【感想・ネタバレ】冬姫のレビュー

あらすじ

織田信長の二女、冬。その器量の良さ故に、父親に格別に遇され、周囲の女たちの嫉妬に翻弄される。戦国の世では、男は戦を行い、熾烈に覇権を争い、女は武器を持たずに、心の刃を研ぎすまし、苛烈な〈女いくさ〉を仕掛けあう。その渦中にあって、冬は父への敬慕の念と、名将の夫・蒲生氏郷へのひたむきな愛情を胸に、乱世を生き抜いてゆく。自ら運命を切り開いた女性の数奇な生涯を辿る歴史長編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

冬の日の朝一番に庭に出て思いっきり深呼吸をした時のような澄み切った気持ちが心の中いっぱいに広がった。父と、その父の理想を継ぐ夫を信じてひたむきに戦国の世を生き抜く冬姫の姿、またそれを支える従者たちの献身に心動かされた。

0
2025年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人を恨まず、憎まず、お互いを思いやって、生きていける国を、この地に築きたいのだ
冬姫は、天下布武邁進する。信長の間近で、武家の女は、槍や刀ではなく、心の刃を研いでいくさをせねばならならないのです、と言い聞かされて育っていく
私には人の心はわかりません。でも悲しみはわかるような気がいたします

0
2025年06月20日

Posted by ブクログ

知らなかった。冬姫の存在はもとより、本能寺の変以降織田に縁のある人たちがどんな人生を送ったかについて、考えたことも、話を聞いたこともなかった。
様々な歴史書に触れるにつけ、秀吉の人となりにはいつもあきれるばかりで、その陰で多くの尊い命が失われてしまっていたことに、今更ながら情けない思いが込み上げる。
大河ドラマ「真田丸」と並行したので、よけいに思い入れが大きい作品になった。

0
2017年01月17日

Posted by ブクログ

いやこれはいい!織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗、、、
カリスマだったんだろ〜なー程度の武将たちがイメージを壊すことなくリアルに躍動し、人間味に触れて親近感が湧いています。
冬姫はおっとり系なのに凛と強くて、私の理想像かも。
蒲生氏郷なんて全然知らなかったけれど、生涯側室を持たなかったとか、この本を読むとその誠実さが伝わってきて素晴らしい人だとおもいました。
戦国時代、女の人が政治戦略で嫁ぐとか、平安時代の頃からそういう気はあるしかわいそーやなーまあそういうものかな、と思ってたけど
こんなに「おんな戦」を繰り広げていた、と思うとかっこいい。能動的な武家女の生き方みたいな美学があったのかな、とワクワクしました。
しかし、鍋の方とか築山殿、なかなかこわい!笑

0
2016年02月14日

Posted by ブクログ

本作は、或いは“ファンタジー”、“伝奇”という色彩も濃い時代モノのような感じがする。戦国時代の軍略や合戦の狭間に生きた武将達の物語という風ではなく、有名武将の娘にして、同じく有名武将の妻となった魅力的な女性の周辺での“奇譚”が経年で纏められている物語集のようでもある。何かしら、「巧みに現代語の小説にアレンジされた、古文の物語集」というような空気感が漂っているようにも感じた。

0
2016年01月27日

Posted by ブクログ

織田信長の次女冬姫の戦国時代の女の戦いを描いた小説。
蒲生氏郷との夫婦間、お市の方、茶々との確執など、ストーリー面白くさせる。
葉室小説によく登場する細川ガラシャとの関係など、戦国スターが散りばめられている。
終盤は、少し尻切れ蜻蛉感はあるが、楽しく読むことが出来た。

0
2024年09月01日

Posted by ブクログ

戦国の世で繰り広げられる女たちの戦い。その中で信長の娘であることで、清く姿勢を正して、相手の心を理解しながら難を逃れていく冬姫を応援しながら、あっという間に読み終わった。

0
2023年08月02日

Posted by ブクログ

信長の娘、冬の生き様。
蒲生氏に嫁いだ冬という女性がいたことも知らなかったけれど、歴史上の有名武将もいっぱい登場するので流れは分かりやすかった。
始めは呪いなどの話題も多く面白く読んでいたけれど、段々と人間関係のしがらみに苦しみながら「女いくさ」を戦い抜く強い女性に圧倒された。
侍女のもずの苦悩と献身も見所だった。

0
2023年05月13日

Posted by ブクログ

織田信長の娘として産まれた冬姫の物語
久しぶりに葉室麟らしい本を読んだ。
この時代の家や家族を守る女性の強さと怖さが伝わって来た。安土城、蒲生など近くに住んでいた事もあったが初めて知る事ばかりだった。沢山の登場人物が描かれていたが
それぞれが光輝くように感じた、個人的にはもずに魅力を感じた。

0
2022年06月19日

Posted by ブクログ

織田信長の次女冬姫様の物語を読みました。蒲生氏郷公に嫁がれたんですね。

この本は戦国時代の有名人物のエピソードを「これでもか」って言う位盛り込んでくれています。主役がちょっと霞んでしまうほど...

