あらすじ
憲法はとても大事なものだから、変えるにしろ守るにしろ、しっかり考える必要がある。おしえて池上さん! 憲法についてのギモン点! 『憲法は難しくない』に大幅加筆・修正した憲法入門決定版。日本国憲法を、池上さんと一緒に読んでみよう! 今こそ知っておくべき憲法のギモン点にお答えします。
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Posted by ブクログ
政治の話が超苦手で、高校生未満の憲法知識しかなかったが、池上彰はそんな私も理解できるようしっかり説明してくれた。本の後ろに、ジュニアが理解できるオススメ文献も乗っている、こういうのがいいんだよね。
ただ2013年の本(現在より10年以上前の本)なので、読んだ上で情報のバージョンアップは必要だと思った。
Posted by ブクログ
近年になって急激に論争がかまびすしくなってきた『日本国憲法』について、戦後史と絡めながら、その成り立ちや在り方を解説した入門書。憲法について「何が何だかまったくわからない」から、「どういうスタンスをとっていいのか判断できない」程度にはレベルアップできる。よりよく知るための書籍案内も設けられているし、巻末には憲法全文がまるまる掲載されていてお得感アリ。
Posted by ブクログ
2013年秋に購入して長らく積読状態にしておいた本書、昨今の安保関連の法律案が議論されているので、読んでみた。
憲法の全般的な解説が分かりやすかった。
また、2013年10月刊行の本書であるが、自衛隊と憲法第9条との関係が平易な表現でしっかり記述されており、とても参考になった。
Posted by ブクログ
立憲主義とは。憲法の精神を学ばせていただきました。素晴らしい本です。
今の安倍政権は極めて危険だと思います。良識ある長老議員達の最後のご奉公に期待したい。
Posted by ブクログ
結論から言うと、この本買ってよかった!池上先生の本は新刊出たらなるべく買うようにしてるんですが、ほんとに買ってよかったです。
今まで私は、護憲派なのか、改憲派なのか。自分がどういうスタンスでいればいいのかわからなかったんですが
この本を読むことで、「自分にとっての理想の国家像」が、そのビジョンがやや明確化されたと思います。
国の将来を案じるには、理想の国家を創るには、まず知識がないといけません。まずは池上彰の本でこの国と世界の情勢を簡単に知りましょう。
Posted by ブクログ
とても読みやすいです。
9条があるのになぜ自衛隊があるのか、その解釈の変遷など今話題の部分には専用の章を設けているので理解を深めることができます。
Posted by ブクログ
憲法:国家権力を制限して、国民の自由と権利を保障するもの。
法律:世の中の秩序を維持するために国民が守らなければならないもの。
立憲主義:国家権力を制限する憲法に基づいて政治を行うこと。
日本国憲法の成り立ち
・ポツダム宣言においては、日本に対して、言論の自由を守り、基本的人権を尊重し、平和な政府を作ることが求められていた。
戦争中は、戦争反対のものは逮捕され、拷問され、言論の自由もなく、宗教団体も弾圧され、信教の自由もなかった。
天皇に絶対的な権力を認めていた大日本帝国憲法の改正が求められた。
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元々日本が作っていたものは、あまり大日本帝国憲法と変わらないものが予定されていた。天皇は至尊にして、や帝国議会の閉会中には勅令が出せる、とか。天皇主権、国民は臣民。
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この内容が毎日新聞にすっぱ抜かれ、マッカーサは、国民主権・基本的人権・平和主義の原則が入っていないことに激怒。
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アメリカで作っちゃおう、ということで、マッカーサーノートを守ったものを作らせた
・天皇は国のヘッドで、天皇の仕事は憲法に基づいて行われる
・日本は戦争を解決する手段としての戦争だけではなく、自国を守るための戦争も放棄する。自国を守るための〜は作成中にケーディスが破棄。
・封建制度は廃止する
国連憲章、人権宣言、アメリカ憲法、ドイツのワイマル憲法、などさまざま参考にした。
日本の学者グループの草案も、結構参考にされていた。
押し付け憲法と批判されれう部分もあるが、日本の学者の改正案がベースであること、日本側の意見(二院制など)が通った部分もあること、国会議員によって承認されていること、など必ずしも押し付けとは言えない。
憲法前文
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって:ここは、ジョンロックの社会契約説に依拠している。
国民の義務がなぜか憲法にあるのか?
