【感想・ネタバレ】星火瞬くのレビュー

あらすじ

その男が、幕末を動かした――清河八郎 小栗忠順 勝海舟 高杉晋作 動乱の地で会わなければならなかった日本の「革命家」とは、誰なのか?時代小説の正統派が描く、まったく新しい幕末青春小説。作家・葉室麟がどうしても書きたかった時代、人物、物語がここにある。

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Posted by ブクログ

幕末期の史実の間隙に、作者の想像の翼を大きく羽ばたかせたような作品だ…恐るべき謀略?深く複雑な劇中人物達の思惑の錯綜?少年が大人の男になって行く頃の回想?父を超えようとしていく息子の想い?色々な形容が出来そうな作品だ。読後の“余韻”のようなものも深い作品だ。

新しい文庫本で、未読の方が多いであろうから、物語の仔細には言及しないようにしたいが…劇中のバクーニンが語る“革命”、“自由”、“世界”、“愛”…どれも何か考えさせられたり、ぐっと来るものがある。

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2014年08月22日

Posted by ブクログ

葉室さんによる長崎関連作品の1つかな。
あのシーボルトの息子を語り手にして、父の再来日に同行し、横浜や東京での様子を描いている。
実在の人物や出来事を多用しているところは珍しいですが、作品中で彼らが交わす言葉や行動の細部は完全に葉室さんの創作と思われ、個性的な人物像を創り上げている点が非常に興味深く読む事ができました。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

 大河ドラマの影響もあって幕末に注目が集まっているようだが、この小説の中にも攘夷浪人が登場する激動の時代を描いている。
 ただユニークなことに語り訳はかのシーボルトの息子であり、オランダ人の目を通して語られる幕末の風景ということになる。真の主人公は革命家を自認するバクーニンというロシア人である。革命のためには少々の犠牲は仕方ないとする。人間的に嫌悪感を感じたシーボルトはその生きざまに触れるうちに次第に彼の考えを理解するようになっていくという話である。
 ストーリーの中には勝海舟や高杉晋作といった名だたる人物が登場し、バクーニンの振る舞いに大きな影響を受けていく。実在した人物を核にしていることは確かであろうが、詳細には筆者の創作が多分に織り込まれている。
 読みやすい文体で、展開もはやい。娯楽時代小説としてとてもよくできている。

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2018年06月05日

Posted by ブクログ

シーボルトの息子アレクサンダーの目を通して幕末の対外的、内部的緊張を描いた作品。バクーニンやジョセフ・ヒコなども興味深いが、父シーボルトが時代に取り残され隅に追いやられていく感、しかし本人はそれを今ひとつ認識していないというのがなんとも切なかった。

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2024年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「オランダ宿の娘」の後日譚…というわけでもないのか?
日本地図を持ち出そうとして国外退去させられたシーボルトが幕末に再来日。その来日同行した息子アレクサンダーの目線で動乱の日本を描いた小説。

登場人物が豪華、勝海舟に小栗忠順、清河八郎、高杉晋作、外国勢もバクーニン(革命家)にスネルブラザーズ(武器商人)、駐日公使や、画家のハイネまで。同時代にうごめいてい彼らと、ヨーロッパ列強が歯牙にかけようとする幕末日本と、そうはさせまじともがく日本の摩擦によって起こる事件。

日本人ではなく、大人でもない。ある種無力な安全地帯にいる主人公の目線が、これらの人間模様や事件を捉える体で、葉室麟の筆が史実を小説にしていく。ここらの職人技は見事。

ただし、葉室小説に求めてしまういつもの清廉さや爽やかさが少々足りなくて、欲求不満になりがちなのは残念。そこら上手いことかさ増ししてくれたらお気に入りの小説になっただろうなぁ。

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2015年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シーボルトの息子が主人公だなんて。。。。意外すぎて、フィクションかとおもいきや、実在する人物ではあるみたい。ストーリーは日本の有名人勝海舟や高杉晋作なんかも出てくるし、臨場感があって引き込まれる。
バクーニンを調べたら、やっぱり存在してるし。。。笑
でも載ってた写真はイメージとは違う感じでした笑
も葉室さんの作品では、武士が主人公の方が好きかな。大和魂というか、日本人の感情の繊細で奥ゆかしいところを描き出すのがとても上手だと思うからです。

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2014年10月25日

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幕末、横浜に現れたロシアの革命家・バクーニンと日本の志士たちの話。シーボルトの息子の目線で書かれる。
読後感はそれなりな感じで、感動とか新鮮さはない。

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2014年09月16日

Posted by ブクログ

全1巻。
「シーボルト事件」で有名なシーボルトが、
後年、息子を連れて日本に帰ってきた時の、
息子視点での物語。
息子がストーリーテーラーな立ち位置。

これは結構すごいかも。

主人公とも言うべき位置に、
ロシア人革命家を配置。
動乱の気配が漂ってきた日本に、
外国人革命家が種をまく。

幕末を、外国人目線で見るだけでも珍しいけど、
それだけなら他にも似たようなテーマの作品はある。
でも今作はさらに、
維新が革命だったという事を
改めて読者に気づかせる。
これは結構目から鱗だった。

勝海舟や小栗忠順、清河八郎、高杉晋作といった
幕末のビックネームが
ロシア人革命家に何かしらの影響を受け、
それぞれの革命に向かう設定は
少し鳥肌もの。

どちらかというと静かでメリハリが無く、
結構引っ張ったネタがやや肩すかしだったりするけど、
シーボルト青年によるストーリーテーリングのせいか、
翻訳された海外の青春小説のような趣があり、
それほど物足りない感じは無かった。
爽やかさがじんわり胸に残る。

案外、映画化とか向いてる気がする。

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2014年09月03日

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