【感想・ネタバレ】サイコパスのレビュー

あらすじ

平気でウソをつき、罪悪感ゼロ……そんな「あの人」の脳には秘密があった!

外見はクールで魅力的。会話やプレゼンテーションも抜群に面白い。
しかし、じつはトンでもないウソつきである。不正や捏造が露見しても、
まったく恥じることなく平然としている。
ときには、あたかも自分が被害者であるかのようにふるまう。
残虐な殺人や善良な人を陥れる犯罪を冷静沈着に遂行する。
他人を利用することに長け、人の痛みなどこれっぽっちも感じない。

――昨今、こうした人物が世間を騒がせています。しかも、この種の人々を
擁護する人も少なくありません。そうした人物は高い確率で「サイコパス」なのです。


もともと「サイコパス」とは連続殺人鬼などの反社会的な人格を説明するために
開発された診断上の概念です。しかし精神医学ではいまだ明確なカテゴリーに
分類されておらず、誤ったイメージやぼんやりとした印象が流布していました。

ところが近年、脳科学の劇的な進歩により、サイコパスの正体が徐々に明らかになっています。
脳内の器質のうち、他者に対する共感性や「痛み」を認識する部分の働きが、
一般人とサイコパスとされる人々では大きく違うことがわかってきたのです。

しかも、サイコパスとは必ずしも冷酷で残虐な犯罪者ばかりではないのです。
大企業のCEO、政治家、弁護士、外科医など、大胆な決断をしなければならない職業の人に
サイコパシー傾向の高い人が多いという研究結果もあります。

最新脳科学が、私たちの脳に隠されたミステリーを解き明かします。

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Posted by ブクログ

これを読みながらあの人はそうだなと2人くらい思い浮かべたけど、とにかく近づかないしか対処法がない人もいると認識すべき。
前頭葉の結びつきの強さ弱さが原因となるとその当人を責めるのもどうなんだという気もする。
なぜそもそもそういった人がいるかという人類学的な解釈はおもしろかった。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

人類が持っている性質。

それは天が与え給うた
という詩的なものでは
なく、

種の存続に便利だった
からそうなっているに
すぎない。

たとえば倫理や道徳は、

集団を形成することを
生存戦略とする人類に
後付けで出現したもの。

つまり、愛情や友情が
美しいのも種の存続に
都合がいいから。

格は遺伝や生育環境
に由来する脳の形成に
依るもの。

つまり、前頭前皮質と
扁桃体の接続の強弱や、

脳梁の形状や灰白質の
体積など、

いたって物理的な性質
に依るもの。

たしかに認知症や頭の
怪我で人格が変わって
しまうと言いますよね。

善悪とは?自分とは?
という根源的な問いに、

ここにひとつの明確な
回答が示されています。

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

脳科学者である著者による「サイコパスとは何か」について書かれた本。
サイコパスの特徴を列記し、その原因を脳の構造から明らかにしていくという構成になっている。

高度な専門用語などは使われず、非常に読みやすい。その中でも筆者の確かな専門知識と他のサイコパスに関する代表的な研究が多く引用することにより納得感の高い内容になっていると感じた。

「サイコパス」とは、尊大な性格で、自己愛と欺瞞に満ちた対人関係を築き、責任感・共感的な感情が欠落した衝動的で反社会的な存在である。とされる。
ただしサイコパスは必ずしもそのままの形質の人物がいるわけではなく、サイコパシー傾向の高い人がグレーゾーンのように社会に存在している。それでも著しくサイコパシー傾向の高い人は1/100程度現在の社会に存在するとされる。

サイコパスがなぜこのような特徴を有意に持つかというと、彼らの脳の構造が普通の人とは異なっているからだ。
サイコパスは報酬系の一部である、快感や喜び、不安、恐怖といった情動を司る「大脳辺縁系」の中の扁桃体の活動が弱い。そのため彼らは恐怖や不安の学習ができない。
また彼らは物事を長期的な視野に立って計算したり、様々な衝動にブレーキをかける「前頭前皮質」と扁桃体との結びつきが比較的弱い。故に罰や痛みから、罪や恥の意識を覚えることができない。

