葉室麟のレビュー一覧

  • 実朝の首

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    実朝暗殺から承久の乱までの鎌倉政権と朝廷の攻防を葉室麟の冴わたる筆で綴られている  タイトルは「実朝の首」で、実朝暗殺から始まる。暗殺の黒幕は誰なのか。北条義時か三浦義村か、後鳥羽上皇か。

     とにかく面白く、あっという間に読んでしまった。

     歴史の教科書に出てくるような有名人ではない人々が沢山登場し、その人たちからの視線で物語が進んでいくのが面白いし小気味よい。

     そして、合戦のシーンがカッコ良いのだ。さすが葉室麟である。

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    2026年01月18日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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    葉室麟の遺作
    何を守るために刀を振るうのか
    男たちの友情・愛情の物語

    本作の主人公は六郎兵衛と圭吾
    石高も年齢も違う二人は道場で稽古を積み、六郎兵衛は圭吾を「友」と呼びます。

    そして、圭吾は富商の娘と結婚し、藩の有力派閥の後継者となり出世をとげていきます。一方、その圭吾を遠島になってまで守った六郎兵衛。
    なぜ、そこまで献身的に支えることができるのか?

    その後、派閥争いに巻き込まれる圭吾を陰ながら献身的に支える六郎兵衛。
    しかし、藩主の策略から二人は敵同士として剣を交えることになります。
    二人はどうなるのか?
    そして、何を守るために刀を振るうのか?

    心に染みる物語でした。
    お勧め

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    2022年10月01日
  • 春雷

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    ネタバレ

    『潮鳴り』に続き、葉室作品三作目。羽根藩シリーズ。前作よりも主題は難しい。藩主を自分(隼人)の眼で見定める——。悪いことは悪いと謝ることが出来ないなら、まあ人間として駄目だわな…兼清さんよw どんなに短い一生でも何かしら意味があったと思いたい——不器用な生き方しか出来なかった"鬼隼人"に黙祷を…。星四つ。

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    2022年10月01日
  • 蝶のゆくへ

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    葉室麟の異色作。
    明治時代を生きた個性的な女性たちを熱っぽく描きます。

    星りょうは仙台藩士の三女として生まれ、その利発さから「アンビシャスガール」と呼ばれた。
    明治28年に、東京の明治女学校へ入学します。
    女子教育向上を掲げる校長の巌本善治は「蝶として飛び立つあなた方を見守るのがわたしの役目」と、りょうに語りかけたのでした。

    明治女学校の教師・北村透谷と女生徒との間に生まれた恋のいきさつ。
    国木田独歩と結婚したが逃げた、りょうの従妹・佐々城信子は…
    英語教師のクララ・ホイットニーは義父に当たる勝海舟との間に深い信頼関係を築く。
    若松賤子は校長・巌本の妻で、翻訳家・作家として活躍した。その賤

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    2022年09月19日
  • 春雷

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    羽根藩シリーズの第3弾。
    シリーズといっても舞台になる藩が同じなだけで、それぞれの巻に話の繋がりは(たぶん)全くなく、時系列的な関係も分からない。シリーズとして唯一の共通点は主人公が気高いこと。気高さの表し方はそれぞれ異なるものの、根底にある印象が同じだという他に類を見ない構成です。今回は真の目的を果たすためには憎まれ役も厭わない男たちの話でした。
    真似はできないけど格好いい。

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    2022年08月31日
  • 潮鳴り

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    落ちるところまで落ちた櫂蔵が、弟の自害を契機に、這い上がって行く。
    身寄りなく、客をとって身を立てていたお芳との心の共鳴は、孤独と絶望を感じた者の間でしかわからない世界が広がっていた。
    深みある読み応えのある作品だった。

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    2022年08月28日
  • 潮鳴り

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    一度失敗を犯した者が再び花開くことが可能なのか、という命題がテーマになった作品。
    無駄なプライドを捨てて、自分に正直に、かつ自分のことをきちんと見てくれる人の想いに報いるべく生きることの価値を一貫して綴られています。
    やもすれば青臭い理想論になってしまうところですが、葉室氏の巧みな人物描写とストーリー構成で、力強い感動的な読後感を味わうことができました。

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    2022年08月04日
  • さわらびの譜

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    冒頭からの「弓矢での立会い」についての疑問から、中盤まで少し引いて読んでいたけれど、段々と引き込まれていくのは著者の力量か。
    終盤は見事だった。
    著者の作品のなかには、主人公の鮮烈な生き様に脇役の悪者が改心していく様が描かれているものも見受けられるが、本作もそのひとつ。

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    2022年07月30日
  • いのちなりけり

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    読み応えのある作品だった。
    人ではなく天地に仕えるという言葉は、この時代の武士としてはすごく斬新なものだと思う。
    蔵人と咲弥の関係も、長く離れているからこその美学を感じました。
    黄門様のイメージと異なる水戸光圀像は、どちらが本来の姿に近かったのだろうか?

