あらすじ
ブレない人、正しい人と言われたい、他人に認められたい……集団の中で、人は常に承認欲求と無縁ではいられない。ともすれば無意識の情動に流され、あいまいで不安な状態を嫌う脳の仕組みは、深淵にして実にやっかいなのだ――自身の人生と脳科学の知見を通して、現代社会の病理と私たち人間の脳に備わる深い闇を鮮やかに解き明かす。五年にわたる思索のエッセンスを一冊に凝縮した、衝撃の人間論!
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Posted by ブクログ
中野先生の本は3~4冊読んだことがあるけども、「脳の闇」は圧倒的切れ味。赤裸々に自分の経験を語り、脳科学の観点で我々を突き放してくれる。この清々しさ、最高の1冊。
<メモ>
・迷わない人は信用できない。
・人間は「わからない」に耐えるのが苦手。
・自信のない人は、世間の基準に合わせて自分を変え、その合致するところに称賛を得ようと躍起になる。
・音楽は副作用のない薬。
・待つ時間を楽しみに変える。
・セロトニンの合成力は、女性は男性の3分の2。
・人間には一貫性は存在しない。
Posted by ブクログ
"Darkness of the Brain"
結論
●今生きているだけで勝者
(生きていること、
それこそがチャンスの正体)
●真の恐怖は
【自分をコントロールできない】こと
●正しくホモサピや自分の脳構造を理解し、正しく生きましょう
この本は、科学的な方法論を基準に語られた本です。
胸がドキドキした箇所
・ 通訳の必要性あり
・ 文脈の理解必須
・科学的事実は変化の可能性あり。
・不変
誰もが平等にその正当性を確認できる状態を担保していなくてはならないというルールは不変
これが科学の本質
・人間は、本質的には自由を回避していながら、それでも自由を求め続けるという葛藤状態のまま生きている
・問題は解決できる
・感情は解決できない
・錯覚
自身のない人は、
世間の基準に合わせて自分を変え、
その合致するところに称賛を得ようと
躍起になってしまう。
けれど、
自信に溢れた人はその真逆かもしれない。
自分の業を肯定している。
己の醜さと闇を知って、
それを愛する方法を知っているから、
輝くことができるのではないか。
・音楽は感情の調整役
・音楽は必要不可欠ではないだろうか?
・ネアンデルタール人と現生人類の違い
・価値の認識ができるかどうか?
・種の滅亡に大きく関わっているとしたら面白い
・目に見えない価値を象徴するトークン
・権力構造の維持に直接関わってくる
・象徴的価値の運用能力の有無
・エネルギーになる?
・水嶺となるかならないかの違い?
・解
・人間がそう行動してしまうのは、
自身のせいではなく
脳のせいであるという事実
・いまここに、
そういうありようで
存在していることそのものが、
それだけの理由と価値があったとの証左
・バッシングをうける行動をしてしまう
そう行動するだけのメリットが
かつてヒトの進化史上あったということ
・対処方法
地味で面倒な努力
・生物学的な欲求に対しては抑制を掛ける
・社会的には攻撃を受けにくい振る舞いを選択しつづける
・慰め、解、
少なくともこの世界には、変化に適応して姿を変え、生き延びた進化の勝利者だけが、生物として存在している。
いまどんな状態であれ、認められなくても、一つのバリエーションと考える
●個人的感想
変化に抗うもよし、抗わないもよし
Posted by ブクログ
まず最新刊へコピペ)
【before】この本を読む前の私は、これらのことを知りませんでした。
【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。
Posted by ブクログ
私が一方向から物事を見るのに対して、中野さんには360度全方位から物事が見えてしまうのでしょうか。良い悪いではなく、考え方や表現力、分析力の違いが、私の想像を超えていました。中野さんがとても正直に思った事を書いておられ、読んでいて楽しくなる箇所が沢山ありました。文末の本音の一言が最高でした。
Posted by ブクログ
この方の本好き。脳がこういう働きをするから人間はこういう行動をするとかわかるの楽しい。
なんとなく知ったからと言って、それをうまく活用することは私には全然できないけどね。
Posted by ブクログ
科学の知見と自身の経験などを踏まえ人間の厄介さをエッセイ風に紹介します。決して分かりやすい記述ではないので、内容の理解には2回以上読む必要がありますね。
Posted by ブクログ
脳のメカニズムがわかれば、悩みが減る
そんなことはなく、メカニズムがわかっていても、心の隙間を突かれる
呪いもうける
脳のメカニズムわかっても、所詮は人間は厄介な脳の闇を抱えている
Posted by ブクログ
昨今メディアへの出演をよく見かける脳科学者の中野信子さんの連載をまとめた書籍。
とにかく次から次へと脳の作用が明かされる。
研究結果からくるもので「確かに」と思うことが多い。同時にこんなにも多様な考え方があると、もはや自分を信じられなくなり本をぶん投げたくなる(絶対にしないけれど)気持ちにもなる。
言語化できない気持ち、日々起こる出来事をどう捉えるかを考えるうえで、メタ認知がとても大切なのだと学んだ。
悩み足掻くことは生きているということで、安易に解決すればいいわけではない。そして何より多くの人が悩みの重荷と感じているのは「解決できない問題」ではなく「解決できない感情」なのだという指摘は腹落ちした。
生きるのが大変な時代ではあるが、一つの考え方を得ると救われることもある。
Posted by ブクログ
私には内容が難しかった.脳の機能については平易な言葉で書かれているが内容が盛りだくさんでそれ以外が話題の切り替わりが早くそこを読み取ることが難しいこと、言葉自体も難しいこともあり何度か読み直してみたが自分なりに噛み砕くことができない.
