葉室麟のレビュー一覧
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購入済み
良いはなしでした
昔に言う女だてらにというのとはニュアンスが違うけれどもこんな感じの女性がいたら素晴らしいと思います。一途になれば周りの人をも惹きつけて魅了するものなんですね。
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Posted by ブクログ
時代を代表する芸術家与謝蕪村。 自身の最後の恋も含めた、周囲の人々の様々な恋の形を描ききった、珠玉の短編連作もの。特に、 蕪村の弟子月渓が絵師として大成し、呉春と名乗るまでを描いた「月渓の恋」。恋する人が、家族を救うために 女衒に売り飛ばされる。面影を胸に秘めながらようやく添い遂げられ至福の時を過ごす。が、突然訪れた彼女の死。蕪村の哀歓を感じる言葉に馳せ、月渓のとった行動とは。。読みどころは、友人でもある文化人 円山応挙、上田秋成等の日々の触れあいを俳句を通して想像力逞しく繊細に描く事で、遠い存在である彼らを読者に身近な存在として浮き彫りにした事であろうか。 そして、辞世の句” 白梅にあくる夜
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Posted by ブクログ
いやこれはいい!織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗、、、
カリスマだったんだろ〜なー程度の武将たちがイメージを壊すことなくリアルに躍動し、人間味に触れて親近感が湧いています。
冬姫はおっとり系なのに凛と強くて、私の理想像かも。
蒲生氏郷なんて全然知らなかったけれど、生涯側室を持たなかったとか、この本を読むとその誠実さが伝わってきて素晴らしい人だとおもいました。
戦国時代、女の人が政治戦略で嫁ぐとか、平安時代の頃からそういう気はあるしかわいそーやなーまあそういうものかな、と思ってたけど
こんなに「おんな戦」を繰り広げていた、と思うとかっこいい。能動的な武家女の生き方みたいな美学があったのかな、とワクワ -
Posted by ブクログ
ものすごく面白かった。
以前、世に棲む日日を読んだ事があったから正直なところ、どうなんだろうと思っていたが、作者が変わると描き方も変わるので文句なしに楽しめた(こちらは少し、エンターテイメント色が強いけれど)
この世に生まれ落ちて、嵐のように去っていった高杉。
その人生は濃密、そして何ともトリッキーな人物だ。
高杉がこれだけの功績を残したのは、やはり上海留学がキーポイントなんだろう。
上海で見聞きしたものを、スポンジのように柔軟に強力に吸収できたからこその奇兵隊誕生や、対幕府との戦の勝利(その他にも色々と成し遂げた事はある)があるのだろう。
そして風に揺れる柳のように、その局面にあわせて自 -
Posted by ブクログ
葉室先生がすごいってことを再認識した作品。
正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。
隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。
だが、葉室先生は、そこを見事な視点で結びつけている。
冒頭で隆家の呟いた「どこかに、強い敵はおらんものかな」という言霊が、彼と共に百鬼夜行を見た乙黒法師が、至る所にちりばめられた伏線が、「刀伊入寇」に収束していく。
謎でしかなった藤原隆家が奮闘した理由、「雅の解し方」も、頷かずにはいられないものだった。
本当に、葉室先 -
Posted by ブクログ
両親を亡くしたのち、筑前黒田藩の立花重根のもとに引き取られた卯乃、しかし重根が父の自害に関与したと聞き卯乃は懊悩のため失明してしまう。さらに立花一族に対し藩からの圧力が強まり…
小説を読んでいて、登場人物の生き方に対し心の底からカッコいい、と思ったりすることってなかなかないと思うのですが、
この小説に登場する人物たちは老若男女問わず、どの人たちもカッコよく、彼らの生き方を漢字で表すとしたら”清”という字や
どんな苦境の中にあっても強く自分を持ち続ける姿から”凛”という字が思い浮かびます。
お家騒動や恋愛事情、複雑な家族の来歴、刺客の存在と死、そんな様々なドロドロとしたものが描かれなが