葉室麟のレビュー一覧

  • 雨と詩人と落花と

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    美しい話ではあるものの、本書は実在の詩人が主人公なだけに普段の作品とは印象が異なります。
    漢詩に対する造詣がだけでなく、当時の文人の価値観を理解するだけの高尚さも持たない自分としては、いつもより心に響くところが弱い作品でした。

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    2025年02月07日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    平安時代、太宰府に突如侵攻してきた女真族たち。彼らとの戦いとそれに至る因果を描く。

    若干回りくどい文章なので途中で飽きる。また、結局何が言いたかったんだっけ?となるが、単なる歴史の事実に色恋の脚色を加えただけなのかも。

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    2025年01月08日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    ネタバレ

    今年の大河ドラマ『光る君』で、刀伊入寇が描かれると知って読んだ。
    前半は花山院との因縁や、中関白家の様子が描かれていた。「なぜ花山院は藤原家に恨みを抱いているのか」「あれほど栄華を極めていた中関白家はなぜ衰退したのか」の原因をふまえながら話が展開したので、分かりやすいと同時に読んでて面白かった。
    それを踏まえた上での刀伊との戦いは、外敵からの侵略を防ぐ戦いであるのと同時に、隆家が背負った因果に決着をつけるものであったので、伏線が次々と回収されていく展開に「おおっ」と感嘆した。

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    2024年12月01日
  • 風渡る

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    風の軍師と順番を逆に読んでしまいましたが、やはり自分は黒田官兵衛という人がどうも好きになれない。
    自らの手を汚さずに言葉巧みに人を操るばかりで、同じ夢を見る仲間を鼓舞するのであればそれでもいいけれど、彼は本心を曖昧にして相手に都合の良い誤解をさせているだけのように感じます。
    普段は頑なまでに真っ直ぐな心を描くことが多いのに、官兵衛に関しては葉室氏も福岡人の贔屓目になっているのかなあ。

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    2024年11月30日
  • 草笛物語

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    「蜩の記」の世代が受け継がれた物語。
    「草笛」は真実の友を呼ぶ。

    信頼しあった仲間の絆を爽やかに描く。
    青春群像劇。

     泣き虫と言われ、それを自分だと思った己の姿からの颯太の成長。

     困難に立ち向かう時に自信が生まれ、自分への信頼も生まれる。

     人の強さは自分への信頼から生まれるものだと思う。
     

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    2024年10月28日
  • 春雷

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     武士とはなんだろう。志とはなんだろう。
    胸に秘めた譲れないものを最期まで貫き主人公は壮絶な死を選ぶ。

     読み終わった後、寂しさが吹き抜けていく。

     人は皆、グレーだ。善と悪の融合物だと思う。

     ただ視点を何処に置くかで生き方は変わる。

     どんなに取り繕うことが上手だったとしても、全ては己の心が知っている。隼人が仕えた主君はお粗末だった。

     その場所でなさねばならねことを全力で果たしたのが隼人という武士なのだろう。

    仁もある、知もある、武もある。なのに何故か大きな運命に翻弄される。

    それが憂いとなり、ダンディズムを感じる。そんな主人公を描くのが、葉室麟さんは得意だと思う。

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    2024年10月20日
  • 実朝の首

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    鎌倉方と朝廷の権力争いに伴う陰謀の数々。
    静謐な武士道が魅力の葉室作品の中では異質ともいえる本書は、名前な似ているので誰が誰だか混乱するし、陰謀と裏切りの応酬は自分の好みではなかった。

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    2024年09月02日
  • 星と龍

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    著者がが急逝したため、いくつかの未完の作品があり、本作もその一つ。
    楠木正成が主人公であるが、安部龍太郎氏によれば、司馬遼太郎を師事する著者は、司馬の『竜馬がゆく』を意識して本書を著したらしい。
    司馬が、幕末志士のなかの一人であった坂本竜龍馬を一大ヒーローに仕立てたように、戦前戦中の皇国史観で崇められたゆえに戦後はほぼ見向きもされなかった楠木正成に焦点を当てようとしたようだ。
    もちろん、皇国史観としての楠木正成ではなく、史実と実証に基づき、その当時あちこちに跋扈していた「悪党」として。
    題名の「星」は後醍醐天皇で、「龍」が楠木正成だとか。
    足利尊氏の伸長や後醍醐天皇の策謀など風雲急を告げて、「

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    2024年08月28日
  • 秋霜

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    羽根藩シリーズ4作目
    「春雷」続編。多聞隼人がなくなってから欅屋敷で暮らす隼人と縁ある人々をなきものにして、藩の存続を守ろうとする兵衛らによって送り込まれる草薙小平太。小平太の生い立ちが誰にも喜ばれるものでないことが辛い。それでも、自身を信じて楓たちを守り抜き、最後に心の拠り所を見つけられたことにほっとした。

