葉室麟のレビュー一覧

  • 冬姫

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    戦国の世で繰り広げられる女たちの戦い。その中で信長の娘であることで、清く姿勢を正して、相手の心を理解しながら難を逃れていく冬姫を応援しながら、あっという間に読み終わった。

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    2023年08月02日
  • 津軽双花

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     表題の「津軽双花」は男性作家とは思えない女性らしさが満ち溢れていた。三成の遺児が津軽家に嫁いでいた事実は初めて知ったが、2人の対立する姫たちの心の邂逅をうまく描いたなと感じた。
     5つの短編から成る作品だが、章が進む毎に時代が遡っていくのが非常に面白い。短編ごとに登場人物が変わり、時代が新しくなるパターンは多いが、その過去へと下っていくのは新しい。
     石田三成が最近のお気に入りなのもあり、最初の3編はどれも豊家側で読んで感情移入して読んだ。最後の斎藤利三の話も新しい解釈、本能寺の変の動機の新説、「斎藤利三黒幕説」。斎藤家を葬った道三・信長への積年の恨みで明智をけしかけた利三が黒幕という考え方

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    2023年08月01日
  • 無双の花

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    ネタバレ

    歴史マニアへのアンケートとして、一番好きな武将ランキングはよく行われるが、多くのアンケートで1位となっているのが、筑後柳川の立花宗茂。
    大河ドラマでの誘致活動を含め、今最も熱い武将とのようだが、正直なぜそこまで人気かということを確認する機会がこれまでなかった。
    史実を含め、書物はたくさん出ているが、やはりここは虚々実々の歴史小説からということで、安定の面白さの葉室さんの作品から読んだ。
    内容は、後半生を中心に、関ヶ原敗戦から改易、牢人からの登用、豊臣氏滅亡での関与を中心に、朝鮮出兵や島原の乱まで巧く語られ、わかりやすくまとまった物語になっている。
    もちろん小説なので、真田幸村や伊達政宗などとの

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    2023年07月31日
  • さわらびの譜

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    女性ながら父から才能を認められ弓術の後継者として研鑽する伊也は、真っ直ぐな武士道精神と共にまさに才色兼備に成長しているものの、時代ものの定番である藩の権力争いに巻き込まれ、愛する人への想いより武士道を優先しようとする。
    伊也の真っ直ぐさと妹 初音の健気さとは対照的に、藩の重鎮達の人に対するリスペクトのかけらもない醜さが際立ちます。清四郎の完全無欠なスーパーヒーローぶりはもう少し欠点があってもいいのになと思った反面、前半ひ敵味方の区別がつきにくい磯貝八十郎の描き方が絶妙な塩梅でした。
    まさに葉室作品という読後感です。

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    2023年07月25日
  • 秋霜

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    前作「春雷」の続編。
    鬼隼人が亡くなった三年後の欅屋敷の話。
    あの時集まった三悪党の生き残り臥雲の想いに涙したし、子供たちの成長や欅屋敷に集まったもの達の心の変化に熱いものがあった。

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    2023年07月06日
  • 潮鳴り

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    一旦は落ちるところまで落ちた主人公が弟のために決意する。
    藩で奔走する主人公らの傍ら、家で一生懸命働く女性たち。
    弟の無念や村娘の行く末など、哀しく悔しい話もありながら周囲に認められ支えられて目的を成していく。
    絶望しながらも生き抜く覚悟をもってあがく泥臭い主人公が格好いい。

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    2023年07月05日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    現代にも通じる権力者交代に伴う粛清の嵐。藩のために憎まれ役であっても献身した結果が、あまりに酷い。
    父が自害した後、藩の重役である立花重根に引き取られた卯乃は、重根に慈しみながら育てらる一方で、藩主家の騒動と藩政の変換に巻き込まれていく。立花一族に襲いかかる数々の苦難。卯乃は周りの人々に助けられながら立ち向かっていく。
    重根の生き様は武士としてかくあるべきなのだろうが、やけに切ない。

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    2023年07月02日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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    男の男に対する情愛の深さを突き詰めたら、ここまでいくのかという作品。主人公の三浦圭吾は、道場一の遣い手である樋口六郎兵衛の稽古の相手をさせられる一方で、危急の時も彼に救われる。そんななか、六郎兵衛は拐われた豪商の娘を助けるのだが、その手柄を圭吾に譲り、やがて圭吾はその娘を娶ることに。時は流れ圭吾は出世していくが、六郎兵衛とは疎遠になり、再びまみえたときには、、、
    葉室麟らしいちょっとした救いのあるエンディングではあるが、六郎兵衛の生き様はやるせなく切ない。

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    2023年07月02日
  • 星と龍

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    あー面白いと思ったら、未完、、、。
    確かに葉室さん亡くなる年に書かれたから仕方ないが、、、。続きが読みたい!!