これがサイコパスがサイコパスたりえる所以を脳の構造という視点から見た場合の見解である。

一方、サイコパスの中でも前頭前皮質が発達した個人は短絡的な反社会行動を起こしにくい。中長期的に自分の損得を冷静に計算して、罰を受けないように反社会的行為を行うことができる。
彼らは短絡的な犯罪を行うことなく、上手く社会に溶け込んでいる。

すべてのサイコパスが犯罪者になるわけではなく、彼らの不安や恐怖に対して怯まないという性質は混乱化のリーダーや起業家に向いている。
恐怖や不安に対しても先陣を切っても革新に導くという点において、彼らは人類に必要な存在でもあるのだ。

「サイコパス」はまだまだ学術的にそのすべての性質が明らかにされたわけではないが、彼らは社会の1/100と、消して少ない存在ではない。故に彼らのことをよく理解し、どう活かすべきかを考えることが重要である。本著はそのための有用な文献であると言える。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

お友達にサイコパスっぽい人がいる。ある人からこの本を勧められて読み始めたが、最初の数ページで、頭の中のモヤモヤがパーっと晴れていった気がする。サイコパスっぽい友達は、「ぽい」だはなく、明らかに「サイコパス」だ。そう思って付き合えば、すべての疑問が解決できるし、もっと笑顔で付き合える。サイコパスは犯罪者とは限らないが、心底信用して付き合うにはいくつかの注意点がある。この本は、そんな身の回りに潜んでいるサイコパスな友人との付き合い方を指南してくれる本だ。

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2022年11月29日

Posted by ブクログ


サイコパスは100人に1人くらいいる

併せて読みたい本
サイコパス 冷淡な脳
サイコパス、インサイド
P120
サイコパスは一般人とは異なる。言葉遣いすることに注目している。
→文の構造、語尾の選び方、しゃべる速度、リズムが違うこと。
経験から考えられた16項目
表面的な魅力、不安の欠如、罪悪感の欠如、信頼できないこと、不誠実、自己中心的、親しい関係を継続して作れないこと、罪から学ばないこと、情動の乏しさ、自分の行動が体に及ぼす影響を鑑みることができないこと、将来の計画を立てられないこと

対人関係では「支配的かつ強制的」「傲慢で詐欺的」
感情面では「適切な情動が欠如」「どの情動反応も難しく、一時的」
では「衝動的」「計画的に問題がある」

サイコパス3脚理論
①眼窩前頭前皮質と側頭葉前部、扁桃体の異常なほどの機能低下
②いくつかの遺伝子のハイリスクな変異体(MAOA)
③幼少期早期の精神的、身体的、あるいは性的虐待

p149
サイコパスの海馬も、左より右が大きいこと
妊娠中の母がアルコールを大量に摂取すると、右の海馬より左の海馬が大きくなる

p171
ムンドゥルク族の社会で、男性が求められる役割は、「雄弁」、「恐れ知らずの勇敢さ」、「戦闘に秀でていること」
→カリスマ性と似ている

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

人間とは、どうしてこうも不思議なのか。自分の引き出しに全くない感情と感覚を持ち合わせている人が存在することを引き出しとしてしっていると、生きやすくなる。わたしたちは「みんな自分と一緒」という前提を無意識にもっていると苦しくなる。「人と自分は違う」と理解しているだけで生きやすくなる。そんな、「違う」種類を広げてくれる本。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

サイコパスとは、人との共感能力が低い人のこと。
特に印象的だった内容。男性を好むサイコパスが男性に性加害を加えては開放していたところ、事件が発覚して捕まった。そのサイコパスの犯人は捕まらないためには、相手を殺せばいい、という発想で殺人者になって犯行を続けた。その行為が社会的にどうなのか、殺される相手の痛み、他者の気持ちに考えが至ることがない、それが序盤に紹介されたサイコパスの一例。いわゆるサイコパスはこのイメージだった。

優秀な経営者にもサイコパスが多いそう。痛みが伴うが合理的な判断を、躊躇いなくできるから経営者としては最適な判断ができる。
サイコパスは成長過程で自分が他人と異なることを理解する。感情を共有するのが得意でないからこそ、相手を観察し、どういうときに何と声をかけるのがいいかを考える。こうして後天的に人心掌握術に長けていくケースもあるそう。

怖いイメージが先行する「サイコパス」ではあるが、一定数そういう性質の人はいる。何も彼らも希望してそうなったわけではない。1つの特徴と捉え、お互いを理解・尊重し、共存していくのが一番。
※さすがに、犯罪のように他者に危害を加えるケースは除く

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

サイコパスさんは、100人に1人の割合でいると…
なら、結構、身近にいるって事やん!

