葉室麟のレビュー一覧

  • 散り椿

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    相手を想うが故に、哀しい方へ行ってしまう。以前拝読した雨宮蔵人シリーズでも和歌が良く出てましたが、この作品でも鍵となる和歌が出てきましたね。二つとも真実の意味の歌。藩内の陰謀と家族愛と恋愛と友情と。盛り沢山過ぎ。やっぱり葉室作品大好きです。

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    2023年04月15日
  • 読書の森で寝転んで

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    深い知識と、美しい文章、あたたかみ感じるお人柄。
    作者の魅力をたっぷりと感じられるエッセイ。

    「近頃、本が売れないのは、人生に挑む気合が欠けているからではないかと思うが、どうだろう。人生という戦場に出ていくからには、読書という武装が欠かせないと信じていたが、いまは違うのだろうか。」

    多読の人から、本気で問いかけられたような
    凄みのある問いかけに、深く考えさせられた。

    「小説を書くというのは心の歌をうたうこと」と語る
    著者の本当の心の歌を聴き、人生を深めるために
    もっともっと他の作品も読みたいと思った。

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    2023年03月09日
  • 決戦!大坂城

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    すごくおもしろかった。
    子ども向けの本だと出てこない武将が登場するのがうれしい。それから、いろいろな作者の短編集だから、この人から見たあの人と、別の人から見たあの人が違うのもおもしろい。このシリーズは全部読みたい。
    一番よかったのは「黄金児」で、その次は「忠直の檻」。(小5)

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    2023年03月05日
  • 紫匂う

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    葉室麟にはまって、はや何冊目だろうか。読者評価の比較的高い順に、そしてシリーズ物はまとめて読んできたが、質が落ちることがない。遅くに作家デビューし早逝されてしまったが、短い期間によくもこんなにたくさんの作品を残すことだできたのだろう。
    葉室麟といえば武士道を貫いた男を題材にしたものが多いが、女性を主人公にしたものも多い。本作も想いを寄せる男がいながら、朴念仁のような男に嫁ぎ一男一女を儲けてもなお昔の男に未練を残す女性が主人公である。ただ、この朴念仁がただものではない。郡方という役目のなかでは民人たちのことを考え、妻子に対しても深い慈愛がある。ただ妻である主人公は長年連れ添ってもそれに気づかない

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    2023年03月02日
  • 山月庵茶会記

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    華道、茶道、なんと奥が深いものでしょう。こんな言葉すら浅薄なものに感じてしまう
    目に映る姿の向こうにあるものを見ること。それは自らの内面と対峙すること。凡人には全く分からないけれど物語の人物たちはそれぞれそうすることで今のお互いの心や状況を理解している
    又兵衛さんだけがお煎餅に添えられた番茶のようにホッとする存在でした

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    2023年02月20日
  • 決戦!忠臣蔵

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    もしかしたら歴史小説を初めて読んだのは忠臣蔵だったかもしれない。
    何作か読んだと思うけど、久しぶりのこの忠臣蔵はアンソロジーで、様々な視点で7人の歴史小説家が書いています。

    葉室麟『鬼の影』
    朝井まかて『妻の一分』
    夢枕獏『首無し幽霊』
    長浦京『冥土の契り』
    梶よう子『雪の橋』
    諸田玲子『与五郎の妻』
    山本一刀『笹の雪』

    どれも視点が新鮮で面白く読めました。
    お気に入りは朝井まかてさんの『妻の一分』。
    江戸っ子の語り口調が噺家さんみたいだなぁと楽しく読み進めると、この語り手の正体がわかった時に笑っちゃって!

    それと神崎与五郎の元妻の話も、ドラマで見たような話だったけど、うるうるしちゃった

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    2023年02月05日
  • 嵯峨野花譜

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    なんという凛とした物語でしょう。花本来の美しさが目の前に映像として現れるようでした
    胤舜だけでなく全ての人に物語があり人生があるのです
    表現こそ違えど皆人を思いやる心を持っていることに気付かされました
    胤舜がこれから歳を重ねどんな人の想いをどんな風に生けるのかもっと見てみたいと思った

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    2023年02月02日
  • さわらびの譜

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    ネタバレ

    読み進むにつれて、葉室麟の世界に引きづられて行く
    解説島内景二:狭き門とは、葉室にとって武士道そのものである。さわらびの譜は、日置流雪荷派の弓術の奥儀と重ね合わせるようにして、葉室流文学道の神髄が語られている

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    2023年02月01日
  • 紫匂う

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    ネタバレ

    葉室麟らしい清々しい登場人物が出てくる小説。
    しかし、その清々しい人物は主人公ではなく、その妻が主人公。

    結婚前に一度だけ契りあった、かつての男笙平が江戸を追われて国元に逃げ帰ってくる。笙平をかくまう主人公の澪。若き日の思いを清算しきれずにいる澪と笙平に敵の追手が迫りくるとき、澪の夫蔵太が現れる。武士の矜持と夫としての優しさを体現する蔵太を目の前にして、澪の心が次第におだやかになっていく。

    蔵太が理想、修正を行える澪もまた理想。しかし、笙平や彼を追う悪役のようなダークな部分を持って生きているのが現実。であるからこそ、蔵太のほれぼれする生き様を読んで、少しでも彼のように生きていこうと思うので

