ペルソナ 脳に潜む闇

ペルソナ 脳に潜む闇

913円 (税込)

4pt

人間関係が苦手だった私は、その原因を探ろうと、いつしか「脳」に興味を持つようになった。

親との葛藤、少女時代の孤独、男社会の壁…人間の本質をやさしく見つめ続ける脳科学者が、激しくつづった思考の遍歴。初の自伝!

「脳は一貫していることの方がおかしいのだ。自然ではないから、わざわざ一貫させようとして、外野が口を出したり、内省的に自分を批判したりもするのである。一貫させるのは、端的に言えば、コミュニティから受けとることのできる恩恵を最大化するためという目的からにすぎない。

私たちは、複数の側面を内包しながら、これらを使い分けて生きている。私たちの世代はこれを自覚的にできる人が旧世代よりも増えただろうが、人間というのは世代を問わず、そういうふうにできている。仕様だといってもよいだろう。

わたしのペルソナ(他社に対峙するときに現れる自己の外的側面)は、わたしがそう演じている役である、といったら言い過ぎだと感じられるだろうか? あなたが、わたしだと思っているものは、わたしではない。一時的に、そういう側面を見て取ってもらっているだけのことである。

わたしは存在しない。これは悲しいことではない。透明な存在であることを嘆く必要はない。だからこそ、来るべき変化に対応することができるからだ。もう変化のときは来ている」(中野信子)

<主な内容>
はじめに わたしは存在しない
無駄を肯定するということ/脳は一貫している方がおかしい

1章 サイコマジック――2020
脳は毎夜、夢を見ながら再構成されている/愛している、が伝わらない/「毒親」とはどういう存在なのか/アカデミズムは時代遅れの男性原理の象徴

2章 脳と人間について思うこと――2010~2019
『ホンマでっか!?TV』の洗礼/攻撃されたときの身のかわし方/ブレることは脳の高次な機能/メンサのこと/結婚するメリット

3章 さなぎの日々――2000~2009
世の中を良くしよう、にある胡散臭さ/専門家のアドバイスは脳の活動を停止させる/脳が作り出す微笑みのペルソナ/日本は「科学技術後進国」

4章 終末思想の誘惑 ――1990~1999
東大女子は第三の性別?/ネガティブな思考には独特の中毒性がある/バイオアートの可能性/脳研究を志した理由

5章 砂時計――1975~1989
他社の間違い探しをする人に発疹が出る/なぜ点数を悪く取れるのだろう/通知表に「利己的」と書かれて

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ペルソナ 脳に潜む闇 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    輝かしい経歴の持ち主の筆者がどれだけ苦労して、かつ周りと混じらない交わらない孤独の中で生きてきたのかということが感じられた。中野先生はとても大好きですが、知らない他者に大好きとなど言われるなんて気持ち悪いと言う冷めた人間観もまた、中野先生の魅力だと思います。

    0
    2024年06月04日

    Posted by ブクログ

    脳科学者で多数のテレビ番組でも見かける筆者であるが、書籍も多数出している。「悪の脳科学」や「空気を読む脳」などを読ませて頂いた。難しい脳科学の分野を分かり易い言葉と事例に置き換えてスラスラと読めるので、中々私のような医学も科学も無縁の人間であっても、成る程そう言うことかと判った気になれる。本書はそん

    0
    2023年11月03日

    Posted by ブクログ

    本書を脳科学の教養書として買ったつもりだったが、自叙伝であった。内容はとてもユーモアに溢れ自身の見解を思う存分、「大嫌い」という言葉を使うほど書き綴っていた。しかしその中に著者の周りと違う不安や葛藤を感じる。確かにこの本で彼女の考え方の奥深くまで潜っていける、「中野信子」という人間を知ることのできる

    0
    2023年10月12日

    Posted by ブクログ

    まず、「はじめに」を読んで…テーマというか題材というかが余りにもバラバラとたくさんある事に戸惑い、読み切れるかなぁと不安になったが、結局は最後まで一気読みする程面白かった。
    TVなど見て中野信子さんを変わった人と(失礼ながら)思っていたが、何となく私自身にも同じような「変わった所」があったので、この

    0
    2023年04月21日

    Posted by ブクログ

    新書でこういう内容の本を出していいのか?
    が最初の感想です。

    もちろん新書では「こういう題材でなければ
    いけない」というルールは無いのですが、こ
    の本はほぼ著者の独白です。

    書名のペルソナは「他者に対峙するときに現
    れる自己の外的側面」と注釈があります。

    つまりここでは「あなたには私がこういう

    0
    2022年02月22日

    Posted by ブクログ

    ずっと書店に平積みにされているのを気になっていた本。
    最初は自分語りの本かな〜と思い読み進めると、最後にはなんだか中野信子さんの抱擁を感じるようで…
    孤独だけど生きれると思える本だった。

    0
    2025年03月26日

    Posted by ブクログ

    テレビでお見かけする中野信子さんは賢くて綺麗でお話も面白く憧れてしまう。
    そんな外から見える姿と違い、中野さんの内側は葛藤や孤独や辛いことがあったことを知りました。

    「これは私の物語のようであって、そうではない。本来存在しないわたしが反射する読み手の皆さんの物語でもある。」
    とあるように、中野さん

    0
    2024年03月04日

    Posted by ブクログ

    ペルソナについての解説ではなく、中野信子氏のペルソナを綴ったものであり、彼女の脳と過去を合法的に覗かせてもらうことができる。

    彼女という人を彼女が自分の視点から語っている、その淡々と進む文章に、なぜか安らぎを覚えるし、へたに言葉をつくされ「さあ、私はあなたを受け入れますよ!」とやられるよりもよほど

    0
    2023年05月08日

    Posted by ブクログ

    ペルソナとは人格なり。

    外的な側面とはべつに
    内側に潜む自分も在る。

    いわゆるキメラでない
    人などいない。

    暗いネガティブな面を
    持っていることは人と
    して自然である。

    清く正しく明るくあれ
    と言われたとて、

    そうなれないのは当然。

    その人の心の問題など
    ではない。

    それが自然なんです

    0
    2023年04月16日

    Posted by ブクログ

    とにかく不思議な自伝書。
    ジェンダー論、世代論、学歴とコミュ力、生い立ちの影響、などなど。自伝の形をとっておきながら多義にわたる題材を投げかてくる。
    社会と馴染めない異質感。女性であることの虚脱感。ネガティブ思考の再利用。綴る内容は卑屈さが漂っているものの自分自身を客観的に捉えまくっていて思考の言語

    0
    2023年03月15日

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