葉室麟のレビュー一覧
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ネタバレ博多の仏師の清三郎は、自らの仏像に限界を感じ、師やその娘でもある妻をおいて京に3年修行に出る。京でも得心の仏像を彫れないまま帰郷した清三郎が博多に帰ると、師匠宅は盗賊に襲われ、師は死亡、妻は辱めを受けて現在行方不明となっていた。
清三郎が妻を探しつつ仏師としての道を開眼する話だろうな、と想像し、事実そういう展開なのだが、想像していた感じではなかった。妻自体は早々に清三郎の前に姿を見せるが、妻の心は帰ってこず、妻にはいわれのない試練が次々に襲い掛かるという展開に至る。
清三郎自体は後半まで執着粘着っぽいヤツだし、妻は境遇上仕方ないとはいえネガティブ思考だし、葉室麟小説の主役格にしては清廉さに -
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葉室麟さんの随筆第二弾。
葉室ファンの私からするといい本だが、あまり葉室作品に馴染みのない人からすると、書評や雑感が一緒になっていて、内容に統一感がないと思うかもしれない。
ただ、葉室作品に馴染みがない人も、読んでいると葉室さんに優しく諭されているようで癒されるので、騙されたと思って読んでいただきたい。
「河のほとりで」という書名には、歴史を省みることが少なく、内向きになり国際社会から積極的に学ぶ進取の精神を忘れつつある現代日本への、編集者の警告が込められている気がする。気になった方には、本書に収録されている「禅僧」と「『美しくない』歴史に寄り添う」という随筆を一読していただきたい。 -
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これはよかった!
扇野藩シリーズに外れなし!
破綻寸前の扇野藩。その藩政改革を命じられた檜弥八郎は、改革半ばで卑劣な家老たちの策に嵌められ切腹。
結果、娘の那美は、親戚の矢吹主馬のもとへ。
息子の慶之助は、世子のお気に入りだったことから、お咎めなし。
そして、世子の仲家が家督を継ぐときに側近として戻ってきます。
慶之助は家老たちに復讐を果たすことができるのか?
一方、藩政改革には失敗する可能性もあり、そのときの責任を取らせるために主馬を指名。
慶之助と主馬の関係が深い。
主馬は藩政改革はなすことができるのか?
商人対主馬の戦い。
家老たちの策略。
主馬と慶之助との関係はどうなる。
家老た -
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ネタバレこの雅な平安文学サロンの時代を舞台にして、戦の物語が書けるとはやはり葉室麟さんは素晴らしい作家ですね。
中宮定子から始まったともいえる煌びやかな王朝文化。彼女の弟であった伊周と隆家はそれに奢り、没落へ。
そして道長が政の頂点に立ったと思われたのだが、密かに日本は契丹国の民に狙われていた。
ひたすら己の地位を考えて動く道長と、安倍晴明にあなたが動かなくては国が亡ぶと言われ生きてきた隆家。
日本は島国で海外からの侵略は第二次世界大戦の時だけ。ですが、この前の白村江の戦いや元寇との戦いも経験しています。
侵略されなかったのは運がよかっただけ、そう考えると、狭い国の中の事だけを考えるのはなん