池上彰のレビュー一覧
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私にとって池上さんは、実の父親と同世代であり、小学生の頃に「週刊こどもニュース」を見ていた身としては、とても親しみ深い。こうやって毎年本を執筆くださり、世界のニュースを手軽にかつ満遍なくアップデートできるので本当にありがたい。
安倍首相の銃撃事件、統一教会の問題、ウクライナ戦争の背景にある宗教の問題、日本を取り巻く地政学的な課題、米国社会の分断などなど。普段目にするニュースではサラリと読み飛ばしている内容だが、今一つ理解できていなかった。この本では、それぞれしっかり体系づけて解説くださり、おまけに面白おかしいイラストまで付いているので、とても分かりやすい。毎日なんとなく新聞を斜め読みするよりも -
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ユーラシアグループの10大リスクをもとに、世界の問題を解説
引き続きのロシアによるウクライナ侵攻
中国による台湾侵攻の可能性
中東でのイランやサウジアラビアの接近
中国の人口を抜くインドの躍進
北朝鮮のミサイル問題
などなど
ロシア、中国の様にますます権力者に権力が集まり他国に脅威を与える。アメリカのプレゼンスの低下による民主主義の危機と言われるけど、ヒトラーの様な過去の歴史から見ても必ずしも民主主義が最善の統治形態とも限らないと感じます。
民主主義の様に自分たちで政治を変えられると言っても、判断能力、知識があることが前提だと思いますし、情報もバイアスがかかったものであれば、結局は一部の権 -
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1970年代からの労働運動の盛り上がりと衰退、それと連動した社会党の盛り上がりと衰退、が主なテーマ。
お子様(リアルな意味で)だったので総評潰しとしての国鉄民営化という認識はなかったが、総括としては納得できる。
その後の郵政民営化や国立大学法人化と同様に、悪玉として取り扱う世論が作られていたのは覚えている。
労働運動の衰退(明記されていないが連合は御用組合っていう位置づけ)によって左翼は絶滅に近い状態になっているが、揺り戻しはあるというのが2人のスタンスなんだろう。
そのためには「大きな物語が必要」というのは、まあそうなのかもしれないが、いまいちリアリティが感じにくい。
なお、佐藤氏はヴィ -
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正解がないとされる問題(日常生活の中での疑問)に、宇宙から地球のことを学びにやってきた8人の宇宙人がそれぞれの意見を交換する様子を見ることで、問題の本質の捉え方や違う意見への傾聴などが学べる。
やたらと論破することが流行っているご時世だが、傾聴することの意義を忘れてはいないだろうか。
8人の宇宙人の意見はそれぞれ違い、読み手が共感するものもあれば、反発を覚えたり、全く考えなかったものもあったりするだろう。
それらの意見を誰か一つのものにまとめるのではなく、色々な考え方があることを知り、それを否定しないことが大切なのだと分かる。
Q&Aのような今までの形と違い、多様性が重視される今の -
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労農派と講座派の対立から説き起こした左翼の戦後史。
明治維新の評価の差=日本社会の現状認識の差 となったというのが盲を啓かれた感じ。
労農派は維新を封建制を倒したブルジョア革命と定義し、維新後の日本は資本主義→帝国主義段階と考えてダイレクトに社会主義革命を志向した。労農派≒社会党系の認識は、我々一般人にも理解の可能な範疇かと思う。
が、講座派は維新後の日本を半封建社会と捉え、まずは民族主義革命による国民国家の樹立を目指せ!と二段階革命を号令する。この講座派=共産党の強烈な認知の歪みには、びっくり仰天な雑魚なのです。
そして、おそらく正しい認識をしていた労農派≒社会党の現在がほぼ壊滅なのに対し、 -