葉室麟のレビュー一覧

  • 銀漢の賦

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    源五は中村雅俊が良かった。

    暮雲収め尽くして清寒溢れ
    銀漢声無く玉盤を転ず
    此の生、此の夜、長くは好からず
    明月、明年、何れの処にて看ん

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    2024年03月20日
  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

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    有名な福岡藩のお家騒動を、稀代の忠義の人として知られる栗山大膳を中心に描いた作品。
    葉室氏は福岡出身なだけに大膳贔屓のトーンであるが、戦国から江戸初期にかけての生き残りを賭けた騙し合いの延長にあるこの話はあまり共感できない。
    清い生き様を貫く無名の志士の武士道がテーマになっていることが多い葉室作品において、ある意味では特殊な内容という印象。
    とはいうものの、読み応えは充分だったので星4つ。

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    2024年02月27日
  • 銀漢の賦

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    若き時代の男の友情、そして壮年期の境遇の変化な中で、変わらない軸がまた男の友情を結び付ける。
    自分にはこんな友情があるのか、考えさせられた。

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    2024年02月17日
  • 星と龍

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    ネタバレ

    葉室氏最後の作品で、楠木正成の話。残念ながら未完で、鎌倉幕府を滅ぼし、大塔の宮が亡くなる辺りで終わってしまいます。楠木正成、正季兄弟が活躍し、仲の良いのがよくわかりました。一山一寧、夢窓疎石が有力な武将に夢を見せる。正成は、文天祥や岳飛の夢を見て、尽忠報国で王道の正義を貫かせようとする。帝のためにのみ働くことを軸に行動していく。
    後醍醐帝が、大塔の宮護良親王を足利尊氏と争わせようとしたことや、護良親王が征夷大将軍に任命されていたこと、楠木家は水銀を売って生業にしていたことなどは知りませんでした。

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    2024年02月18日
  • 花や散るらん

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    子供の頃、年末年始になると必ず放送されていた時代物でした。少し懐かしさを感じながら読み進めましたが、この目線は新鮮でした。

    武家と貴族、色々な思惑が絡まり合う様子は現在の思考ではややこしい限りですが、各々の四季を愛でる姿は感性の豊かさを感じさせます。

    いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん

    忠臣として描かれた人びとも悪人として描かれてきた人物も、誰かにとっては大切な人。史実を背景にした物語はとても好きだけど、別の視点から考えると常に残酷だと思わされます。

    単行本を読んだけど、検索しても文庫本しか出てこなかったのは何故?

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    2024年01月27日
  • 紫匂う

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    すがすがしい読後感。
    おのれにとって最も大切だと思うものを心は寸分違わず知っている。わからぬこと、迷ったことは、わが心に問えばいい。
    澪の心の中にいたのは蔵太だった。ともに紫草を見ることができて本当によかった。日々の暮らしにある幸せを大事にしたいと思えた。

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    2024年01月23日
  • 天の光

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    ネタバレ

    博多の仏師の清三郎は、自らの仏像に限界を感じ、師やその娘でもある妻をおいて京に3年修行に出る。京でも得心の仏像を彫れないまま帰郷した清三郎が博多に帰ると、師匠宅は盗賊に襲われ、師は死亡、妻は辱めを受けて現在行方不明となっていた。

    清三郎が妻を探しつつ仏師としての道を開眼する話だろうな、と想像し、事実そういう展開なのだが、想像していた感じではなかった。妻自体は早々に清三郎の前に姿を見せるが、妻の心は帰ってこず、妻にはいわれのない試練が次々に襲い掛かるという展開に至る。

    清三郎自体は後半まで執着粘着っぽいヤツだし、妻は境遇上仕方ないとはいえネガティブ思考だし、葉室麟小説の主役格にしては清廉さに

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    2024年01月22日
  • 秋霜

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    ネタバレ

    羽根藩シリーズ第四弾。登場人物(新キャラもいますが)も場所も前作『春雷』と同じだから、日を置かずに読んだ方が吉。人を思う気持ちに溢れている作品。楓様と小平太との仲はどうなったのでしょう。とても気になります(^^)