まぁ、映画とか、小説に登場するような凶悪犯ばっかりやないにしても。
読んでると、
 ジョン・F・ケネディ
 ビル・クリントン
 マザー・テレサ
 スティーブン・ジョブズ
らも、サイコパスの可能性があるらしい。

サイコパス、すなわち「良心を持たない人たち」は、人口比率でいうと低いけど、常に存在するって事は、個別案件はともかく、人類の種の存続には、必要って事なんかな…知らんけど(^◇^;)
何か脳の仕組みも一般人と違うみたい。
前頭葉のどっかが少ないとか
(細かい名称忘れた^^;)。

「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」もおるようで、多分、大量殺人犯とかで捕まってるような人が「負け」で、英雄なり、一代で財を築いたような人が「勝ち」なんやろな。

・脳の機能について、遺伝の影響は大きい。
・生育環境が引き金となって反社会性が高まる可能性がある。

何か、遺伝に占める割合も多いらしい。それと生まれからの教育も影響すると。
遺伝的要素があって、生まれてから、虐待とかにあったら、サイコパスの能力に目覚めるのか…

生まれてから、そんな事されたら、別にサイコパスやなくてもって気もするけど。

口が達者で、話がコロコロ変わる人要注意らしい。見た目魅力的な人多し!!
イケメン、イケジョに騙されるな!

ちなみに

サイコパスの多い職業トップ 10
1 企業の最高経営責任者
2 弁護士
3マスコミ、報道関係(テレビ/ラジオ)
4セールス
5外科医
6ジャーナリスト
7警官
8聖職者
9シェフ
10 公務員

サイコパスの少ない職業トップ 10
1 介護士
2 看護師
3 療法士
4 技術者、職人
5 美容師、スタイリスト
6 慈善活動家、ボランティア
7 教師
8 アーティスト
9 内科医
10 会計士

サイコパスに多い職業8位…
聖職者って、仏教も入ってる??
やっぱり………(・・;)

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

どこの民族、部族にも1-4%くらいの比率で存在するらしい。脳の作りが先天的に違うっぽいとのこと。それじゃあ分かり合えないわな。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

よくある「サイコパスに気をつけろ!」的な本ではなく、サイコパスにも優しい思案なんかも出してくれる面白い一冊だった。
米国や日本の殺人犯はもちろん、サイコパスの多い職種や歴史上のサイコパスなどが挙げられており、また彼らがどのような役割を果たしていたか、という点には目からウロコ。読み応えがあった。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

そういう人間が一定数いると言う事が知れてよかった。100人に1人はなかなかな人数だと思う。

サイコパスが生きていく上で必要とされた時代や場所があることも書いてあったのでよくわかった。

人殺しまではしないけど、正しくサイコパスの人は何人かいるので、悩ましい。対策までは書かれていないというか、諦めるしかないと言うような感じだったので、少しへこみました。
サイコパスに洗脳されているというような感じなので。

洗脳して平気で搾取できる人はサイコパスなんだろうな。

排除したいとは思わないけど危害は加えないでほしい。
経営者などいい方に発揮できてたらいいのに。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ


世間一般で言う「サイコパス」と脳科学的な側面からの「サイコパス」の意味合いの違いを、実際のデータから見出すプロセスは見ものです。
また、身近な自分と本書の内容を照らし合わせると、この人とは距離を置くべきなのかと考えることもでき、参考になりました。

