あらすじ
「生成AIに勝てるヒトの強みとは?」「過去のデータが大事というけれど?」「悩んでいる友人のために何ができる?」「どうすれば部下がやる気を出すだろう?」――。
トップアスリートになる夢も、生成AIにない発想力も、他者への共感力だって「想像力」が原点。
「世界価値観調査」では、日本人が子どもに身につけさせたい性質として「想像力・創作力」を挙げ、比較した77ヵ国中でも上位です。
「生成AIに負けない人材か」が問われる時代というだけでなく、想像力は、働き方、生き方を変える原動力。
池上先生は、「タテの想像力」と「ヨコの想像力」とし、学校や職場で教えてくれない想像力の伸ばし方を具体的に伝えます。
「タテの想像力」で未来を決めると今が変わりだします!
私たちはそのことを、アスリートの活躍として日々目の当たりにしています。大谷翔平、羽生結弦、石川佳純、堀米雄斗などなど、作文に綴った夢が実現した人は少なくありません。将来への想像からゴールへの道が始まります。池上先生も、小学校時代の夢だったジャーナリストになりました。
ビジネスでは、巨大ITプラットフォーム企業Googleも、「タテの想像力」でグーグルアースなどを想像し実現したのです。
「ヨコの想像力」も、仕事や人間関係でなくてはならないもの。
AIが優秀な「クールヘッド」(冷静な頭脳)なら、人間の強みは「ウォームハート」(温かい心)であり、その根底にあるのが想像力です。
モノやサービスも個々のニーズに合わせ多様化する世界で、想像力をどこまで働かせられるかがビジネスの決め手となります。
とともに池上先生は、世界各地で人道支援を取材し「想像力は世界を変える」と確信します。
パンデミックや戦争が私たちの前に立ちはだかっても、どうすれば世界はよくなるか想像することが突破口に!
現実社会をテキストに、想像力のリミッターの外し方を教えてもらいましょう。
【本書の内容】
はじめに――なぜ、「今」想像力が必要なのか?
第1章 想像力を失うと私たちはどうなるか?
――AIvs.想像力の時代が来た
第2章 「ヨコの想像力」が仕事や人生を変える
――「人」と「多様性」を知る力がつく
第3章 「タテの想像力」で未来を決めると今が変わる
――リミッターを外すのは楽しい!
第4章 「なりたい自分」を持つことから始める
――「AIに負けない人材か」問われる時代に
第5章 想像力のスイッチはいつでも入れられる
――対話・体験・視点のヒント
第6章 池上彰の未来予測
――私が未来を予測するとき何を見ているか
おわりに――行き詰まったら「よそ見」をしよう
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ドラえもんの歌詞にある「こんなこといいな、
出来たらいいな」は想像力の始まりです。
携帯電話も空飛ぶ車(ドローン)も、初めは単なる
想像上のモノでしかありませんでした。
しかし今では現実となっています。
日本人はとにかくこの想像力が弱いと言われて
います。
現実にあるものをどんどん改良して、さらに
良くしていくのは得意なのですが、ゼロからの
開発つまりイノベーションが弱いのです。
そこで池上氏が提案するのは、想像力をタテと
ヨコに分けて考えるということです。
「ヨコの想像力」とは、自分ではない「他者」、
ここではない「場所」つまり同時代を生きる
他者と過去を生きた他者というように、
身近な人から海外の人たちまで範囲をヨコに
広げて想像すること。
「タテの想像力」は今ではない「時」、未来の世界や
未来の自分自身へと考えを巡らせるタテに繋げて
想像すること。
ぼんやりと想像するのではなく、確かな情報を
元に想像力をタテとヨコに繋げていく。
「先の見えない時代」なんて言葉は、単なる言い訳
でしかないことを感じる一冊です。
Posted by ブクログ
想像力とは自身の生き方や人間関係などの身の回りから始まり、社会のシステムや技術の発展などに必要不可欠だということが改めて分かった。
特に、多様性という言葉が一般的になってきて『横の想像力』を意識する人は多いなか、
「今」にフォーカスしがちで『縦の想像力』も
もっと持たないといけないなと感じました。
Posted by ブクログ
自分には想像力に伸び代があると感じ、読む
豊かな想像力を発揮する前の前提条件として、前向きな気持ちや熱量、気持ちの余裕などが必要である。前向きな気持ちや気持ちの余裕は、自ら工夫して生み出さないといけない。気持ちが上向く仕掛け(→いつもと違うスタイルにする、物を使う等)を考えてみる。
そして、豊かな想像力を発揮した先には、主体的な変化や事前の準備などのアウトプットがある。今までの自分は想像力に欠けたアウトプットが多く、それがセンスの無さに繋がっていた。日々様々なことを想像するのは、一見あまり意味のないことに思えるが、実際はアウトプットのセンスにつながっている。
Posted by ブクログ
池上さんご自身の体験・教訓、社会での事例などを交えて、未来を想像する「タテの想像力」と、多様な他者を想像する「ヨコの想像力」の重要性を優しく説く。
ある1個の思想に偏ったり、すぐ答えを求めてしまう「日本人らしさ」も考え物ですね...。短期的スパンで物事を考えるのではなく、少し時間をかけてみるのが意外に大切だったり。
自戒も含め、このような「想像力」を重視する動きは、日本にも広げなければいけませんよね。
Posted by ブクログ
想像力の伸ばし方を説いた本。
データ至上主義や前例主義では突き抜けた成果を出すことは難しい。現状を打破し、新たな価値を生み出すには想像力が必要です。
本書は想像力を伸ばせない要因と想像力を伸ばすヒントを教えてくれます。
Posted by ブクログ
2024/02/05