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    2023年12月27日
  • 散り椿

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    読み進めるうちに関係者の過去が明らかになってきて続きが気になる。一気に読んでしまった。小説を多産している方なので別のものも読みたい。
    お名前を拝見しててっきり女性かと思っていたが男性とのこと。登場人物の心の機微を丁寧に描いており女性目線かと勝手に思い込んでいた。
    面白かった。

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    2023年12月20日
  • 曙光を旅する

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    葉室作品のファンで九州出身の人間からすると、葉室さんが九州各地の埋もれた歴史をわかりやすく耳元で語ってくれる、そんな読後感をもつ本である。
    また、自分に残された時間の中で、文章の力を信じ、「書くことがすべて」と表現することをやめなかった葉室のさんの生き様を感じることができる。

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    2023年12月12日
  • 乾山晩愁

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    大ファンである葉室さんの最初の受賞作品ということで手に取りました。武士の話ではなく、絵師の話。いつものパターンのは違いましたが、後の作品にもこの短編からの逸話が見受けられますよね。和歌も出てくる。芸術が葉室さんの作品を武骨だけでない奥深さの隠し味のような気がします。絵師も"修羅"。歴史ものとしても、絵師を通じた時代感も味わうことができました。

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    2023年11月27日
  • 影ぞ恋しき 上

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    葉室作品の中では比較的珍しいシリーズものなので、蔵人と咲弥夫婦だけでなく周りにも魅力的な人がたくさんいて、彼らの心情や関係性の変化もまた面白い。
    時代ものの定番である悪役も、田沼意次と並ぶ悪役界の超大物 柳沢吉保だけに、一筋縄では行かない陰謀を繰り出してきます。
    柳生、ののう、磯貝藤左衛門と隠密系の面々がかなり重要な役割を果たすところは葉室作品の中でも異質な面白みもあり、これは下巻も目が離せない。

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    2023年11月08日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    ネタバレ

    平安期中期が舞台の時代小説。前半は藤原道長と伊周・隆家兄弟の権力争いに花山院などを絡めた話。後半が刀伊の入寇を隆家中心に撃退するメインの話。刀伊の正体が異民族(女真族)で入寇以前に一部が日本の中で暗躍していたというのが話の肝か。まあ暗躍できるぐらいなら朝廷を混乱させておいてその時に攻めればもっと効果的だとは思うが。
    あと、清少納言とか紫式部等を含めよく知られたいろいろなエピソードが挿入され、それに合わせて物語が進むが、若干物語としては不要にも思える。隆家と刀伊との関係メインで話を進めた方がまとまりがあったと思う。

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    2023年11月03日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    面白い歴史時代小説

    本書の表題からは娯楽的な所謂斬った斬られたのチャンバラ小説と思われがちですが本書は著書の深い歴史観に基づいた歴史時代小説と思います。特に尊皇攘夷を自らの大義とし、例え刃に落命しても捕らえられ処刑されても悔いは無いと尊皇攘夷に反する者は時代を代表する学者であっても居合い抜刀術により斬殺を繰り返す一人の武士の物語で緊迫した薩長連合、熊本、徳川に天皇が絡む政争にエンターテイメントを交え面白い歴史時代小説になっていると思います。私は一気に引き込まれました。

    #感動する

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    2023年10月21日
  • 散り椿

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    瓜生新兵衛が、かつての上司の不正を訴えたが認められずに、藩を追われる。そして妻の篠とともに故郷を離れることとなる。それから18年後、亡き妻の願いを叶えるために新兵衛は故郷へ戻ってきた。

    新兵衛と藤吾との育まれていく絆、平山道場の四天王と呼ばれた仲間たちとの友情、采女と篠との複雑な想い、新兵衛と篠との夫婦愛、様々な人間模様が誠実さを含めて描かれている。