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

自分の周囲にもいる、そんな感覚が読み終わった直後に湧き出してくる。それと同時に過去の自分の行いや今現在の自分の立ち振る舞いを見たとき、もしかしたら自分もそうなのでは無いかと恐怖する。
サイコパスは漫画やドラマの世界の中の話ではなく、現実世界の自分の周りにもかなりいる。という内容から始まる本書だが、確かに思い当たる節は沢山あるし、読み進める中で、人間の生存や進化の過程に必要な存在であった可能性に気づく。
海外の調査では人口の2%がサイコパスという研究結果もあり、約50人に1人、少なく見積もっても100人に1人は居るとされている。
本書はそうした存在を脳科学を使って解説していく内容だ。筆者の書籍は書店でもベストセラーになっていたりするので、読まれた方も多いかもしれない。脳科学という一見難しそうな内容を丁寧に誰もがわかりやすい記述で解説していく(流石メンサ!)。
まずは海外の大量殺人鬼などを例に挙げ、その犯罪の概要と犯人の生い立ちなどにも触れていく。日本でもかつて神戸の小学生の殺人事件や秋葉原の無差別殺人など、狂気じみた犯罪が発生した。海外のそれらはスケールも桁違いで100人近く殺害するケースもある。そうした犯罪者は勿論、心理学者も精神科医も積極的に研究対象とするから、過去から今までに様々な研究結果が世に出てきた。
近年はそれらを脳の構造からより医学的に科学的に究明する動きが活発な様だ。とは言え、やはり断定的にこうだ、といった結論には達していないらしい。脳の構造で感情を司る部分の影響が大きいというのは理解できるし、それら脳の各機関との相互伝達作用が少ないせいで、通常(サイコパスに対して)の人よりも、社会環境に対する適合性が低く、同時に他人を憐れんだりする能力に欠ける様だ。
確かに息を吐く様に嘘をつく人、大した理由もないのにいきなり平気で他人を殴る人などは、過去の自分の周りにも居た。前歯が折れて血だらけなのに放っといて歩いて行ってしまう人。周りにはそうした危険人物が多かったから、多少はサイコパスの様な人間の存在に気づいていたものの、自分は違うという自信はあった。
本書を読むと歳をとり部下をはじめとして沢山の人間と相対し、日々怒りや悲しい感情に晒されているうちに、その様なものに鈍感になった自分を省みて、その気がないか不安になる。だが、実際のサイコパスは遺伝的要素の方が大きいようである。私の様に周りの環境に影響され形成されていく考え方や思考はむしろ正常、実際のサイコパスは脳科学的には特定機関の容積が小さかったりと、生まれながらにして持った特徴があるようだ。その後、幼い頃から育った環境的要素に影響される事で表面化したり、うちにしまい込んだまま過ごせる人も多く居る。前者は「負け組サイコパス」、後者は「勝ち組サイコパス」だ。元々サイコパスの特徴として、自身の考えを自信ありげに魅力的に人に伝え(嘘であっても)、通常の人が恐る場面へも果敢に飛び込み、新しいことへの探究心も高いから、後者の勝ち組は企業家に多いそうだ。彼らはサイコパスの特徴を持ちながら、犯罪に走らず(上手く隠したかも)、巨額の富を得て一生を終える。
本書で非常に参考になったのは、その様なサイコパス的な人間が一定の割合で存在し、人類の生存競争の中で残り続けた理由についてだ。南アフリカの原住民の例にもある様に、その環境、社会において生き残る理由がそこにはある。彼らサイコパス的な行動が人類に進化や社会性を維持する理由につながったとも言えるし、何より人口の数%で残り続けている事実がそれを裏付ける。だから、我々(自分はそうじゃ無い、違うと信じてる)側から見れば引き続き共存を考えていく事は重要だ。
科学が進歩し分析が今以上のスピードで進むなら、ともすれば遺伝的に発見された状況で排除される様な事があってはならない。それは人類の発展の一要因を失う事でもある。そうした人々が犯罪に走らない様な努力も必要だし、社会として受け入れる準備が無ければ、益々サイコパスにとっては生きづらい世の中、裏を返せば異常犯罪に繋がる恐れもあるからだ。
本書は最後にサイコパス的な人々が向いている職業についても記載している。多様性と呼んで良いかは判らないが、自分の周りには常にそうした人々が居ることを認識し、上手く共存の道を歩めれば良いと考える。
最後に自分のチェックリストの結果は今後の人生にかなりの不安を覚えた…。

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2023年06月25日

Posted by ブクログ

サイコパスについて脳科学寄りの知見が紹介されていて興味深かった。社会環境要因についても言及されている点で安心する。参考文献が二次文献ばかりなのに失望して星1つ減らしましたが、とても面白かったです。

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2023年04月08日

Posted by ブクログ

要するにサイコパスとは脳の一部部位に何らかの欠陥が、(一般の人とは違うという意味で)認められる人の事である。また本文中での記述で脳は判断することを嫌がる、特に年を重ねると傾向は強くなるのところが面白かった。

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2023年03月13日

購入済み

サイコパスは病気? 個性?

