【感想・ネタバレ】空気を読む脳のレビュー

あらすじ

職場で、学校で、なぜ日本人は「空気」を読むのか?
中野信子さんが脳科学をとおし、初めて日本人の心性と強みを読み解く。

「いじめ」「サイコパス」「キレる心」「だまされる心理」など、脳科学から人間を鋭く分析し、対処法をわかりやすく教えてきた中野信子さん。
本書では初めて、日本人の脳に迫ります。
「醜い勝ち方より美しい負け方が好き」「不倫は懲らしめるべき」「雇うなら体育会系男子という企業意識」「なぜ、イケメンのほうが美人より会社で得なのか?」「今が幸せと感じられないし、将来も不安でしかたない」「同調しないと怖い」――日常のさまざまな現象の背景には脳の影響があります。

相手の気持ちを察するのがうまい日本人。それを「空気」を読むといいます。それは、すぐれた協調性、絆の深さ、恩や恥を感じる心にもつながるでしょう。
でも逆に、周りの空気が私たちに、「生きづらさ」や「不安」「忖度する心」「バッシングの快感」といったものを生じさせる原因にもなります。
近年苛烈さを増すバッシングは、「人を引きずりおろす快感」や「ルールを守らない人間を懲らしめたい欲求」という空気です。

日本は世界幸福度調査で常にその順位の低さが話題になりますが、生理的な特質からきているのでなかなか幸福度を上げるのは難しいでしょう。
「褒める」教育が当たり前になっていますが、エリートが行う捏造や改竄の裏に、誤った褒め方がある可能性がわかりました。日本人の才能を伸ばす方法についてヒントが見つかるでしょう。
ほかにも、留学などに「挑戦」する人が減ったのはなぜか? なぜ女性が「婚活」に苦しむのか? なぜ13年連続でイグノーベル賞をとれたのか? なぜ日本は長寿国なのか?
脳の中に私たち自身を読み解くカギがあります。
日本人の特徴を知ることは、日本人以外の人々との違いを知ることにつながります。このことが、現在をより良くし、未来を資する役に立つはずです。

空気を読む脳〈目次〉
はじめに
第1章 犯人は脳の中にいる ~空気が人生に与える影響とは?
第2章 容姿や性へのペナルティ ~呪いに縛られない生き方
第3章「褒める」は危険 ~日本人の才能を伸ばす方法とは?
第4章「幸福度が低い」わけがある~脳の多様すぎる生存戦略
おわりに

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Posted by ブクログ

うまくいくことのみを「是」とする人の心。そもそも、うまくいくとは何なのか。人が勝手に「◯」「✕」をつけているだけなのに、変ではないか、と思わせてくれたフレーズに、勉強させられた。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

私も、「それ」に対して、知らないの?と言われないように集団にできるだけ溶け込むようにしています。
普段、あまり気にしていませんでしたが、この見えない圧力を漠然とは感じていました。
著書では様々な事例から解説や提言があり、一つ一つにそうだったのか!と納得があり、靄や晴れたようでした。
おわりに、中野さんの「それ」の世界の生き方の、攻略法、著書のアンサーに共感し、胸にストンと落ちたように感じられました!!

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2021年08月27日

Posted by ブクログ

この本を読んで、悩んでたあれこれは遺伝子のせいなんだと割り切れ、心が少し軽くなった。

特に「おわりに」の部分で中野先生が空気を読むこと、生きることに関してすごく素敵なことを述べていた。

なんだか強く生きていけそう!!

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

協調性、不倫バッシング、ギャンブル、女性の容姿、同性愛、幸福度など、様々な事を脳科学の観点から解説してくれている。分かりやすくて読みやすかった。
人間は理性的と思いたいけど、それは過信で脳って自分が思っている以上に本能の部分がより多くを占めているのかもなあって読んで思いました。


以下個人的メモ

人類は進化の初期課程において、不安うつ傾向が高まる方向に環境圧力を受けながら進化してきたのではないかと言う考え方を支持するものです。つまり、不安の度合いがある程度高い方が、少なくとも人類進化の初期には、生存に有利であったと言うことを意味していると考えられるのです。

日本は、サイコパシーの高い人間の割合がどちらかと言えば少ない国です。裏を返せば、内側前頭前皮質の機能が高い人がより多く、カッコいいや倫理の基準の変化する頻度が比較的高い風土であるといえます。
5年前には、さほど問題にならなかったことが、不適切であると過剰に非難を浴びたり、2年前にカッコよかったものがあっという間にダサくなったりしてしまう。

