葉室麟のレビュー一覧

  • はだれ雪 上

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    面白かった
    忠臣蔵サイドストーリ?
    もののふの矜持とそれを支える女子の恋愛小説+生き様の物語

    上巻では
    江戸城内で、浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつける刃傷事件が発生し、浅野内匠頭は即日切腹に。
    永井勘解由は浅野の切腹の直前、最後の言葉を聞きます。
    しかし、その行いが将軍綱吉の怒りに触れ、勘解由は扇野藩に流されます。
    その勘解由を接待役兼監視役を命じられた後家の紗英。
    次第に心を交わしていく紗英。
    そして、勘解由のもとに訪れる大石内蔵助や旧赤穂藩士。

    しかし、この関係は非常に危険
    旧赤穂藩士が吉良を討った場合、それに勘解由が協力したとみなされ、監視役の扇野藩は処罰される可能性。
    なので、刺客

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    2022年05月07日
  • 散り椿

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    椿の花が落ちる時は花丸ごと落ちてしまうので武家には嫌われていたが、本編での椿は一片づつ落ちでゆく。
    作中の人物も段々と亡くなっていく、本編の椿になぞられる様だ。
    哀しい結末ながら、若い二人の新しい芽生えが救いか…。

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    2022年05月05日
  • 散り椿

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    良い物語だった。
    新兵衛と采女の篠を介した関係や彼らの矜持だけでなく、中途半端な風見鶏だった藤吾の成長や、里見の優しさなど、人と人が関わることで互いに影響し合う機微の描き方は派手ではないものの静かな余韻を残します。

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    2022年04月26日
  • 辛夷の花

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    こんなひどい家臣がいるのかと思いましたが、最後は人の絆、意地をみせ、この世の中も、捨てたものじゃないなという本でした。

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    2022年04月19日
  • 青嵐の坂

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    文庫本の帯には「武家は利では動かぬ。義で動くものだ。」と書かれてある。
    矢吹主馬と檜慶之助を軸に物語は進んでいくが、結末は哀しい。
    主馬は重荷を背負って藩を救う事が出来るのだろうか、那美には強くなって欲しい。

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    2022年04月17日
  • 乾山晩愁

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    江戸の絵師ー尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶ーをそれぞれ主人公とした短編5篇。
    著者には、『いのちなりけり』3部作や『はだれ雪』など忠臣蔵異聞ともいえる作品があるが、本書でも赤穂浪士討入りの裏話が綴られる。
    表題作の「乾山晚愁」では、赤穂浪士討入りの装束も尾形光琳好みで、光琳の匂いがすると語られる。光琳絡みで討入りの資金が出ているとの解釈も。
    「一蝶幻景」では、赤穂浪士は大奥の争いの代理だったと。背景にあるのは、大奥を舞台としての幕府と禁裏の争いが。
    絵師たちの生き様とともに忠臣蔵異聞も描かれる、小説家の想像力の豊穣を味わえる短編集で、忠臣蔵ファンにも見逃せない一冊。

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    2022年04月14日
  • 陽炎の門

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    親友の罪を証言し、その親友の切腹に立ち会い首を落とした主人公の桐谷主水。その事もあり、「氷柱の主水」と呼ばれて下士から執政に昇り詰める。親友の娘を娶るが、その弟が真犯人が居るとして主水を父の仇と藩に敵討ちを求める。元々、周囲は主水に批判的で失脚した方が良いという雰囲気。監視が付き、これが非常に嫌な奴。ここまで読むと非常に重く陰鬱で、読む気が失せてくる。
    真犯人探しが始まると急転してゆく。ミステリの要素が増えてくる。元対立派閥のトップに面談したことにより、原因と犯人が分かる。他の執政達は知っていて隠蔽していた。敢然と闘おうとする主水。
    秘策を以って敵討ちに臨む。最後は意外な人物が手助けする。ただ