 サイコパスについての様々な説自体が面白いし、その説が導かれたエピソード一つ一つも面白い。その上で理解も深まる。サイコパスはただの犯罪者予備軍というだけではなさそうだ。

「将来サイコパスが治療出来る様になったら、どこまで『治療』すべきなのだろうか」と、ふと思った。サイコパスも一つの個性。『治療』により心から泣いたり笑ったり出来るようになったら、それは『治療』前と同じ人間なのだろうか。「泣いたり笑ったりする事が『人間らしい』なんて誰が決めた。それが出来なければ『治療』されるべきなのか?」となるとちょっと文学的。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

読んでみて思ったのは、サイコパスの要素は個人によって程度の差はあるものの、誰しもが持っているのではないかということだ。

一線を越えるかどうかは、本書でもあった通り、幼少期における虐待や教育の有無などだと思う。
サイコパスにならないことが幸せに帰結するのかは確かではないが、今後周りの人を大切にし、様々なことについて知見を深めていきたいと思った。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

テレビやラジオでお話されている中野先生が好きなので、読んでみた。「なんでこの人こんなにひどい/雑な言動するんだろう」と思うような人について、単にそのシチュエーションにおける対応に慣れていなかったり、配慮がないだけで、慣れや周囲の指摘により多少なりや改善すると思っていたが、ある種脳の反応が違うため、治るとかよくなるとかいう話ではないのだなと、腑に落ちる部分があった(実際彼・彼女らは指摘などがあっても変わらない)。本書の中には、”サイコパス”の例として複数の連続殺人犯の話がでてくるが、脳の働きや反応に関する観点からその特性が抽象化されるように書かれているので、遠い人のエピソードとしてだけでなく、その要素を持ってそうな身近な人を思い浮かべながら読むことができた。書き方や例の多さがあり読みやすかったが、結論にいたる根拠が少ない感じがして、少し物足りなさがあった。そんなにじっくり気張らずに、さらっとサイコパスの特性を知るのによかった。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サイコパスの心理・脳科学的特徴をわかりやすく紹介しており、興味深かった。特に「共感性は低いが他者の心理を読むのが得意」という指摘にはゾッとした。
一方で、隣人や同僚がサイコパスだった場合の具体的な対処法も知りたかった。続編に期待したい一冊。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

 サイコパス――それは、良心や共感性の欠如を特徴とする人格上の特性。人当たりは良いが傲慢で尊大、口が上手くて大ボラ吹き、強い魅力(カリスマ)はあるが人情がない。
 なぜ、サイコパスの特性を持つ人間が存在するのか。近年の脳科学の劇的な進歩により明らかになった、一般人とサイコパスの、脳の違いとは――?

 脳科学の研究が進むにつれて、脳と心の強い相関性が明らかになってきている。本書はその中でも、いわゆる「サイコパス」をテーマに、彼らの特徴について門外漢でもわかりやすく解説している。
 その特性ゆえに、特にフィクションでは、社会から排除すべき悪として描かれがちだが、実際のところ「サイコパス=悪」ではない。社会と適合できなかったサイコパスが悪と認識されるだけで、本書を読めば、社会に溶け込んだり受け入れられたりしている、"無自覚なサイコパス" がいかに多いか、がよくわかる――ただ。
 そうだからといって、彼らが "善良なサイコパス" だと認識するのは誤りだ。彼らは、必要とあらばその特性を活用し、状況に応じて相手を利用したり手懐けたり攻撃したりする。もしかしたらあなたの友人や隣人も、内面にサイコパスの特性を隠しているかもしれない。実際、サイコパスの特性を隠し持った主犯が友人を支配して犯罪を起こさせた事件もある――日本の話だ。
 サイコパスの概念が解れば、関わってはいけない人間が判るかも? 悪縁を防ぎ、良縁を繋ぎ、良質な人間関係を紡ぐ、本書がその参考になるかもしれない。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