この人は信用できるのか、この仕事をしていていいのか、この人と取引すべきだろうか、この場所に住み続けるべきか、この人と結婚したほうが良いのだろうか、この人と子供をつくってよいのか、生きるとは、まさに選択の連続です。
選択の連続である生のさなかにあって、確実な事しか選ぶことができない、となると、ほとんど何も決定することができません。そこで、未知の世界に勇んで飛び込んでいけるように(ときには勇み足となることもありますが)、わざわざ脳の快感を覚える部位を刺激するドーパミンを利用して、わからない方が楽しい、興奮する、という仕組みを脳に作り上げてきたのです。

しかし、中にはコストを負担せず、おいしいところどりする者も出てきます。これをフリーライダーと呼びます。フリーライダーはアリやハチなどの社会にも見られますが、一定の割合を超えてしまうと、共同体のリソースは減るばかりです。 
肉体の脆弱性と子育て期間の異様な長さのために、集団で生き延びることが種の保存に必須であるために社会性が大きく発達した生物である人類には、フリーライダーの検出機能と排除の機構が他の生物よりずっと強力に組み込まれているのです。

その生理的な特質により、日本人の幸福度は、ある一定以上に高める事は難しい、と言うことをあらかじめ知った上でなければ、多くの努力は無駄になってしまうことでしょう。
そもそも幸福度が高くなりにくい性質をわざわざ保持している人たちが、マジョリティーとなるような集団では、幸福度が高いことが生存に不利になる可能性があることを考慮すべきです。
にもかかわらず、あえてそのありようを変更させて幸福度を高めてやろうとするのは、せっかく環境に適応している個体に対して、外部から無茶な操作を加えて、バランスを崩すことにもつながります。

脳の進化の歴史をたどれば、人間は、合理的に考えることのできる知性を発達させることで反映もしてきましたが、その合理性を適度に抑えることで、つまり適度に鈍感であり、忘れっぽく愚かであり続けることによって、集団として強調行動を取ることが可能になりました。それが、今日まで人類が発展を続けることができた大きな要素だったのではないかと考えることができます。

利他性は、バランスと器用さとを備えていなければ、自己を本当に幸せにするための確実な武器とはなりにくいのです。なぜなら利他性とは、それのために自己犠牲を強いる脳内の装置であるからです。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

「なんで私はこんなに空気を読んじゃうんだろう?」
「ちゃんと自分の意見を言いたいのに、つい場の雰囲気を優先してしまう」
――そんな自分にモヤモヤしている人に、そっと差し出したくなる一冊が中野信子さんの『空気を読む脳』です。

本書は、空気を読むという日本人特有の行動が、実は“脳の仕組み”によって導かれているという前提から始まります。たとえば、日本人は「セロトニン・ポーター」という脳内物質の運搬機能が弱めで、それが「不正をした人を強くバッシングしたくなる」傾向を生んでいるのだとか。赤穂浪士や真田幸村の人気も、この脳の特徴によって裏打ちされているという考察には、思わず唸ってしまいました。

一方で、「不倫遺伝子」なる話も登場します。なんと浮気傾向の約50%は遺伝子の影響があるらしい。社会的に不利になると分かっていても、理性だけでは抗えない理由が、脳にはある。だからといって正当化はできないけれど、「脳がそういう仕組みなら、責めるより折り合いをつけた方が建設的かも」と感じさせてくれます。

さらに、「ダメ男に惹かれる理由」までも、進化心理学的に読み解いていく流れは刺激的でした。かつてはリスクを冒す“遺伝子ばら撒き型”が有利だったが、情報社会では“社会性”や“経済力”を持つ成熟した個体が魅力とされる――恋愛観まで脳の進化とつながっているなんて!

