葉室麟のレビュー一覧

  • さわらびの譜

    購入済み

    良いはなしでした

    昔に言う女だてらにというのとはニュアンスが違うけれどもこんな感じの女性がいたら素晴らしいと思います。一途になれば周りの人をも惹きつけて魅了するものなんですね。

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    2018年02月05日
  • 潮鳴り

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    内容(「BOOK」データベースより)

    俊英と謳われた豊後羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免、いまや“襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。弟を救えなかった櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がるが…。“再起”を描く、『蜩ノ記』に続く羽根藩シリーズ第二弾!

    平成29年11月27日~12月1日

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    2017年12月01日
  • 恋しぐれ

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    ネタバレ

    京を舞台にした与謝蕪村の老いらくの恋と、蕪村の娘や弟子達の無器用なまでの恋模様をしっとりと描いた連作短編。

    相手を一途に愛おしく想う様が妖しく美しく描かれてあり、読んでいるこちらも心がザワザワしてくる。
    そしてそれをそっと見守る蕪村の温かな眼差しに泣ける。
    短編に添えられる蕪村の俳句や絵が内容にピタリと合っていて、これまた泣ける。
    蕪村の周りの恋は切ないのに粋に思えるから不思議だ。

    円山応挙が恋する気持ちを「せつのうて哀しいのやけど、なにやらあたりが生き生きと見えましてなあ」と言っていた。
    恋とは正にこれである!

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    2017年08月19日
  • 決戦!関ヶ原

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     怪僧恵瓊(木下昌輝著)は文庫版でのみ参戦。対するは毛利元就や、毛利の両川に比べて智謀に劣る毛利隆元が率いる毛利本家を案ずる、吉川広家。徳川家康に弓引かないことで、本領安堵を狙ったが…。敗戦後囚われても何故か余裕を見せる恵瓊。この一作も快作、買って損無し!

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    2017年07月25日
  • 墨龍賦

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    海北友松の一代記。
    一代記的な歴史小説を読むと、その人物が生涯を賭けて何を伝えたかったのかを考える。
    それを書いた作家が何を伝えたかったのか、も。
    そうだ。建仁寺へ行こう。

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    2017年05月18日
  • 冬姫

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    知らなかった。冬姫の存在はもとより、本能寺の変以降織田に縁のある人たちがどんな人生を送ったかについて、考えたことも、話を聞いたこともなかった。
    様々な歴史書に触れるにつけ、秀吉の人となりにはいつもあきれるばかりで、その陰で多くの尊い命が失われてしまっていたことに、今更ながら情けない思いが込み上げる。
    大河ドラマ「真田丸」と並行したので、よけいに思い入れが大きい作品になった。

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    2017年01月17日
  • 恋しぐれ

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    時代を代表する芸術家与謝蕪村。 自身の最後の恋も含めた、周囲の人々の様々な恋の形を描ききった、珠玉の短編連作もの。特に、 蕪村の弟子月渓が絵師として大成し、呉春と名乗るまでを描いた「月渓の恋」。恋する人が、家族を救うために 女衒に売り飛ばされる。面影を胸に秘めながらようやく添い遂げられ至福の時を過ごす。が、突然訪れた彼女の死。蕪村の哀歓を感じる言葉に馳せ、月渓のとった行動とは。。読みどころは、友人でもある文化人 円山応挙、上田秋成等の日々の触れあいを俳句を通して想像力逞しく繊細に描く事で、遠い存在である彼らを読者に身近な存在として浮き彫りにした事であろうか。 そして、辞世の句” 白梅にあくる夜

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    2016年09月04日
  • 秋月記

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    葉室さんの作品はまだ数冊しか読んでないが、今回も期待通りで大満足の一冊だった。
    二転三転しながらも信念を持って進んでいく姿がかっこいい。

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    2016年07月29日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    以前読んだ沖方さんの"はなとゆめ"がフィックスし、第一部からのめり込む。葉室節炸裂、、ファンタジーかつ武勇伝かつ浪漫譚。面白過ぎる一作♪。

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    2016年03月19日
  • 冬姫

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    いやこれはいい!織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗、、、
    カリスマだったんだろ〜なー程度の武将たちがイメージを壊すことなくリアルに躍動し、人間味に触れて親近感が湧いています。
    冬姫はおっとり系なのに凛と強くて、私の理想像かも。
    蒲生氏郷なんて全然知らなかったけれど、生涯側室を持たなかったとか、この本を読むとその誠実さが伝わってきて素晴らしい人だとおもいました。
    戦国時代、女の人が政治戦略で嫁ぐとか、平安時代の頃からそういう気はあるしかわいそーやなーまあそういうものかな、と思ってたけど
    こんなに「おんな戦」を繰り広げていた、と思うとかっこいい。能動的な武家女の生き方みたいな美学があったのかな、とワクワ

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    2016年02月14日
  • 冬姫

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    本作は、或いは“ファンタジー”、“伝奇”という色彩も濃い時代モノのような感じがする。戦国時代の軍略や合戦の狭間に生きた武将達の物語という風ではなく、有名武将の娘にして、同じく有名武将の妻となった魅力的な女性の周辺での“奇譚”が経年で纏められている物語集のようでもある。何かしら、「巧みに現代語の小説にアレンジされた、古文の物語集」というような空気感が漂っているようにも感じた。

