【感想・ネタバレ】サイコパスのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年05月02日

人類が持っている性質。

それは天が与え給うた、
という詩的なものでは
なく、

種の存続に便利だった
からそうなっているに
すぎない。

たとえば倫理や道徳は
集団を形成することを
生存戦略とする人類に、

後付けで出現したもの。

つまり、愛情や友情が
「美しい」のも、

種の存続に都合がいい
...続きを読むからにすぎない。

人格は遺伝や生育環境
に由来する脳の形成に
依るもの。

つまり、前頭前皮質と
扁桃体の接続の強弱や、

脳梁の形状や灰白質の
体積など、

いたって物理的な性質
に依るもの。

たしかに認知症や頭の
怪我で人格が変わって
しまうと言いますよね。

善悪とは?自分とは?
という根源的な問いに、

ひとつの明確な回答が
示されています。

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Posted by ブクログ 2022年12月25日

脳科学者である著者による「サイコパスとは何か」について書かれた本。
サイコパスの特徴を列記し、その原因を脳の構造から明らかにしていくという構成になっている。

高度な専門用語などは使われず、非常に読みやすい。その中でも筆者の確かな専門知識と他のサイコパスに関する代表的な研究が多く引用することにより納...続きを読む得感の高い内容になっていると感じた。

「サイコパス」とは、尊大な性格で、自己愛と欺瞞に満ちた対人関係を築き、責任感・共感的な感情が欠落した衝動的で反社会的な存在である。とされる。
ただしサイコパスは必ずしもそのままの形質の人物がいるわけではなく、サイコパシー傾向の高い人がグレーゾーンのように社会に存在している。それでも著しくサイコパシー傾向の高い人は1/100程度現在の社会に存在するとされる。

サイコパスがなぜこのような特徴を有意に持つかというと、彼らの脳の構造が普通の人とは異なっているからだ。
サイコパスは報酬系の一部である、快感や喜び、不安、恐怖といった情動を司る「大脳辺縁系」の中の扁桃体の活動が弱い。そのため彼らは恐怖や不安の学習ができない。
また彼らは物事を長期的な視野に立って計算したり、様々な衝動にブレーキをかける「前頭前皮質」と扁桃体との結びつきが比較的弱い。故に罰や痛みから、罪や恥の意識を覚えることができない。

これがサイコパスがサイコパスたりえる所以を脳の構造という視点から見た場合の見解である。

一方、サイコパスの中でも前頭前皮質が発達した個人は短絡的な反社会行動を起こしにくい。中長期的に自分の損得を冷静に計算して、罰を受けないように反社会的行為を行うことができる。
彼らは短絡的な犯罪を行うことなく、上手く社会に溶け込んでいる。

すべてのサイコパスが犯罪者になるわけではなく、彼らの不安や恐怖に対して怯まないという性質は混乱化のリーダーや起業家に向いている。
恐怖や不安に対しても先陣を切っても革新に導くという点において、彼らは人類に必要な存在でもあるのだ。

「サイコパス」はまだまだ学術的にそのすべての性質が明らかにされたわけではないが、彼らは社会の1/100と、消して少ない存在ではない。故に彼らのことをよく理解し、どう活かすべきかを考えることが重要である。本著はそのための有用な文献であると言える。

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Posted by ブクログ 2022年07月16日

○サイコパスの性格特徴
相手に対して、共感性がない
平気で嘘をつく
恐怖を感じない
自己中心的で傲慢
何事にもめげずに、ある意味魅力的
自己アピールや緊張しないためプレゼン能力が高い
捕まっても反省する事はない
○サイコパスの身体的特徴
テストステロンが多く顔は横に幅がある
心拍数が低い
脳機能障害...続きを読む
○その他
子供の頃から兆候は有り、治療は難しい
遺伝率が高い
人類はの1%はサイコパスでありCEOなどに多い
織田信長、ケネディー、クリントンなど成功者にも多い

他の本ではプーチンは、サイコパスの典型であると書いてあったし、正に同意見だが、成功者のサイコパス性についてもっと根拠や事例が知りたいと思った。
また、ストーカーも自己中で反省しない点などはサイコパスに似ている部分があると思うが今後追求してみたい。

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Posted by ブクログ 2022年06月03日

「あの人絶対サイコバスだよ」とか、サイコパスっていう言葉がよく出てくるし、自分でも使ったことがあるけれど、正確な定義とか全く知らなかった。
もともと犯罪者の分析をするために使われ始めた言葉だったそうだ。

