーに加えて、その輪郭の鮮明さを併せ持っているものと思うのだが、この作品は特に後者が弱いかな?
    その結果、ストーリー展開が少々脇甘になってる気がする。
    とまぁ少々辛口になりましたが、面白いので一服したい時には悪くないと思う。

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    2013年04月14日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    直木賞作家、葉室麟の初めて読む小説。来年の大河ドラマの主人公でもあり、期待して読んだのだが、少し違うという感じ。何か深みがないのだ。黒田官兵衛の後半生を描いており、魅力があるのは、中国から大返しの辺りだと思うのだが、何故その辺を描かないのかと不思議に思っていたら、解説を読んで漸く理解できた。この小説は続編なのである。最初の小説を読まないと、この小説の魅力はよくわからないのである。こういう失敗は今まで2度している。続編ならば、はっきり続編と分かるタイトルにしてほしいものだ。

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    2013年04月01日
  • 花や散るらん

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     京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。そして二人は良き相棒である片腕の僧、清厳とともに江戸におもむき、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにする事となるのだが。

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    2013年01月04日
  • 秋月記

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    見知った土地で起きた昔の出来事を知ることができたのがとても良かった。誰がどう腹の中で考えて動いているかと言うものはなかなか分からないもの、でも命を賭しても今の政治を変えようと思う気持ちで動く人々は、諦めが蔓延した今とは違ってキラキラしてるな。
    子どもの頃からの仲間たちが時代に翻弄され大人になり立場の違いからギクシャクしながらも変わらぬ友情で・・・っていうところは好きだけれど、そして確かにわくわくしたけどその一番の盛り上がりのシーンがあんまりにもありきたり過ぎて、とはいえそこが盛り上がりがあっただけに物語の終息が、小四郎一人の話だけになってしまったのが何とも物足りなく。
    小四郎の最後の頃のほかの

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    2012年12月12日
  • 秋月記

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    全体を覆う暗いトーンは当方好みであるが、その起因が何となく作家の消化不良にあるような気もしなくはない。
    清濁併せ呑むまでの必然性が上手く提示されていないと思われるが、この作家の限界なのかどうかは次作以降により詳らかになろう。
    (この作品後、直木賞を受賞しているあたり、賞を獲ることが全てではないが、期待は持てるというもの。)

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    2012年12月02日
  • 風渡る

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    黒田官兵衛を主人公にした長編には、司馬遼太郎の「播磨灘物語」があるが、葉室氏のこの作品は、虚構の主人公ジョアンを絡ませ、キリシタンにして智謀の軍師、黒田官兵衛の活躍を違った視点から描いており、興味深く読んだ。読み始めは、取り付きにくかったが、読み進むにつれ物語に引き込まれていった。「本能寺の変」の黒幕には、諸説あるが、葉室氏は、官兵衛黒幕説を採る。そして、さらにその後ろに、半兵衛を介した秀吉を見据えている。戦国末期から、信長、光秀、秀吉、そして家康へとたどる歴史には、様々な形で、キリスト教および宣教師が、時代の流れに関わっていることが読み取れる。

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    2012年09月24日