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    2022年04月11日
  • 辛夷の花

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    自作品に和歌を効果的に取り入れる著者は、この小説でもその手法を用い主人公たちの心情を表出する。
    子供が出来ず離縁され実家に戻った志桜里が主人公。
    隣家に越してきた半五郎と、辛夷の花を介し、互いの心が通うようになる。
      時しあればこぶしの花もひらきけり
       君がにぎれる手のかかれかし
    志桜里に婚家への出戻りの話が起き、半五郎との間で思いが揺れ動く。現代では陳腐ともいえる彼女の躊躇は、その家を守るという嫁の役割を第一とする、今とは違う結婚観ゆえだろう。
    自分の気持ちを二の次で、嫁としてなすべきことを重視する彼女に、婚家の姑鈴代が教え諭す。
    「わたしは生きていくうえでの苦難は、ともに生きていくひ

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    2022年03月30日
  • オランダ宿の娘

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    長崎出島から江戸へ来るオランダ人のための宿屋の娘が主人公。怪しげな猿を連れた武士、貴重だが出どころ不明の万能薬などいかにも何か起こりそう。そしてかの有名なシーボルト事件に巻き込まれてゆく。事件についてははっきりわからない部分も多いが、多くの人が影響を受けた事は間違いないだろう。大切な人を守りたい気持ちが強く表れている。

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    2022年03月29日
  • 草笛物語

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    羽根藩シリーズ残念ながら最終作。
    「過ちて改むるに憚ることなかれ」と言う若き藩主の言葉、平凡ながら頷く。

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    2022年03月28日
  • 銀漢の賦

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    解説に「文体が比類なきまでに清冽」とあったが、葉室麟の書く物語そのものが清冽だと思う。有名な「蜩の記」はさらに凄烈で救いがない感じがして、葉室麟を敬遠してかたが、他の方の書評に触発されて本書を手に取った。
    月ヶ瀬藩という小藩に生まれた3人の幼少期の友情が環境や立場の変化と共に移ろいその残渣だけが残っているかにみえたが、再び心が通じ合っていく。
    清冽なれど温かさが残る名作だった。銀漢という言葉と漢詩に込められたそれぞれの思いがやるせない。

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    2022年02月28日
  • 春雷

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    葉室麟さんの著作を読むたびに背筋が伸びる気がします。
    羽根藩シリーズ三作目、主人公は亡くなってしまうけれど、生きた軌跡はずっと引き継がれる。

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    2022年02月26日
  • 潮騒はるか

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    前作『風かおる』は、長崎で蘭学を学んでいる亮のもとへ、妻の菜摘とともに弟の誠之助と彼を慕う千沙が旅立つところで終わったが、その続編。長崎での彼らの活躍が描かれる。
    実在の人物、シーボルトの娘いねや松本良順との交流もあり、勝海舟も登場。
    さらに、千沙の姉佐奈の問題がクローズアップされる。
    尊皇攘夷の波に翻弄されたり、故郷黒田藩も絡んでくるが、そんな中でも己の立場を全うする亮の言葉が、心強い。
    「真実と向かい合わずしてひとは生きていくことができない。そして、真実はひとに生きていく力と希望を与えるものだとわたしは信じている」

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    2022年02月18日
  • 散り椿

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    ネタバレ

    (わしは新兵衛のこと羨んでいるのでだろうか)
    きっとそうなんだろう。戻ってきた新兵衛には、貧しい生活を送ろうとも心のうちに豊かさを抱き続けた者の確かさが感じられる。
    それに比べて自分はどういきてきたか。
    切れ者と人に畏れられるようになりはしたが、親しく言葉をかけてくれる者はいない。ただ遠くから畏敬の視線を送ってくるだけだ。