池上彰さんの考えるタテの想像力、ヨコの想像力とは何か、そんな池上彰さんの考え方に触れられる本です。
SNSが発達して情報伝達の速度がとても上がった一方でその内容の真偽に関しては曖昧なまま人の誤解に繋がったり、争いの種になってしまったり色々な影響があります。
違う立場の人、違う国の人、過去の人、未来の人など、相手の立場に立って…ということが現代ではその大事な部分が省かれていることが多いのではないか、その影響が色々なところに事象として現れているのではないかということについて分かりやすく解説してくれています。
相手の立場に立って想像することの本当の意味と、求められること、必要なことなど色々な見方のヒントを得られる本だと思います。
Posted by ブクログ
今の日本は想像力を失っていると警鐘を鳴らす内容である。
【概要】
●想像力の必要性
●日本が想像力を伸ばしにくい理由
●ユーラシア・グループによる未来予測
●ヨコの想像力とタテの想像力
●AI時代の想像力の使い方
●想像力を養うための対話・体験・視点のポイント
●著者の未来予測
【感想】
●自分で考える人が減ってきている世の中において、想像力を発揮するためにはどうすればよいか具体的にわかりやすく書かれている。
●組織の中でも個に閉じこもりがちな人を多く見かけるが、本書を読むことによって、ヨコの想像力を活かさなければ組織に必要なアイデアは生まれないことがわかる。また、タテの想像力を活かさなければ環境の変化に対応することができないこともわかる。
●未来を切り開くためには、あらゆることに対して想像力をフルに使い、自由に思いをめぐらすことによってこれまでのやり方では通用しないことを打破していく必要があると感じた。
Posted by ブクログ
「想像力」は「他者と一緒に」、「違った場所」で、今ではない「時」を感じること、とあるそれには寄り道、回り道、見聞し、選択肢を豊にすること、と言うことを提言している。世界の動向は「人を知る」から始まり「宗教・思想」など違った世界を知って初めて様々な想像力から選択と知恵がつくと感じる。好奇心を持ち広い世界に飛び出すことも一理ある。日本人にある想像力を阻害する要因(リスク回避・固定概念・完璧主義・他者比較・タイパ重視・人任せ「思考力低下」)を抑えて勇気を持って行動することだ。
Posted by ブクログ
日本国内にとどまらず、世界の情勢にも思いを馳せ、 思考する。
また今現在だけでなく、未来についても具体的で現実的な映像を思い描く。
こういった幅広く見通した想像力が大切。
しかし、今の日本人には想像力が 十分に備わっておらず、それどころかぞんざいに扱われてしまっている。
想像力の重要性をしっかり内面化した上で、それを行動に移す実践力も身につけていくべきだと感じた。
Posted by ブクログ
時事問題を考える時、池上さんの著書は非常に有益です。テレビ番組でのご活躍から言うまでもないのですが、説明がわかりやすい。小難しく説明する必要ないよねっていう想いが伝わります。加えて池上さんの意見も偏りがなく、読者に考えさせるスペースを与えてくれます。普段の自分の生活から離れた世界の事も考えたいなと思った時、私は池上さんの著書を選びます。
Posted by ブクログ
『ドラえもんのび太の月面探査記』のラストでのび太が「僕たちには想像力があるんだから」という名シーンがある。意味合いとしては会えなくてもちゃんと想像で会えるというものだが、この想像力というのがいかに大切なものかと思い知らされる。
今回の池上彰さんの書籍は、今の日本には想像力足りてないんじゃないの?という気付きを与えてくれる。年齢を重ねるごとに失われている想像力。これは自分で考えや行動にブレーキをかけているからではないか?と問われる。
…その通りです。
ちゃんと新しい場所に赴き、人と直接会話をし、学び、そして自分の頭で考えるのだ。そして、相手に優しくしていくのだ。
考えること、相手の立場に立って想像することをやめてしまった時、混沌とした時代がやってきてしまう。一個人では防ぎようもないことばかり起こる時代であるけれど、学ぶことはやめないでいたい。
Posted by ブクログ
横の想像力とは、自分ではない他者、ここではない場所、同時代を生きる他者、過去に生きた他者、身近な人たちから海外の人たちまで、ヨコに広がる想像力をいう。そして今ではない時、未来の世界や未来の自分自分自身へと、タテにつながる想像力をタテの想像力と呼ぶ。AI時代の中で、想像力を駆使して、自分なりの自由な意見をまとめる練習が必要である。
Posted by ブクログ
大量の読書に基づいた知識の塊みたいな本の内容だった。
意見に偏りが無く非常にフラットで、且つ説得力があってもはや圧巻だった。
内容が濃いのでまだ消化しきれて無いのでもう一度見直そう。
Posted by ブクログ
池上さんの本には大きく「現代史:世界で起きていることを知るための本」と「教養:知識、思考法を身につけるための本」の2つに分かれるかと考えていますが、この本は後者にあたります。
タテの想像力は時間軸、ヨコの想像力は空間軸に関する分け方ですが、この分け方は非常にわかりやすいです。
また、抽象論のみならず、具体的な事例が紹介されています。納得感も高く、頭に入ってきやすいですので、発想力を鍛えたい人はおすすめです。
Posted by ブクログ
今ではない時、「タテの想像力」自分ではなく他者のこと、「ヨコの想像力」
実社会の上で、想像力が欠如している人とは議論の場でも前に進まないのをよく経験する。
Posted by ブクログ
具体的事例をあげてタテ・ヨコの想像力の大切さを理解できる内容ではあるが、著者自身の具体例が多かったため、あっそうだったのね、という印象が拭えない。