中野信子のレビュー一覧
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既存の論理基準が変わりつつある遷移期 根本のアーキテクチャ(構造)が違う 何その安寧を物足り無く思い リスク(危険)よりベネフィット(利益)の方が大きく見え 巷間よく言及されている 目に見えない価値を象徴するトークン(代用貨幣)を持つ事が 人間である事を捨ててしまうという陥穽に落ちていく後ろ暗い悦びを 制裁(サンクション)を加えたくなる衝動 恣意性の高い分類に誰も疑義を唱えないのは 重要な祭祀の場ではこれを用い 人類の歴史を繙いていくと 音楽は、副作用のない薬のようなものだ。 この人にとって赤信号で止まるというのは、盲目的にルールを守るという思考停止の所産ではなく、運命を楽しむ為の能動的な選択なのだ。 原因の特定出来ない哀情 その人はこの愁訴が解決される事は無いという事を既に知っていて 女には勝てないと口では言っていても本当に勝てないとなった場合に見せるプリミティブな暴力性や自尊感情の際限無い毀損を抑制するのも難しいだろう 生きるという事は、軋みを慈しみながら日々を過ごしていく事だろうから。 発する言葉の流暢性は失われない 感動や共感や承認という蜜に満たされた快楽の海だ 脊髄反射的な所謂「クソリプ」と呼ばれる応答(この言葉自体も嫌いだが)が目に入るともうそれだけで 一見馬鹿馬鹿しいような、危険な何かへのチャレンジは私達が人間として生きる事の本質に裏打ちされていると言えるだろう。 わかりやすいようになど斟酌する事も無く書いた
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女であることのメリットデメリットを導入として、女であることつまり社会的固定概念としての女らしさを定義し、女らしさの型にはまることの生きにくさに軸足を置いて話を進めている。フェミニズム的な観点で話を進めるわけではなく、この両名の経歴からすれば当然こういった帰結になるだろうなという展開で話が進んでおり、本書の主張は一般女性に対する再現性は低いように感じた。良くも悪くも感情論が排された極めて論理的な思考で話が進んでおり、例えば結婚や出産して一人前に見られる女性のあり方等の古い因習に対する不合理さに話が及んでいる。対談形式であるために、意味がつかみづらいところがあり、一般女性への再現性の低さを感じたが、本書から女としての固定観念について、男と女を分け二元的な視点で分けて見るのではなく、1人の人間として一元的に考えるべき問題だという視点を感じた。
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シャーデンフロイデという言葉をよく知らなかった私だが、本書の内容には共感する部分が多い。中々言い出す事を憚るような、人間性の悪い側面であってもズバズバと躊躇なく言葉で表舞台に引き摺り出していく筆者の説明には爽快感さえ覚える。そうだ、人間は元々長い歴史を生き抜いてきた種族であり、それは綺麗事ばかりではない汚い側面や本能的な行動、思考を持つことは不思議ではないと感じる。勿論身近な人間同士、相手を思いやり手を取り合って生きる事も、そうした人間社会で無闇矢鱈に他者を排除せずに無駄な犠牲を払わずに済んだ、という事もあるだろう。だが、長い地球上の生命の営みに於いては、時には食うために他者をやっつけ、より強いものが生き延び、そして強者のDNAが受け継がれていく事が、今の人類の発展をもたらした事も間違いない。一度人類よりも強者が何処かから現れれば、弱い人間だけの世界はあっという間に消えてしまうだろう。人間は自己の命を繋ぐために、時に凶暴に時にエゴイスティックに生きてきた生物であると考える方が自然だ。
そしてそれを可能である理由は、あらゆる生物の中でも優れた脳を持ち、それに従う生き方を実践してきたからだと言える。脳は様々な物質を出して、人の行動をコントロールしている。それはアドレナリンであったり、ドーパミンであったり、本書に登場するオキシトシンもその一つである。オキシトシンといえば幸せホルモンとして一時期有名になったが、人が幸せや快楽を感じる瞬間はオキシトシンの分泌量に関係し、それに大いに支配されている。よく知られたところでは母親の子供に対する愛情であったり、恋人への愛がそれにあたる。そして人間が生きるために形成してきた同族意識であり、日本人に特徴的な同調圧力も、そうした仲間に対する強い意識が影響する。