本書を読んで面白かったのは、「人は“合理的でない”からこそ繁栄してきた」という視点。たとえば、弱みがあるからこそ定住し、土地に根付き、文化や社会性が育まれた。合理性だけを追うAIにはできない、“非合理を愛する力”が人間の真骨頂だというわけです。

読後、人生がちょっと楽になりました。脳のクセを知ることで、自分の感情や行動に振り回されなくなる。
「いまムカついてるのは、セロトニン不足かもな」とか、「脳が勝手にそうさせてるだけだ」と思えるだけで、少しクスッと笑える余裕が生まれるのです。

空気を読むのがつらい人、自分を変えたいけど変われない人。この本は、「それ、脳の仕様だから無理しないで」と優しく教えてくれます。

脳科学をわかりやすく、私たちの人生ゲームの攻略本として翻訳してくれる本でした。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

朝早く日光を浴びることには意味があったのだ
先の展開がわからないことを好むのはなぜか?人生そのものが賭けだから。未知の世界に飛び込んでいけるようにドーパミンが出る。
褒め方のところはすごく納得。言葉一つでも呪いみたいになるんだな。

男女のセロトニンの差も、知っておくだけで随分救われる。幸福度が低いことで生き延びてきたって考え方も面白かった。弱みをコントロールしてるのが道徳であり宗教。なるほどの連続。
結局その瞬間をどれだけ楽しめるかってのはすごく共感。

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

脳科学者の中野信子が、文字通り空気を読む脳について分析した一冊。

現在は多様性が尊ばれる時代だが、その前から生きづらさを感じている彼女の言説だけあって、説得力があった。

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2022年09月18日

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ドーパミン、セロトニン、オキシトシンなど脳内物質の働きを理解することで、自分がどういう感情を抱きやすいのか、周囲の人が何を考えるだろうか、をイメージしやすくなった。
真面目で勤勉な日本人であるからこそ、犯罪やスキャンダラスなことが起こると炎上しやすく、排除する理由にも日本人特有の脳内物質の分泌が大きく寄与している。
とはいえ、この性質を理解すれば、感情を赴くままに自他を否定する必要はなく、「こういうものだ」と一歩引いて考え、「○○するにはどうすべきか」と冷静に判断できるのではないか。

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2022年09月16日

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中野本に説得力があるのは、海外の研究結果などをそのまま鵜呑みにせず、日本では、と中野さんが分析して意見を述べているところ。今の日本社会の傾向が理解できる。

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2022年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「なぜこんなことをしてしまうのか」を脳科学の視点から言及するトリビア集。

・よかった編
「おわりに」
愛・情・絆・感動・・・周りが高揚し酔いしれる法則が理解できなかった著者の、人生生存ゲームについてが語られる。いきなり個人的な話が始まったが、こんな風にゲームとクリア条件について自己定義したことってないかもなぁと思うともに、はっきり表明できちゃう著者がすごいなーと思う。
あと「利他性はバランスと器用さを備えていなければ、自己を本当に幸せにするための確実な武器とはなりにくい」の一文にも唸った。バランスも器用さも圧倒的に足りないタイプなので、ちょびっと罪悪感もちつつも自分優先に行動しがちだからなーと。

・悩ましいと思った編
「幸福度が低いのには訳がある」
セロトニンが低いからこそ長く生き延びてこられる。だけど幸福度は低い。おとぎ話のように「末永く幸せに」とはいかない所が憎い。でも長生きが必ずしもいいことでもなくなってきてるので、ほどよく幸せを感じるタイプじゃないと長期的に環境適応していけないんじゃないかなあと思った。

<総評>
知ってる話も知らない話もあって、書物としての統一感はないけどまぁまぁ面白かった。一個体と種の一員としての自分に、ダブスタというかいくつも脳の生存戦略的衝動が組み込まれてて、どっちも誤りではないからそりゃ息苦しいわーと納得。仕組みが分かるのと気持ちが収まるのとはまた別だけど、”人間”ていう種類の生物の性質なんだなーと距離をとってみると怒っても仕方ないかーという気がした。

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

とても丁寧な言葉遣いで人生の選択における様々な心理や葛藤や選択を表現されているので、内容は過激だが落ち着いた凪いだ気持ちで読めます。

サバクトビバッタが孤独相から群生相になるのはセロトニン分泌が増加することが原因。後脚を刺激することでセロトニンが増加。そして変容するらしい。2009年の研究。

他的な脳ほど不公正を憎む。協調性が高い人はセロトニンポーターが優位に低い。
相手を配分した分だけ自分のことが尊重されないとリベンジに走る可能性がある。これは「自分は利他行動を優先しているのに、あなたはなぜそれを正当に評価せず利己的に振る舞うのか」「なぜ自分を不当に扱うのか」と言う心情が働くからなのではないかと考えられる。