サイコパスは扁桃体の機能が低く、恐怖に対する学習効果が低い。だから、人のネガティブ反応に対する...続きを読む共感性が低いから、残虐な行為が行えるのだそう。
その一方で、生存競争に勝ち抜いてきていることを考えると、人類の繁栄に必要だったとも考えられており、新大陸を探しに行くなど、死ぬ危険性の高いことに対して勇猛果敢に挑戦できる人たちは実はサイコパスだったのではないか。
そう思うと、いわゆるファーストペンギンになるような人はサイコパス気質があるのかもしれない。

また、面白かったのが、恐怖などのネガティブ感情を感じないから、罰では行動変容には至らず、インセンティブを上手に与える方だ大事なのだと考えがとても腑に落ちた。

人口の数%、多ければ4%近くいるとされているサイコパス。
会社内にも絶対にいるはずなので、そのことを知っておくだけでも対応が変わるような気がした。

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Posted by ブクログ 2022年11月29日

お友達にサイコパスっぽい人がいる。ある人からこの本を勧められて読み始めたが、最初の数ページで、頭の中のモヤモヤがパーっと晴れていった気がする。サイコパスっぽい友達は、「ぽい」だはなく、明らかに「サイコパス」だ。そう思って付き合えば、すべての疑問が解決できるし、もっと笑顔で付き合える。サイコパスは犯罪...続きを読む者とは限らないが、心底信用して付き合うにはいくつかの注意点がある。この本は、そんな身の回りに潜んでいるサイコパスな友人との付き合い方を指南してくれる本だ。

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Posted by ブクログ 2024年02月01日

よくある「サイコパスに気をつけろ!」的な本ではなく、サイコパスにも優しい思案なんかも出してくれる面白い一冊だった。
米国や日本の殺人犯はもちろん、サイコパスの多い職種や歴史上のサイコパスなどが挙げられており、また彼らがどのような役割を果たしていたか、という点には目からウロコ。読み応えがあった。

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

そういう人間が一定数いると言う事が知れてよかった。100人に1人はなかなかな人数だと思う。

サイコパスが生きていく上で必要とされた時代や場所があることも書いてあったのでよくわかった。

人殺しまではしないけど、正しくサイコパスの人は何人かいるので、悩ましい。対策までは書かれていないというか、諦める...続きを読むしかないと言うような感じだったので、少しへこみました。
サイコパスに洗脳されているというような感じなので。

洗脳して平気で搾取できる人はサイコパスなんだろうな。

排除したいとは思わないけど危害は加えないでほしい。
経営者などいい方に発揮できてたらいいのに。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日


世間一般で言う「サイコパス」と脳科学的な側面からの「サイコパス」の意味合いの違いを、実際のデータから見出すプロセスは見ものです。
また、身近な自分と本書の内容を照らし合わせると、この人とは距離を置くべきなのかと考えることもでき、参考になりました。

