あらすじ
■もう、無駄な汗は流させない!
「努力は報われる」「努力はウソをつかない」など、
世の中を見渡してみると、努力をゴリ押しする言葉がアチコチにあふれています。
自分の夢を叶えるための戦略や、才能を見つける方法、
すり減らない生き方を説いていきます。
■搾取されない人生を
著者は脳科学者・中野信子先生。
脳科学という視点から世の中を俯瞰すると、
「常識」と考えられたものの裏には多くの欺瞞が存在していることに気づくと語る著者は、
その代表的なものの1つが「努力は報われる」という言葉であると考え、
読者へ次のように問いかけます。
・あなたが今している努力は、本当にあなたがしたいことなのか?
・周りに流されてやってしまっているだけなのではないか?
・身近な誰かに洗脳されてしまっているのではないか?
・社会そのものに洗脳されているのではないか?
努力信仰は脳科学的にも歴史的にも、
日本人にとってもっとも馴染みやすい幻想とのこと。
自分のためにあるはずだった膨大な時間が搾取されていたのだということに、
取り返しがつかなくなってから気づくことになると警鐘を鳴らします。
■目次
第1章 努力は人間をダメにする
第2章 そもそも日本人にとって努力とは何か?
第3章 努力が報われないのは社会のせい?
第4章 才能の不都合な真実
第5章 あなたの才能の見つけ方
第6章 意志力は夢を叶える原動力
エピローグ 努力をしない努力をしよう!
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Posted by ブクログ
我慢して、無駄な努力をし続ける日本人。
この傾向は、明治以降のもの。
江戸時代は、もっと遊びを大切にし文化的に豊だった。
開国して明治になり、欧米諸国に追いつき追い越せとなり、国民が一丸となって努力するようになる。
その影響で、第二次世界大戦時のような、欲しがりません勝つまでは!の様な、おかしいとも思っても言えない風潮になる。遊びがない。
最近の傾向として、お金がないから、結婚も子どもも産めない。本当でしょうか?と。
長い歴史の中では、戦争も飢餓もなく豊かな日本、時代が悪いと人のせいにしている。そして、無駄な努力をする。
正しい努力は、目的に合わせて、計画的に適切な行動をすること。
スポーツ選手になるならば、恵まれた体格が必要で、その上で練習がある。体格に恵まれないのに、努力しても無駄。
勉強に関しては、ある程度、時間をかけてインプットすれは、結果はでるはず。ただし、個人差があって、一年時間をかければ東大に合格する人もいれば、何十年もかければ合格のレベルに達する人もいる。その見極めも大事。
30代後半になって、婚活を頑張る女性。
結婚して、専業主婦になるのが目的。
だから、経済力のある男性を求める。自分磨きと称して、外見を磨く無駄な努力をする。
本当に専業主婦になりたいのであれば、20代前半に結婚する努力をすべき。30代後半では、遅すぎる。
そもそも、本当に専業主婦になりたいですか?
結婚生活は、何年も何年も、夫婦が一緒に過ごすので、人柄が1番大切。
婚活で選ぶなら…
・人を見下す人間ではないか?
・自分の利益だけを追求し、女性を家政婦扱いする人間ではないか?
・言葉の暴力で人を傷つけないか?
・人を騙しても平気なではないか?
等々、人柄を最優先して見極めないと、毎日毎日忍耐の連続で、離婚か別居になる。
お見合い結婚が主流だった時代は、結婚は働く男のため、家や社会のためだった。女性は、男、家、社会を維持するための補助的な役割をし、自立的な経済活動を営まず、権利も主張せず、できなかった。
女性は、男を立て、男に逆らわないという交換条件のもと、専業主婦が男の収入で守ってもらうことが成立していた。
現代の婚活では、専業主婦は悠々自適なセレブママのように喧伝されているが…専業主婦は、男の振る舞いに我慢する大前提で養われていたことを、忘れていませんか?
婚活や専業主婦に関しては、本当にそう思う。
セロトニントランスポーターの量による、努力中毒についても面白かったです。
セロトニントランスポーターは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを再取り込みする門のような存在。数が多いほど、セロトニンをリサイクルできるので、不安になりにくい。
日本人は、セロトニントランスポーターが少ない人が多いので、他人に、「そんなのおかしい」「努力が足りない」と言われると、「そうかな、私が悪かったのかな」と不安になり、自分の主張を貫くことが難しくなり、流されてしまうことがままある。
慎重で人の言うことをよく聞き、空気を読むけれども、我慢して我慢してキレてしまう日本人の国民性は、脳内神経伝達物質の影響も大きい。
結論は、努力をしない努力をするなのかな?
Posted by ブクログ
感想
完全に今まで努力中毒だったなって思った。今目の前の自分を冷静に見て、自分は何が出来るのか、本当にしたいことなのか?、どんな自分になりたいか?を考えて報われる努力をしていきたい。
そしていつかのためだけじゃなくて、今目の前の毎日を豊かに過ごすために遊びを大切にすること。努力だけで遊びを禁止して幸せそうな他人への嫉妬や努力できない自分に自己嫌悪を持つ必要はない。幸せな人生を送るため、思いやりのある優しい心を持つため、楽しむ余裕を持てるような人になるという目的を忘れないようにしたいと思った。
Posted by ブクログ
むやみに努力するのは間違っている。
それはこの本を読む前から分かっていました。
まずはゴールを決めて、最短距離で達成できる手段を選ぶ。
それこそが、正しい努力だと。
でも、そのどちらの努力も、自分や周りの人、そして何十年後の子供たちまで知らぬうちに傷つけてしまっていたのだと気づきました。
努力すれば必ず願いは叶う。
そういう価値観を強く持っていればいるほど、
社会的・経済的に弱い立場にいる妊婦さんや高齢者の方たちを見て、(見かけ上)なんの努力もせず手厚い保護を受けてのほほんと暮らしている姿に妬み、嫉むのです。