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    2022年07月29日
  • 嵯峨野花譜

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    恥ずかしながら葉室麟さんの著作は今作が初めて。
    どこかの書評がよかったので読んでみた。
    史実とフィクションの裂け目が見えないうまさ。
    活け花の奥深さを教えられた感じがした。
    もう少し母子関係と父子関係を踏み込んで描かれていれば親切だったろう。
    葉室さんの他の本も読んでみたくなった。

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    2022年07月27日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の合戦をさまざまな人物の視点から描いたアンソロジー。それぞれの物語が最後に繋がるのかと思っていたけれど、結局は完全に独立したままだったのが少し残念ですが、短編程度の文章量で立場を変えて見ることができるのは興味深い。

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    2022年07月26日
  • 古都再見(新潮文庫)

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    葉室さんの溢れる知識の波に圧倒された
    私自身の少ない知識の壺から持っているモノと照らし合わせて「その話聞いたことある」「その説は知らなかった」「初耳だ」と揉まれながら読んだ
    彼と共に市内各所を巡りながらそこに纏わる色んなお話を聞いているようで面白かった
    何回でも読みたい
    歴史に関する知識はもちろんのこと、社会に対する目と考えが深く鋭くて尊敬する
    京都での第二の青春を心ゆくまで楽しめていたならいい

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    2022年07月25日
  • 冬姫

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    織田信長の娘として産まれた冬姫の物語
    久しぶりに葉室麟らしい本を読んだ。
    この時代の家や家族を守る女性の強さと怖さが伝わって来た。安土城、蒲生など近くに住んでいた事もあったが初めて知る事ばかりだった。沢山の登場人物が描かれていたが
    それぞれが光輝くように感じた、個人的にはもずに魅力を感じた。

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    2022年06月19日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    キリシタンを前面に出した作品で最後の短編は切ない。
    もしキリスト教が広まっていたらまた違う日本になっていて、神に対する概念も違っていたと思うと徳川が頑張って日本を守ったともいえる。
    キリシタン側にたった小説は初なので面白く読めた。

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    2022年06月15日
  • 銀漢の賦

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    山本周五郎の「土佐の国柱」という小説がものすごく心に残っているのです。名誉のために命をかけるのではなく、忠を成すためには自分がいかに不名誉なことになっても構わないという話。この本もそういう話かなと思って読んでいました。少し違いましたが、この男になら託すことができる、自分の命や大切なものを捨ててもいいという思い。そして、それを相手に知ってもらう必要すらないという。後で気づいたのですが、松本清張小説受賞作。納得の名作でしたが、最後の方は少しポップな感じになって、エンディングもクスッと明るい気持ちになりました。

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    2022年06月04日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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    葉室麟の遺作とのこと。流石に安定の作品。この作者は終わり方が基本的にハッピーエンドなのが良い。時代小説ではこういう爽やかな終わり方は多くないと思う。そこがとても良い。いわゆる愛の話だが、とても自然な展開で、しかも武士の話であることもキチンと確保されている。佳作だと思うが、水準はかなり高い。

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    2022年06月03日
  • 春雷

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    「蛍草」のようなハッピーエンドものもないではないと思うが、葉室麟の時代小説は切ない。
    羽根藩新参の多門隼人は、御勝手方総元締として苛烈な改革を行っている。農民からは鬼隼人として恐れられ嫌われ、藩の同僚、上役からも足を引っ張られても、藩財政を立て直し藩主を名君と成すために突き進んでいる。そんな中、藩として過去に失敗し断念している黒菱沼干拓の命が下る。
    隼人を助け支え、開拓に協力する人物が現れる一方、藩内では隼人追い落としのため百姓一揆まで策謀される。そして佳境へ。隼人の真の思いは、運命は、、、
    欅屋敷の謎の女性や隼人のもの周りの世話をする出入りの商人の女房おりうも隼人を案じ慕う。この二人の女性の

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    2022年05月30日
  • 古都再見(新潮文庫)

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    「あるべきようは」あるがままにあらしめよ
    高い物語性を有する能楽
    「キリスト教を社会の軸とする欧米で発達した近代文学には、宗教的な原罪意識が精神の底にある」

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    2022年05月21日
  • 月神

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    「月形家の者は夜明けとともに昇る陽を扇動する月神でなければならん」と唱える月形洗蔵を主人公とする「月の章」と、従兄弟の潔を主人公とする「神の章」からなる歴史小説。
    司馬遼太郎著『竜馬がゆく』により、薩長同盟は竜馬の手柄と広く流布されている。確かに、最終場面での引き合わせは竜馬によるが、この策は彼以前にも幾多もの人物が画策していた。
    歴史の闇に埋もれた様々な史実を小説に仕立てる著者は、本書では洗蔵ら筑前尊攘派が身を挺して長州斡旋を行ったと記す。
    その筑前尊攘派は薩長和解を成し遂げながら歴史の表舞台に出ることなく、賢君ではあるが志を異にする藩主により壊滅させられる。
    歴史にifは禁物だが、この福岡

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    2022年05月18日
  • はだれ雪 下

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    面白かった
    忠臣蔵サイドストーリ?
    もののふの矜持とそれを支える女子の恋愛小説+生き様の物語

    下巻です。

    勘解由と苦難を共にする覚悟を決めた紗英。二人は祝言を上げることに。
    そして、吉良の討ち入りを準備する大石内蔵助
    結果、勘解由の立場が追い詰められることになります。
    浅野の最後の言葉も明らかになり、いよいよ討ち入りです。
    吉良を討ち、散っていった赤穂四十七士に対して、生きる道を選んだ勘解由は江戸に向かいます。
    しかし、国を超えることができるのか?迫る追手。
    勘解由はどうなる?
    っと、後半はアクションものです。

    生きるということ。そして、生きるための戦い
    そのうちに秘める守るべきもの

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    2022年05月07日