葉室麟のレビュー一覧

  • 橘花抄(新潮文庫)

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    最後!最後は一体!?
    と自分の中でハッピーエンドを書いてほしい、はっきり書いてほしいとの願望がわき出た状態で終了。でもよくよく考えたら、この話は決して恋愛小説ってわけじゃなかったんだなよな、と。
    当たり前ながら漢字も多く読み方も複雑。でもそれが気にならないくらい、読むにつれてぐいぐい引き込まれました。

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    2015年01月11日
  • 霖雨

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    題名の「霖雨」とは、幾日も降り続く雨とのこと。
    次々と襲い掛かる艱難辛苦を例えて。
    しかし、雨に象徴されるように、しっとりと味わい深い作品。
    作者は、大塩の乱と対比させることにより、一層主人公を際立たせる。淡窓はいう。
    「・・・人の心を動かすのは、つまるところひとを生かしたいとの想いなのだ」
    そして自らに言い聞かせる。
    「・・・たとえ霖雨の中にあろうとも進むべき道を誤ってはなるまいと」
    主人公の姿勢、生き方、見習いたい(無理かなあ笑)。

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    2015年01月09日
  • 秋月記

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    組織のために貧乏くじを引くということ。
    じぶんたちは正しいことをしていると思っていても、大局から見るとどうなのか、反対派からするとまた違う思いでよかれと思って動いていたりするぞ、と。よく分かる。
    しかしこれってさ、男社会、おっちゃんルールじゃないのか?と思わなくもない。この伝統的ルールでずっと闘うわけ?(これは本の感想ではないのだが)

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    2014年12月28日
  • いのちなりけり

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    朴訥に咲弥を思う蔵人がいい。
    春ごとにはなのさかりはありなめどあいみることはいのちなりけり
    出会いは命・・・どちらも大切にしなければと思う。

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    2014年12月25日
  • 恋しぐれ

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    ネタバレ

    葉室麟なのでそれなりレベルの作品であろうと期待して読んだとは言え、予想してたよりこれはかなり収穫モンの短編集だった。

    まさかの良質な恋愛小説。そういや作者には「いのちなりけり」という傑作があったのを忘れていた。油断したぁ(いや、まぁ構えて読む必要はないにせよ)

    下手なヤツが書くとつまらない連続ドラマの小説版にたいになる大人の恋、それが葉室燐の手にかかると儚く侘しくも凛とした綺麗な小説になるんだから、小説ってのは罪作りなものだなぁ

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    2014年12月18日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    福岡藩の第二黒田騒動が舞台として、人としての生き方を改めて問う。
    吉川英治、藤沢周平などの時代小説の系譜に筆者も位置付けられるであろう。

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    2014年12月07日
  • 随筆集 柚子は九年で

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    葉室麟の始めての随筆集。
    その中の「柚子の花が咲くとき」の中で、
    「社会人になって原稿を書く仕事をする傍ら、たまに文學界や群像などの文芸誌が主催する新人賞に応募したこともあった・・・(略)・・・しかし五十歳になった時、『このままでいいのだろうか』とふと思い直した。若い頃に抱いた夢や思いを何ひとつ成し遂げることなく、いたずらに歳月は過ぎ去っていく。自分の残り時間を考えた。十年二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかとも思ったが二度とあきらめたくはなかった。書き続けるうちに、懸命に過ごせば、移ろい過ぎる時は豊かさを増す事ができるとわかるようになった。時間は長くはなりはしないが豊穣にはなっていくのだ」
    少し長い引用だが、この中に作者の全てが詰め込まれているような気がした。

    それに引き換えわが身を振り返ってみれば・・・恥ずかしい限りです。

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    2014年11月14日
  • 恋しぐれ

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    憎からぬ思いを抱く芸妓を弟子にし、亡き愛妻を彷彿とさせる女に横恋慕する。本書における与謝蕪村先生は何とも人間臭く、他の登場人物も俗物的で親近感を覚える。そんな人々が繰り広げる豊かな人間ドラマが蕪村の句と結びついて味わい深い。

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    2014年11月01日
  • 秋月記

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    秋月藩は福岡藩の支藩であるため、福岡藩からの藩政介入が絶えなかった。これに抵抗する主人公の玄界島流刑までの人生。

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    2014年09月21日
  • 無双の花

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    1600年~1642年の間の立花宗茂の生き様を見る。女に愛され、男に慕われる。なんてカッコいいんだろう! チョッピリ完璧すぎる気もするけれど、女心には疎いのかな?

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    2014年08月09日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    「心の底にあるものを見せつけるのが、悪魔なのかもしれませんね」

    いとの娘が不干斎に言った言葉。

    自分の心の中にある
    蓋をしていた黒いもの
    その蓋を開けるきっかけを
    悪魔がつくる
    あとは気がついたら
    自分で開けてしまって
    もう後戻りができない。

    誰にでもそんな経験が
    あるような気がする。

    今の時代、
    そのきっかけをつくる悪魔が
    あらゆるところに存在している
    それも、
    天使の顔をして。

    蓋を頑なに閉じる術を身につけておかないと、大変なことになる。

    そんなことを最後の最後で
    考えさせられた言葉だった。

    黒田官兵衛の物語としては
    吉川英治の『黒田如水』の方が
    読み応えはあったかな。

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    2014年07月28日
  • 風渡る

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    キリシタンとしての黒田官兵衛に焦点を向けた作品。
    これまでの官兵衛像と少し違った印象だけれど、暗躍しすぎて人物としては好きにはなれない。

