葉室麟のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての作家の作品
三人の友人の絡み合う生き方が爽やかに描かれている
二人は武家の出身一人は農民
三人はそれぞれの立場で
向き合うことになる
一人は出世した武士
一人は武術はたつが人の良い下級武士
一人は農民ながら勉学に励み一揆の首謀者として処刑される
その断を下したのは友だった出世した男
米を増産するために水路の工事を指示され不成功なら庄屋を桀にするとの話を聞いた下級武士はその工事に懸命に
努力する
武士らしくないと冷笑されながら
それを命じたのも出世した武士
そんなこんなで絶好していた二人が
再び相まみえることになり
藩の危機を救う
とても爽やかな作品
少年の頃に知り合った三人の
瑞々しい感性が文章に感じられて
こっちの頭も爽やかになる
銀漢が天の川のこととは
そして三人が見上げた天の川が
この作品に流れている
他の作品も読みたくなった -
Posted by ブクログ
ネタバレ沖田総司は、幼少期に浪人に辱めを受け、その辱めを雪ぐために、試衛館に入り武術を身につけたという設定。
新選組では、隊組織内では敵である芹沢鴨に気に入られる。近藤や土方からは見張りに丁度よいとされるが、芹沢鴨暗殺の時には、一緒にいた妾に嫉妬心を抱く。
大石内蔵助は、赤穂藩筆頭家老。藩主浅野内匠頭は、勅使饗応役として江戸で任務にあたるが、松の廊下で刃傷におよび即日切腹になる。
仇討ちをすぐにでもしたい、堀部安兵衛を筆頭にしたグループに、お家再興を願う穏健派内蔵助は襲撃を受ける。
信頼する家臣小野寺十内に、安兵衛の扱いを相談する内蔵助は、安兵衛暗殺を企てる、腕のたつ安兵衛を剣で勝つことは難しいと、十内は、毒殺用の薬を用意する。しかし、やわらかなる心を忘れないようにと。
毒入り茶を用意し、安兵衛と対したが、内蔵助の武士らしさを知り、思いとどまるが、実は十内が用意したのは毒ではないと、その茶を飲み干す。
その後再度安兵衛の名を語り、内蔵助を暗殺しに来たのは、実は吉良の縁者のものだった。内蔵助は、何人もの剣客と対するが、安兵衛や不破数右衛門の助けで難を逃れる。この後、決断を固くし、討ち入りを決行する。
黒田長政は、父如水から智謀に長けたものは、誰からも信頼を得られないから、猛将になれと言われ育った。
関ヶ原の戦いの時には、家康が最も警戒する福島正則を味方にいれたり、毛利両川を説き伏せたりと、その智謀を存分に発揮していた。
それは、実は仲が悪いとされていた石田三成の真意(卒啄同時)を汲み取っての活躍であった。
蒲生忠三郎は、信長の娘冬姫を嫁としていた。
忠三郎は、星を見るのが好きで、彗星のことをオルガンティノが連れてきた、天文に詳しいティコ・ブラーエに質問する。また、アモーレというキリスト教の言葉に心酔し、キリシタンに興味を抱くようになる。やがて、謀反で有岡城に立て籠もった、荒木村重と寄騎高山右近を攻撃する信長は、南蛮寺の宣教師を磔にし、キリシタンの右近を屈服させようとする。それに対し、忠三郎も信長に意見をし、怒りをかう。
北条政子は、実朝に子がおらず、朝廷と仲の良い実朝の跡継ぎを親王宮将軍をたてるべく京にのぼる。対応したのは、卿の局こと藤原兼子。鎌倉への帰り道、政子は昔夫頼朝とともに朝廷への関係を強化させるために、娘大姫を後鳥羽帝の后へと考え、上洛を果たしたことを思い出す。しかし、朝廷側は野蛮な東国武士の娘を嫁になどしたくはなく、大姫に冷たくあたる。大姫は、心も体も病み、鎌倉に帰るが、亡くなってしまう。政子は、その後西方に恨みを抱く。
その後も、頼朝は落馬が元で亡くなり、息子2人は将軍になるが、自らの父の時政の策で頼家は出家後暗殺され、実朝も頼家の息子公暁に暗殺される。
親族間の争いの中で、生涯を生き抜き、争いが起こらないためにも、親王(実際は、藤原氏貴族から)を将軍に置きたいという考えを貫く。自分の意思を継ぐ、鞠子(頼家の娘)にその後の鎌倉を託す。
雋不疑は、中国漢の時代、京兆尹という知事兼警察長官の役割をになう役人であった。
武帝の死後、昭帝が即位した時に斎王の孫が反乱を起こし、これを鎮圧した功で京兆尹に抜擢された。
そんな折、9年前に死去したはずの武帝の長子衛太子が現れる。
不疑は、この衛太子が本物かどうかを解き明かす任務を任される。
すべて主人公の、ある一部分を切り抜いたに短い文の中に凝縮した内容は、フィクションではあるだろうけど、本当にこうだったんじゃないかと思わせるようで、どんどん読み進められるように仕上がっているのが、さすが葉室氏だと思いました。
特に、北条政子の話は大河ドラマを思い起こさせてくれました。名作です。
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今村翔吾の「塞王の楯」に,立花宗茂は割と重要な役どころで登場するのだが,正直言って,立花宗茂のことは全く知らなかったので,彼が主人公の小説を探し出して読んでみた.
秀吉に「東の本多忠勝、西の立花宗茂、東西無双」と褒め称えられる猛将で,関ヶ原の戦いで西軍に参加し,改易されたのち,唯一旧領を回復された武将,ということらしい.
なんだ,無敵じゃないか! あと10年早く生まれていれば,そして,もっと上手く立ち回れば大大名になっていたことも想像できるのだが,どうやら彼の強さの秘密は本人の高い能力に加え,決して裏切らない「義」にあり,そのため家来に信服され,立花軍は無類の強さを発揮したと思われる.正夫人の誾千代も魅力的. -
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「人」という字を書く時、人は支えあって生きるものだと知る。
羽根藩シリーズの2冊目。
「蜩の記」より、私はこの作品を推す。
かつては俊英とうたわれた伊吹櫂蔵は人生をこぎそこね、「ぼろぞう」と言われるまでに落ちこぼれる。
しかし、芳の愛情によって目覚め、罠によって切腹させられた弟の志を果たす為に生きる。
人生の修羅場をくぐり抜けた人は強い。
恥を乗り越えた人も強い。
人の強さは、視野の広さにあると思う。
動物も自分の子供や集団で子供を守ろうとするが、視座の高さや視野の広さは人間特有のものだと思う。目先のことだけに囚われず、大義に生きることができるのが人なのだ。
心が黄泉の国に吸い込まれそうになっても、自分を心から信じてくれる人がいれば、踏みとどまることができるのではないか。
櫂蔵にとってそれが芳だったのだろう。芳にとっても、櫂蔵は命をかけても守りたい人だった。
ラストの読後感は爽やかだ。
「落ちた花は咲かない。」というフレーズが何度か出てくる。自分が自分で決めるのだ。落ちた花かどうかを。