「褒めて育てる」は危険
人はご褒美が貰えるものは嫌なことをさせられる時と経験から学習しているので、モチベーションが下がる。
創造性を上げたいときには報酬を与えてはいけない。むしろやりがいを与えた方が創造性が高くなるということがわかった。人をやる気にさせるのに効果的なのは、その仕事自体が「やりがい」があり、素晴らしいものだと繰り返し伝え続けることと、「思いがけない、小さな、プレゼント」です。予測される報酬ではなく気まぐれに与えられること、しかも小額であることが重要。

インポスター症候群(嘘つき・詐欺師)
褒める教育で子供は失敗や間違いを隠すウソをついたり、困難な課題への挑戦を避けるようになる。自分の実力がどの程度なのかを知られまいとする。

才能伸ばす名将の褒め方
その人の努力や創意工夫に焦点を当てて褒めていく。

10代の子供の睡眠リズムはメラトニンの分泌が大人より2時間遅いため後ろにずれている。その上、分解も遅いので睡眠を誘発するホルモンがで続け朝中々起きられない。

真面目で悲観的な性格は長生き。陽気で楽観的な人が短命。適度な運動や食事は関係ない。

人生の目的は一体何なのか考えれば考えるほど解が定まらない。言い換えれば解はどんな形であろうとも正解であり得ると言う事。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

日本人はセロトニン(安心になる物質)トランスポーターが少ないため、遺伝子レベルで不安感がつよく、まじめで自己犠牲をいとわない。、、まさに自分!嫌だ〜。南欧に生まれたかった。

ある意味、遺伝子で脳が決まってくるわけだから、人生、努力より遺伝子で決まってくるんですね?という話なのだが、一方で、人を育てるなら、「頭がいいね」はご法度で「努力したね」なんだそうだ。これは、他の本でも見たし、褒め方には注意。

個人的に興味深かったのは同性愛の科学。生産性、という生々しい話になったとき、生産性がいいから同性愛があるという研究結果がある。

また、あとがきが秀逸。

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

自分の生き方をどう見直していくか考える人におすすめ。

【概要】
●セロトニンの役割とその影響。日本人はセロトニントランスポーターの量が少ない。
●オキシトシンの役割とその影響
●「褒める」ことの危険さと有意義な方法
●幸福度に関する研究

【感想】
●脳内物質に関して勉強になった。特に、オキシトシンの副作用とも言うべき心理現象には興味が湧いた。オキシトシンは重要な脳内物質であり避けられないため、反作用的な一面を理解したうえで付き合いたい。
●単に「褒める」だけではよくないことが理解できた。注意して「褒める」ことに取り組んでいこうと思った。
●自分の人生は自分が決めていくことなので、少しでも悔いのないようにいろいろな情報を基に考えて行動したい。

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

脳科学者・中野信子さんの本。

どうやら私は、この手の分野が苦手なのかもしれない。先日読んだ「認知バイアス」も、なんとなくよくわからなかったし…。

うん、面白い話題がたくさん載っていました。

でも、なんとなく、全体像が掴みきれていないので、本書で語られている色々なエピソードが、上手くパズルとして組み上がらない感覚がしています。

興味がありそうだと思って読んだのに、なんだか悔しい。


心理学や哲学が苦手なのは分かっていたけれど、脳科学も苦手だったとは…。もう少し色々な書籍を読んでみようかと思ってます。

メモもいっぱい取ったし、面白いと思える話もいっぱい載っていたのに、あー、なんか悔しい。

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2021年12月23日

Posted by ブクログ

以前読んだ貴方の脳の育て方よりも面白かった。
神経伝達物質セロトニンや愛情ホルモンのオキシトシンは同じだが、取り上げたテーマが自分には合っていたのかもしれない。
セロトニンはストレスに対して抵抗力が増すらしい。男の方が生成能力が52パーセント高いらしい。納得。
他方、愛情ホルモンのオキシトシンは、集団の結束を高めるが、妬み、憎しみの感情を高める。
人を褒めるときは、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価する。褒めて育てるは失敗をおそれ、努力をしなくなる。
女性脳は不安になりやすい。鬱になりやすい。
駄目と思うだけで人は駄目になる。
インポスター症候群。人は高く評価してくれるが、自分は本当はそうでないと自分を低く見てしまう。
等々。中々興味深かった。

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2021年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どうしたら子供を「困難への挑戦を喜び、創意工夫を楽しんでいくことができる人」に成長させてあげられるのか?

