【感想・ネタバレ】悪の脳科学のレビュー

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騙されないために

mac
2022年09月30日

一部ご紹介します。
・人間の脳は、他の臓器と違って未完成のままである。なぜなら、生きていくための戦略変更を柔軟に行う必要があるからだ。
それ故「ココロのスキマ」は常に心の中に存在する。逆を言えば、「ココロのスキマ」が存在することそのものが「心」の条件だ。
・人間は誰でも、完璧ではなく、常に何か...続きを読むが欠けている。ココロもスキマだらけにできている。そして、喪黒福造は、そういったターゲットに近づき、欠落を即座に埋める魔法のアイテムを授けると同時に、絶対に守ることのできない約束を課して、最後には地獄に突き落とす。これが『笑ゥせえるすまん』という作品の基本構造。
・能力の不足は努力によって、一定の効率で補える。だが、地味な努力を品行方正に積み重ねるだけのトレーニングは、それが明らかに自分のためになることがわかっていても、続かないものだ。同じテーマの書籍が並んでいるという事実そのものが、こうしたトレーニングを人間は継続できない、という現実を証明している。
・集団でなければ生き延びる事の難しい人間という種にとっては、特に追加のコスト無しに協力を要請できる相手は、極めて重要な存在なのである。孤独であることは、人類の歴史において長らく、直ちにその人が脆弱であることを意味した。
・人間の「我慢の総量」は予め決まっている。ぎりぎりの我慢をしている人ほど、誘惑や罠に陥りやすい。満員電車による通勤などで、そのキャパシティを使っている場合は、ほんの少しのストレスが加えられるだけで、満杯のコップに水を一滴垂らしただけで溢れるように、忍耐の防波堤が決壊してしまう。我慢を続けている人間は、詐欺師にとって絶好のカモなのだ。
・過剰な緊張を緩和する手段。①深呼吸、②手のひらを温める、③甘いものを摂る。
・詐欺師が好むターゲットは、高齢者、経済的弱者、心理的に追い詰められている人。
・詐欺師に騙されないためには、「人間は騙されやすい生き物だ」ということを弁える事。そして「自分だけは騙されない」などと思わない事。
・騙されにくくなるには、「自分自身を客観視する」習慣をつける事。それには、日記(自分がその日、抱いた感情や出来事のメモ)をつけることだ。後々、そのメモを見返すことで、自分の性格や傾向も把握できるだろう。

#タメになる

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

昔流行った「笑うせぇるすまん」という漫画を題材にした本。
喪黒福造というキャラクターを分析しながら、喪黒の「騙しと誘惑の仕方」を脳科学の視点で考察し、「人間の心のスキマ」を解き明かしている。

「笑うせぇるすまん」懐かしい。また、読みたくなった。
巻末の藤子不二雄Aさんと中野信子さんの対談が一番面白...続きを読むかった。

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Posted by ブクログ 2020年09月15日

笑うセールスマンの喪黒福造を題材として、脳科学で分析した人間の本質のひとつに迫った一冊。
読んでこの地獄をセールスする喪黒の恐ろしさは、相手に強制をするわけでなくもちろん脅しでもなく、無償で快楽を提供することで目的を達成すること。いわゆる騙しの要素もない。あくまでターゲットになった「被害者」が選択し...続きを読むている。しかしこれは心理学では約束を交わしたら最後、守れないのは必然の約束であることが脳科学・心理学的解説で示される。
シンプルなだけにゲーテ「ファウスト」のメフィストフェレス以上に悪魔的で、恐ろしい。
いわゆる「脳科学者」というブランドをツールにタレント活動する人もいるが、中野氏はいつも脳科学的根拠に依拠して解説してくれるところが素晴らしいと思う。

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Posted by ブクログ 2020年07月27日

「笑うセールスマン」の内容をテーマにした本。タイトルにひかれて買いました。

読みやすく面白い!
だます側とだまされる側の人間がいる。
「心の隙間埋めてあげます」と近づいてくるセールスマン。この漫画にはたくさんの心理学が使われており、日常生活にあてはまることがよくよく考えてみるとたくさんある。