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Posted by ブクログ 2023年06月25日

自分の周囲にもいる、そんな感覚が読み終わった直後に湧き出してくる。それと同時に過去の自分の行いや今現在の自分の立ち振る舞いを見たとき、もしかしたら自分もそうなのでは無いかと恐怖する。
サイコパスは漫画やドラマの世界の中の話ではなく、現実世界の自分の周りにもかなりいる。という内容から始まる本書だが、確...続きを読むかに思い当たる節は沢山あるし、読み進める中で、人間の生存や進化の過程に必要な存在であった可能性に気づく。
海外の調査では人口の2%がサイコパスという研究結果もあり、約50人に1人、少なく見積もっても100人に1人は居るとされている。
本書はそうした存在を脳科学を使って解説していく内容だ。筆者の書籍は書店でもベストセラーになっていたりするので、読まれた方も多いかもしれない。脳科学という一見難しそうな内容を丁寧に誰もがわかりやすい記述で解説していく(流石メンサ!)。
まずは海外の大量殺人鬼などを例に挙げ、その犯罪の概要と犯人の生い立ちなどにも触れていく。日本でもかつて神戸の小学生の殺人事件や秋葉原の無差別殺人など、狂気じみた犯罪が発生した。海外のそれらはスケールも桁違いで100人近く殺害するケースもある。そうした犯罪者は勿論、心理学者も精神科医も積極的に研究対象とするから、過去から今までに様々な研究結果が世に出てきた。
近年はそれらを脳の構造からより医学的に科学的に究明する動きが活発な様だ。とは言え、やはり断定的にこうだ、といった結論には達していないらしい。脳の構造で感情を司る部分の影響が大きいというのは理解できるし、それら脳の各機関との相互伝達作用が少ないせいで、通常(サイコパスに対して)の人よりも、社会環境に対する適合性が低く、同時に他人を憐れんだりする能力に欠ける様だ。
確かに息を吐く様に嘘をつく人、大した理由もないのにいきなり平気で他人を殴る人などは、過去の自分の周りにも居た。前歯が折れて血だらけなのに放っといて歩いて行ってしまう人。周りにはそうした危険人物が多かったから、多少はサイコパスの様な人間の存在に気づいていたものの、自分は違うという自信はあった。
本書を読むと歳をとり部下をはじめとして沢山の人間と相対し、日々怒りや悲しい感情に晒されているうちに、その様なものに鈍感になった自分を省みて、その気がないか不安になる。だが、実際のサイコパスは遺伝的要素の方が大きいようである。私の様に周りの環境に影響され形成されていく考え方や思考はむしろ正常、実際のサイコパスは脳科学的には特定機関の容積が小さかったりと、生まれながらにして持った特徴があるようだ。その後、幼い頃から育った環境的要素に影響される事で表面化したり、うちにしまい込んだまま過ごせる人も多く居る。前者は「負け組サイコパス」、後者は「勝ち組サイコパス」だ。元々サイコパスの特徴として、自身の考えを自信ありげに魅力的に人に伝え(嘘であっても)、通常の人が恐る場面へも果敢に飛び込み、新しいことへの探究心も高いから、後者の勝ち組は企業家に多いそうだ。彼らはサイコパスの特徴を持ちながら、犯罪に走らず(上手く隠したかも)、巨額の富を得て一生を終える。
本書で非常に参考になったのは、その様なサイコパス的な人間が一定の割合で存在し、人類の生存競争の中で残り続けた理由についてだ。南アフリカの原住民の例にもある様に、その環境、社会において生き残る理由がそこにはある。彼らサイコパス的な行動が人類に進化や社会性を維持する理由につながったとも言えるし、何より人口の数%で残り続けている事実がそれを裏付ける。だから、我々(自分はそうじゃ無い、違うと信じてる)側から見れば引き続き共存を考えていく事は重要だ。
科学が進歩し分析が今以上のスピードで進むなら、ともすれば遺伝的に発見された状況で排除される様な事があってはならない。それは人類の発展の一要因を失う事でもある。そうした人々が犯罪に走らない様な努力も必要だし、社会として受け入れる準備が無ければ、益々サイコパスにとっては生きづらい世の中、裏を返せば異常犯罪に繋がる恐れもあるからだ。
本書は最後にサイコパス的な人々が向いている職業についても記載している。多様性と呼んで良いかは判らないが、自分の周りには常にそうした人々が居ることを認識し、上手く共存の道を歩めれば良いと考える。
最後に自分のチェックリストの結果は今後の人生にかなりの不安を覚えた…。

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

サイコパスについて脳科学寄りの知見が紹介されていて興味深かった。社会環境要因についても言及されている点で安心する。参考文献が二次文献ばかりなのに失望して星1つ減らしましたが、とても面白かったです。

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

要するにサイコパスとは脳の一部部位に何らかの欠陥が、(一般の人とは違うという意味で)認められる人の事である。また本文中での記述で脳は判断することを嫌がる、特に年を重ねると傾向は強くなるのところが面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年11月12日

 サイコパス(psychopathy)とは、もともと連続殺人犯などの反社会的な人格を説明するために開発された診断上の概念であり、日本では「精神病質」と訳されてきた。
 著者は脳科学者であり、歴史的事例や経過を丹念に調査し、人格障害や発達障害などの精神疾患に加え、最近の脳科学や画像診断など、神経生理学...続きを読む的知見に基づく裏付けなども示し、サイコパスを検証していく。「平気でウソをつき、罪悪感ゼロ」そんな、サイコパスは100人に1人に割合で社会に存在し、相手の感情を巧みに読み取り、人を支配していく。サイコパスだからと言って必ずしも犯罪者になるわけではないが、社会的地位の高い経営者、弁護士、外科医などにもサイコパスと思える人々がいる。一方で、介護士、看護師、セラピストなど、人をケアする人々にサイコパスは少ないとする。ネット社会に存在するインフルエンサーにもサイコパスがいると指摘するが、昨今の異常な流言流布に警鐘を鳴らす。