でも、それだけ個性的な人物がいっぱいいた時代ってことですよね!

0
2021年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2021年、7冊目です。

織田信長の娘、冬姫の生涯を描いたものです。
信長の娘にして、名将蒲生氏郷の妻である冬姫の一生を描いています。彼女が生きた時代は、戦国時代の真っただ中から、徳川の世になるまでです。非常にたくさんの歴史上の人物との関わりが描かれています。

大胆な設定ですが、冬姫の母は、信長の正室である帰蝶の娘とされています。
それゆえ、他の娘たちとは別格で、父信長に目を掛けられます。
物語は、「女のいくさ」といわれる女性たちの戦いが描かれています。
戦国時代の男の戦に関わる表現描写はほとんどありません。
父信長の目指した世の在り様を実現しようとする夫氏郷を支えていきつつ、
自分なりの「女のいくさ」をしていきます。
信長の妹お市の方、その娘の淀の方との確執が、織田信長の目指したものを
どうそれぞれが咀嚼して受け継いでいったかの違いとして出てきています。

戦国時代のたくさんの小説を読みましたが、全く違った「姫」さまの視点で、
この時代を捉え、その生き様を描いたことに新鮮味を感じました。

0
2021年02月21日

Posted by ブクログ

信長の次女冬姫と、その嫁ぎ先:蒲生氏郷が活躍する話。
割と忍術合戦な雰囲気もあるので、荒唐無稽かと思いきや、割と史料に沿ったエピソードも多く、面白い。
蒲生氏郷の活躍する小説は少ないので、興味深かった。

0
2021年02月11日

Posted by ブクログ

信長の子供のネーミングセンスってどうしてここまでだったんだろうなといつも思います。例えば

長男・信忠(幼名:奇妙丸)
次男・信雄(幼名:茶筅丸)
三男・信孝(幼名:三七)
四男・秀勝(幼名:於次丸)
五男・勝長(幼名:御坊丸)
六男・信秀(幼名:大洞)
七男・信高(幼名:小洞)
八男・信吉(幼名:酌)
九男・信貞(幼名:人)
十男・信好(幼名:良好)
十一男・長次(幼名:縁)
次女・見星院(幼名:五徳)
六女・総見院(幼名:振)

幼名で考えるとこれで子供たちを読んでいたのかと思うと笑えて仕方がありません。だって織田信長ですよ!

「冬姫」

冬姫とは信長の次女で後の相応院と呼ばれる方です。ここでの悪人はどの本でも穏やかな感のあるお鍋の方。姫様ではあるが、物語はこの冬姫の冒険的な生き方を描いているので戦国武将物でもないのにポンポンと頭の中に入ってきます。

ここには鮮明には描かれていませんが、冬姫は恵まれていないのかな?嫁ぎ先の夫である蒲生氏郷は将来を嘱望されつつ40歳で病に倒れ、息子の秀行も92万石から大減封で12万石に落とされ、関ヶ原の活躍を認められ60万石に戻るも30歳で死去。孫の忠郷も25歳、何とか弟の忠知が次ぐがやはり早世し、断絶する中で一番の長生きをしてしまう。もう一人の娘も能登で改易を喰らってしまう前田忠政の室なので何とも言えない人生であった感がある。

普段なら読みづらいジャンルなのですがすっと入ってきます。

0
2021年02月01日

Posted by ブクログ

織田信長の娘、冬姫のお話。

ただ、事実を元にした歴史物語と思っていたけれど
途中怨霊とか呪いとか出てきて、ん?
と思ったところもありましたが、、、。
中盤から最後に掛けては、
伏線回収がされる感じがしておもしろかった!

