あらすじ
■もう、無駄な汗は流させない!
「努力は報われる」「努力はウソをつかない」など、
世の中を見渡してみると、努力をゴリ押しする言葉がアチコチにあふれています。
自分の夢を叶えるための戦略や、才能を見つける方法、
すり減らない生き方を説いていきます。
■搾取されない人生を
著者は脳科学者・中野信子先生。
脳科学という視点から世の中を俯瞰すると、
「常識」と考えられたものの裏には多くの欺瞞が存在していることに気づくと語る著者は、
その代表的なものの1つが「努力は報われる」という言葉であると考え、
読者へ次のように問いかけます。
・あなたが今している努力は、本当にあなたがしたいことなのか?
・周りに流されてやってしまっているだけなのではないか?
・身近な誰かに洗脳されてしまっているのではないか?
・社会そのものに洗脳されているのではないか?
努力信仰は脳科学的にも歴史的にも、
日本人にとってもっとも馴染みやすい幻想とのこと。
自分のためにあるはずだった膨大な時間が搾取されていたのだということに、
取り返しがつかなくなってから気づくことになると警鐘を鳴らします。
■目次
第1章 努力は人間をダメにする
第2章 そもそも日本人にとって努力とは何か?
第3章 努力が報われないのは社会のせい?
第4章 才能の不都合な真実
第5章 あなたの才能の見つけ方
第6章 意志力は夢を叶える原動力
エピローグ 努力をしない努力をしよう!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
学生の時に初めて読み、27歳になって改めて読み返してみた一冊。思えば、20歳の時の自分が今まで7年間してきた努力、留学、就活、資格勉強、仕事、筋トレ、マッチングアプリ、職場恋愛、など、どれも戦略的に行なって来たものだろうか。全くそうではないだろう。とはいえ、この年代は社会の流れに応じてある種、飲まれるがままに飲まれるなかでもがく時期であるとも言え、確固たる正解ルートが不明瞭になるこれからの年齢が、真に戦略的な努力が必要になるのではないだろうか。薩長の明治政府により生み出された努力信仰を疑い、遊び心と受け入れる心、戦略的段階的な努力を積み重ねていくために、今自分は何をすればいいだろうか。5年後に外資系損保でアンダーライターになるために、CPC Uの取得だろうか、いや、それも遠回りになってしまうのか?
Posted by ブクログ
非常に正論パンチで殴りかかってくる本です。
耳に優しい言葉で溢れ、生存バイアスばかりの自己啓発本を読んでいる現代人に向けた内容です。
オタクにわかりやすい言い方をすれば、
「メモリの無駄遣い」をするなという話。
みんなにおすすめしたい名著です。
Posted by ブクログ
「真の努力は、努力をしない努力」
↑著者のこの考えにストンときました。
重要でもないことに一生懸命になって時間をムダにするのは、未熟な20代の頃まで。ガムシャラに努力すること自体に美徳を見出すのは、前時代的で理にかなっていない。生産性もない。
大切なのはムダな努力をせず、努力の方向性を間違えないこと。まず目的を明確にし、計画と戦略を立て、なるべくエフォートレスな行動をしていきます。
Posted by ブクログ
★ホンマでっかTVでもお馴染みの
脳科学者・中野信子先生の努力不要論。
【内容】
・間違った努力中毒者になるな、ということ。
→努力していると自分は良いことをしているの脳が判断して、快感を生み出してしまう。
自分の頑張りが足りないせいだと思って間違った努力をし続けても何にもならない
(努力をするならば、目的に合った適切な戦略を立ててから行うべき)。
・不本意な努力を無意味に重ねても辛いだけ(日本人は遺伝子的に、真面目にやっているのに報われない、と世界一感じやすい)。
→明石家さんまさんは
「努力は報われると思う人はダメ。
努力を努力と思っている人は間違い。
好きだからやってると思わないと、これだけ努力してるのに何でってなると腹立たつ。
人は見返りを求めるとろくなことがない」
と言ったという。
・努力をしない努力を
→長寿の秘訣は、戦わないこと。
無駄な努力をしないこと。
人生最後の後悔で多いのが「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」である。
・才能があるかないかというのは、自分が持っている適性を知って、自分の評価軸を確立できているかどうか
→あなたはすでに46億年の進化の勝利者である。今ここに生きていることそのものが、生存競争に勝ってきたという才能の証明である。