...続きを読むぜこんなにも人はだまされるのだろう。

満たされていない思いがきっとあるから。本当はみんなだまされたいと思っているのではなかろうかと作者はいう。

自分はどちら側の人間か。

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Posted by ブクログ 2020年06月21日

脳は不完全である。なぜならあらゆる環境の変化に対応するため。いわゆる未完成である必要があるということで、従ってココロのスキマが生まれるのも必然とのこと。なるほどねー、そんな学問的なことはとにかく何十年も昔の漫画なのに内容が人間の心理を突いている。藤子Aの人間観察ってすごいね。笑ゥせえるすまんのネタを...続きを読む元に人間心理を読み解いていく興味深い内容だった。でも、このジャケット、中野先生が喪黒福造に扮して「ドーン!」と半笑いでのポーズが無ければもっと売れるんじゃないかなと…すみません

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Posted by ブクログ 2019年12月02日

人を動かすスキルは、存在するんだな。


危ないことを一緒に経験することで、共犯になる。
なにかをあげることで、気持ち悪さを生み出し、
お返ししてもらう。

外見から、どんな人かをあてる、コールドリーディング。

笑うセールスマン、読んでみようかな。

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Posted by ブクログ 2023年11月22日

何故か笑うせぇるすまんが好きだった子供時代の私。結局、喪黒福造の目的はよくわかっていなかったけど、とにかく何ともいえない恐ろしさが印象に残っていた。
その恐ろしさの理由がこの本を読んで解明された感じです。脳科学って面白い

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Posted by ブクログ 2023年01月24日

漫画『笑ゥせぇるすまん』の筋を人間の脳のメガニズム(脳科学)で紐解く一度で二度美味しい新書です!
脳科学初心者に優しくわかりやすく発見がいっぱいです。

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Posted by ブクログ 2022年07月29日

喪黒福造って何?という感じで読み始めたが、笑うセールスマンと言われると、あーアレの事かと。実はきちんと読んだ事が無いが、絵面は分かる。藤子不二雄の数ある名作の一つ。その漫画を切り抜きながら、テキストとして用い、喪黒福造が用いる心理操作を見事に脳科学で解説する。

返報性の原理、コールド・リーディング...続きを読む、ゲイン効果、ストックホルム症候群などなど。名前を与えられた効果は、人間の基本的原理として共通する脳作用を示す。薄い本だが、分かりやすさと表現、話の上手さに中野信子は賢い人だと改めて感じた。

漫画の切り抜きは、オチまで掲載されないのが、若干の消化不良で残念。まあ、笑うセールスマンを読む目的ではなかったのだから、仕方ないか。

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Posted by ブクログ 2022年03月30日

 中野さんの本は素人でも読みやすく、とても分かりやすい。笑うセールスマンは見たことあったけど、この切り口は確かに興味深い。こうやれば騙せますよとは中々書けないのは納得。

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Posted by ブクログ 2021年11月19日

面白い!人の騙し方、陥れ方は、誰でも少なからずやってるし、処世術でもあると思う。綺麗事だけでは生きていけない。ただ同時に誰かに騙されたいという感情もある。
藤子不二雄A氏と中野信子氏の対談で、中野氏がズバズバ映画のタイトルを言い当てるところは、知識人同士の会話をみれた。

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Posted by ブクログ 2021年11月01日

喪黒福造が上手く人に取り込めるのはなぜかが分かる
構成が面白くてこのボリュームに物足りなさを感じたので星4
もっと読みたい!

シャーデンフロイデを読んだ後に続けて読んだのですごく目新しい事は書いてはいなかったけど、笑ゥせぇるすまんのベージが沢山引用されていてとても楽しい

喪黒福造の行動はめちゃく...続きを読むちゃ理にかなった手段を使ってるのに作者である藤子不二雄A先生はは感覚で描いてたらしい
作品作る人ってやっばり情報を上手く昇華させるのが上手いんだなぁと思った

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Posted by ブクログ 2020年10月12日

「人は、なぜ他人を許せないのか?」の中野信子さんの著書。人間の脳は他の臓器に比べると不完全のため心の隙間につけ入れられてしまう。そのことを「笑ゥせぇるすまん」を使って説明してあり楽しみながら読める。

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Posted by ブクログ 2020年05月15日

笑うせえるすまんを知っている人限定の本です。共感的に理解できるところが多く、おもしろく読めました。新しい知見は少ないかと思います。

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Posted by ブクログ 2020年02月29日

笑ゥせぇるすまんがこんなに人の心理をついたものだとは知らなかった。人はどうしてそんな行動をとってしまうのかを脳の仕組みで理解すると、自分や人の行動を客観的に見ることができそう。