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    2014年07月13日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    藤原道長と伊周・隆家兄弟の確執、花山院の出家後の展開。清少納言や紫式部もでてきて、高校の教科書に載っているような内容もうまくとりこみつつ進んでいく。
    これまで隆家のことは扇の話しか知らなかったので、そのキャラクターや国外から進入してくる女真族との戦いから、想像力がふくらんで非常に面白かった!
    どこまでが真実でどの要素がファンタジーなんだろう。いつも気になる。
    もっと歴史的事実に詳しければさらに面白かったかも。

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    2014年06月08日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    今まで、またっく意識していなかった歴史上の人物を主人公として登場してるのが、新鮮だった。権力を掌握しても、不安にさいなまれる、権力の座に到達しなかった者の視点などの切り口で物語は構成されているが、いざ戦となると、普段軍事訓練もしていない農民がかり出されているところも注目したい。

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    2014年05月25日
  • 風渡る

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    順番が前後してしまったからか、思うように読み進まなかった。
    ちょうど大河のあたりですよね。しっかりとみてるわけではないけど、これで幾分か楽しめそうです。

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    2014年04月19日
  • 随筆集 柚子は九年で

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    武士の立場を、藤沢周平と近い雰囲気で描いていると思っていたが、この本を読んでそれも納得できた。また、自分の時間の制約を意識することを考えさせられた。

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    2014年04月11日
  • 花や散るらん

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    ネタバレ

    「いのちなりけり」の続編。前作で水戸黄門と揉めた主人公が、今度は吉良上野介とやりあう。なんだかもう有名時代劇の舞台に次々とチャチャ入れてるような感じである。そのうち大岡越前とか遠山の金さんとか井伊直助とか仕事人とか八重の桜とかあらゆるもんに絡んできそうな勢いである…ないだろうけど。

    実は俺、所謂世間に知られている筋書きの忠臣蔵って好きじゃない。時代がそうだろうし設定がそうだろうからしゃーないのだけど、吉良も浅野も大石も「陰険な事で争って爽快だ痛快だお涙ちょうだいだってのはないやろ」って醒めてみてしまうのである。

    忠臣蔵を題材に取った名作時代小説があまたあるにも関わらずどうにも苦手意識が先に立ち食わず嫌いしてしまっているのもそのせいで、今回は葉室作品だからと手に取った珍しいケース

    知らない作家さんだったら、良くできた小説だなと讃賞するんだろうけど、葉室さんだと分かって読むとちょっとアラも目立ってしまう。日本史に疎いと人物関係が複雑すぎてその説明がダルかったり、剣劇シーンが意外とあっさりでモノ足りなかったり、赤穂浪士たちの影の薄さが気になったり…

    それでも思ったのは、人間やっぱり単純に生きるのがエエわ。しがらみにまとわれたらまとわれるほど、本人がなんぼ頑張って工夫して上手い事やったつもりでも、傍から見ると実にくだらない生き方になるって事。

    吉良が最後に笑顔を見せるのだけど、その笑顔がそれを表してると思う。

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    2014年03月20日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    完全に読む順番を間違えた。。。風渡るをすっとばしてる。

    なんか、フィクションだというのをわかりながらも、歴史上の人物たちの印象がどんどんと変わっていく。。

    あ、如水を完全に岡田准一にあてはめてたのは内緒。

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    2014年03月16日
  • 秋月記

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    ネタバレ

    若い頃は誰でも夢と希望と青臭い正義感から沸き起こる衝動に身を任せて行動するものである。その頃の目で見れば、世の中がなんと汚れていて怠慢で不遜で卑怯で…とにかく反抗する対象にしか見えないことか。自分の若かりし頃にもあった、その世の中を変えていこうとする気概を思い出せば少々苦いものが体中にこみあげてくる。

    しかし、今の若者からみたら俺なんかもそういう世の中のキチャないもので汚染されきった人間なんだろう。人とはいつのまにやらそういうもんに染まっていく。いつまでもパンクや反抗やアナキストなんざやってられない現実の壁に何度もぶち当たっていくのが社会なんだからしゃーない。

    「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ。おのれがおのれであることにためらうな。悪人と呼ばれたら、悪人であることを楽しめ。それが、お前の役目なのだ」

    「金というものは天から雨のように降ってくるものではない。泥の中に埋まっている。金が必要であれば、誰かが手を汚さねばならぬ。どれだけ手が汚れても胸の内まで汚れるわけではない。心は内側より汚れるものです」

    この作品の引用である。よーは、気概の持ち方なのである。世の中すべての人に評価される生き方なんかはない。あちらを立てたらこちらが立たず、どうせそうなら何を立てるのが一番良いか、決めるのは自分の価値観である、評価は勝手にやってくれればよい、そこを気にすると余計に汚れが目立って無様になるのは食べ汚しに似てるかもな。

    ついつい人の評価を気にして萎縮してしまいがちな、チンケなおっさん(俺)は、この本を読んでまた一つ「エエやんあいつらがどう思おうと、開き直って生きたるねん」と汚れをしみ込ませていくのであった。

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    2014年02月11日
  • 秋月記

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    「この世で一番の悪とは怠けた心だということだ」葛藤しながらも、流されずに志を貫く強さ、今の時代でも必要だと感銘を受けた。

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    2014年02月05日