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    2023年07月01日
  • あおなり道場始末

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    主人公たち三兄弟がとっても仲良しで読んでいて微笑ましい。
    昼行灯な長男にしっかり者の下2人が支えて…と思ってたら、ちゃんと長男も2人を守ってて関係性がすてきだった。
    後半色々な事実が分かってくるけど殺伐とした雰囲気にならずに読めたのは彼らの性格のおかげ。

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    2023年06月25日
  • おもかげ橋

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    いかにも葉室作品という、真っ直ぐ潔く生きる無名の男たちの物語。
    小藩の権力争いに巻き込まれて致仕せざるを得なくなり、江戸に出てきた幼なじみの2人は方や浪人、方や武士を捨てて商家に婿入りして暮らしていた。
    ところがそんな2人はまたしてもぶり返した旧藩の権力争いに巻き込まれる。。
    弥市と喜平次ほ最後までブレることがなかったけれど、ヒロインともいうべき荻乃の思わせぶりな態度は目に余る。それだけに弥生との対比が際立つんだけど、一貫して彼女を信用していなかった椎原亨は小物だけど一番人を見る目があったりして。

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    2023年06月14日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    この世をば 我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば
    藤原道長と藤原隆家の関係をもとに刀伊が太宰府に攻め入る話

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    2023年06月10日
  • 決戦!忠臣蔵

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    結局、真相は、藪の中。なぜ浅野内匠頭は、吉良上野介に斬りかかったのか。ここまで資料が何も出てこない事件も珍しい。

    諸田玲子の「与五郎の妻」が特に良かった。泣けた。

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    2023年06月04日
  • 紫匂う

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    葉室麟の時代物はとても良い。素直に登場人物に感情移入できて、物語を堪能できる。女性が主人公なのでどうかと思ったが、全くの杞憂だった。面白い本、心が洗われるような読書をしたい時は葉室麟に限る(ちょっと前なら藤沢周平)。オススメ。

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    2023年05月27日
  • 冬姫

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    信長の娘、冬の生き様。
    蒲生氏に嫁いだ冬という女性がいたことも知らなかったけれど、歴史上の有名武将もいっぱい登場するので流れは分かりやすかった。
    始めは呪いなどの話題も多く面白く読んでいたけれど、段々と人間関係のしがらみに苦しみながら「女いくさ」を戦い抜く強い女性に圧倒された。
    侍女のもずの苦悩と献身も見所だった。

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    2023年05月13日
  • 乾山晩愁

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    戦国から江戸元禄期に渡り後世に名を残した尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、清原雪信、英一蝶といった絵師、陶工達を描いた5篇の短編集。主人公はそれぞれ異なり、独立した作品集ではあるが、時の権力者に深く関わる狩野派が絡んでおり連作短編集的な楽しみもある。
    天才的な絵師の創作活動を語るというよりも、創作する上での絵師が、人としていきる様々な欲望や希望、そして到達する達観を見事に描いている。

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    2023年05月13日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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     武士社会のお話はあまり好んで読まないのだけど、読み始めたらすぐに引き込まれていった。血生臭い場面も多いのになぜか美しい。人の命をなんとも思っていない藩主や奉行たちが不気味だ。圭吾もそうなりつつあったのに、友と妻が救い出していく。
     美津は世間知らずのお嬢様な雰囲気だったが、良い奥方になっていき、六郎兵衛のことも理解していき良かった。
     あれほど多くの人を切ってしまった六郎兵衛には惨めな死に方しか用意されないのだろうかと諦めの気持ちで読んだが、どうやらその場面は見なくて済んだ。病で長くはないかもしれないが、どうか静かに過ごせていたらと願う。

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    2023年05月09日
  • 大獄 西郷青嵐賦

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    奄美時代までの西郷さんの伝記。葉室さんの本は初めて。
    一橋派と尊攘派の連携の様子など、分かりづらい部分も説得的に書かれている。西郷さんの海外観、運動の進め方などで、大久保と徐々に意識がずれていくのが、その後の展開を思わせる。
    総じてフラットな書きぶりで、西田さんや鹿賀さんの顔しか出てこない自分には読みやすい本だった。

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    2023年05月06日
  • 河のほとりで

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    『柚は九年で』に続く、急逝直前まで新聞や雑誌に記された随筆集第2弾。
    「書物の樹海へ」は、他の作家の時代小説の文庫に、著者が書いた解説を集めたもの。
    早乙女貢著「奇兵隊の叛乱」、山本兼一著「おれは清麿」、青山文平著「伊賀の残光」安部龍太郎著「レオン氏郷」などなど。
    どれも未読であり、是非にと読んでみたい気持ちを起こさせてくれる。
    「日々雑感」の「健康への出発」で、健康に自分で責任を持ち自分の年齢をもっと自覚しようと、記していた著者が、その半年後に急逝したとは・・・。

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    2023年05月04日
  • あおなり道場始末

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    しばらく読み進めて、葉室麟にしてはキリッとしないなと思いながら、作品に入り込めずにいたが、中盤以降はサスペンスもどきの目まぐるしい展開で、気がつけば読み終えていた。
    「あおなり」を弱々しいイメージで当たり前に受け入れていたが、青瓢箪とうらなりの造語であった。
    道場主であった父の死に不信を抱く三兄弟(兄、妹、弟)が、同業の道場破りをしながら、真相に迫っていく。何やかんや揉めながらも兄弟の絆がさらに深まっていく。ほんわかした読後感。

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    2023年04月30日