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

数年前に買って読み、読んだことを忘れ2冊目を購入してしまいましたが、やはり興味深く、面白かった。
読み終えてますが、また読みたくなる1冊。

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Posted by ブクログ 2022年05月14日

共感力が低く冷徹、平気で人を騙し周りの人々をコントロールすることを好むという傾向は、秩序と協力を重んじる現代においては相当異質なものにうつってしまうのだろうけど、
サイコパスの人だけに特有の才能、未知で危険なことにも動じず立ち向かえる、という能力は生かしようによっては社会に大きく貢献できる素晴らしい...続きを読むギフトなのではないかと思った。
サイコパスと聞くと、猟奇的殺人犯というイメージに結びつけがちだけれど、実はサイコパスの人たちが「ふつう」の人には踏み入れられない未知に恐れないことは、人類史の発展には欠かせなかったことかもしれないから、メタ的に見るとサイコパスってめちゃくちゃすごい人達ってことになる。

サイコパスとかメンヘラとかナルシストとかって、悪口とか馬鹿にする時に使うけど、馬鹿にする時ってあくまで人間関係において、あいつ嫌い、常識外の行動をするっていうことだけに着目しているだけで、もっとサイコパスを深堀りして人間関係以外の社会的な視点も含めてみると、サイコパスの人たちだけにしかできない、人の役に立つこと、がある。

「あいつサイコパスだから、おかしい」と言って、その人の全てを否定しちゃうのはだめなんじゃないかと、もちろんサイコパスの人に限らず、
何かの対象が理解できない理由は、多分その人だけのせいじゃなくて、
自分や、社会全体のふところの広さ?が足りてないことも原因なんじゃないかと思う。

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Posted by ブクログ 2022年04月29日

あの人がサイコパスだったら…。普段何気なく話すのに、考えの端々に違和感を覚えたら…。そう考えると怖いというよりすごく魅力的に映ってしまうのは私だけだろうか。実際、経営者や弁護士など仕事で活躍する人にはサイコパスが多いという報告もある。

身近に溶け込むサイコパスと、犯罪がバレてしまう残念なサイコパス...続きを読むもいることを述べている。残念な人はサイコパスであっても残念だと思う。

サイコパスがどういうものかを知ることができるし、別に知ったところで敬遠したり差別が起こるようなものではない。「この人にはこんな気質があるんだな」くらい。当然、自分に被害が及ぶようなら防御に出るし、逃げるという選択をとるだけの話だと思う。ただ、私は普通に人として接したいかな。

ちなみに私はサイコパスより程遠いみたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月03日

サイコパスとは何か?またなぜ現代に存在するのか?を論文ベースに考察している本。サイコパスにも様々なタイプがおり、また日常的に潜んでいるので理解を深めるのに勉強になった。