正解をしたことをそのまま褒めるのではなく、その正解を導くまでの努力や工夫に焦点を当てて褒めることで、努力は良いことだと認識するようになる。

「あとがき」で中野信子さんがどんな方なのかが分かってすごく共感できる部分がありました。
↓↓
愛、親子の恩、仲間同士の連帯意識、感動、自己犠牲、忠誠心、誇り、絆・・・そういった空気を、ふわりと感じさせるだけで、なぜ世の中の大部分の人は押し黙り、納得して、大人しくされるがままになってしまうのだろう?しかも、人々はその行動を美しいと言って称賛さえする。

このルールを覆すことはできないのであれば、羨んだり、焦ったり、無駄な努力をしたりするのは諦めよう。

「利他性はバランスと器用さとを備えてなければ、自己を本当に幸せにするための確実な武器とはなりにくい」

自分を変えようとするのには無理があるから、今ある手持ちのカードで勝負しようと、腹を括る。

さんざん考えた末に、その瞬間をどれだけ楽しむことができたか、に主眼を置く。私にとっての最高の楽しみは、学ぶことですから、最後の瞬間まで学び続けることができれば、この生も案外と悪くなかったな、と思えるのではないかと考えた。


自分も不器用でこの「ふわっとしたもの」に苦しんでますが、この中野信子さんの最期の瞬間まで学び続けるという生き方に共感し、気持ちを楽にさせることができました。

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2021年08月22日

Posted by ブクログ

真核細胞である酵母やカビにもセロトニン受容体があり、人にも分泌されているセロトニンは進化の歴史の中で必要なものだと分かる。このセロトニンの量を調整するたんぱく質の密度が日本人は低く、協調性が高いことと関係がある 等、特定の脳内ホルモンとその分泌量の関係で、性格や国民性、男女の考え方の違いを説明してくれる。
子どもを褒めることが自信に繋がり、将来のためになると理解していたが、ただ褒めるだけでは逆効果で、その人のプロセスを見てやり、挑戦することをいとわない心を育てることや、目標を達成したらごほうびをあげると言うインセンティブも逆効果になると言うことが、目から鱗だった。

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2021年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本人は比較的熱くなりにくい性質を持った人が多くいる集団。新規探索性が高いと考えられる遺伝的資質を持っている人は少ない。セロトニントランスポーターの少ないタイプが世界でもっとも多い。自分が利益を失ってでも、不正をした相手に制裁を加えたいいう気持ちが世界一強い民族である可能性がある。不安を力にかえる民族。脳から見たやる気にさせる言葉がおもしろかった。多額の報酬を与えることはほとんど意味がない。その仕事自体がやりがいがあり、素晴らしいものだとくり返し伝え続けることと、思いがけない小さなプレゼントである。

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2021年05月23日

購入済み

昔は良かった

昔はよかったというのは脳の老化らしいのですが、地球の温暖化問題は間違いなく昔はよかったと思ってしまうのです。

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2020年12月11日

購入済み

なるほどね

人生の目的は、とか何のために生きるのか、とか。正解は人それぞれだし人生の様々なステージでその正解も変わることがある。他人を許せない気持ちを持つことは集団を維持していくための働きのひとつだということ。周囲に対してモヤモヤした気持ちを持つことがある自分がイヤだったが、これも生きていくための脳の働きと思えば気持ちが少し楽になりそう。

#深い #タメになる

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2021年07月24日

購入済み

脳は深い

人間の行動は思い込みや経験や教育からくるものだと思っていましたが、脳からくることがあることには驚きました。
脳科学の世界に興味が広がりました。

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2020年05月01日

購入済み

電車の壁面広告で見たので

電車の扉近くに広告されていたので、興味を惹かれて読んでみることにした。「いじめ」「サイコパス」「キレる心」「だまされる心理」などを題材にして、書かれているが、日常のさまざまな現象の背景には日本人としての「美学」があるようだ。
著者はこの手の本の著述が多く、「人はなぜ他人を許せないのか」など、一貫した見方があるようだ。「うんうん、なるほど」と肯定的に読める部分もあるが、「そうだろうか」と疑問に感じる部分も多い。
 論法は我々が考えていることを「否定して」、「違う観点で驚かせる」論法なので、読んでいても疲れない。「そういう見方をするか」、と

