葉室麟のレビュー一覧
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春の奈良旅以来続く、光明子ブームの一環。
長屋王の長男・膳夫(かしわで)との、ほのかな想いがポイントとなっている。
二人に加え、聖武天皇、あの道鏡まで同年だった・・・
それを知ったときの作者の小躍りする姿が見えるよう。
一番、読んでいて印象深かったのは、
彼らの少年時代の冒険の一コマ・
たぶん、作者は、ここから物語の発想が膨らませたのではないかと
勝手に思っているほど、心惹かれている。
大河ドラマ「女城主直虎」で主人公らが井戸を囲んだ幼い日々と重ねてしまった。
どちらもとても好きな場面。
後に道を違えることになったとしても、幼い日、共に過ごした記憶は
きっと心に残っているはずだから。
小説 -
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建保七年(1219年)正月二十七日
源実朝の右大臣拝賀の儀
雪の降り積もる鶴岡八幡宮の石段と傍らの大銀杏
実朝暗殺の場面から物語は始まる
甥の公暁によって殺された実朝の首を巡る騒動
公暁から首を預かった弥源太。
(弥源太は公暁の乳母子で美少年♪)
弥源太は三浦館へ向かうはずだったが、そのまま持ち逃げする。
そこから三浦義村の家臣、武常晴と出会い、連れて行かれた先には和田合戦の生き残りたち和田党がいた。
この作品、成り行きで和田党の一員となった弥源太の成長物語…
という側面もあるのかな。
もちろん見どころは朝廷と鎌倉幕府、そして和田党の腹の探り合いですが。
自分的に面白くて印象的なのは -
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理想とする仏像を彫ろうと、京へ修業に行った仏師清三郎。
彼の留守に、賊に襲われ凌辱され行方不明となった妻を探し、離れてしまったと思える彼女の心を取り戻したいと旅に出る。
仏師としての求道小説であるとともに、妻のために命を賭ける恋愛小説とも言える。
和歌や漢詩に造詣の深い著者は、小説に巧みに取り入れ格調高い作品となっている。本作では、仏像や仏教知識を遺憾なく発揮し、作品の肝としている。
妻への思いとともに、清三郎が次々と彫る仏像についての話が淡々と進むのかと思いきや、捕縛された妻を取り戻さんと流刑島へ渡ったあたりから、一気に冒険活劇的となる。
島抜けを図る悪党どもとの手に汗握る攻防は、エンターテ -
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ネタバレ目次
・読書の森で寝ころんで
・歴史随想ほか
・小説講座で語る
・芦刈
・我に一片の心あり 西郷回天賦
・葉室麟 最後の言葉
読もう読もうと思いながら、まだその作品を読んだことのない葉室麟のこの作品を買ったのは、もちろんタイトルに惹かれたから。
『読書の森で寝ころんで』
こんな至福はあるまい。
時代小説を書く人だ、という認識しかなかったので、その書評にコナン・ドイルやカートヴォネガット・ジュニアがあるのに驚いた。
もちろん時代小説・歴史小説について書かれたものが多いのだけれど、それは想定内。
まさか彼から、コナン・ドイルが晩年スピリチュアルな世界へ傾倒していった理由を知ることになるとは。
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四編からなる中・短編の物語
表題作「津軽双花」はやはり圧巻。帯にある通り女たちの関ヶ原とありますが、その中身は凛とした女性像が語られています。
■津軽双花
石田三成の娘・辰姫は津軽家に嫁ぎ、藩主信枚と仲睦まじく日々を送りますが、その三年後、家康の養女・満天姫が正室として、信枚のもとへ。正室いるのに、幕府の策略で、満天姫を正室にって、そんなことあるの?ってまずは驚き。
そして、この二人のどろどろっとした戦いかと思いきや、その嫉妬心や競争心も持ちながらも、この時代の凛とした女性像が語られます。
互いを信じる心
二人の戦いは、天下の泰平、さらに、津軽家を守るための戦い
満天姫の台詞に熱いものがこ -
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葉室麟の遺作
何を守るために刀を振るうのか
男たちの友情・愛情の物語
本作の主人公は六郎兵衛と圭吾
石高も年齢も違う二人は道場で稽古を積み、六郎兵衛は圭吾を「友」と呼びます。
そして、圭吾は富商の娘と結婚し、藩の有力派閥の後継者となり出世をとげていきます。一方、その圭吾を遠島になってまで守った六郎兵衛。
なぜ、そこまで献身的に支えることができるのか?
その後、派閥争いに巻き込まれる圭吾を陰ながら献身的に支える六郎兵衛。
しかし、藩主の策略から二人は敵同士として剣を交えることになります。
二人はどうなるのか?
そして、何を守るために刀を振るうのか?
心に染みる物語でした。
お勧め -
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葉室麟の異色作。
明治時代を生きた個性的な女性たちを熱っぽく描きます。
星りょうは仙台藩士の三女として生まれ、その利発さから「アンビシャスガール」と呼ばれた。
明治28年に、東京の明治女学校へ入学します。
女子教育向上を掲げる校長の巌本善治は「蝶として飛び立つあなた方を見守るのがわたしの役目」と、りょうに語りかけたのでした。
明治女学校の教師・北村透谷と女生徒との間に生まれた恋のいきさつ。
国木田独歩と結婚したが逃げた、りょうの従妹・佐々城信子は…
英語教師のクララ・ホイットニーは義父に当たる勝海舟との間に深い信頼関係を築く。
若松賤子は校長・巌本の妻で、翻訳家・作家として活躍した。その賤