本書は他人の不幸すらも快楽を覚える、人間のあまり見たくない側面から話をスタートさせるが、最終的には人間の仲間意識や他人に合わせた方が楽だと感じる、脳のコスト計算にまで話が及ぶ。またそうした中から行き過ぎたサイコパスの話も登場し、読み手を飽きさせない点ではいつもの中野節炸裂といった内容だ。様々な心理学的な実験事例もその内容の補完材料として役に立つし(多くの心理学の書籍に登場するようなメジャーな実験であるものの)、改めてそれら実験の結果と照らし合わせてみても、確かに人間とは利己的で集団に惑わされやすい生き物であると感じる。そして本質的には、他人の不幸すらも幸福に感じてしまう側面は、私だけでない人ならば誰もが持つ感情かもしれない。
本書では集団が目標達成するために役立つ考え方や、どのようにしたら組織が結束できるのかといったアイデアも抜き出す事に繋がるような内容も含まれる。ビジネスでリーダー的な役割を演じながら行き詰まりを感じる方にも参考になるかもしれない。 -
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サイコパスは、
刑事物やミステリーで扱われがちだが
身近にいる存在だという。
100人に1人程度はいるらしい。
第1章、第2章で、
サイコパスの心理的身体的な特徴、
脳科学的な見解がまとめられる。
第3章でサイコパス発見の歴史が、
第4章でサイコパスを通して
私たち人間の良心や生存戦略について
語られる。
第5章で現代に見られるサイコパス例、
第6章で治療の可能性などについて
書かれている。
身近にいると迷惑で危険な存在だと
個人レベルだと思ってしまうが、
マクロ的な目線で見た時に
進化の過程で淘汰されずに生き延びた
サイコパス遺伝子が必要な
状況や時代があったことを示している。
不安や恐怖を感じにくく
情動を抜きにした冷静な判断ができることが
求められるシーンはどの時代にも
少なからずあったため
サイコパスは生き延びてきた。
一方で、成功報酬の判断ばかりが強く
罰への考慮ができない特性から、
罰則による刑罰、治療の難しさも書かれている。
倫理的な側面、
人間は社会的な存在のため
動物実験ができないことなどから
研究は難しさがつきまとう。
排除するのではなく、
どう共存していくのか問われている。
興味深かった記述。
サイコパスが多い地域や社会は、
生活環境が豊かで
みんなで協力する必要性が少ないという。
サイコパスが少ない社会や民族は
過酷な生活環境(食糧不足、災害など)で
助け合うことが必要とされる環境だったという。
日本という自分が置かれた環境。
現在という自分が生きる時代。
当たり前と思ってしまっている感覚について
より引きで、マクロ的な視点で
みるきっかけを与えてくれるのが
サイコパスであることを興味深く思った。
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題目
なぜ他人を許せないのか?
人間はイングループとアウトグループとに分かれる。
イングループからすれば、
自分たちと違う思想の人間はアウトグループに属され、
その人たちを敵対する感情を持つ。
例えばサッカーの日韓戦、野球の巨人阪神、トランプ大統領の賛成派反対派と言ったように分けられる。
これは敵対をする相手に対して敵意を持ち向かう事で、
ドーパミンが多量分泌し、快楽を求めている言わば一種の麻薬的なものである。
ここで題目の『なぜ他人を許せないのか?』の一つの回答として、
許せないのではなく、敢えて許さないのである
と、自分は思った。
他人を許せないことの真相は一冊を通して解決策がないと結論づけられたが、
上記自分の感想のように、
人間は敢えて相手を許さない特性を持つと分かった上で、
まずは相手の事を一旦許容してみるのも1つ解決策ではないかなと思いました。
その中で、いい部分は咀嚼し吸収し、それでも飲み込めないものについては許さず対立をすれば良い。
それくらいの割り切りが必要なのかなと考えさせられました。 -
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なぜ人が生贄を探すのか?