    皆それぞれに生きてきた澱を身にまとい、複雑なものを抱えた中年の男になってしまった。もはやむかしのように素直に心中を明かすことなどできないはしないだろう。

    篠とはついに再び会うことができなかった。新兵衛とともにどのような思いで生きてきたのか篠から直に聞きたかった。
    それも

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    2022年02月12日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    日本史に疎いため、どこまでが史実で実在の人物なのか、どこからがノンフィクションなのか分からないが、その分素直に楽しめた。
    多彩な人物を配し、江戸の爛熟期、もはや”武”ではなく”政治”の時代に、己の保身をかけるもの、忠義に生きるもの、それぞれの運命が錯綜する。
    特に女性の姿が、昔の時代作家と違って生き生きとしているところが魅力的。
    様々な物語が並行して描かれているが、凛とした生き様には胸を打たれるし、茶道や香道の描きこみが彩を添えて魅力的な作品になっている。

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    2022年02月11日
  • 実朝の首

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    今、『鎌倉殿の13人』をみているので、なんとなく手に取った本。
    公暁に暗殺された実朝の首はなぜ、別のところに葬られているのか。
    読んでいくうちに面白くて、どんどんやめられなくなったが、登場人物が多いので、それが大変かも。
    時々、回想シーンのなかに出てくる実朝が、さびしげでならない

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    2022年02月10日
  • 辛夷の花

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    豊前 小竹藩、勘定奉行・澤井庄兵衛の長女・志桜里は、近習・船曳栄之進に嫁したが、三年経っても子ができないとの理由で離縁され、実家に戻っていた。
    そんな折、隣屋敷に、小暮半五郎という藩士が、越してきた。
    彼は「抜かずの半五郎」と仇名されていた。
    太刀の鍔と栗形を浅黄色の紐で固く結んでいるからだ。

    ある朝、志桜里は、庭に出て辛夷の蕾を見ていると、半五郎が声をかけてきた。
    第一印象は、最悪だったが、次第に、半五郎の事が気になり始めた。

    藩主以上に力を持つ、重臣三家の使徒不明金を明らかにするため、庄兵衛は、勘定奉行に据えられた。

    庄兵衛一家の危機に、大切な人を守るため、半五郎は、抜かずの太刀を抜

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    2022年02月06日
  • この君なくば

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    時代小説の衣を纏った恋愛小説。というより、時代小説でしか表現し得ない恋愛小説といえよう。現代小説でこのような関係を描いたら、全く陳腐な現実感のない話になってしまうだろう。
    九州の架空の五代藩が舞台。
    主人公は。此君堂で和歌を教える栞。彼女が心を寄せるのが、一度は藩主忠継のお声掛かりで重職の娘を妻に迎え、その後死別した楠瀬讓。
    さらに、彼に想いを寄せる五十鈴がおり、現代小説ならドロドロの三角関係になりかねない。しかし、曲折を経て、栞と讓は夫婦となり、五十鈴は藩主の寵愛を得て正妻に。
    自由奔放に「変節御免」と、自らの意志を貫き、後には危機にある栞と讓を助ける五十鈴の生き方が爽やか。
    登場人物の中で

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    2022年01月18日
  • 津軽双花

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    石田三成の娘辰姫と徳川家康の養女満天姫の物語、お互いが憎しみ合いながらも畏敬の気持ちもあり彼女達の生き方に戦国時代の女性の気概に感銘を受けた。自分の中で光秀と三成を混同しており、途中まで混乱しながら読んだ。

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    2022年01月06日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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    「鬼砕き」という壮絶な技を持つ六郎兵衛は、道場で三浦圭吾をを稽古相手にし、年齢差がありながら彼を”友”と呼ぶ。
    一時は派閥の敵同士となるが、圭吾が有力派閥の後継者となり出世を遂げた後も、彼を助ける行為は止まない。
    どれほど悲運に落ちようとも、自らの生き方を捨てるようなことをしない六郎兵衛。彼の無償ともいえる献身の奥には何があるのか。
    ミステリー的要素を孕みながら、運命に翻弄される彼らを通し、真に大切なものは何かを問う時代小説。
    本作でも、和歌が小説の要となる。
    「吾が背子と二人し居れば山高み 里には月は照らずともよし」

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    2022年01月05日