サイコパスは、
刑事物やミステリーで扱われがちだが
身近にいる存在だという。
100人に1人程度はいるらしい。

第1章、第2章で、
サイコパスの心理的身体的な特徴、
脳科学的な見解がまとめられる。
第3章でサイコパス発見の歴史が、
第4章でサイコパスを通して
私たち人間の良心や生存戦略について
られる。
第5章で現代に見られるサイコパス例、
第6章で治療の可能性などについて
書かれている。

身近にいると迷惑で危険な存在だと
個人レベルだと思ってしまうが、
マクロ的な目線で見た時に
進化の過程で淘汰されずに生き延びた
サイコパス遺伝子が必要な
状況や時代があったことを示している。

不安や恐怖を感じにくく
情動を抜きにした冷静な判断ができることが
求められるシーンはどの時代にも
少なからずあったため
サイコパスは生き延びてきた。
一方で、成功報酬の判断ばかりが強く
罰への考慮ができない特性から、
罰則による刑罰、治療の難しさも書かれている。

倫理的な側面、
人間は社会的な存在のため
動物実験ができないことなどから
研究は難しさがつきまとう。

排除するのではなく、
どう共存していくのか問われている。



興味深かった記述。

サイコパスが多い地域や社会は、
生活環境が豊かで
みんなで協力する必要性が少ないという。
サイコパスが少ない社会や民族は
過酷な生活環境(食糧不足、災害など)で
助け合うことが必要とされる環境だったという。

日本という自分が置かれた環境。
現在という自分が生きる時代。

当たり前と思ってしまっている感覚について
より引きで、マクロ的な視点で
みるきっかけを与えてくれるのが
サイコパスであることを興味深く思った。





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2025年04月21日

Posted by ブクログ

サイコパスと定義される人たちが、なぜこの世からいなくならないのか。
古代の人たちのなかでは、他人の気持ちを顧みず暴力に訴えて食べるものを勝ち取った者こそが子孫を残し、繁栄できたこと。その場合でいえば、サイコパスである方がより強い遺伝子を末代まで繋げていけたこと。
研究が進み、サイコパスの形成には遺伝が関わっている可能性が高い場合もある。
私にも障がいを持った子供がいるが、その時に遺伝子検査をすることを医師が申し訳なさそうに言ったのを覚えている。むしろちゃんと検査してもらって、これから育つ子がどのようになる可能性があるのかを、親として早い段階からわかっていた方が、適切な療育や周りの関わりが密にできると思う。
遺伝子はデリケートな問題として何かとタブーにされているけれど。
科学で説明できないことこそ、科学で思い切って踏み込む、これまでの研究例を出して言葉にして、当事者に説明する。
これが大事なんではと思いました

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2024年09月24日

Posted by ブクログ

サイコパスというと、推理小説に出でくる冷酷な犯罪者を連想するが、男性では全人口の0.75%がサイコパスだと言う。
サイコパスは脳の機能的には遺伝的要因が大きいが、環境要因により反社会性が高まるとされている。
革命家、独裁者など、歴史上の人物、織田信長、毛沢東、ピョートル大帝、マザーテレサなども、サイコパスと言われています。
リスクを恐れず、普通の神経ではとても出来ないような事をできることは、サイコパスの特徴であり、人類が発展していく上で、必要であるから、遺伝的に一定個数生じる事になったのでしょうか。
神がいるから、悪魔もいて、光があるから、闇もあるという事なのかもしれません。

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2024年08月10日

Posted by ブクログ

前半(90ページあたりまで)を読んだ感想は、「ショッキングな事実を、根拠を示さずに、または、あやふやな根拠で断定し、根拠がある事実は、妙に詳しく書いて、客観性を装うというテクニックを駆使している。」というものだったのだが、後半は、同じ人が書いているのじゃないのでは、と思うほど、根拠がしっかり書かれていて、びっくり。第2章サイコパスの脳、第3章サイコパスはいかにして発見されたか、は、読み応えあり。第6章サイコパスかもしれないあなたへ、は、蛇足。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

タイトルで惹かれた本
色々と自分や周り環境、過去の人間関係を考えさせられ「あぁ!いた!」、「自分ももしかして?」って気付かされた内容
専門用語多くてなかなか早くは進めなかったけど、もう少し時間経ったらまた必ず読む!