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Posted by ブクログ 2020年01月29日

笑うセールスマンを題材とした脳の作用による心理効果の話。
身近な行動の背景を心理効果で解説している。

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Posted by ブクログ 2019年12月20日

面白かった。
喪黒福造はなぜ人を騙すのだろう。
彼の鮮やかな手口を読みながら、ふとそんなことを思った。
ともあれ、本作は喪黒福造の騙しのテクニックを脳科学的に解明した知的好奇心を刺激される興味深い著作である。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月04日

人の脳は簡単に騙されるから、メタ認知力を上げて自分を客観視出来るようにする

メタ認知に関しては、この本では日記を書けと書かれてる

軽く読めるけど、勉強にはなった

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Posted by ブクログ 2023年06月25日

人は誰しも心にスキマを持っている。自分は完全だと自信をもって言える人などそう多くはなく、寧ろ少しぐらい怠け者で嘘や冗談に翻弄され、月曜がブルーになる方が人間的だ。誰しもそんな自分を認めて曝け出そうとはしないから、周囲から見るとあの人は自制心があり立派な人だ、と思われる人もいるだろう。実際にその様な人...続きを読む間でも、面倒くさがりな一面や他人の不幸にほくそ笑む様な瞬間があるのではないか。人は完全では無い。虫や草と違って人には心があるから、心も完全では無い。
本書は昔懐かしい藤子・F・不二雄先生の「笑ゥせぇるすまん」を題材に、その様な不完全な人間の心理を例に挙げ、それに陥る心の構造を紐解いていく内容だ。
私もリアルに「笑ゥせぇるすまん」を観てきただけに、当時の事を思い出しながら、大人の世界の怖さを感じたのを覚えている。アニメや漫画をほとんど読んでこなかったせいもあってか、唯一どハマりした「ドラえもん」と同じ作者でありながら、夢と希望に溢れる世界観とは全く異なる、どこにでもありそうな日常が舞台となる事に、非常に衝撃を受けた。確か記憶だとバラエティ番組の中のコーナーとして放映されていた様に思う。兎に角感じたのは、人間って誰もが弱く、大人になると(会社勤めすると)自分はやっていけるかなという不安だった。これは勿論作者の狙いからは大きく外れていると思うが、あの独特の風貌の喪黒福造と1話ごとに変わる「心にスキマを持つ」ターゲット、そして「ドーン」と言う掛け声の先に続く破滅、これらが人格形成途中の私に与えた影響は少なからずあった様に思う。
本書は脳科学者の筆者が、同漫画のわかりやすい人間の不完全さを挙げていく。それらは人間が生きるために必要な、生存本能に近い脳が原因と紐解く。生命維持に必要な体の臓器は、その機能を生きるための必要要素に絞り、死ぬまで同じ機能を果たすのに対して、脳は環境に上手く適用するために、敢えて不完全(考える余地)を残していると言うものだ。人はこの余白部分に闇や光などからなる感情を持ち、ここを揺さぶられると脆さを露呈する。
喪黒福造はこうした闇を抱えるターゲットに心理学的に相手と共感性を持たせる「ラポール形成」というテクニックで近づき、自身の支配下に置いていく。その先は常套手段となっている、相手を上げて落とすというパターンで、ターゲットは最終的にはほぼ不幸のどん底に突き落とされるのだ。しかしこれはターゲットに対して不条理な暴力や強制のみでなされるものではなく、ある一定の条件を付け、それをターゲットが守らないと不幸になるという、あくまでターゲット自身の強さに委ねられる。ここがこの漫画が本当に言いたかった事だと思うが、ターゲットは怠惰や欲や逃避などの人間本来の生存本能から出る感情に動かされ見事に約束を破る=破滅していくのだ。これを反面教師と捉えられるかで見方は変わってくる。本書の筆者は心理学的に回避が非常に難しいことを理解しつつ、これを知ることで少しでも回避する技術を我々に教えようとしているのかもしれない。
後半は騙されやすい「人間」が持つ脳の構造の理解と、ささやかな回避策についても触れていく。結局多かれ少なかれすべて回避するのは難しい。余程の感情が無い人間か、もしくは世の中全てを疑い、無人島暮らしのような孤独を好む人間以外はどこか必ずスキマを持ち、最後に頼れるのは自分の脳だけだ。認知症治療も年々発達していき、その原因物質や陥りやすい行動も解明されてきた。だが完全に回復する事が難しい中で、いかにこの対策の要である脳を維持できるか、恐怖は消せなくとも、こうした騙しの構造を知る事はおおいに役にたつ。