国民が自分たちの権利を守るためには、国家を運営する費用を出さなければならない。それが税金であり、納税義務がある。国民に納税の義務があるのは、国民が国家の主権者だからである。国民が税金を納めるためには、働かなければならず、働けるようになるには教育が必要。ということで、納税・勤労・教育が、3つ義務として書かれている。
勤労の義務:全員が何が何でも働けというわけではなく、働こうと思えば働けるのに、働かないで遊んでいる人の面倒は、国は見られないよ。ということ。
衆参の差分。基本的には、法律が違う判断になったら、両院協議会を開くことができ、もしそれでも決まらなければ、衆議院で再度2/3以上で可決されれば法案成立、そうでなければ不成立。ただ、予算案・内閣総理大臣の氏名・外国との条約の批准は衆議院の判断が優先。
議院内閣制:国民が選挙で選んだ国会議員の中から総理大臣が選ばれる制度のこと。
9条を巡る議論の展開
芦田修正
元々の文章:国の主権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、他国との間の紛争の解決の手段としては、永久にこれを抛棄する。
陸海空軍その他の戦力は、これを保持してはならない。国の交戦権は、これを認めない。
今の憲法:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、他国との間の紛争の解決の手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この「前項の目的を達するため」という部分について、芦田さんは1957年になって、「日本は無条件に武力を捨てるのではないということは明白」になった、とした。
つまり、「戦争」と「武力による威嚇または武力の行使」は、「他国との間の紛争の解決の手段」としては放棄した。そのための戦力は保持しない。が、「他国との間の紛争の解決の手段」ではなく、自国を守るための力だったら持っても良い、と解釈できる、とした。
作成中も、マッカーサは自国の防衛も放棄すると入れていたが、ケーディスが削除していた。
ただ、文章をそのまま読めば自衛権も放棄したとみなすことはでき、吉田総理も自衛権を放棄したという答弁を国会でしている。どの国もみんな自分を守るためだ、と言って戦争を始めるからその自衛権も放棄しないと、というのが自然な発想。
だが、政府内部では、日本は自衛権までは放棄していない、という考え方があった。
実際、占領軍も、前項の目的を達するため、という文章が9条に入ったことを受けて、66条で内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならないという文民条項を入れている。これは、もし、軍を保持しない前提であれば、全員が文民なのだからいらない条項。これが入ったのは、極東委員会が9条の修正を見て、自衛が可能になると思い、戦前の日本のように軍人が内閣に入る恐れがある、と考え、文民条項を入れるべきだ、と判断したから。
でも日本は戦後一時期軍隊を持っていなかった、でも1950年の朝鮮戦争で、日本のアメリカ軍が朝鮮へ行ったタイミングで、マッカーサから警察予備隊という、ほぼ軍隊を作って国防するように言われた。ので、しれっと吉田茂が政令を出して作った。徐々に自衛隊、保安隊、防衛省、などができていき強化される。
吉田総理は、戦力の定義を、徐々に変えていき、最初は、近代戦を戦うことができなければOK→次は自衛を超えるものが戦力、のように徐々に定義を広げていった。防衛費も元々GDPの1%以下と決めていたが、中曽根内閣の時に1%を超えた。小泉総理、安倍総理あたりでは、自衛隊は日本国内では軍隊ではないが、海外では軍隊として扱われる、的なことになってる。
核兵器についても、岸総理が1957年に自衛のための小型ならOKでは、といってる。
自衛隊が憲法違反か?の裁判は、長沼訴訟、という北海道にミサイル基地を建てるために森林を伐採するという事業に対して、公益のためにやってる、と答弁されたが、自衛隊は憲法違反だから公益のためではない、となり、地方裁判所では違憲の判定が出たが、高裁最高裁では、統治行為論:高度に政治的な問題は裁判所が判断しない、ということになり、違憲かどうかの判断は保留された。訴えは住民に訴えても利益がないから、訴える権利はないということで取り下げられた。
chatgpt
2014年7月1日:政府が、限定的な集団的自衛権の行使を容認する閣議決定。
2015年9月19日成立/2016年3月29日施行:いわゆる**平和安全法制(安保法)**が成立・施行。9条の改正ではなく、関連法の整備です。
2014年7月1日:
正式名:「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」
ポイントは“限定的な集団的自衛権”の容認。従来は「武力行使=日本が攻撃された場合のみ」でしたが、次の**“新三要件”**を満たすときは、他国への武力攻撃でも日本の存立が脅かされる場合に限って武力行使を認める、と政府解釈を変更しました。
① 日本または日本と密接な関係にある国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある。
② それ以外に適当な手段がない。
③ 武力行使は必要最小限度に限る。
(この解釈変更は法律ではなく内閣の方針決定で、その後の法改正の土台になりました。)
2015年9月成立/2016年3月施行(平和安全法制)で何が変わった?