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    2024年07月31日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    葉室さんがこんな平安貴族を主題にした作品をかいていたとは。
    朝廷における貴族の権利争いの卑怯さは既に完成系を見せている一方で、武具が進化していないので戦闘はレベルが低い。このアンバランスが後の武家社会との違いないだろうな。
    そんな中で敗者を美しく称える雅の心に日本らしさを定義したところはやはり葉室作品だった。
    ただ、名前が似ているせいか、何故か読むのに時間がかかる一冊だったな。

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    2024年07月26日
  • 星火瞬く

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    シーボルトの息子アレクサンダーの目を通して幕末の対外的、内部的緊張を描いた作品。バクーニンやジョセフ・ヒコなども興味深いが、父シーボルトが時代に取り残され隅に追いやられていく感、しかし本人はそれを今ひとつ認識していないというのがなんとも切なかった。

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    2024年07月05日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    「風渡る」に続く、黒田官兵衛を主人公にした小説の最終章。
    官兵衛、キリシタン、九州をキーワードに、細川ガラシャ、織田秀信、イエズス会の修道士ジョアンが見事に絡み合わせながら、時の権力者とキリスト教と政治を語る。布教、殉教、棄教、そして侵略を戦国時代の視点で浮き彫りさせている。
    官兵衛は何を為したかったのかを考えるヒントになる。

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    2024年07月02日
  • 洛中洛外をゆく

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    葉室麟が語る、自身の作品で取り上げた京都ゆかりの主人公についてと、彼らの生き様を通して見える人生論。
    個人的にちょっと微妙に読み辛かった。
    悪くはないんだけど、構成かな?なんだろ?

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    2024年06月26日
  • 無双の花

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    宗茂の「立花の義」を守り抜いた一生が清々しい。
    そんな印象に巻末の立花家資料館のかたの解説が、一味加えてくれていて面白く読みました。
    柳川への到着には目が潤みました。

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    2024年06月26日
  • 潮鳴り

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    やっぱり葉室麟はいいなぁってなった
    蜩ノ記の刺さり方とはまた少し違う方面で刺さった
    落ちた花がもう一度咲くことへの希望とか、それを皆が望むところとか、自分一人では生きていけないところが結局私たちは人間なんだと思わせてくれる

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    2024年06月26日
  • 春風伝

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    高杉晋作の物語。
    どこまでが史実でどこが創作なのかわかりませんが、この時代を生きた高杉晋作の成し遂げたこと、その想いが伝わってくる物語でした。

    ぶっちゃけ、高杉晋作には幕末の長州藩士、明治維新を牽引した人物というイメージしか持っていませんでした。
    本書を読むことで、その破天荒?な人物像を知りました。
    まさに激動の時代の風雲児だったんですね。

    長州藩だけでなく、日本の行く末を見据えながら戦い続けた人物。
    脱藩したり、投獄されたり、そんな人物が日本を変えていく、やはり、とがった人物が「リボリューション」を実現できるのかと思い至りました。

    上海の活劇(?)や長州征伐での戦闘は引き込まれました。

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    2024年06月23日
  • 秋月記

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    織部崩れの後に小四郎たちも崩れていくさまが政事の流れなのだなあと。読んでて名前を覚えるのに苦労した。

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    2024年06月04日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    北九州に現れた異国の襲撃を撃退した藤原隆家の英雄譚。前半は兄の伊周、叔父の道長、花山法皇などとのエピソードが実際の話に基づいて描かれている。後半は刀伊が攻めてきて迎え討つ。今年の大河ドラマは紫式部を中心とした平安時代中期なので、人間関係が割とスッと入ってきた。それにしても刀伊の入寇は大事件だ。隆家はもっとヒーロー扱いされていい。もっとも隆家はそんなこと望んでいないだろうが。

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    2024年05月14日
  • いのちなりけり

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    ネタバレ

    初めは説明においつけなくてあんまり楽しめてなかったけど、桜狩りの辺りからすごく没入できた
    蔵人がどんな気持ちで走って人を斬ったのか想像するだけでぎゅってなるし、さくやが蔵人のことを想い続けた時間とか鍔の真実に気がついた時とか、ここで待つって言った時のこととか考えるとまたぎゅってなる
    きっと幸せになって欲しい

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    2024年05月09日
  • 随筆集 柚子は九年で

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      大河ドラマ「龍馬伝」では薩長同盟は龍馬の功績のように書かれているが葉室は龍馬一個人で果たせるものではないとしてます。
     郷里の武将 立花宗茂を描いた「無双の花」について。若いときは豊臣秀吉に讃えられていたのが関ヶ原で西軍につき領地家禄も失い浪人になったのが、のち徳川に仕官がかない大名に返り咲いたことをだいざいにしている。葉室は勝者より敗者などに寄り添う視線が読者を惹き付けるのだろう。
     直木賞を受賞してからのこころの構えを書いてますが、まだまだ伝えたいことがあったと思うと急逝して残念でならない。

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    2024年04月14日