0
2020年12月29日

Posted by ブクログ

権謀術数渦巻く戦国の世で、人はどのようにして人を信じ愛するのだろう。
平和と思える現代に於いて、友情や愛や信頼はすぐそばにあって手にすることもそれ程難くはなさそうだ。時として裏切られ泣くことはあろうとも。
けれど戦国の世で人を信じ愛する事は、その向こうに裏切りがある事を覚悟していなければならないようだ。
裏切られて泣くのは裏切られた時の準備ができていない自分が愚かだと。
その愚かさは言い訳もできない死に通じる。
裏切られた、騙されたと泣いて涙で悲しみを流せる現代のありがたい事と感じます。

0
2020年02月19日

Posted by ブクログ

武家の女は、槍や刀ではなく心の刃を研いで戦をせねばならないのです。
と、いう言葉が、とても、印象的でした。

0
2019年12月01日

Posted by ブクログ

ちょこちょこ俗っぽさを感じたんだが気の所為だったかもしれない。
葉室さんの女性は、お姫様でもなんでも、ヒーロー感あってかっこよい。

0
2018年12月18日

Posted by ブクログ

信長の娘、冬の生涯を描く作品。清廉で優しく、しかし自分を曲げない強さを持つ冬が、周囲の人をなんだかんだで味方につけながら「女いくさ」を続けてゆく。娘(身内)から見た信長というのもなんだか新鮮な感じだし、冬をまもるもずと又蔵も魅力的。
Wikipediaによると、冬は実在の姫であるのだが、冬について書かれた部分は「冬に嫁いだ姫」という意味であり、出家前の名前はわからないそう。それがなおさら、神秘的さ、魅力さを増している。

0
2018年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

織田信長の次女「冬姫」の生涯(半生)を描く長編。連作短編の体となっており、冬姫幼少、伴侶となる蒲生氏郷との出会いから徳川政権時代までの数奇な物語を時系列に並べる。

怪奇小説や剣劇エンターテイメントの要素も見せつつ、葉室解釈による(といってもあくまでノンフィクションとしてである)信長秀吉家康時代の史実小説の要素もあって、俺のように日本史にそれほど通じてなくても楽しく読める工夫が凝らされていて読み心地は良い。司馬遼太郎と山田風太郎のテイストを見せつつ、根底に流れる倫理観はやっぱ葉室燐らしく清楚で凛とさせている。

女の戦いは心の刃を研いで行うもの…。これが女の戦いなら、やはり戦いなぞというものはせん方が絶対いい。男の戦いもどうでもいい。戦国大名の表面の生き方を中途になぞらえて自己啓発本にしている書物の罪なところは、政治を戦争という最低の方法で成そうとするものを持ち上げているところにある、と思う俺は、葉室燐小説の底に流れる「武士の生き方」に対する畏敬だけでない皮肉が心地よいのだが、この本にも、わずかにそれが感じられてよかった。

争いは避けえれなくとも、戦争を是とする思想が蔓延すれば滅びを招く。なんやかんや言うてもやっぱり平和が一番。平和ボケでエエやないか。このボケた状態を長く広く広げていくことが、性別を超えた立派な戦いだろうと思うのだが。

0
2018年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は4.

内容(BOOKデーターベース)
織田信長の二女、冬。その器量の良さ故に、父親に格別に遇され、周囲の女たちの嫉妬に翻弄される。戦国の世では、男は戦を行い、熾烈に覇権を争い、女は武器を持たずに、心の刃を研ぎすまし、苛烈な“女いくさ”を仕掛けあう。その渦中にあって、冬は父への敬慕の念と、名将の夫・蒲生氏郷へのひたむきな愛情を胸に、乱世を生き抜いてゆく。自ら運命を切り開いた女性の数奇な生涯を辿る歴史長編。

0
2017年12月08日

Posted by ブクログ

大河ドラマ「真田丸」と時代が同じなので、いろいろ想像しながら読めた。
ところどころ、ファンタジー要素もあって、やや面食らうところもあったけど、戦国の時代を生き抜いた女ならではの戦の描き方としては、とても楽しく読めました。葉室さんの他の作品も読んでみようと思います。

0
2016年07月12日

Posted by ブクログ

戦国安土桃山模様、、駆け抜けた武将と関わる女人たちを時系列に登場させる葉室ファンタジー仕立て…こんな作風も有りなんだぁ。織田家の血が騒がせる"女いくさ"の中に、父と娘・夫と妻の絆、そして姫ともず・又蔵の主従関係の表裏の無さが温かさを運ぶ♪。

0
2015年12月14日

Posted by ブクログ

史実とフィクションとを織り交ぜながら、女人の観点から織田豊臣時代を描いた歴史スペクタクルといえようか。
信長の二女で、蒲生氏郷に嫁いだ冬姫が、従者の助けを借りながら、敵対する勢力と、「女いくさ」を仕掛け、自らの運命を切り開いてゆく。
どこまでが史実で、どこからがフィクションか、それを楽しみながら、時代小説の面白さと、歴史小説の醍醐味を味わえる。