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Posted by ブクログ 2022年02月08日

何故私がこの本を手に取ったのか。常日頃、よくそんな酷いことを平気で出来るね!良心の呵責ってものが無いのだろうか?!と怒り心頭していたところ、この本に出会った。サイコパスって良心の呵責、反省無く、自分に都合の良い理由を後付け(要するに体の良い言い訳)をして自らを正当化する人達、その言い訳も最早他人を納...続きを読む得させるに至らない幼稚で自己中心的な内容であっても粋シャーシャーと宣ってしまうような人達。羞恥心の欠片も無い。
 男性も女性も当てはまる人達が複数人脳裏に浮かんだ。
 男性の場合は会社員なのだがチンピラ、ジゴロ風。会社の上司や客によってカメレオンのように身体の色をカラフルに変え、評価されてしまうような人格(だがそろそろボロが出そう)。自分が使えないと評価する部下にはなんの愛情もなく薄情。使える人間には擦り寄る。
 対女性についてはもはや人間とも思っていないだろう。自分を性的にも家政婦的にもケアする奴隷とでも思っているのではないか、とも推察される論調をぶつ。勿論浮気にも罪悪感など持つはずもない。既婚だが恐らく妻にも子供にも愛想を尽かされいるのか、全部財産あげていいから俺と結婚してくれ、と他の女性に言い寄る始末。クズだがそのクズが見えていないのか好感を持つ女性も中にはいるのだ。
 また女性のサイコパスはサイコパス認定がし辛いとあり、演技性パーソナリティ他と診断される事が多い、という記述にまたはたとなる。        思い当たる女性は普段の言動が演技をしているのか、という具合にオーバーで、本音とは全然違う嘘を語るからなのか表現が上滑し、まるで舞台女優の演技さながらに表現が大げさになる。自分にも他者にも嘘をついて自分が有利になるようにいつも動くのだ。自分が優位性を保持するためには手段を選ばない。人前で平気で他者を罵倒したり、平気で虚言ともとれる相手の不利益になりそうな情報を捏造しまき散らす。ただ本人はその行為を本気で正当だと思っているような節さえある。勿論人を搾取してもどこ吹く風。サイコパスだ。 
 以上男女一人ずつを例に挙げたが、濃淡あれどサイコパスは結構身近に沢山いると思う。
 書籍の中にもあったが、親切で献身的な人は奴等の良いカモだ。狙われないようにあまり良い人に見せるのも考え物だ、と気が引き締まった。
 脳の専門的な内容が分かりづらかったが、日頃の私の鬱憤とあいつや、こいつ、あいつもそうだな!と色々な周囲の人間に当てはめてストレス発散出来たので星四つです!
 