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

脳科学者の中野信子による、文字通り悪の視点から見た脳科学。

『笑ゥせぇるすまん』の分析は面白いものの、宣伝本みたいな一冊だった。

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Posted by ブクログ 2022年11月13日

人間がいかにして騙されるかについて脳科学の観点から知ることができる。

【概要】
●人間の脳は不完全
●警戒心を解くということ
●騙される脳とは

【感想】
●「笑うせぇるすまん」の裳黒福蔵を通じて「人のココロの操り方」を見ることができる。漫画を題材としておりとても読みやすい。
●一番大切なのはメタ...続きを読む認知能力を高めることだとわかった。そのために「自分を観察する」ことにより前頭前野のDLPFCを鍛えようと思う。

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Posted by ブクログ 2022年06月09日

本編よりも藤子不二雄A先生のエピソードのほうがおもしろかったりする。
本編で印象に残ったのは、人間は変わり続ける環境に適応することが生存戦略なので、脳は常に未完成である必要があり、また不安を感じる必要があるということ。

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Posted by ブクログ 2022年01月24日

脳科学者中野信子の本は4冊目だろうか?それぞれ書きっぷりが違うが、基本的なものは同じ。ブレていない。ただ、見る方向が違うだけだ。
「笑ゥせぇるすまん」は、昔、好きな漫画だったので、中野先生と同じなのは少し嬉しい。人間の弱さに入り込んで、そこを刺す。ドーン!

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

笑ゥせぇるすまんをまた読みたくなる本です。
学術的な裏付けを知らずに描いているのに、中野さんが感心するほど、人間の心理をついている内容ということで、藤子・F・不二雄さんの人間観察眼には脱帽でした。

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Posted by ブクログ 2021年03月05日

陥れるブラックジョーク・テイストの漫画『笑ゥせぇるすまん』 人間が生きていく為の戦略変更を柔軟に行う為に、脳だけは他の臓器と違って常に未完成である必要があるのだ。 恐怖を堪えて平均台の上を歩くのが意志の力・理性であり、欲のままに食事を摂って個体を維持し、生殖によって子孫を残すのが情動・本能が司る機能...続きを読むなのだ。 闇の隅々までを把握して掌中に収めているかのような、何とも言えない深さと清濁併せ持った知性をそこに感じるように思った

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Posted by ブクログ 2020年09月20日

笑ゥせぇるすまんを読みたくなる。
脳科学者には「こうすると人を騙せる」ような本は書かないという不文律があるらしい。
けど笑ゥせぇるすまんには作者がそういった技術を知り尽くしているのじゃないかというほど散りばめられているとのこと。

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Posted by ブクログ 2020年08月16日

人の気持ちが揺さぶられるのは脳が他の体の機能と比べて完全にできていないから。進化する為に必要な余白部分を喪黒福造は攻めてくる。
漫画が差し込まれ、文書も読みやすかった。
数々のホルモンが人間の身体や考え方にどのように影響するのか随所に書かれており、自分をコントロールすることは脳をコントロールすること...続きを読むと等しいんだなと思った。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

読みやすかった。
笑ゥせぇるすまん解説本。
脳は考えたくない。命令されたい、騙されたい。

日本人はドーパミンが脳に残りにくいから、横並びを望むってこと?
他の国との比較して欲しい!

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Posted by ブクログ 2020年04月30日

中野氏の本というよりは藤子不二雄A氏のリスペクト本。この漫画は「闇金ウシジマくん」のようなリアルな「人の弱さ」が恐ろしく描かれる漫画に引き継がれているのか。多くの漫画家が影響を受けたのではと思ってしまう。

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Posted by ブクログ 2020年03月16日

中野信子は好きだけど、一つの現象についてぐーっと掘り下げた本が好き。引用を多用して、広く浅く書いていて、なんだか小学校時代のに書いた読書感想文みたいな感じがした。苦笑。

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