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Posted by ブクログ
ものすごく面白かった。
以前、世に棲む日日を読んだ事があったから正直なところ、どうなんだろうと思っていたが、作者が変わると描き方も変わるので文句なしに楽しめた(こちらは少し、エンターテイメント色が強いけれど)
この世に生まれ落ちて、嵐のように去っていった高杉。
その人生は濃密、そして何ともトリッキーな人物だ。
高杉がこれだけの功績を残したのは、やはり上海留学がキーポイントなんだろう。
上海で見聞きしたものを、スポンジのように柔軟に強力に吸収できたからこその奇兵隊誕生や、対幕府との戦の勝利(その他にも色々と成し遂げた事はある)があるのだろう。
そして風に揺れる柳のように、その局面にあわせて自分の身の振り方や周囲の人間を動かせたこと、先見の明があった事なども他の幕末の志士とはちょっと違うなあ。と。
ラスト、高杉が静かに息を引き取る場面では不覚にも涙してしまった。この時代、労咳で何人もの偉人が世を去っているが、もし労咳に効く薬があって高杉が生き延びたら、次はどんな奇策を持って日本に革命を起こしていただろうか。
Posted by ブクログ
実在の人物を主人公にした、著者の数少ない本格歴史小説。
高杉晋作は通称で、諱(本名)は春風だとは、この著で知った。春疾風(はるはやて)の別名が春風なら、疾風迅雷に時代を駆け抜けた晋作にふさわしい名か。
尊攘派の長州藩を征討しようとする幕府軍に対する回天の戦いは、晋作の人生でのクライマックスである。
その行動に駆り立てた要因は、師吉田松陰の影響とともに、上海での見聞だろう(上海での晋作たちの冒険的活劇は読みどころのひとつ)。
欧米列強の植民地化に抗した太平天国軍が敗れ去ったことに焦燥の念を抱き、日本という国家を守るための軍勢を思案する。そして、封建制度の身分を撤廃して編み出されたのが、彼の代名詞ともいえる奇兵隊。
最前線で長州を、日本を救う活躍をした晋作は、長州藩世子定広ほか様々な人物に敬愛される。
さらに、彼を慕う女性が次々と。
長州一の美人との誉れが高い妻の雅、八雲、うの、望東尼、太平天国の周美玲まで。
世の難事を救うため、天から遣わされた剣鎧護法童子のような晋作。辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」の通りの、28年の濃密な生涯だった。
高杉晋作を主人公にした作品には、池宮彰一郎の歴史長編小説『高杉晋作』もあり、読み返してみようか。
Posted by ブクログ
高杉晋作の物語。
どこまでが史実でどこが創作なのかわかりませんが、この時代を生きた高杉晋作の成し遂げたこと、その想いが伝わってくる物語でした。
ぶっちゃけ、高杉晋作には幕末の長州藩士、明治維新を牽引した人物というイメージしか持っていませんでした。
本書を読むことで、その破天荒?な人物像を知りました。
まさに激動の時代の風雲児だったんですね。
長州藩だけでなく、日本の行く末を見据えながら戦い続けた人物。
脱藩したり、投獄されたり、そんな人物が日本を変えていく、やはり、とがった人物が「リボリューション」を実現できるのかと思い至りました。
上海の活劇(?)や長州征伐での戦闘は引き込まれました。
そんな人物でも労咳には勝てなかった。
短い生涯だったんですね。しかし、彼の生きざまを本書を通して知ることが出来たのは、とても良かった!
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
「すみなすものは心なりけり」
ここから、最後のシーンはちょっとグッときました。
お勧め。
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