中野信子のレビュー一覧
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中野さんの本にしては珍しく、後半パッとしなかった印象。前半はおもしろく読んだのですが。
努力は、正しい努力をすべきですね。自分の良さに気づいて、自分の良さを伸ばす努力をする。大谷翔平選手とかは、それに長けているんだと思いました。
学校教育でひととおりいろいろなことをしてみるというのは、自分の得手不得手を知る上でまだそんなに捨てたもんではないかなと思いました。(現場は破綻寸前ですが・・・)
中野さんが言いたかったという、子育てに寛容な社会になって欲しいというのはすごく共感しました。私は独身未婚中年ですが、お子さん連れの人たちには優しくしようと努めています。もっとも、子どもへの声かけなどは不審 -
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いじめをなくそうというスローガンを立ち上げても当たり前だがいじめはなくならない。
人間に備わった機能である事を充分理解し、誰だって加害者にも被害者にもなりうる危険を認識する。
小学校へ入学するわが子。学校生活は楽しい事もあるけど、もしかすると悲しく、つらい経験をする事だってある。田舎のほぼ固定された人間関係、周りがみんな顔見知りというメリットとデメリット(村八分)。
学校や教育委員会の対応には申し訳ないけど期待できそうもないので、もし子供が標的になったら親としてどう動くべきか、考えておかないといけないなと思う。
コミュニケーション能力は今後を生き抜く大事な力。しかしその力を身につける場は学校生 -
Posted by ブクログ
博学のお二人が現在の日本、日本人の状況について縦横無尽に語り合われた内容。
対談の部分については正義、生贄、世間体、個性を失う教育といったことに対して容赦ない分析が会話の中で行われていく。その知識のバックグラウンドは半端ではない。
対談の章では「なるほど」と思わされるところが多々あった。ただ、「で、どうしたら良い?」という問いに対する答えのようなものが見えてこなかった。
「自分は自分が大事、相手も自分が大事、それを尊重し認め合うこと」という言葉が最後の方で出てきた。まさしくその通りだと思う。
最後の章のヤマザキマリさんのお考えは、とても納得のいく内容だったと思う。 -
Posted by ブクログ
岸見一郎による「愛」がテーマの哲学をまとめた本。アドラー、フロム、三木清、ウジェーヌ・ミンコフスキーなど著名な哲学者が残した思想を引用しながら、「なぜあなたの恋愛が幸福をもたらさないのか」を解説する。
内容は哲学ではあるものの、そのエッセンスが上手く纏められているために読みやすい。文章も平易で、このあたりは流石「読ませる哲学書」に定評のある岸見さんらしい。
ただしメッセージが自明なものばかりで、「それはわかっているけど、それが難しいんだよ」というものが多いと感じた。個人的には『嫌われる勇気』を読んでもたらされたパラダイム・シフトを超えてこないという感想。
それでも示唆的で面白い考えも多々あ -
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Posted by ブクログ
中野信子の別の本にも記載されている上ら心理学の基本的な知識が多いために、既視感がある内容。それでも繰り返し読んでも為になる。
最近、文藝春秋の動画で東浩紀や成田悠輔、先崎彰容らとの対話を見たが、中野信子の話の切り口がとりわけ興味深かった。イデオロギーや外交問題を行動科学、脳科学まで掘り下げて説明するから、他者の統計的な社会現象論や因果論の語り口に一線を画していたように見えたからだ。
本著はそうした基本的な内容において、人間社会の関係性に蔓延るウソについて、その役割に迫る。ウソが生存に不要ならば、嘘つきは絶滅していた筈。社会にウソが蔓延するのは、それが関係構築と種の存続に必要だったからだ。