0
2015年08月04日

Posted by ブクログ

冬姫の芯が通っていて、凛とした佇まいが美しいと感じました。

女性には男性とはまた違った「女いくさ」があり、そちらの戦も重要な役割を果たしていたのだと知りました。

この時代は常に緊張感のある厳しい時代だったということもわかりました。

今まで歴史小説はほとんど読んだことがなく、歴史にはあまり関心のない方でしたが、本書を読んで、歴史小説も面白いんだなと思いました。

0
2025年08月28日

Posted by ブクログ

面白かった
織田信長の二女、冬姫の数奇な生涯を語る物語
どこまでが史実でどこまでが創作なのか、自分の知識不足のため、相変わらずよくわかりませんが(笑)、エンターテイメントとして楽しめました。

ストーリとしては
織田信長の二女の冬姫は蒲生氏郷の妻になり、戦国時代の中
、その覇権を競うため、「おんないくさ」を仕掛けあうというもの。

「武家の女は槍や刀ではなく、心の刃を研いでいくさをせねばならないのです」

と育てられ、さまざまな女たちが闘うことになります
信長の妹お市の方をはじめ、淀君、鍋の方、五徳、ガラシャ、築山などなど
心の刃とは言いますが、実際には諜報戦ともいえます。
冬は「もず」と「又蔵」を従えて、その戦いの中生き抜くことになります。

そんな中、氏郷と冬姫の絆は強い。
氏郷へのひたむきな愛情を胸にこの乱世を生き抜いた冬姫
楽しめました。

0
2020年10月03日

Posted by ブクログ

信長の次女が主人公。蒲生家に嫁いだんだ。茶々との関係性が想像を掻き立てる。忍びのことも随所に盛り込んでてエンターテイメントとしても面白かった。

0
2019年11月25日

Posted by ブクログ

織田信長の二女で蒲生氏郷に嫁いだ、冬姫の生きざまを描いた話。
嫉妬や逆恨みなどからくる、“女いくさ”に毅然と立ち向かう冬姫の姿が清々しいです。
伝奇モノっぽい感じを織り交ぜているので、フィクション色が強いですが、冬姫の従者・もずと、又蔵のコンビは好きでした。

0
2019年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。ただ、天正の世、国を創るために何を為したのか。そこが結局よく分からずで蒲生・織田の生き残り史にのようにも感じられる。まあ、女のいくさが怖いものだと言うことは判り申した!怖い怖い

信長に関わりの深い女たちの物語
帰蝶、お市、茶々、細川ガラシャ、五徳、お鍋の方…
信長の娘である冬姫を中心に戦国を生きる女のいくさが描かれます

昔から戦国武将に纏わる話は好きな方でして…信長関連の創作物は特に惹かれます
しかし、側室がお鍋の方で、子どもの幼名が酌て...
流石、第六天魔王。ネーミングセンスも破壊力抜群
比べると冬姫は良い名ですな
さぞ、贔屓にされた子だったのかとも思いますが実際はどうだったのでしょうかね?
まあ、うつけ者の魔王様であれば常人には判りかねますが...

名が示すように心が澄んでいて厳しさと

やや不満が残ったのは所々にオカルトというかファンタジーなこじつけがあること
定番の虫の知らせ、夢枕に立つくらいなら良いが、少し唐突かつ不必要に思えました
葉室さんの作品らしさ的にも如何なものかと

星は★★☆(2.5点です)
葉室さんへの期待が高いために相当辛めだ

0
2019年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

信長の二女、冬姫を描いた作品。
蒲生氏郷の妻としてしか知らなかったので、
展開が新鮮でした。

物語の争点を、市や茶々、五徳、鍋の方、濃姫やまつなど女の同士の争いを描いています。

最後に織田家ゆかりの女性が揃うのはよかった。
真田丸で茶々を見る目が変わりそうな描かれ方でした。

0
2016年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同じ作家葉室さんの「蛍草」も読みましたが、これはもっと面白かったです。戦国の世を女性の立場から読み解くと、こんな物語が鮮明に見えるものなんだと。とかく、力学的に、戦力が、戦法がと、戦場から見える歴史がおもてに出がちですが、日本統一という大きな望みに向かい出自さえ隠されていた信長の次女「冬」のその行動、心情。そこに歴史賑わす時の武将たちが戦国の世の人の心の光と闇が女性たちの運命を変える。歴史好きにも読み応え十分の一冊。

0
2016年01月25日

「歴史・時代」ランキング