あらすじ
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あなたが一生、家族や社会から見放されないために知っておくべき未来とは?
あなたは16年後の自分を想像できますか?
あなたが今40歳なら、56歳。定年退職がそろそろ見えてくる時期です。
定年後、人生の節目を迎えてなお社会や家族から見放されないためには、
過去の出来事から未来を予測し、今から準備をする必要があります。
とはいえ未来を考えると、暗い将来ばかりを思い描いてしまいがちです。
たとえば円安がこれからさらに進み、
自分の収入だけでは生活できない経済状況になってしまわないか?
大地震や富士山の噴火など未曾有の災害に襲われないか……などなど。
不安というものは、日々の忙しさに紛れてしまっていても、
いったん考え始めると次から次へと出てきて、思考が不安に支配されてしまいます。
私はそうならないために、未来をなるべく楽観的に考えることを心掛けています。
ですので、本書では、明るい未来と暗い未来の両方をきちんと想像しています。
さて、2040年のあなたは、明るい未来を迎えているでしょうか?
あなたの未来が暗くならないために、今からどう行動していけばいいのか?
本書をそのきっかけにしてもらいたいと思います。 ――池上彰
池上 彰(イケガミアキラ):1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。報道記者としてさまざまな事件、災害、消費者・教育問題などを担当。1994年からは11年にわたりニュース番組のキャスターとして「週刊こどもニュース」に出演。2005年よりフリーのジャーナリストとして執筆活動を続けながらテレビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い人気を得ている。また、5つの大学で教鞭をとる。『池上彰が大切にしているタテの想像力とヨコの想像力』(講談社)『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)など著書多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
池上彰の講演を聞くことがあったので読んでみた。幅広いテーマが網羅されていて、さわりを読むのにとてもよかったし、知らない話題もたくさんあった。あとは池上彰の主張(反原発とか)も知ることができた
心に残ったポイント
☀︎時代は知らぬ間に変わってる
スウェーデンでは数千人がマイクロチップを手に埋めてる、日本にiPhoneが来てもう15年経ってる、など、最初は小さな動きでもそれが気づけば当たり前になってるのかも、という感覚を感じた。日本のアニメブームも少し古い話というのも悲しかった。世の中は日々変化してる
☀︎未来予測する方法は、自分が未来を作ること
ぐうの音も出ない。世界のことはわからなくても自分や家族の将来は思い描きながら、日々を生きていきたい。世界が今後とんでもない方向に進む可能性もありうるのと同じように、自分の人生だってうかうかしてたらその程度の人生で終わってしまう
☀︎年金はあくまで保険
仕組みとしては、収めた保険料の元を取ろうなんていう考えは誤ってる。なぜなら保険だから。さらに年金は上の世代のために使ってもらうために納めてるので、自分のためではない。というようなことが書かれており、目から鱗だった。ニュースの見方が変わった
☀︎教養とスキル
教養は基本的には普遍。スキルは日進月歩で習得が必要なもの。最近人と話したり、生活してるだけでも、自分の教養不足を感じる。。学校の勉強はとても大切と痛感してる
Posted by ブクログ
さすがにわかりやすい。モダンマネタリーセオリーmmt 国際の発行を増やしても日本銀行が紙幣を吸って買い続ければいくらでも買えると言う経済理論。要はやってみなきゃわからない。日本は国債の債務不履行に追い込まれる新規調達は困難になり、財政は破綻する。日本は今のところデフォルトしない。現在国債は中国に勝ってもらっている。中国は日本国債を大量に売りに出せば、国債価格のバランスが崩れ、日本国債の価格が大暴落する可能性がある。
Posted by ブクログ
【池上彰の未来予測 After 2040】
今から16年前の2008年に、今の生活スタイルを想像した人がどれだけいたでしょうか。
そして今から16年後の2040年、どのような世界になっているでしょうか。
2040年を池上彰さんが未来予測する著書です。
仕事、教育、自然災害、暮らし、健康の分野を分かりやすく未来予測されています。
例えば仕事編では、『今の仕事はAIに取って代わるものもある。』だからこそ、自分自身のアップデートが必要であると。
また教育編においては、通信制高校に通う生徒数が増加していて、高校生の約11人に1人が通信制高校で学んでいる現状や、オンラインで学ぶ人が増えていて、落ちこぼれの対極である『浮きこぼれ』の問題が増えていくとのこと。これにより学校の存在意義が問われているそうです。
自然災害では、『蚊には気をつける』。人の死因で多いのは蚊による病気からだそうです。これは怖いことです。
そして、私が一番グッときたのは、健康編の最後にこのように記されていました。
旧約聖書に『神が人間よ寿命を120歳にした』と書いてあるそうです。紀元前に記された経典にそうあるのであれば、私も目標にしている120歳まで健康に生きてみたいです。
2040年になっても人間力を持った人として生きていることを楽しみにしたいと思いました。
Posted by ブクログ
印象に残った部分のメモと思ったこと
仕事編
・今後仕事の8割はAIに代わっていくということで、その中でも人間が仕事をしていくにはAIにはない「人間力」が重要になってくる。
・日本のアニメ会社は中国の下請けになるかもしれない。
→アニメーターの賃金が上がらない限り、優秀な人材が入ってこない。人口が日本の10倍の中国なら優秀な人材の日本の10倍いるということになり、中国のアニメが有名になる日が来るだろう。