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月10日

中野信子氏による著作。
2016年11月20日第1刷発行。
直球の題名である。
サイコパス。
一定の確率で私達の社会に存在する彼らについての考察。
存在し続ける以上生存上、生物学的にも存在意義が
あるのだという。
ただ高度な社会になってきた今、サイコパスの
自己中心性の害悪は昔よりも強くなっている。...続きを読む
私達は会社、役所などの職場で彼らにどう対応するべきか苦労は続くだろうが、知っておく必要がある。
もしくはサイコパスを見抜き遠ざける為にも一定の知識が必要だ。
本書によってその知識を得る事が出来る。
印象に残った部分を紹介していくと、アメリカでは全人口の4%がサイコパス
おおよそ100人に1人くらいの割合でサイコパスがいると
言えます。
日本の人口(約1億2700万人)のうち、約120万人はいる計算
サイコパスは尊大で、自己愛と欺瞞に満ちた
対人関係を築き、共感的な感情が欠落し、
衝動的で反社会的な存在です。
また、無責任な生活スタイルを選択するといった傾向があります。
サイコパスは自分に共感性がないことに、薄々気づいてはいます。
そして、他者に共感的なふるまいを全くしないと自分にとって不利になるということを頭で理解しています。
そのため、他の回路を使って対応するのです。
こうしてサイコパスは人の弱みにつけこみ、コントロールする技術を身につけています。
サイコパスにも「妬み」の感情はあります。
ただし、自分の損得と関係ない人のことには無関心です。
自分と直接的な利害関係が生じさえしなければ、集団の中において「あの人だけ得してずるい」といったことが起きても興味を示しません。
サイコパスの脳では、恐怖や不安といった情動よりも
理性・知性が働きやすい。
勝ち組サイコパスは、前頭前皮質、とりわけDLPFCが発達しています。
そのため、短絡的な反社会行動を起こしにくいのです。
「今、この人を殺したら、ゆくゆく自分にとって損になる」と理解し、「生かさず、殺さず、搾取する」という冷たい計算ができるわけです。
集団に迷惑をかけ、罪を犯しても反省をしないような人間が一定数出てくると、秩序が保てなくなります。
「誰も見ていない時に突き落として殺す」のか、収監するのかなど、方法は共同体によって異なりますが、負け組サイコパスはそのようにして排除されてきました。
革命家・独裁者としてのサイコパス
(あくまでも著者個人の見解)
織田信長、毛沢東、ピュートル大帝、マザー・テレサ
ペリロス(ファラリスの雄牛の作成者)
サイコパスは状況がどれだけ混乱していても、周囲が
新しいビジネスモデルに対応できずに拒否反応を起こしていても冷静でいることが可能です。
皆が自信を喪失している状況の中でも、自信満々にふるまいます。
それを評価する人は多いでしょう。
こうしたサイコパスの特性を考えると、面接ばかりを重視した採用試験や大学のAO入試には、問題があると言わざるをえません。
過剰に魅力的で、確信をもって堂々とした話しぶりをするサイコパスばかりが通る試験になりかねないからです。
同様に、司法の素人に判断させる裁判員制度も、弁舌に長けたサイコパスの存在を考えると、危険きわまりない司法制度だと言えます。
ロバート・ヘアが指摘していますが、サイコパスは特に看護や福祉、カウンセリングなどの人を助ける職業に就いている愛情の細やかな人の良心をくすぐり、餌食にしていきます。
困っている人に手を差し伸べることを好む献身的な人間は、サイコパスにとってはつけ込みやすく、利用しやすいのです。
自己犠牲を美徳としている人ほどサイコパスに目をつけられやすいのです。
サイコパスには、他人に批判されても痛みを感じないという強みがあります。
したがって、問題発言やわざと挑発的な言動をしてよく炎上し、しかし全く懲りずに活動を続け、固定ファンを獲得しているブロガーにも、サイコパスが紛れ込んでいる確率は高いと考えられます。
「サークルクラッシャー」とは、サークルの中で複数の男の子と性的関係や精神的依存関係を持ち、それが原因でトラブルを起こし、最終的には集団を崩壊させてしまう女の子のことです。
女性のサイコパスは「弱い女」「涙を流す女」を攻撃できないという社会通念を利用し、批判する人間がまるで極悪人のように見えるアングルを演出することに長けています。
自分が騙されていたことがわかったり、犠牲者の存在が明らかになったりしても信者であり続ける不思議な話だと思いませんか?
実は、人間の脳は、「信じる方が気持ちいい」のです。
これもまた、集団を形成・維持する機能の一つと言えるかもしれません。
人間の脳は、自分で判断を行うことが負担で、それを苦痛に感いるという特徴を持っています。
これは認知負荷と呼ばれるものです。
人間の脳は、齢をとるほど人を疑いにくくなる傾向があるのです。
人間のドーパミンの分泌量は、中高年になると減っていきます。
それによって落ち着きが出てくるという、プラスの面もあります。
一方で、前頭葉を使うことで生じる快楽や、自分で意思決定をすることの喜びが得られにくくなるマイナスの面もあるのです。
他人を疑うことは、認知負荷、つまり脳にかかる負荷が高い行為です。
脳の多くの場所を同時に活動させなければならないため、疲れます。
ドーパミンの分泌が減ると「労多くして益少なし」という状態になりますから脳が疲れる行為を積極的には取らなくなる。
つまり、面倒くさいことを考えるよりも「長いものに巻かれておけ」
という態度になりがちなのです。
もともと女性は自分に近寄ってくる男性を警戒するものですが、男性が自分に近寄ってくる女性を警戒するケースは比較的少ないでしょう。
これは性行為によって得られる帰結が違うからです。
いざとなれば男性は逃げれば済みますが、女性は妊娠・出産という大仕事を背負うことになるため、深い関係になってからでは逃げることが難しいのです。
サイコパス向きの仕事
小説家、スタイリスト、選挙プランナー、公安警察、
情報機関のエージェント、ジャーナリスト、登山家、冒険家、
エクストリームスポーツ、格闘技、モータースポーツ、

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Posted by ブクログ 2022年01月03日

平気で嘘をつき、罪悪感ゼロ、そんな「あの人」の脳には秘密があった!
→およそ100人に1人の割合でサイコパスは存在する
→カギは扁桃体と前頭前皮質のコネクテイビティ…サイコパスの脳は熱い共感を持たず、恐怖を感じにくい
→相手の目から感情を読み取るのは得意…他人を意のままに操るサイコパス
→勝ち組サイ...続きを読むコパスと負け組サイコパスの違いは前頭前皮質の灰白質の体積

↑この帯のキャッチフレーズを書いた人もサイコパスなんじゃないかと思うぐらい、サイコパスについて興味を掻き立てられて、一気に読んだ。

この本を読んだことで、身の回りにいる不可解な行動を平気で取るアイツはサイコパスかもしれないという心構えができたことは大きい。

ただ、サイコパスについて知れば知るほど、「サイコパスとどう付き合うか、どう対峙するか」についての考察もほしいと思った。

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Posted by ブクログ 2021年12月04日

サイコパスの理解への分かりやすい入門書になるんだろうなー。自分の会社の大ボスもサイコパスなのかなー、と想像しながら読みました。

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Posted by ブクログ 2021年08月18日

サイコパス=殺人鬼ではなく、喪黒福造、サキュバスのようなイメージだと知れた。
だいたいが脳について書かれている。
人間は恐れる者のほうが生存してきたとある。
サイコパスは恐れをあまり感じないが、恐れるフリをするなど、上手く騙す。

ブラック企業の入り口は、普通以上を装い歓迎される。

経歴をよく見せ...続きを読むる人、それに騙される人。

写真を盛る。整形。要は自分を良く見せる餌を撒くわけだ…。

あなたの周りにいませんか?

