池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京に長いこと暮らしている実感として、周囲には資本主義に包摂されアメリカ的フィルターを通した物の見方に染まった人が大多数だ。対して、保守・復古的価値観に意義を持つ人も散見するし、やれ風の時代だ、直観が大事だ、大いなる力だ、闇の権力者だとスピリチュアルや陰謀論に染まる人もやたらと多い。こちらはいずれも反知性主義的傾向が強く、ナイーブすぎる。
認知バイアスがある以上、情報をバランスよく、現実的に受け取ることは難しい。それでも真摯に、丁寧に情報を集め、主体的・柔軟に思考を積み上げることで強くしなやかなビューを持つことができると私は信じている。
世の中には南:北、リベラル:保守、先進国:途上国、民主 -
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Posted by ブクログ
色んな文献をバランスよく読み込み、分かりやすく、かつ誤解を与えぬようロシアについて書かれた本。反ロシアにも行き過ぎず、ロシア擁護にも行き過ぎず、まさに、池上彰らしい仕立て。
ミンスク合意やドネツクやルガンスクの位置付けからのウクライナ問題に留まらず、エネルギー利権、政治の移り変わり、歴史や文化など、守備範囲の広い本。それだけに、自分の気になった内容を下記に抜き出してみると、何だか脈絡がなくなってしまった。
ー 第二次世界大戦でソ連はドイツによりレニングラードなどを侵略され、2660万人もの死者を出している。第二次世界大戦で最大の犠牲者を出したのはソ連。
ー 元FSB中佐のリトビネンコは、 -
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Posted by ブクログ
新学習指導要領に合わせて現在の教科書は変わってきているようだが、小学校、中学校、高校と生物学をぶつ切りにして教わっているため、本書で生命科学を体系的に学ぶことができた。
そもそも生命とは何なのか、生命はどのようにして誕生したのか、そして多様性、死のしくみまで細胞レベルで学び、自分は何であるか、私たちはいかなる存在なのか、私たちはどこから来てどこへ行こうとしているのか、を考えるきっかけとなった。どの生命も一個の細胞から始まりセントラルドグマのもと多様な機能を身に付けてきたこと、バクテリアも植物も人間も生命のしくみの根本は同じであること、生物学は暗記科目ではなく、統一原理から始まる多様性の世界であ -
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Posted by ブクログ
グローバルサウスとは西洋民主主義に対する対抗概念。冷戦後世界に広まった西洋的民主主義と自由主義の概念は急速に力を失いつつある。
今世界は大きく変化しており、今までの常識で測ると情勢を読み誤る。
・グローバルサウスの特徴として、国際的協調より自国第一主義、民主主義より権威主義でも強力なリーダーシップ。
・G7のGDP比率1986年68%が2022年には42%に低下。グローバルサウスの存在感が高まっている。
・ウクライナに対して明らかに侵略行為を行ったロシアへの非難決議に中国、インドを初めアジア、アフリカ、南米の多くの国が棄権した。
アメリカ、ヨーロッパ先進国に対して明らかに距離を取る動き。
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Posted by ブクログ
ネタバレ別にいいかと思ったけど、何度も気になるので買ってしまった。
読んでいくうちに、きっと今までの暮らし、そしてこれからの暮らしについて根本から考えたいんだなと思った。
最近引っ越しがあって、物に向き合う時間があったからかもしれない。
・無性に片づけがしたいときは、単に部屋を片づけたいわけではありません。心理的に片づけたい、別の何かがあるときです。
・部屋を散らかすという行為には、問題の本質から目をそむけさせるための、人間の防衛本能が働いているのかもしれません。
・片づけが全て終わって身の回りが整うと、人は自然と自分の内面に向き合わざるを得なくなります。目をそらしていた問題に気づき、解決しなくて