2014年の解釈変更を受けて、関連10数本の法律を改正+恒久法を新設。中身は大きく2本立てです。
A.「国際平和支援法」(新設・恒久法)
国連決議等に基づき、国際社会が集団で対処する事態で、自衛隊が他国軍に対して補給・輸送・医療等の後方支援をできる恒久枠組みを創設(従来は時限法で個別対応)。現場が戦闘行為の「真っ只中」でない等の制約は維持。
B.「平和安全法制整備法」(一括改正)
主な改正点(代表例):「存立危機事態」を新設:上の新三要件を満たす場合、限定的な集団的自衛権の行使を可能に(自衛隊法・事態対処法に明記)。国会承認も規定。
「重要影響事態」へ拡張:旧「周辺事態」概念を見直し、地理的な“周辺”の縛りを外して、日本の平和・安全に重要な影響が及ぶ状況なら米軍以外の他国軍も含め後方支援を可能に。弾薬提供や発進準備中航空機への給油・整備など、支援内容も拡充。
内閣官房
PKO(国連平和維持活動)での権限拡充:いわゆる**「駆け付け警護」や任務防護**(現地住民・他部隊関連要員の保護等)を可能にし、武器使用基準(ROE)を国連標準に近づける。
「武器等防護」(いわゆる資産防護)の拡大:自衛隊が**米軍だけでなく他国軍の「武器・装備」**を共同行動中に防護できるように。
在外邦人保護の強化:邦人輸送に加え、一定の条件下で警護・救出のための武器使用を可能に。
船舶検査(臨検)の拡張:国際平和・安全確保を目的とする場合にも実施可能に(従来は日本の平和・安全に重要影響がある場合中心)。
解釈改憲、でほぼ憲法変わってるじゃん、という指摘もある。
湾岸戦争で、日本がお金だけ出して、全然役立たずだったことで、貢献できてないなーという感じになった。さらに北朝鮮の拉致問題、中国の尖閣諸島問題などで、日本全然守れてないじゃん、ってことになる。
憲法を変えて自衛隊を明記するのか、自衛隊を無くすのか、法律や解釈レベルを変えていくのか、など、、検討が必要。
Posted by ブクログ
憲法について、その歴史と各条文とを概括的に通読するのによい入門書でした。自衛隊設立や90年代から2010年代にかけての安全保障の背景、自民党の改正案なども知ることができて、理解が深まりました。
Posted by ブクログ
私のような初心者向けの易しい解説書。戦後、GHQ占領下での憲法や自衛隊の成り立ちなど、背景も説明してあってわかりやすかった。また自衛隊イラク派遣や小泉内閣の衆院解散など「何か揉めてたな‥」ということの本質(おそらく相当単純化されていると思うけど‥)が理解できて、より詳しく知りたいと思うようになった。
Posted by ブクログ
今の日本国憲法がいかにしてできたのか。。
民主主義というものは、憲法で認められている私たちの権利は自らの平和や平等を求める不断の努力が前提になっている。「選挙にいく」この行動を当たり前にできるようにしたい。なぜなら、主体性をもって行動しないといつか自分が知らない間に権利を剥奪されているのと同じような状況に陥る可能性があるからだ。
Posted by ブクログ
分かりやすく書かれていて法学部でなくても一般の人が理解しやすいように池上彰の言葉で要約された本。
本当に入門編って感じ。国会とかのことについても書かれてたり、議員の年収や、憲法のできた過程までも書かれた面白い本だった。
Posted by ブクログ
憲法の成り立ち、前提、
条項を1つ1つ丁寧に分解し、
身近な例と共に説明してくれているおかげで
全くの初心者でも、何て言うんでしょうか、
憲法の重要性、かけがえのなさ、崇高さをよく理解出来ました。
選挙にいかなかったり、行っただけで満足したりする人で大半を占める日本。