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購入済み

サイコパスは病気? 個性?

2020年07月27日

 サイコパスについての様々な説自体が面白いし、その説が導かれたエピソード一つ一つも面白い。その上で理解も深まる。サイコパスはただの犯罪者予備軍というだけではなさそうだ。

「将来サイコパスが治療出来る様になったら、どこまで『治療』すべきなのだろうか」と、ふと思った。サイコパスも一つの個性。『治療...続きを読む』により心から泣いたり笑ったり出来るようになったら、それは『治療』前と同じ人間なのだろうか。「泣いたり笑ったりする事が『人間らしい』なんて誰が決めた。それが出来なければ『治療』されるべきなのか?」となるとちょっと文学的。

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Posted by ブクログ 2024年01月02日

思考やふるまいを本人の意思や努力で後天的に変えるのが難しくて、
情動レベルでは善悪の区別がつかなくて、
犯罪行為が道徳的に間違いってわからないなら、
脳の形状とか機能の違いまでわかってるなら、
まさにケン・リーヴィの言う通り
サイコパスがなんかやらかしても刑事責任問うのおかしくね

基地外が放免され...続きを読むるならサイコも放免されて是

なんでそんな目の敵にされるのか意味不明すぎ

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Posted by ブクログ 2023年12月23日

メディアでおなじみの面白い教授先生という印象だったので、実際読んでみたら思いのほか真面目な内容だった。それでも私たちにもわかりやすいように説いてくれてる……かな(?)。
私たちが一般的に聞く「サイコパス」=「凶悪犯罪者」というのは彼らの一部分であって、それが上手い方向に進めば大企業のCEOなどの人物...続きを読むにもいると聞いて少なからず驚いた。脳科学の分野から分析しているので、脳の機能の部分で特徴があることをはっきり言っている。
ただ、過去の犯罪者などの例を挙げてるのはごくわずかで、どちらかと言うと人間の長い歴史の中で必ず一定数彼らのような者が存在することの意味なども論じていて、否定するだけの内容ではなかった。最終章では「サイコパスかもしれないあなたへ」とあって、精神医学会が作成した診断基準なんかも載っている。サイコパスに多い職業、少ない職業のトップ10まで載ってたのには笑ってしまったけども。

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Posted by ブクログ 2023年06月05日

サイコパスとは映画や小説などからシリアルキラーなど異常な凶悪殺人犯をイメージするが、そこまではいかなくても、私達の周りに普通に生息してるみたいである。あの人、ちょっと変わってるな〜⁈はたまた魅力的な人だな〜と、思った人が実はサイコパスだったかもしれない…!!100人に一人の割合なら今まで生きてきた中...続きを読むで何人かは会っているだろう…作者の言うように上手く付き合っていかなければいけない存在かもしれない。

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Posted by ブクログ 2023年05月10日

脳科学から、サイコパスの特徴を説く。

うーん、どうしてもクレッチマーの悪い印象があって、安易には肯首しづらい。データも、どれくらいの有益性があるのかよく分からないところはある。
が、現実として十分以上にあり得る話で、慎重に、かつ、広域に研究は進めてほしいと思う。

サイコパスの気質を、同犯罪に結び...続きを読むつけずに社会に組み込んでいける研究が、最終目的地だろうと思う。

しかし。

サイコパスにとって善良な人々はただのカモ、的な記述があったと思うが、国際社会における、我が国にダブったのは、変かね。

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Posted by ブクログ 2022年10月16日

私はスポーツ観戦に興味ない。集団でザワザワしながら議論している状況に関心をあまり持たない。極端な同情を控える事で、冷たい人間だと見られる事が度々ある。もしかして、自分はサイコパスなのだろうか。本著には、サイコパスの特徴を説明しつつ、そのチェックリストもついている。どうやら、上記は、何らサイコパスの特...続きを読む徴では無いらしい。寧ろ真逆の判定で、これは良かったのだろうか。