自分なりに感じたことを書いていこうと思う.
1承認欲求について
ひとならば誰にでもある承認欲求.成長すれば感情ともうまく付き合わなければならなくなる.感情をコントロールしようとすれば自分の理想と本質が乖離してしまい焦りやコンプレックスとなる.コントロールしなければ自身の愚かさを感じることがあるが生きやすい.欲求が満たされない時は不安と戦わないという方法がある.人間は誘惑に弱くよく深く愚かで忘れっぽい.そのほうが生き延びる力が高いから.これは解決される性質のものではない.それならばそれを利用したほうがいい.忘れたり勘違いをしたり、幻想を抱くとか.そう行った幸せに生きることなのかもしれない.
読んでいるうちに涙が出てきた.私は先が不安で仕方がない.この不安を解決するにはどうしたら良いのか.自分が悪いのではないか.いつも自分を責めていた.よく深い自分が情けない.そう感じていた.著者のエピーソードにもあった「私が何か気に触ることをしてしまったのだろうか」罪悪感、期待、見放された感じ、承認欲求が満たされる快感.これらは解決されるものではないのだ.それを変えられないものと捉え、忘れたり、今ある幸せを見つけていくことが大事なのかもしれない.
8言語と時間いついて
言語は人のみが持っている.生物学的にも脆弱であったため集団で生活せざるをえなくなりその時に会話が必要だったからだ.ではコミュニケーション能力とはなんだろう.言語の運用能力ではないか.学校では教えてくれるものではなく、これがなければ相手の意図を理解できなかったり、相手を笑わせたり空気を和ませたりできない.言語は時間軸を移動できる.これも会話の中で過去と未来という概念が必要だったからだ.この過去とみらいのことを考えるタイプは生き残りやすいが未来を想像推し精神的負担が大きくなる傾向がある.
ひとは新しいものを選好し一定の刺激がなければ健全に生きられないようになっている.奏して生き残った子孫が私たちだ。
読んでいると良いことも悪いことも全て先祖が生き残るために必要だったし、色々あった中を生き延びてきたおかげで私たちがいるのだ.一見無駄なようにみえること必要だっからなのかもしれない.未来を想像し色々と思い悩むこともある.しかし、それは生存する上で必要だったし、これがなくなることはないのだろう.それを踏まえ時には今という時を生きていくことが幸せだったりするのかもしれない.
好きな章だけ読むなど、一章を読むだけでも十分楽しめる一冊.
Posted by ブクログ
人が持つ不合理な性質について、糾弾するのは非常に簡単な話である。しかしながら、現代社会にとって不合理であっても、進化の過程で合理的であったから、今尚人に備わっているのだと理解した。この本では承認欲求について手を変え品を変えかかれており、これほど承認欲求についてくどく語る本も珍しい。読み終わったとき、自分の不合理な性格や気質も強ち悪くはないなと良い意味で開き直れた。
Posted by ブクログ
脳についてわかりやすく書いてある。
脳を知りたいと思った時の初期段階の内容。
なので、私は面白く読めた。
中野さんの性格が私にも当てはまる所があり、共感できた!