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    2016年01月27日
  • 花や散るらん

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    多くのキャストが多彩な色を放ちながら、奥深き"忠臣蔵"ストーリーを見事なラストへ向かわせる。主人公夫婦もさながら、展開を引き締める香也ちゃんが天晴れ!。解説も素晴らしい♪。

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    2015年12月18日
  • 春風伝

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    ものすごく面白かった。
    以前、世に棲む日日を読んだ事があったから正直なところ、どうなんだろうと思っていたが、作者が変わると描き方も変わるので文句なしに楽しめた(こちらは少し、エンターテイメント色が強いけれど)

    この世に生まれ落ちて、嵐のように去っていった高杉。
    その人生は濃密、そして何ともトリッキーな人物だ。

    高杉がこれだけの功績を残したのは、やはり上海留学がキーポイントなんだろう。
    上海で見聞きしたものを、スポンジのように柔軟に強力に吸収できたからこその奇兵隊誕生や、対幕府との戦の勝利(その他にも色々と成し遂げた事はある)があるのだろう。
    そして風に揺れる柳のように、その局面にあわせて自

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    2015年10月18日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    葉室先生がすごいってことを再認識した作品。
    正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。
    隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。
    だが、葉室先生は、そこを見事な視点で結びつけている。
    冒頭で隆家の呟いた「どこかに、強い敵はおらんものかな」という言霊が、彼と共に百鬼夜行を見た乙黒法師が、至る所にちりばめられた伏線が、「刀伊入寇」に収束していく。
    謎でしかなった藤原隆家が奮闘した理由、「雅の解し方」も、頷かずにはいられないものだった。
    本当に、葉室先

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    2015年10月14日
  • 秋月記

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    小四郎の秋月藩を救う覚悟に胸うたれる。藤蔵や、昔からの仲間が土壇場で助太刀に来るシーンがすごく良かったし、みちと言う女学者が、行動的でまた良い味だしている!
    様々な政治的謀略に巻き込まれながら、一心にその信念を貫こうとする気持ちが清々しい。
    「自らの大事なものは自ら守らねばならぬ。そうしなければ大事なものは、いつかなくなってしまう。」
    「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。人だけが、おのれであることを迷い、疑う。それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ。間小四郎、おのれがおのれであることにためらうな。」

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    2015年10月12日
  • 春風伝

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    本作の高杉晋作は「上海での見聞」の故に、“四境戦争”で敗れることは、「欧米勢力による日本の蚕食」に繋がってしまうことであると考えている…他方、高杉晋作の身体は病魔に蝕まれ始めていた…だがそれでも、高杉晋作は戦い続けた…

    「必要とされる時代に生れ落ちて、必要とされる場面で力を発揮し、静かに去って行った快男児」という感の本作の主人公、高杉晋作…強い意思、豊かな学識、様々な人達との交流や自らの見聞で練り上げた思想、迅速な行動、ロマンス、病魔との闘いの他方で戦闘の指揮を執り続ける勇姿…彼は実に魅力溢れる描かれ方をしている…

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    2015年10月06日
  • 千鳥舞う

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    ネタバレ

    1つ1つがエピソードになっていて全体を読み終わったときに主人公の相手の秘密がわかるようになっている。テレビドラマ向きの構成。

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    2015年08月22日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    重根、峯均、卯乃各々の胸に秘めた思いと情が政局の流れに翻弄されながらも強くひたむきで、切なくも心温まる作品。願わくば、峯均の流刑が解かれたあとの描写がもっとほしかった。峯均の覚悟と強い信念に男らしさが満載で、蜩ノ記よりよかったな。

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    2015年03月08日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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     両親を亡くしたのち、筑前黒田藩の立花重根のもとに引き取られた卯乃、しかし重根が父の自害に関与したと聞き卯乃は懊悩のため失明してしまう。さらに立花一族に対し藩からの圧力が強まり…

     小説を読んでいて、登場人物の生き方に対し心の底からカッコいい、と思ったりすることってなかなかないと思うのですが、
    この小説に登場する人物たちは老若男女問わず、どの人たちもカッコよく、彼らの生き方を漢字で表すとしたら”清”という字や
    どんな苦境の中にあっても強く自分を持ち続ける姿から”凛”という字が思い浮かびます。

     お家騒動や恋愛事情、複雑な家族の来歴、刺客の存在と死、そんな様々なドロドロとしたものが描かれなが

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    2015年02月11日
  • 霖雨

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    帯に書かれていた「凛として生きる」たとえ雨が降り続こうとも・・・この言葉に尽きる内容でした。
    現在の大分県日田市に、江戸時代の私塾咸宜園の塾長淡窓とその弟で、稼業を継いだ九兵衛。
    二人のそれぞれの生き方に感動します。
    教育とはこうあるべきと思ったし、真摯に生きてみたくなる。

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    2015年01月19日