    『散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ』切ないながらも、武士として生きた天晴れな物語である。

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    2023年10月19日
  • 銀漢の賦

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    身分は違えど子供の頃の友情を復活させ、民衆の生活を顧みない藩主と側近の野心を命を賭けて打ち砕く男たちの物語。
    悪役の器が小さいのでイマイチ迫力に欠けるところがありましたが、最後の蕗さんの行動で温かい余韻を残して締めくくられました。
    どなたかがレビューで書かれていましたが、解説が明文です。格調高く、かつ分かりやすく葉室作品の本質が表現されており、これまで読んだ文庫の解説の中でもトップクラスに素晴らしいものでした。

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    2023年10月04日
  • 天翔ける

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    幕末の四賢侯として大政奉還あたりまではたびたび名前を見るのに、なぜかそのあと存在感がなくなる松平春嶽の話。この人がしっかり語られる小説は初めて。
    葉室さんの慶喜に対する評価が厳しいのが面白い。西郷については別著でなんとなくの評価は分かっていたので、ほぼその流れ。
    橋本左内、横井小楠といった優秀な側近とともに、非現実的な尊皇攘夷に立ち向かっていったリアリストであり、日本国の未来を真剣に考えていた人であったと分かる。このあたりの話はほかの人の著作でも読みたいな。

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    2023年10月01日
  • 河のほとりで

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    葉室麟さんの随筆第二弾。

    葉室ファンの私からするといい本だが、あまり葉室作品に馴染みのない人からすると、書評や雑感が一緒になっていて、内容に統一感がないと思うかもしれない。

    ただ、葉室作品に馴染みがない人も、読んでいると葉室さんに優しく諭されているようで癒されるので、騙されたと思って読んでいただきたい。

    「河のほとりで」という書名には、歴史を省みることが少なく、内向きになり国際社会から積極的に学ぶ進取の精神を忘れつつある現代日本への、編集者の警告が込められている気がする。気になった方には、本書に収録されている「禅僧」と「『美しくない』歴史に寄り添う」という随筆を一読していただきたい。

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    2023年10月01日
  • 青嵐の坂

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    これはよかった!
    扇野藩シリーズに外れなし!

    破綻寸前の扇野藩。その藩政改革を命じられた檜弥八郎は、改革半ばで卑劣な家老たちの策に嵌められ切腹。
    結果、娘の那美は、親戚の矢吹主馬のもとへ。
    息子の慶之助は、世子のお気に入りだったことから、お咎めなし。
    そして、世子の仲家が家督を継ぐときに側近として戻ってきます。
    慶之助は家老たちに復讐を果たすことができるのか?

    一方、藩政改革には失敗する可能性もあり、そのときの責任を取らせるために主馬を指名。
    慶之助と主馬の関係が深い。

    主馬は藩政改革はなすことができるのか?
    商人対主馬の戦い。
    家老たちの策略。
    主馬と慶之助との関係はどうなる。
    家老た

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    2023年09月23日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    ネタバレ

    この雅な平安文学サロンの時代を舞台にして、戦の物語が書けるとはやはり葉室麟さんは素晴らしい作家ですね。

    中宮定子から始まったともいえる煌びやかな王朝文化。彼女の弟であった伊周と隆家はそれに奢り、没落へ。

    そして道長が政の頂点に立ったと思われたのだが、密かに日本は契丹国の民に狙われていた。

    ひたすら己の地位を考えて動く道長と、安倍晴明にあなたが動かなくては国が亡ぶと言われ生きてきた隆家。

    日本は島国で海外からの侵略は第二次世界大戦の時だけ。ですが、この前の白村江の戦いや元寇との戦いも経験しています。

    侵略されなかったのは運がよかっただけ、そう考えると、狭い国の中の事だけを考えるのはなん

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    2023年08月07日