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    2023年01月13日
  • 花や散るらん

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    雨宮蔵人と咲弥夫妻に、いつの間にか香也という娘がっ。

    話に、徳川綱吉と吉良上野介が出てくると、これは忠臣蔵か?というわけで、京の郊外に静かに住んでいた夫妻も巻き込まれていきます。

    巻き込まれていても、お互いがお互いを思い、何があってもぶれない夫婦に感動です。

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    2022年10月23日
  • 花や散るらん

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    いい。
    忠臣蔵を題材としている。
    敵も味方もいい。儚い美しさを貫いている。
    だが、それは脇役で夫婦・親子の愛を描いているのだ。

    いかにせん都の春も惜しけれど慣れし東の花や散るらん

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    2022年10月23日
  • 銀漢の賦

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    「作家読みしたい」と思う出会いとなった。予定調和でない、実際に生きている人々の人生をそのまま見ているかのような物語の展開に、引き込まれた。

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    2022年09月22日
  • 暁天の星

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    明治期に外務大臣を務めた陸奥宗光を主要視点人物に据えた時代モノの小説である。
    作者は2017年に他界されているが、その少し前の時期、少し体調も好くなかった中で雑誌連載をしていたという作品で、雑誌に掲載された部分までが本に収められている。故に「未完」ではあるのだが、余り「未完」を意識せずに読むことが出来た。そして読後にその「未完」の経過を知り、非常に惜しい作家が他界してしまったと、改めて御悔み申し上げたくなる。
    明治期の様々な事柄や、それに携わったという人物に題材求める小説は多く在るように思う。そういう中で「陸奥宗光」の題材を求めるという、そのこと自体に「近代史を見詰める作者の“主張”」のような

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    2022年08月23日
  • 散り椿

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    夫婦、仲間、家族のそれぞれの思いが強いほど誤解もあるもの。思いが複雑に絡み合うなかそれぞれの心情を丹念に描いた傑作。映画もいいがぜひ原作を。

    『散る椿はな、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるのだ。』

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    2022年08月20日
  • おもかげ橋

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    二人の武士の純な心を弄ぶかのような人妻になった初恋の人の思わせぶりな態度。
    あれ、これは誰の作品だっけと思わせるような葉室麟らしからぬ恋心や嫉妬心がちりばめられた作品。でも底流には男の友情が流れている。
    藩一の剣の使い手である草場弥一と頭脳明晰な小池喜平次は幼馴染で、上司である勘定奉行にそそのかされ、藩政を壟断しお家乗っ取りをたくらむ重臣を襲い顔に瑕を負わせる。重臣は失脚するが二人も藩を致仕することに。それから16年、弥一はは江戸で町道場もどきを開いているが閑古鳥がなき旗本の剣術指南で糊口をしのいでいる。一方喜平次は、飛脚問屋の主人に見込まれて婿入りし商人に。そんな中、失脚した重臣が復帰し、勘

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    2022年06月15日
  • 潮鳴り

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    先が読みやすい勧善懲悪のストーリーながら、人を思いやる気持ちの大切さに改めて気付かされる小説である。ともすれば自分本位となりがちな現代において、人を慈しむ慈愛の心こそが人の共感を呼び、連帯感を強くすることを再認識させられた。読後感も爽やかである。

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    2022年06月07日
  • 風のかたみ

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    よくできたお話しです。
    見栄っ張りな亭主と息子二人が 上意討ちにあって

    殿様から攻められ 火をかけ自害してしまいます。

    残された女たちは 混乱の前 白鷺屋敷に移されます。

    そこに 伊都子という女医さんが 住み込みで派遣されました。

    女たちが死なないように見張れ!という命令のもと

    一緒に住み始めます。

    秘密がいっぱい。家に入ってくる男の人が死に 毒薬も

    誰がなにを企んでいるのか

    本当はみんなどうしたいのか

    面白い本でした。

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    2022年05月28日
  • オランダ宿の娘

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    江戸の一大疑獄、「シーボルト事件」時代を動かす、若者たちの熱い恋。オランダ宿「長崎屋」の美しい姉妹と、蘭学に命を捧げた男たちの、極上の歴史ミステリにして清冽な青春小説。

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    2022年04月16日
  • 銀漢の賦

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    大満足。とても良い話だった。心が洗われるというのは、こういう読書体験を言うのだろう。子供の頃からの親友が成長する過程で、それぞれの苦難に遭い、絶交状態になるが、最後は友情の力で乗り切ると言うサクセスストーリー。こんなに読後に満足感を覚えるのは久しぶり。時代小説を避けている人にも超オススメ。

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    2022年04月14日
  • 乾山晩愁

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    各々に実在した近世の芸術家をモデルとする主要視点人物が据えられている5篇が収められている。
    以下、何れも少し難しい漢字の題を冠した5篇の名と、各篇の主要視点人物のモデルとなった芸術家の名、伝えられる生没年を挙げる。尚、これ位の時代の人は自称、他称で色々な呼び名が在る場合、何かの契機で改名する、青年期と壮年期や老境というように人生の中で名乗りを変えるという例も多い。そこで「多分、最も広く知られているであろう」と見受けられる、百科事典的なモノで調べると直ぐに出て来る名を挙げておいた。

    『乾山晩愁』(けんざんばんしゅう):尾形乾山(1663-1743)

    『永徳翔天』(えいとくしょうてん):狩野永

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    2022年04月14日