今の与党•内閣はなんとなく嫌いだけど、とりあえずそこに投票したり、駅前で反対論者がチラシを配ってるの見て無視したり。
なんとなく、とりあえずの人でいっぱいの世の中で、かく言う私もその一人だったんですが、
自民党大勝と矛盾したアンケート結果を見て、いびつな世の中に危機感を覚えるとともに、ここは民主主義の日本!もっと国から利益を得よう!、まずはベースから知ろうと思い手にした本です。
Posted by ブクログ
憲法の全体的な構造をざっくりと把握したい人にはオススメの一冊。
最近のトピックである9条及び96条については少し掘り下げて書かれています。
著者の個人的な考えを押し付ける記述はなく、国家が採るべき憲法に対する複数の問題解決案を知る事が出来たので勉強になりました。
Posted by ブクログ
憲法改正に賛成?反対?
判断する為には日本国憲法とは何なのか、理解することが初めの一歩です。
池上さんが書いたこの本は、非常にわかりやすく解説してあります。
日本国憲法は高尚な内容であり、条文を読むだけでも(特に前文)鳥肌モンです。しかしながら、条文自体現実にそぐわないモノもあり、解釈論では限界に来ていると感じました。
世界中の平和を尊ぶ憲法の骨格は変えず、いかに実態=国民の意志が反映された憲法にするか、考えるきっかけとなりました。
Posted by ブクログ
日本国憲法を概観するための入門書。あくまでも入門書であり、9条と96条については詳述するものの、やや物足りない。本書で紹介されている文献に当たり、さらに知識を深めたい。
Posted by ブクログ
「池上彰の憲法入門」
平易にそして中立な立場で書かれており、さすが池上さんだなと思わせる。
よく押しつけられた憲法だと言われるが、日本の学者グループの案も含まれていて、必ずしも押しつけられたとばかりは言えないと言うことがさりげなく書いてある。
確かに、当時の日本政府からみればアメリカ側から憲法案を提示されるなどと言うことは思ってもいなかっただろうし、戦後状況から考えて押しつけられたと感じたのは理解はできる。
憲法改正は、確かに戦後70年も経って時代に合わなくなったという面はあるだろうし、修正するのは必要だろう。そのための十分な議論は必要不可欠だ。
しかし、国家権力側を縛るのが憲法であって、そして守られなければ意味がない。最高裁はもう少ししっかりして欲しい。
自民党の憲法改正法案がこの立憲主義を理解していないと批判されるのもよくわかる。
いずれにしても今の日本が大きな転換点にあることは事実だと思うので十分な議論が必要だろう。
そういえば、学校で社会の時間に習ったときは国民には「勤労の権利と義務がある」と教わったが、勤労の義務についてはあまり言われないのはなぜだろうか。ちょっと気になる。
Posted by ブクログ
憲法の基礎を体系だてていて、特に話題の9条と改正について焦点を当ててくれています。
非常に分かり易く、難しい条項も現代文にして分かり易く解説してくれています。
また憲法の本にありがちな筆者の偏った意見もひどく見られないので、知識として頭に入りやすい本です。まさに「入門」と題するに値するかと。
本の書き方が池上さんの口調と一致していて(笑)、読みながら映像を見ている気分にされます。
Posted by ブクログ
日本国憲法を優しく解説。なぜ憲法改正の風潮が高まっているのか、憲法のどこが改正されるのか。自衛隊を明確に認めるよう憲法を変えるのですか、憲法を守る為に自衛隊を解散するのですか、それとも、憲法は変えず自衛隊を残す道を探るんですか、集団自衛権を認めるんですか、という話。