アメリカの友人宇宙船アポロ11号乗組員ニール・アームストロングもサイコパスだったという説。スティーブジョブズもサイコパスだったかも知れないらしい。サイコパスの存在は、社会に100人に1人程度。戦場で躊躇わずに敵を殺せたり、企業の経営者として大胆な判断をしたり。決して犯罪者だけでは無い。他の人類が引き受けられない仕事をする事でその役割を果たし、故に一定比率、維持されてきたようだ。

フリーライダーとサンクション。集団生活の中で利己的な振る舞いをするフリーライダー。しかし、それを許さぬ事で秩序を保とうとするサンクション、つまり制裁行動。秩序を保ち、種の存続快楽には、人類助け合い精神が有効だから、本能的な正義感を備えており、逸脱するものには、刑罰、バッシング、無視、悪口などの制裁を課す。フリーライダーがサイコパスと同種かは明言できないが、危機に瀕して生き残るべく戦略的多様性という点からは、同じく必要な異端と言える。

他に、サイコパスの身体的特徴の話も面白い。男性ホルモン、テストステロン濃度が高い程、顔は横に広くなる。かつ、サイコパシー傾向も高いらしい。また、心拍数が低く、これが、上がりにくいとサイコパシー傾向が高い。ちなあ、信号無視者は、心拍数が有意に低い。一方、案外、サイコパスのIQは一般人と変わらない。まばたきの回数が多い人は、不安をコントロールできていない事を示すが、サイコパスは、まばたきが少ない。

自分は当てはまらないが、周りに幾らでもいそうで。防衛のためにも読んで損は無い一冊。

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Posted by ブクログ 2022年04月21日

読んでみて自分はサイコパスではないとは思いました
サイコパスについていろいろ研究はされてるみたいですね
脳の各部の名称は見聞きしたことがありますが
その機能までは頭に入りませんでした
100人に1人・・・近くにいるのかな~?

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Posted by ブクログ 2022年11月25日

女性より男性の方が多いというのは攻撃性の高さが違うからそりゃそうだろうなと思いつつも
自己愛性パーソナリティなど別の診断をが出されやすいのは納得した。男性と女性で発言や行動が同じでも印象が違ったりするし力も違うから見過ごされやすいんだろう。
基本的に女性に対しては性善説で考える人も多いし。

モラハ...続きを読むラと何が違うんだろうと思っていたけどサイコパスの男性はサイコパスの女性を好みやすい(長期的なパートナーの場合)とあって支配下に起きやすい人間より刺激を求めるのかと意外だった。
そこに違いがあるのかな。

昔は今より争いが多かったから問題になることもなく生き残れたとあるけどこれから先も生き残れるだろうと思った。

だってサイコパスの多い職業は高収入だし少ないのは収入が低いのばかり。共感性がなく攻撃的でも生涯のパートナーとして選ばれやすいだろうな。

女性は生理周期によってダメ男を選びやすくなる話は恐ろしかったな。もう繁殖することが本能なんだ。恐ろしいわ…

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Posted by ブクログ 2021年10月23日

サイコパスが持つ行動や思考の特徴について、様々な研究結果を引用して多角的に説明されていた。恐怖を感じない脳、リスクの見積もりが甘く報酬に敏感と言った彼等の特徴は、仕事上では羨ましい側面もある。

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Posted by ブクログ 2021年09月23日

100人に1人はサイコパス。小説でサイコパスものを読み、サイコパスについてもっと知りたいと思った。まずは知ることから始めることが必要だと、中野信子さんが別書でおっしゃていた。
本書では、実際のサイコパスが犯した事件の事例や、脳科学的な観点からの行動や性格の分析。社会上のサイコパスの活躍、見分け方、関...続きを読むわり方等が詳しく記されている。
とても参考になり、もしサイコパスに遭遇した場合の対処の仕方が変わると思う(漠然とした、分からないという恐怖よりは次のステップにいけた)。
ただ、どちらかと言えば関わりたくないので、人との共感性の高い仕事に従事している方と、深く関わっていきたいとも思った。

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購入済み

業績無しの科学者

2017年04月06日

頭良いって経歴なのに何で論文書いてないの?
大学院の主論、副論のみ。

業績無いと信用できません。

他の精神科医の本見ましょう。

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