コロナ禍に流行った(?)自粛警察。
ルールを守らない人を槍玉にあげ、日常生活でたまった鬱憤を正統的に糾弾する。
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●平和になると戦いの場(ストレスや怒りの矛先)がなくなるため、正義中毒者が増える。
⇒生贄を探し、炎上。
日本は無宗教、災害が多いため、
⇒不安定さを排除する(=生贄探し)行為に繋がる
●"世間体"という戒律
群れとして一体化しているから、個人は特定できないだろうという安心感。匿名で人格を変え、ふだん人前では言えないことを言えるTwitter
誰かをやり玉にあげることで、他者が団結し、ルールを守るための見せしめにする。
●メンタル面の訓練には、想像力が必要。
思い込みや価値観の共有押し付けは、想像力の怠惰。意見の違う人を異物として排除する行為は、多数派に群れ同調することで、想像力の機会を失い、自己の意見を責任回避する。
⇒ヒトという種族の生き物を客観的に見るには、地球上に住む別種族の生き物を観察する事で、価値観や想像力が広がる。
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●結論
人間以外のもっとシンプルに生きている生き物たちを見てみろ…という事らしい。
確かにうちの猫をみていると人間みたいな余計な感情はなく、その時ごとに生きている。
人間は生き延びるために脳が複雑に多様化したけど、それが原因でヒト同士に諍いがおき、戦い競いあっている…。
他者を下げ落としても得るものはないんだけどな。 -
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副題の「『笑ゥせぇるすまん』喪黒福造に学ぶ[人のココロの操り方]」とある通り、藤子不二雄A(安孫子素雄)氏の作品を脳科学の方面から中野さんが解説するもの。
マンガがふんだんに挿入されてるのもあり、とても読みやすかった。
喪黒福造はターゲットの望む物や状況を与えつつ、一方で必ず約束事も付け加える。ターゲットは自らの欲や怠惰から約束事を破ってしまい、自滅するというのが毎回のパターンだが、こうして解説されてるのをあらためて見ると喪黒福造は言ってることは至極まともだし、約束事も決して守れないような理不尽なことではない。けれど毎回自滅してしまうのを中野さんは人間の脳は約束や禁則をいつか破ってしまうように作られていると説く。まあつまり押してはいけないボタンを押したくなってしまうというやつなのだろう。意思の力は必ず負ける時がくると喪黒福造はわかっていて、約束事を取り付けていくのだ。
ほかにも人間が身体全体で消費する酸素量の四分の一を脳が使っており(!)、よって人間の身体は脳に対して本能的に「あまり働くな」と命じるようになっている。つまり誰かからの命令に従おうとするのは人間の本能、生理的機能の表れと言えるとし、喪黒福造は本能的に楽をしたがっている人間に命令を発する(ドーン!)としていた(笑)。
この本を読むことで一番知りたいであろう「騙されないようにするにはどうすればいいか」というのを終章で説いているのだが、それが「メタ認知」の能力があるとされていたので、個人的にはドッチラケだった。ようするに自分を客観的に見ることが出来るかということだ。そんなことは詐欺に遭わないようにするにはで真っ先に言われることである。そんな美味い話を自分だけにするのは何でだろう?と疑う心が大事なのだ。とはいえ、人間の脳(心)は基本騙されやすいということらしいので気をつけねばとは思った。
巻末に中野さんと藤子不二雄A氏との対談があって、二人がエリンの小説が好きだと言っていたのはオッ!となった。エリンの短編と『笑ゥせぇるすまん』の展開はたしかに似ているなと。 -
Posted by ブクログ
結構、真面目な本だった。色々考えて胸が苦しくなってしまった。
代理母の出産について「賛否はありつつも」としながらも二人とも賛成の姿勢を示していた。確かに子どもを望んでいながら、難しい方にとってはとても希望のある話だと思う。でも、日本で今すぐに代理母出産を制度的に認めるかってなると難しい問題だなって思った。
妊娠すると精神的・身体的も不安定になるし…。出産は勿論身体へのダメージは大きいし。十月十日お腹の中で育てていれば愛着も湧くし、自分のお腹で育てた子と別れなくちゃいけなくなるってすごく辛いと思う。それを全部振り切ってお金だけで人の子どもを産もうとするのはよほどボランティア精神がないとできないと思うけど…。
もし、代理母制が認められるとしたら代理母の権利も整えていかないといけないなと思った。代理母が経済的に弱い人たちに偏ってはいけないし、ましてや彼女らを踏みつけるようになってはいけないし。
そんなことをつらつら考えながら読みました。 -
Posted by ブクログ
どの内容も、そんなに極端に難しいことではなく、意識すればできそうなことが多かった。だから、それを自然体でいつもやれるようにするかで違いが出るのだと思う。
私が一番面白いと思ったのは、「笑顔をふりまきながらも、主張は押し通す」というしなやかさの話。聞き上手、ほめ上手になって、相手をいい気分にさせて、周囲が自分に合わせてくれているという状況を作り出す。そのためには、自分が得意なものが何なのかをよく知り、自分の苦手なことはやらない、ということを徹底する必要があるとのことだ。
確かに、誰かを頼れば、頼られた人は少し嬉しくなる。日頃からしっかり話を聞いてもらっていて信頼関係ができているなら、もっとその人のために何かしようと思うようになる。頭のいい人は、勉強ができるだけではなくて、人たらしで、周りの人の協力を得られるからこそ、もっと活躍できるのだと、もっとコミュニケーションの大切さに意識を向けたほうがいいと思った。
他にも、本を沢山読んで、趣味も資格試験も楽しんで、アウトプットの場を持って、自分に適度なストレスを与えることが大切とあった。こういう一人でやる系は、私も少しできているなと思った。
これから強化したいのは、「自分がやりたいことをやって楽しむことが、誰かを楽しませることに通じる」というのをもっと体験すること。社会的報酬による快楽を得ながら、周りの人と楽しくやりたいことをしたいと思った。
私は人づきあいに尻込みしてしまうところがあるので、試してみれる人や環境から、人たらしになれる一歩を踏み出したい。