…何だか、あなたには価値がある、と言われた気がして勇気づけられる本でした。
Posted by ブクログ
がむしゃらに苦労する努力は無駄。ゴールと戦略に基づく努力は有効。生物学、脳科学的知見から成功について考察する。
成功するにも、アイデアとか発想の転換を用いるやり方がある。今の不景気な日本を悲観的に捉えてないで、だからこそできることを考えることが重要だなぁと思った。案外格差って日本では大きくないんだよって話もあった。あらゆる可能性を自分から見ないフリしてはいけないと思った。
生きているということについて、自分が生きているということは自分の遺伝子が長い生物の歴史の中で勝ち残ってきたからだと解釈できる。すなわち、自分は生きるにふさわしい能力を備えていると考えられる。これはそっくりそのままじゃないんだけど、そんな内容の文章が印象深かった。
Posted by ブクログ
目的を達成するために、むしろ障害となってしまう努力もある、と教えてくれる本。
わかりやすい実例と、その対策を明示してくれる。
あとがきにあるように、小さい子を持つ母親に対する社会の冷たさに対して、間違った努力礼賛が回り回って、そのような社会を作ってしまったのではないかと指摘している。
Posted by ブクログ
日本人は努力中毒になりがちだとし、ただがむしゃらに頑張る努力を「狭義の努力」とし、①目的の設定、②戦略の立案、③実行の3段階のプロセスを経た努力を「広義の努力」としています。
後半では読書の効用を説き、「実際に合うことは難しかったり、歴史上の人物だったりして会うことができないような人の思考も、自分の中に、その人物の思考回路をつくることができるのです。」としています。
読書をコツコツと続けてきて良かったと思いました。
Posted by ブクログ
客観的に事実を科学的に述べてくれます。耳が痛い事ばかり言われますが、それはそれで現実で、その現実を自分でどれだけ把握した上で、自分を喜ばせながら努力を努力と思わず、楽しみながら意思力を発揮できるか。
定期的に読み直してマインドセットしたいですね。
Posted by ブクログ
努力をすればしただけ、これだけやってるのにという感情が前に出てしまい、結果がついてこないことに苛立ち、パフォーマンスを下げてしまう。まさに自分のことだった。好きなことだけしかしない。努力しない人生を模索したくなった。
Posted by ブクログ
「あくまで孔雀の話です」が好きな人には向いている。
進化心理学の件とか面白かった。
努力礼賛、努力信仰に釘を刺すデトックス本。
あとがきの筆者の言葉がこの本の全て。
この本を読んでくださったみなさんが、努力信仰に惑わされず、目の前にある毎日を、豊かに味って行かれることを心から祈念しつつー。
Posted by ブクログ
我慢して、無駄な努力をし続ける日本人。
この傾向は、明治以降のもの。
江戸時代は、もっと遊びを大切にし文化的に豊だった。
開国して明治になり、欧米諸国に追いつき追い越せとなり、国民が一丸となって努力するようになる。
その影響で、第二次世界大戦時のような、欲しがりません勝つまでは!の様な、おかしいとも思っても言えない風潮になる。遊びがない。
最近の傾向として、お金がないから、結婚も子どもも産めない。本当でしょうか?と。
長い歴史の中では、戦争も飢餓もなく豊かな日本、時代が悪いと人のせいにしている。そして、無駄な努力をする。
正しい努力は、目的に合わせて、計画的に適切な行動をすること。
スポーツ選手になるならば、恵まれた体格が必要で、その上で練習がある。体格に恵まれないのに、努力しても無駄。
勉強に関しては、ある程度、時間をかけてインプットすれは、結果はでるはず。ただし、個人差があって、一年時間をかければ東大に合格する人もいれば、何十年もかければ合格のレベルに達する人もいる。その見極めも大事。
30代後半になって、婚活を頑張る女性。
結婚して、専業主婦になるのが目的。
だから、経済力のある男性を求める。自分磨きと称して、外見を磨く無駄な努力をする。
本当に専業主婦になりたいのであれば、20代前半に結婚する努力をすべき。30代後半では、遅すぎる。
そもそも、本当に専業主婦になりたいですか?
結婚生活は、何年も何年も、夫婦が一緒に過ごすので、人柄が1番大切。
婚活で選ぶなら…
・人を見下す人間ではないか?
・自分の利益だけを追求し、女性を家政婦扱いする人間ではないか?
・言葉の暴力で人を傷つけないか?
・人を騙しても平気なではないか?