Posted by ブクログ
人の脳は考えないようにできている。だから簡単に信用させることもできる。
メタ認知の大切さ
女性、見た目の良さは専門性には有効だが管理職としては不利になる
法華経 化城の例え 方便の使い方
ほとんどの人間は聞きたいことしか聞かない
何を聞きたいと察するか
存在論的な不安は死によって解消される。しかし、生きていることで感じられるちょっとした幸福の連鎖こそが生きる意味かもしれない
Posted by ブクログ
「人はなぜ悪に惹かれるのか」――理屈や論理すらも脳の作用だと喝破する。暴力や差別、依存に傾く心もまた脳内で快と感じる仕組みによるもの。つまり善悪や正義ですら脳が都合よく作り出す“理屈”に過ぎないというのだ。自分は正しい、悪は他人――そう思うとき無意識に快楽を得ている私たちがいる。人間とはかくも不完全で危うい存在だ。その事実に向き合うことが共に生きる知恵の第一歩になる。
Posted by ブクログ
ドン・キホーテ創業者安田さんの「運」を読んでいた中で紹介されていたので読書。
序盤かなり面白く、承認欲求の部分などはかなり勉強になったが後半なぜか自分の承認欲求を出してきて自分語りのような章が続いてしまったところが残念。
前半だけだとかなりお勧めできる。
マズローにもたびたび感嘆してきたが、自分の承認欲求をいかに正しい方向に向け続けるかが大切だなと感じる。生存や安心、所属の欲求というのは人間であればみんな同じような欲求になるが承認欲求からは十人十色になり、間違えた承認を求めるようになると自分の成長を止めてしまうことにつながる。この欲との向き合い方が現代人には求められるのではないかと思う。
「興味深いことに承認への欲求をこれほど強固に持っている生物はほかにはいない。他の生物ならいつもいつも餌を探し求めているか、そうでなければ生殖活動に必死でそのサイクルの連続で一生を終えることになる。だが人は違う。捕食と生殖という課題が解決されてしまうと、かえって満たされない気持ちが強まってしまうことがある。自分はただ生命活動を維持しているだけの存在ではないと確かめたくならないだろうか。自分の存在価値、自分の見たもの感じたものをほかのだれかと一緒に味わいたくはならないだろうか。これらの願いをざっくりと心理学の用語でまとめると【承認欲求】ということになるだろう。」
「その人の【そういうところ】が許容しがたいなら最初からそう言うところのない人を探すべきであってその人を選んで付き合った自分の見込み違いを反省してさっさと損切りするか、または受容するという選択肢しかない。その人を変えるのはその人であって自分ではない。」
「むしろ忘れる能力、論理的に考えないことによる突破力、あえて思考停止するというアプローチのほうが有効なのではないだろうか。自然に忘れるということを人工知能に実装するのは現代の技術ではまだ難しい。人間の脳は機械よりはるかによくできている。必要性の薄い記憶を忘れ、論理的に考えすぎないことによって巧みに生きていける。そう仕組まれているように私には見える。」
「そもそも脳は怠けたがる臓器である。脳は人間が体全体で消費する酸素量のおよそ4分の1をつかてちる。そのため人間の体は本能的に、脳の活動量を抑えて負荷を低くしようとする。ところが【疑う、慣れた考え方を捨てる】といった場面では脳に大きな負荷がかかるのだ。自分で考えず、誰かからの命令にそのまま従おうとするのは脳の本質ともいえる。」
「あれこれ考えたが誰か第三者の承認欲求についてとやかく論評する以前に、まず私の承認欲求について開示するのでなければフェアではないような気がする」
↑いやいらないな。求めてないしフェアでも何でもない。
Posted by ブクログ
既存の論理基準が変わりつつある遷移期 根本のアーキテクチャ(構造)が違う 何その安寧を物足り無く思い リスク(危険)よりベネフィット(利益)の方が大きく見え 巷間よく言及されている 目に見えない価値を象徴するトークン(代用貨幣)を持つ事が 人間である事を捨ててしまうという陥穽に落ちていく後ろ暗い悦びを 制裁(サンクション)を加えたくなる衝動 恣意性の高い分類に誰も疑義を唱えないのは 重要な祭祀の場ではこれを用い 人類の歴史を繙いていくと 音楽は、副作用のない薬のようなものだ。 この人にとって赤信号で止まるというのは、盲目的にルールを守るという思考停止の所産ではなく、運命を楽しむ為の能動的な選択なのだ。 原因の特定出来ない哀情 その人はこの愁訴が解決される事は無いという事を既に知っていて 女には勝てないと口では言っていても本当に勝てないとなった場合に見せるプリミティブな暴力性や自尊感情の際限無い毀損を抑制するのも難しいだろう 生きるという事は、軋みを慈しみながら日々を過ごしていく事だろうから。 発する言葉の流暢性は失われない 感動や共感や承認という蜜に満たされた快楽の海だ 脊髄反射的な所謂「クソリプ」と呼ばれる応答(この言葉自体も嫌いだが)が目に入るともうそれだけで 一見馬鹿馬鹿しいような、危険な何かへのチャレンジは私達が人間として生きる事の本質に裏打ちされていると言えるだろう。 わかりやすいようになど斟酌する事も無く書いた
