中野信子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中野信子さんの著書は、
ほぼ全て読んでおります。
彼女が示す膨大な脳科学データが導く
「人間の構造」は
説得力のあり、ストンと腑に落ちる。
ある現象に対して、
彼女は、
(一般人は使わないような難しい)
だけど至極適切な
言葉の言い回しをする。
そこも好きである。
難しいので、辞書片手に読みます。
また、彼女の文章の特徴として、
「結論」や「どう考えるか」を、
読者に委ねるという方式がとられている
ことが多い。
本書は、
短く、易しく、誰にでも読める形の
ライフハック本である。
本書で彼女は、
「こうした方がよい」
という言い回しもする。
彼女のスタンスを、
多少崩す方で書かれているので、
彼女は不本意だったのでは?とも疑いたくなってしまう。
脳科学の入門の入門のようなライトな内容の一冊。
有名な心理学なども取り上げられており、
読書経験少ない方向け。
明日から実践できることも多い。 -
Posted by ブクログ
人は誰しも心にスキマを持っている。自分は完全だと自信をもって言える人などそう多くはなく、寧ろ少しぐらい怠け者で嘘や冗談に翻弄され、月曜がブルーになる方が人間的だ。誰しもそんな自分を認めて曝け出そうとはしないから、周囲から見るとあの人は自制心があり立派な人だ、と思われる人もいるだろう。実際にその様な人間でも、面倒くさがりな一面や他人の不幸にほくそ笑む様な瞬間があるのではないか。人は完全では無い。虫や草と違って人には心があるから、心も完全では無い。
本書は昔懐かしい藤子・F・不二雄先生の「笑ゥせぇるすまん」を題材に、その様な不完全な人間の心理を例に挙げ、それに陥る心の構造を紐解いていく内容だ。
私もリアルに「笑ゥせぇるすまん」を観てきただけに、当時の事を思い出しながら、大人の世界の怖さを感じたのを覚えている。アニメや漫画をほとんど読んでこなかったせいもあってか、唯一どハマりした「ドラえもん」と同じ作者でありながら、夢と希望に溢れる世界観とは全く異なる、どこにでもありそうな日常が舞台となる事に、非常に衝撃を受けた。確か記憶だとバラエティ番組の中のコーナーとして放映されていた様に思う。兎に角感じたのは、人間って誰もが弱く、大人になると(会社勤めすると)自分はやっていけるかなという不安だった。これは勿論作者の狙いからは大きく外れていると思うが、あの独特の風貌の喪黒福造と1話ごとに変わる「心にスキマを持つ」ターゲット、そして「ドーン」と言う掛け声の先に続く破滅、これらが人格形成途中の私に与えた影響は少なからずあった様に思う。
本書は脳科学者の筆者が、同漫画のわかりやすい人間の不完全さを挙げていく。それらは人間が生きるために必要な、生存本能に近い脳が原因と紐解く。生命維持に必要な体の臓器は、その機能を生きるための必要要素に絞り、死ぬまで同じ機能を果たすのに対して、脳は環境に上手く適用するために、敢えて不完全(考える余地)を残していると言うものだ。人はこの余白部分に闇や光などからなる感情を持ち、ここを揺さぶられると脆さを露呈する。
喪黒福造はこうした闇を抱えるターゲットに心理学的に相手と共感性を持たせる「ラポール形成」というテクニックで近づき、自身の支配下に置いていく。その先は常套手段となっている、相手を上げて落とすというパターンで、ターゲットは最終的にはほぼ不幸のどん底に突き落とされるのだ。しかしこれはターゲットに対して不条理な暴力や強制のみでなされるものではなく、ある一定の条件を付け、それをターゲットが守らないと不幸になるという、あくまでターゲット自身の強さに委ねられる。ここがこの漫画が本当に言いたかった事だと思うが、ターゲットは怠惰や欲や逃避などの人間本来の生存本能から出る感情に動かされ見事に約束を破る=破滅していくのだ。これを反面教師と捉えられるかで見方は変わってくる。本書の筆者は心理学的に回避が非常に難しいことを理解しつつ、これを知ることで少しでも回避する技術を我々に教えようとしているのかもしれない。
後半は騙されやすい「人間」が持つ脳の構造の理解と、ささやかな回避策についても触れていく。結局多かれ少なかれすべて回避するのは難しい。余程の感情が無い人間か、もしくは世の中全てを疑い、無人島暮らしのような孤独を好む人間以外はどこか必ずスキマを持ち、最後に頼れるのは自分の脳だけだ。認知症治療も年々発達していき、その原因物質や陥りやすい行動も解明されてきた。だが完全に回復する事が難しい中で、いかにこの対策の要である脳を維持できるか、恐怖は消せなくとも、こうした騙しの構造を知る事はおおいに役にたつ。 -
Posted by ブクログ
中野さんの本にしては珍しく、後半パッとしなかった印象。前半はおもしろく読んだのですが。
努力は、正しい努力をすべきですね。自分の良さに気づいて、自分の良さを伸ばす努力をする。大谷翔平選手とかは、それに長けているんだと思いました。
学校教育でひととおりいろいろなことをしてみるというのは、自分の得手不得手を知る上でまだそんなに捨てたもんではないかなと思いました。(現場は破綻寸前ですが・・・)
中野さんが言いたかったという、子育てに寛容な社会になって欲しいというのはすごく共感しました。私は独身未婚中年ですが、お子さん連れの人たちには優しくしようと努めています。もっとも、子どもへの声かけなどは不審者と間違えられるので、よほど命に関わるようなことでもなければしませんが・・・。
みんなが生きやすい社会になりますように。 -
Posted by ブクログ
いじめをなくそうというスローガンを立ち上げても当たり前だがいじめはなくならない。
人間に備わった機能である事を充分理解し、誰だって加害者にも被害者にもなりうる危険を認識する。
小学校へ入学するわが子。学校生活は楽しい事もあるけど、もしかすると悲しく、つらい経験をする事だってある。田舎のほぼ固定された人間関係、周りがみんな顔見知りというメリットとデメリット(村八分)。
学校や教育委員会の対応には申し訳ないけど期待できそうもないので、もし子供が標的になったら親としてどう動くべきか、考えておかないといけないなと思う。
コミュニケーション能力は今後を生き抜く大事な力。しかしその力を身につける場は学校生活だけではない。いじめからコミュニケーションを学ぶなんて、過酷すぎる。そんな環境にいるなら離れていい。胸に刻んでおく。 -
Posted by ブクログ
博学のお二人が現在の日本、日本人の状況について縦横無尽に語り合われた内容。
対談の部分については正義、生贄、世間体、個性を失う教育といったことに対して容赦ない分析が会話の中で行われていく。その知識のバックグラウンドは半端ではない。
対談の章では「なるほど」と思わされるところが多々あった。ただ、「で、どうしたら良い?」という問いに対する答えのようなものが見えてこなかった。
「自分は自分が大事、相手も自分が大事、それを尊重し認め合うこと」という言葉が最後の方で出てきた。まさしくその通りだと思う。
最後の章のヤマザキマリさんのお考えは、とても納得のいく内容だったと思う。