等々、人柄を最優先して見極めないと、毎日毎日忍耐の連続で、離婚か別居になる。
お見合い結婚が主流だった時代は、結婚は働く男のため、家や社会のためだった。女性は、男、家、社会を維持するための補助的な役割をし、自立的な経済活動を営まず、権利も主張せず、できなかった。
女性は、男を立て、男に逆らわないという交換条件のもと、専業主婦が男の収入で守ってもらうことが成立していた。
現代の婚活では、専業主婦は悠々自適なセレブママのように喧伝されているが…専業主婦は、男の振る舞いに我慢する大前提で養われていたことを、忘れていませんか?
婚活や専業主婦に関しては、本当にそう思う。
セロトニントランスポーターの量による、努力中毒についても面白かったです。
セロトニントランスポーターは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを再取り込みする門のような存在。数が多いほど、セロトニンをリサイクルできるので、不安になりにくい。
日本人は、セロトニントランスポーターが少ない人が多いので、他人に、「そんなのおかしい」「努力が足りない」と言われると、「そうかな、私が悪かったのかな」と不安になり、自分の主張を貫くことが難しくなり、流されてしまうことがままある。
慎重で人の言うことをよく聞き、空気を読むけれども、我慢して我慢してキレてしまう日本人の国民性は、脳内神経伝達物質の影響も大きい。
結論は、努力をしない努力をするなのかな?
Posted by ブクログ
エビデンスがはっきりしないところがあるので学術的かどうかはわからないけれど、最近読んだ『ファスト教養』とかぶるテーマがあり、こちらの方がわかりやすい。昔から努力至上主義みたいなものに嫌悪感はあったので、言語化してもらったようで好感がもてる(だからといって説が正しいかは別なんだけど) 子どもがいくつか発達検査を受けていて、得意不得意はある程度客観的にわかっているんだけど、健常者もそういうのが受けられるといいなと思ってしまう。正しい方向に努力するために自分を正しく知りたい。
Posted by ブクログ
努力をする事が目的みたいな事を知らず知らずのうちにやっていたのだと思いました。
努力不要!というよりは正しい努力をする事が重要であり、
闇雲に努力でどうにかしようとして精神論、根性論にいってしまっていたのでこれからは意識して気をつけたいと思いました。
Posted by ブクログ
正しい努力や間違った努力について書いてあるが、個人的には日本人がなぜ努力信仰に傾倒しているのか、という話が面白かった。
日本人は脳の構造としてそもそも心配性であり、だから真面目に働くことが尊ばれ時代も相まって遊びが減ってきた。それが現在の不寛容な雰囲気に繋がっている、というのはなるほど、と思った。
せっかく読んだので合理的に努力を重ね、遊びながら生きていきたい。
Posted by ブクログ
頑張っているのに報われないと思っている人におすすめ。
【概要】
●「努力すれば報われる」が本当ではないこと
●真の努力とは、目的設定~戦略~実行のプロセスを踏むこと
●なぜ努力が報われないか(日本の特徴、日本人の特性)
●意志力の強さが利益をもたらすことの証明「マシュマロ実験」
●「できるだけ努力をしないで生きよう」という考え方
真の努力とは、「努力をしない努力」のこと
自分よりも能力のある人を見つけて、その能力を認める力を持つ。
そして、その人を使う。そのためには「ジョハリの窓」モデルを活用
●人間は死の間際になるとたいてい同じ内容の後悔を口にする。
「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」なのだそう。
【感想】
●「努力を努力と思ってる人は大体間違い」という明石家さんまの考え方に同感
●自分のしたことを「努力した」と自分で言うのは間違っていると思う。
「努力した」と思っていた結果が裏目に出た場合、頑張ったことに後悔してしまう。
だから、好きなことをやっている、で終わっておいて、見返りも求めない。
これが「努力しない」ということの理解、と捉えた。
●人生どのように生きるのが賢いかということを考えた場合、本書の考え方は理解できる。きれい事だけでは損をする世の中である。したたかに生きることが大切だと思う。
Posted by ブクログ
「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本
努力とは実に聞こえがいい。
しかし努力という言葉は人を縛り、頭の良い奴らに搾取される。
努力すればなんとかなる、努力が足りないなど。努力をすると洗脳されやすくなるそうだ。
ブラック企業でよくやられる洗脳マジック。
本当の努力とは何か
目的(目標)とそれを達成するための戦略を立てる。
そしてタスクを一つひとつ処理していくだけ。