Posted by ブクログ
苦しい思いをしたり、人を攻撃したり、人間の嫌な部分も生存に必要な機能であると思うと、少し気が楽になる。人に嫌なこと言われたり、落ち込むことがあったときも、客観的に今脳のこの部分が働いているからこんな気持ちになるのかと考えられれば、自分を見失わずに済みそうだ。ただ、気持ちが落ち込んでいるときに冷静にそんなこと考えられるかが問題だけど。
Posted by ブクログ
・こう変わってくれたらいいのに、ともしも誰かに対して思ったとしたら、その時点でもうその人のことを強要してはいないのだ。変わったあとのその人はもう、今見ているその人ではない
・内側前頭前皮質では、倫理的に正しい行動を取れば、活性化され、快楽が得られる仕組みになっている。この良心の領域では、自分だけでなく、他人に対する正しさまで求める。正義の鉄槌を寄って集って、奮いたがる。
・規範意識が高いところほど、いじめが発生しやすい。
・未来を考える力がある人の方が裕福になる確率が高い。一方で未来のネガティブな予測にも苦痛感じなければならい。苦痛になるくらいなら、と思う人が多いようだ。現に人類のうち、土地を蓄積していない人が大半なのだから
Posted by ブクログ
進めてもらって読んだ本
赤信号で止まるのは
盲目的にルールを守るという思考停止の所産ではなく、運命を楽しむための能動的な選択
っていう捉え方はよかった。
Posted by ブクログ
以下自分用メモ
•自分に興味を持ち、自分の言葉を聞いてくれる人に好意を持つので、その性質を使う。あなただけには自分の話を打ち明ける、あなたの話だけは面白く聞ける、秘密を共有できる…あなただけが、優れた才能の持ち主、あなただけがこの世界で正しい、素晴らしい、といった特別性を付与する。または孤独な存在だ、自分だけが孤独を理解できるといったような共感というスキル
•こう変わってくれたらいいのに、ともしも誰かに対して思ったとしたら、その時点でもうその人のことを許容していない。一方で多くの人が、誰かも自分が正しいと思っている方向へ、私が導いてやる、という一面を持っていて、快感に思う。男→女:処女信仰、女→男:教育してやろう
•自分をコントロールしようという人には必ずしも心のスキマがある。こういう形に自分をデザインしたいという欲求の裏に、自分の理想と自分の本質が乖離していることへの焦りやコンプレックスがある
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「あとがき」を先に読んだ方が良かったかも
落第横丁は自分が学生時代に少なからずお世話になったが、名前の由来なんぞ知らないで通っていた。もうその頃に映画館は無かったと思うが、自分が卒業した年に生まれた著者さんの方が良くご存知であった。
Posted by ブクログ
女性のセロトニンの合成量は男性の2/3
日本人の遺伝子プールでは、セロトニントランスポーターの数が少ないタイプの人が、世界平均と比べて異様に多い。
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自己承認欲求について、著者なりの賛否を書いた本。
著者の経験がバイアスとして多く含まれており、是是非非。
同じ立場の方ならば共感を得られる良い本かと。
Posted by ブクログ
一言で、難しい。脳科学者と言う肩書、視点に思うところが違う。じっくりと何度も何度も読まないと咀嚼できない。とりあえず1階読んだけれど、もう一度読んでみたい。
Posted by ブクログ
テレビで有名な脳科学者の方のエッセイ。
第6章の「やっかいな私」は、著者自身の過去を告白する内容でとても面白かった。ここに、孤独願望を強化する働きをもつホルモンは、男性ホルモンのテストステロンで、この値が高いと他人から干渉されずに一人で過ごす事を好むようになる、とあり自分に当てはまるようであった。
逆に女性は基本的に寂しく、常に誰かがいる事で安心する傾向がある。安心感をもたらすセロトニンの合成能力は男性の3分の2程度らしい。女性が感じる寂しさの肌感は独特で、理由の分からない漠然とした不安や哀情が浮かび、誰か他にやり取りできる人がいさえすれば、一時的に抑えることができるとある。そこで手近な夫などにぶつけてみても、理解されず相手にされないことが多く、それが主婦の目立った不満として集約されるらしい。勉強になった。
ちなみに男性は、銃を手にするだけで唾液中のテストステロン濃度が100倍にも上昇するらしい。他にも筋トレや闘争状態、不倫などのステディでない相手との性行動、高級スポーツカーに乗る事でも分泌が促される。
男女ともホルモンに振り回されている感があるが、それも進化の過程で身に付けた性質の名残が断片化されたものだとあり、諦めるしかない。
Posted by ブクログ
色々チャプターごとで話題が飛ぶなぁというところと、自身の話も絡めた内容が多いのでエッセイぽかった。
衝撃的な内容があるわけではないけど、ところどころへーって内容はあるので、軽く読むのが調度良い気がしました。
あとがきはニヤリと読んでしまいました。