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

普段「サイコパス」という言葉をちゃんと理解せずに使っているので読んでみた。一般向けに浅く広く書かれた印象だが、読み物として面白かった。

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

思考やふるまいを本人の意思や努力で後天的に変えるのが難しくて、
情動レベルでは善悪の区別がつかなくて、
犯罪行為が道徳的に間違いってわからないなら、
脳の形状とか機能の違いまでわかってるなら、
まさにケン・リーヴィの言う通り
サイコパスがなんかやらかしても刑事責任問うのおかしくね

基地外が放免されるならサイコも放免されて是

なんでそんな目の敵にされるのか意味不明すぎ

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

メディアでおなじみの面白い教授先生という印象だったので、実際読んでみたら思いのほか真面目な内容だった。それでも私たちにもわかりやすいように説いてくれてる……かな(?)。
私たちが一般的に聞く「サイコパス」=「凶悪犯罪者」というのは彼らの一部分であって、それが上手い方向に進めば大企業のCEOなどの人物にもいると聞いて少なからず驚いた。脳科学の分野から分析しているので、脳の機能の部分で特徴があることをはっきり言っている。
ただ、過去の犯罪者などの例を挙げてるのはごくわずかで、どちらかと言うと人間の長い歴史の中で必ず一定数彼らのような者が存在することの意味なども論じていて、否定するだけの内容ではなかった。最終章では「サイコパスかもしれないあなたへ」とあって、精神医学会が作成した診断基準なんかも載っている。サイコパスに多い職業、少ない職業のトップ10まで載ってたのには笑ってしまったけども。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

サイコパスとは映画や小説などからシリアルキラーなど異常な凶悪殺人犯をイメージするが、そこまではいかなくても、私達の周りに普通に生息してるみたいである。あの人、ちょっと変わってるな〜⁈はたまた魅力的な人だな〜と、思った人が実はサイコパスだったかもしれない…!!100人に一人の割合なら今まで生きてきた中で何人かは会っているだろう…作者の言うように上手く付き合っていかなければいけない存在かもしれない。

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

脳科学から、サイコパスの特徴を説く。

うーん、どうしてもクレッチマーの悪い印象があって、安易には肯首しづらい。データも、どれくらいの有益性があるのかよく分からないところはある。
が、現実として十分以上にあり得る話で、慎重に、かつ、広域に研究は進めてほしいと思う。

サイコパスの気質を、同犯罪に結びつけずに社会に組み込んでいける研究が、最終目的地だろうと思う。

しかし。

サイコパスにとって善良な人々はただのカモ、的な記述があったと思うが、国際社会における、我が国にダブったのは、変かね。

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2023年05月10日

Posted by ブクログ

女性より男性の方が多いというのは攻撃性の高さが違うからそりゃそうだろうなと思いつつも
自己愛性パーソナリティなど別の診断をが出されやすいのは納得した。男性と女性で発言や行動が同じでも印象が違ったりするし力も違うから見過ごされやすいんだろう。
基本的に女性に対しては性善説で考える人も多いし。

モラハラと何が違うんだろうと思っていたけどサイコパスの男性はサイコパスの女性を好みやすい(長期的なパートナーの場合)とあって支配下に起きやすい人間より刺激を求めるのかと意外だった。
そこに違いがあるのかな。

昔は今より争いが多かったから問題になることもなく生き残れたとあるけどこれから先も生き残れるだろうと思った。

だってサイコパスの多い職業は高収入だし少ないのは収入が低いのばかり。共感性がなく攻撃的でも生涯のパートナーとして選ばれやすいだろうな。

女性は生理周期によってダメ男を選びやすくなる話は恐ろしかったな。もう繁殖することが本能なんだ。恐ろしいわ…

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2022年11月25日

購入済み

業績無しの科学者

頭良いって経歴なのに何で論文書いてないの?
大学院の主論、副論のみ。

業績無いと信用できません。

他の精神科医の本見ましょう。

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2017年04月06日

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