戦略をきちんと立てることが最重要。
努力と言うと、苦労した分だけ成果が出ると思い込んでいるが、苦労すること=努力ではない。
努力について、日本人はとても真面目に頑張ってしまう人が多いと思う。
いらない努力や間違った努力はしないように。
頑張りすぎるのもほどほどに。
Posted by ブクログ
努力するだけ無駄なのかもしれないと最近思うようになり、ふと積読になってたこの本の存在を思い出し、年始の余した時間を使って読んでみました。
それが良い答え合わせになりました。
今年は一歩引いて、本当にやりたいと思ったときだけ頑張って、正しく求められてかつ献身しても良いと思うものに対してのみ頑張りたいと思う。
全てフラットにしていこう。
Posted by ブクログ
感想
完全に今まで努力中毒だったなって思った。今目の前の自分を冷静に見て、自分は何が出来るのか、本当にしたいことなのか?、どんな自分になりたいか?を考えて報われる努力をしていきたい。
そしていつかのためだけじゃなくて、今目の前の毎日を豊かに過ごすために遊びを大切にすること。努力だけで遊びを禁止して幸せそうな他人への嫉妬や努力できない自分に自己嫌悪を持つ必要はない。幸せな人生を送るため、思いやりのある優しい心を持つため、楽しむ余裕を持てるような人になるという目的を忘れないようにしたいと思った。
Posted by ブクログ
中野さんの本にしては珍しく、後半パッとしなかった印象。前半はおもしろく読んだのですが。
努力は、正しい努力をすべきですね。自分の良さに気づいて、自分の良さを伸ばす努力をする。大谷翔平選手とかは、それに長けているんだと思いました。
学校教育でひととおりいろいろなことをしてみるというのは、自分の得手不得手を知る上でまだそんなに捨てたもんではないかなと思いました。(現場は破綻寸前ですが・・・)
中野さんが言いたかったという、子育てに寛容な社会になって欲しいというのはすごく共感しました。私は独身未婚中年ですが、お子さん連れの人たちには優しくしようと努めています。もっとも、子どもへの声かけなどは不審者と間違えられるので、よほど命に関わるようなことでもなければしませんが・・・。
みんなが生きやすい社会になりますように。
Posted by ブクログ
日本の努力教、根性論の息苦しさを分かりやすく書いてあって良かった。
わたし自身「努力しなければならない」「努力してる自分は格好いい」という意識が若い頃は特に存分にあったのでグサグサ刺さるものがあった。
今はめんどくさいので努力したくない…。
明石家さんまの話が良かった。
「努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い」
「人は見返りを求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が1番素敵な人やね」
Posted by ブクログ
脳科学を元にした科学的根拠やデータは少なく、筆者の持論が多い。婚活女性の例などは一見、婚活をしている女性全体を批判しているように見えるが、筆者の意図はそうではないことは分かる。
要は努力することで何かを達成したような気になって満足してしまうのは良くないということを伝えている。これは私もよくやりがちなので気をつけたい。また努力の方向性を正しく持つことが何より重要だと。目標のためにどういう戦略をすべきか、いくつか方法を出して正しい努力をすべきだというのはよく納得できた。
Posted by ブクログ
むやみに努力するのは間違っている。
それはこの本を読む前から分かっていました。
まずはゴールを決めて、最短距離で達成できる手段を選ぶ。
それこそが、正しい努力だと。
でも、そのどちらの努力も、自分や周りの人、そして何十年後の子供たちまで知らぬうちに傷つけてしまっていたのだと気づきました。
努力すれば必ず願いは叶う。
そういう価値観を強く持っていればいるほど、
社会的・経済的に弱い立場にいる妊婦さんや高齢者の方たちを見て、(見かけ上)なんの努力もせず手厚い保護を受けてのほほんと暮らしている姿に妬み、嫉むのです。
Posted by ブクログ
「努力信仰に惑わされず、目の前にある毎日を、豊かに味わって」てそうよねー大事ねー
動物なんてみんないかに省エネで生きるかって感じなのに、努力しなきゃってなってるの人間ぐらいよね
「努力」だと思ってやってることはほんとにやりたいことじゃないんだよね、きっと
読書だって別に努力してやってるわけじゃないし
まぁそこにDaiGo論を絡めると、いかに労力を伴わずに自分をやる気にさせる環境を作るかってことなんだろうけど
Posted by ブクログ
努力は人間をスポイルする
これはまさにその通り
やりたくないことを続けていると、あれだけやったんだから○○してもよいと甘えが出てくる
辛いことだと思わずに積み上げられる仕組みづくりが重要