葉室麟のレビュー一覧
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災害、火災、飢饉に苦しむ地方の藩、商人と組んで私服を肥やす大老、既得権益を打ち破って藩政改革を目指す中老、一筋縄ではいかない大阪商人。時代ものには定番の役者と舞台が揃う物語に目新しさはないが、まさに今の時代だからこその悪に屈せず信念を貫いて権力に立ち向かう武士の清廉な姿が神々しくさえ思える。どっかの大統領には全く通じないだろう、彼の国には爪の垢を煎じて飲むなんて話も理解されまい。
命懸けで立て直しを計ろうとする扇野藩は架空のものだが、このシリーズは4作目、他にもいくつもの藩シリーズがあるようなので、人気があるということだろう。それだけ義で動く武士道というものに惹かれる人は少なくない。
勧善懲悪 -
Posted by ブクログ
鎌倉幕府の滅亡から建武の新政に暗雲が立ち出す辺りの話を、楠木正成の視点から描かれた話。
予備知識無しで読み進めて、最後の「未完」の文字に「はぁ⁉︎」となりましたが、この作品が遺作だったんですね。残念です。
さて、読んでて思ったのは、高校の社会で日本史選択してて良かった!の一言です。
日本史で、この辺りの勉強してた時に覚えた人物が、出てくること、出てくること。
メインキャラは当然ですが、夢窓疎石とか、高師直とか、「あぁ、覚えた!覚えた!」って感じで読んでました。教科書では一二行で流されてた人物が、話の中でかのように立ち回っているのは実に面白いと言うか感慨深いものですね。
日本史勉強して良かったな -
Posted by ブクログ
2026年、9冊目です。
葉室麟の短篇集です。
本のタイトルにある「不義」は、中国間時代の物語でした。
残念ながら、私の読む力が低く没入感を得られませんでした。他の5つの短編については、登場人物や時代背景などの知識もあったので、読み進めることが容易でした。
歴史の流れの中で、「あったであろう」物語をリアルに描き史実に繋いでいる作品ばかりで、ステレオタイプの人物像に異なる一面を色づけしている感覚でした。
短編ということもあり、物語の中にしっかり入れた作品でした。
表題作以外の短編が、5つ納められています。
・鬼火
・鬼の影
・ダミアン長政
・魔王の星
・女人入眼 -
Posted by ブクログ
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話題となった時代小説を次々と発表していた小説家、葉室麟。
残念ながら60代の若さで、2017年に亡くなってしまいました。
いくつかの作品は読んだことがあったのですが、他にも未読の小説があるだろうと探したところ、この長編小説に出会いました。
「黒田家に関係する話だろう」という程度の、わずかな事前知識で、読み始めました。
舞台は徳川第三代将軍、家光の時代。
杖術の修行を積んでいた深草卓馬と舞の兄妹は、豊後府内藩主の竹中采女正に召し出され、密命を言い渡されます。
その密命とは、筑前黒田家の重臣、栗山大膳のもとに間者として入り、黒田家の内情を探れというもの。
あわせて、黒田家には二つの問題