池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ若い頃、デンマークとノルウェーを訪ねたことがある。それ以来、北欧が気になっていたが、その歴史的背景と現状を知ることができた。
ソ連崩壊で経済の危機に陥りフィンランドは
よき納税者を育てるために教育に力を入れる。
PISAで読解力のトップに立った理由にも納得。
教師が授業を教えることに専念できる。
進路相談は家庭に、悩み相談はカウンセラーに任せ、仕事と生活の調和がとれているから教材研究に力を入れることができる。
15〜21週間の教育実習を行い、教師の質も高く、社会的ステータスも高い。すべての国民に平等に教育という精神が根付いている。
デンマークがなぜ酪農国になったのかもわかった。そしてデンマークが北海道の酪農に影響を与えていることも。
フィンランドの放射性廃棄物最終処分場、オンカロの話にも驚いた。
日本が北欧に学ぶべきことはたくさんある。
池上彰さんの提唱するバックキャスティングの考え方は興味深い。 -
Posted by ブクログ
東京に長いこと暮らしている実感として、周囲には資本主義に包摂されアメリカ的フィルターを通した物の見方に染まった人が大多数だ。対して、保守・復古的価値観に意義を持つ人も散見するし、やれ風の時代だ、直観が大事だ、大いなる力だ、闇の権力者だとスピリチュアルや陰謀論に染まる人もやたらと多い。こちらはいずれも反知性主義的傾向が強く、ナイーブすぎる。
認知バイアスがある以上、情報をバランスよく、現実的に受け取ることは難しい。それでも真摯に、丁寧に情報を集め、主体的・柔軟に思考を積み上げることで強くしなやかなビューを持つことができると私は信じている。
世の中には南:北、リベラル:保守、先進国:途上国、民主主義国:社会主義・独裁専制国といったような様々な二項対立軸があって、その枠組みで世の中の構造を我々は紐解いてきた。本書では今あげたような二項対立軸を再編して、グローバルノース:グローバルサウス(インターナショナルサウス)という視点で現代の世界的社会的課題を読み解いていく。
日本の強みは「和」だ。
対立するでもなく、孤立するでも、従属するでもない。主義主張の強い国々が周囲で争っているのならば、それぞれの主張を傾聴し、和ませ、濁らせながら現実路線で行けばいい。そして彼らのいいところを吸収して学び、貢献できる点で貢献し、じっくり着実に成長していけばいい。
一矢報いようだとか、華々しく返り咲こうだとか考えるのは発奮するには良いかもしれないが、正見を備えない張りぼての自信は空回りしてしまうだろうし、下手すれば玉砕の道に突き進むリスクもある。
かといってボヤっとしていたら大波に流される。
自由と民主主義は素晴らしい。それの恩恵を得て、私は今幸せに暮らせている。しかしそれが100%正しい概念というわけでも、100%我々に馴染んでいる概念であるわけでもない。綻びもあれば、馴染まない人もいる。
グローバルサウスの面々は我々日本人以上にそう思っているわけで、彼らの理解なくして共生はできない。
日本の歴史を顧みれば、和を尊ぶとはいえ、排外精神と争いの多さがよく目につく。
不安定を嫌い異分子を敵視する性があったとしても、徐々にでも他者を理解すれば壁は薄く出来る。
米大統領がトランプでもバイデンでも、遠からずアメリカの権力は弱くなる。そしてその空白はグローバルサウスの増大によって埋まる。
メガテック企業は依然として存在するし、画期的なアイデア、プロダクト、サービスは今後もその大きな競争社会から生み出されてくるだろう。ピークは過ぎるかもしれないが、経済的な強さは今後も続くに違いない。
ただしもはや一強ではないのだから、例え相いれない価値観であろうとも、日本は今後のグローバルサウス側の面々とも関係性をしっかり築いていかねばならない。そしてそれは決して不可能じゃない。
歴史はいつだって一筋縄な予想通りにはいかない。
甘い見通しをすると上回ってくるのに、最悪の場合を想定してもその通りにもならない。
カオスな世の中に起きる大きな事件はいつだってブラックスワンであるようだ。
それでも、準備なくして事変には対応できないため、常に未来を予測・分析することには重要な意味がある。 -
Posted by ブクログ
新学習指導要領に合わせて現在の教科書は変わってきているようだが、小学校、中学校、高校と生物学をぶつ切りにして教わっているため、本書で生命科学を体系的に学ぶことができた。
そもそも生命とは何なのか、生命はどのようにして誕生したのか、そして多様性、死のしくみまで細胞レベルで学び、自分は何であるか、私たちはいかなる存在なのか、私たちはどこから来てどこへ行こうとしているのか、を考えるきっかけとなった。どの生命も一個の細胞から始まりセントラルドグマのもと多様な機能を身に付けてきたこと、バクテリアも植物も人間も生命のしくみの根本は同じであること、生物学は暗記科目ではなく、統一原理から始まる多様性の世界であることが分かり面白いと思った。
今回生命科学を学び、生命、そして私たちは奇跡的な存在なのだと感じた。まだ解明されていない未知の部分も多いが、今後の新たな発見を期待し興味を持って新しい情報を得られるようアンテナをはっていたい。 -
Posted by ブクログ
グローバルサウスとは西洋民主主義に対する対抗概念。冷戦後世界に広まった西洋的民主主義と自由主義の概念は急速に力を失いつつある。
今世界は大きく変化しており、今までの常識で測ると情勢を読み誤る。
・グローバルサウスの特徴として、国際的協調より自国第一主義、民主主義より権威主義でも強力なリーダーシップ。
・G7のGDP比率1986年68%が2022年には42%に低下。グローバルサウスの存在感が高まっている。
・ウクライナに対して明らかに侵略行為を行ったロシアへの非難決議に中国、インドを初めアジア、アフリカ、南米の多くの国が棄権した。
アメリカ、ヨーロッパ先進国に対して明らかに距離を取る動き。
・古代ギリシャでも国の統治について、初めは王様が国を治めるが堕落していく、すると次にモラルの高い貴族が政治を握る。やがて貴族も腐敗して寡頭政治になる。次は民衆の力がそれを倒して民主制が出来るが、いずれ衆愚政治となる。そして優れた王様が出てくる。
・人類は進歩しているという思い込みは浅はかだと思い知らされる。
・トランプが勝ってもバイデンが勝ってもこの流れは止められない。今後も世界で今まででは考えられなかった事は起こり続けると思った方が良い。
日本は、そして自分はどうすべきか真剣に考えたい。