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2020年04月22日

Posted by ブクログ

同性愛者は家族の遺伝子の繁栄に寄与する可能性がある、というところが、なるほどだった。

また、褒めて育てることの弊害も、興味深かった。
なんでもかんでも肯定的に褒めればいいわけでなく、褒め方にも善し悪しがあるのだ。

空気を読む、ということの仕組みについて書かれているというよりは、ざっくりした脳科学の話ばかりだった。
面白くはあったし、読みやすかったけれど、思っていた内容と違った。

最後、「おわりに」に本音が感じられて興味深かった。
この人、コロナ騒ぎの時、しんどかっただろうな、と思った。
愚かでバカげたものをたくさん見た数年間、私と同じ気持ちだった人の一人なのかもしれない、と、少し思った。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

古くは沢田研二さんと田中裕子さんの略奪婚 やや古風なパラダイム(模範)と言っても差し支えないでしょう 惑溺し易い質だったようで 褒める教育が失敗を隠す温床に ルールを把握するのはゲーム攻略の大原則でしょう

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2025年02月01日

Posted by ブクログ

全部を脳のせいにしてはいけないが、様々な行動は、人間という生物が生き残るために脳みそが反応していると思えば、楽になるなぁと思えた。もう何冊か読み続ければより理解が深まるかな。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

あまり目新しいことはありませんでしたが、以下一つだけなるほど、と納得。人の性質や結果を褒めるのではなく、努力、工夫、プロセスを評価することが大切。それにより、挑戦する、前に向かっていくよあ成長する。確かに。

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2023年11月22日

Posted by ブクログ

中野さんの本は読みやすく、人間という生き物としての脳の進化や日本人としての民族の特徴(不安を覚えやすい、など)が分かる。この特徴を理解して、例えばDXのような新しいものに挑戦しやすい環境・文化をどのように作っていくか、などを考えてみたい。

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

感想
いつか脳の働きを完全に再現できる日が訪れたら。電気信号で構成された人工の脳は空気を読めるのか。神経の隙間に人間らしさは存在しているのか。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

日本人特有の、周りの空気を読み利他的に行動する特性について解説されていた。セロトニンとかオキシトシンとか脳内物質の名前について少し詳しくなれた。頭脳明晰な著者だが、読者層に合わせて簡易な表現を選んで書かれているように感じた。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

私たちは知らず知らずのうちに脳の本能で操作されている。また、真面目で神経質な人の方が長生きするらしいので私は長生きできそうだと思った。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

不倫へのバッシングや、男女のLINE返信頻度の違い、褒める教育が及ぼす影響など、身近な問題を脳や遺伝子の観点から紐解いていく。

日本人はセロトニントランスポーターが少ない、女性は男性に比べセロトニン合成能力が低い、性格はほぼ遺伝などなど、、努力ではどうしようもないことも多いのかな、と感じた。

ピックや原因は興味深いものの、いまいち頭に入ってこなかった。

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2022年03月16日

Posted by ブクログ

・利他的に動くほど、ルールに反した人を排除する傾向
・褒めたら一概に伸びる訳ではない。褒められるように動くようになってしまう
・性格は遺伝で決まってる部分が大きい

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

日本の「空気」は返報性の原理っていう本。

あっさり書いてあったけど、「はじめに」の空気の定義が一番刺さった。



【女性の容姿への「残酷な心理実験」が映し出す現実社会】
外見の良い男性では性的類型化が起これば「男性的」に見られるのです。すなわち、力強く、職務遂行能力が高く、決断力がある、などとみなされるので、仕事上の評価には外見の良さが有利に働きます。
一方、女性はそうではありません。「女性的」である事は少なからず消極的であり、堂々としておらず、意欲や決断力に欠け、セクシーすぎる、と偏見を持たれてしまいます。


【ブラック企業の「やりがい搾取」】と【おわりに】の項も面白かった。

あと「灰身滅智」という言葉を初めて知った。

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2021年10月03日

Posted by ブクログ

なかなか難しい内容ではあったけど、脳科学に関する新しい知識が増え、話の種も増え、勉強になった。


よくよく考えてみれば、人生の目的というのは一体何なのか、よくわからなくなってしまうのです。
考えれば考えるほど、解が定まらないことに悩まされるでしょう。
これは、人生とはそもそも解が定まるものではない、ということではないでしょうか。
言い換えれば、解はどんなかたちであろうと正解であり得る、ということにもなるでしょうか。

どんなふうに生きようが、時を巻き戻して選びなおすことは誰にもできません。
あなたの選んだその答えが正解となるよう、あなたが決めていくしかないということだと思います。

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2021年07月08日

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