アニメ好き・イラストレーション好きとして衝撃的な未来予測。昔からアニメーターの賃金が低いというのは問題だったけれど、この数年で何も変わらなければ、「中国産の日本のアニメ」になることは必然だと思った。
教育編
・通信制高校へ通う学生は今後増え続けるだろう
・教員不足や親の所得の差による教育格差
→地方住みでは所得の高い仕事に就くことが難しい場合もあり、私立の高い学費を払うことに抵抗を覚える親も多い。また、都会では中高一貫の私立が増えたため、中学受験が激化している。小学生の時点から勉強に意欲的な生徒を私立に集めているため、公立では受身の生徒が多くなる傾向にある。
ボランティアとして小学生の宿題の見守りや指導をした経験から、やはり学校や親の考え方・教育方法によってかなり教育格差があるなと感じた。個人的には小学生の頃からの読書は大事だと思っているが、最近の小学生はあまり読書をしないようだ。そのあたりも学校の対応の差や親の教育の差が生まれているのではないかと考えている。
自然災害編
・日本が今以上に温暖化の影響を受ければ、蚊を媒体とした感染症が発生するリスクが上がる。しかしそれに合わせて蚊に対抗した薬や製品の質も上がるだろう
暮らし編
・コンパクトシティ化にすることで、買い物や病院が徒歩で行ける範囲にすることが、地方での様々な問題の解決に最適なのではないか。
確かに、地方では車が必需品で、80歳を過ぎても免許返納をしない高齢者が多い。徒歩やバス、乗り合いタクシーを利用して近場で用事をすますことができる生活ができれば安心だと思う。
健康編
・バイオ3Dプリンターで臓器を作ることができるかもしれない
・遺伝医療によって、がんなどの遺伝する病気を防ぐことができる反面、遺伝子操作による差別や優勢思想が生まれやすくなる。しかし現在では妊娠・出産の面では遺伝医療の存在が顕著に表れており、障害のある赤ちゃんが生まれる可能性が高いとわかった時に、産むか中絶するかの判断を迫られ悩むことになるという問題もある。
Posted by ブクログ
池上彰氏が、2040年の日本社会を仕事・教育・災害・くらし・健康の視点から多角的に予測している。未来と聞くと遠く感じるが、あと15年余りと考えると現実味があり、どれも納得できる内容だった。
著者は悲観的になりすぎず、明るい可能性にも目を向けている点が印象的だった。未来の社会や自分の生き方を前向きに考えるきっかけとなる一冊だった。
Posted by ブクログ
2040年こうなるだろうという池上さんの予測が書かれている。将来に対して不安を持つ方は少なくないと思うが、ある程度予測が立てられれば備えることができると思う。池上さんの本なので個人の主張がけっこう表れてる印象は受けたが、予測困難な今後の未来を少しでもイメージできれば、これからの生き方、働き方の考え方も少し変わるのではと思う。
未来の技術に興味がある方や日本は今後どうなっていくのか等、気になる方は一度読んでみても良いかも。
Posted by ブクログ
やっぱり池上さんの本は読みやすいし理解しやすい。読むたびに他の池上さんの本を読みたいという気持ちになる。
2040はまだまだ先だなと思うがあっという間なんだろうな。身近なことも自分にはあまり関係ないなと思うことも自分ごととして情報を集め、自分の頭で考えなければならない。
Posted by ブクログ
とても読みやすい文章でグングン頭に入ってきた。
将来を想像すると暗いこともある一方、自分たちが今どう動くのかで明るく変えていくこともできる。
正しい知識をもって、将来のことを不安がるだけでなく備える、予測して動くことが大切だと思った。
考えて行動することがこの変化の凄まじい時代にはより求められるのだということがわかった。
もっと池上さんの本が読みたい!
Posted by ブクログ
本書は、環境・医療・ITなど、各テクノロジー分野の近年の動向を解説しながら、それらを踏まえて未来を予測している一冊である。そのため、現状についての知識と、未来に対する洞察の両方を同時に学ぶことができる。
そのため、現代社会がどこに向かっているのかを知ることができると同時に、自分自身がこれからどのように備えていけばいいのかのヒントを得られる内容となっているのだ。
たとえば、スウェーデンでは人口が約1,000万人であるにもかかわらず、すでに数千人が、手のひらなどにマイクロチップを埋め込んでいるという。日本ではまだほとんど知られていない話だが、交通機関の利用や買い物、身分証明などがチップ一つで完結するという。チップのハードウェア的・ソフトウェア的な劣化や、異物による人体への影響といった懸念も思い浮かぶが、著者は「まさかそんなことがあるわけがない」と思ってしまうような兆しを丁寧に拾い上げることが、未来を正確に予測するうえで重要だと主張している。
思えば、初代iPhoneが登場したとき、私自身も「こんなものが流行るはずがない」「ガラケーとiPodがあれば十分」と思っていた。だが現実には、スマートフォンは瞬く間に生活の必需品となり、今では手放せない存在だ。まさに、「まさか」が「当たり前」になる瞬間を、私たちは何度も目にしてきたのだと思う。
また、著者はリスキリング(学び直し)の必要性についても取り上げている。AI技術の発展によって、これまで安泰だと思われていた職業でさえ影響を受け始めている。ほんの数年前には存在もしなかったような新しい仕事が生まれる一方で、今ある職業の一部は消えていくだろう。私たちは今、まさに新しい時代の入り口に立っている。これまでも産業革命やIT革命の中で、多くの人が職を失ってきたが、こうした技術の進歩の流れは止めることができない。だからこそ大切なのは、変化を拒むのではなく、それにどう適応していくかである。
もし自分のスキルが時代遅れになっていると感じたら、それはリスキリングの絶好の機会であると、著者は主張する。そして、「やる気が起きない」と感じるときには、「役に立つかどうか」という視点から少し離れ、教養としてでもよいから、自分が興味を持てることに挑戦するよう勧めている。社会人学生になることも、有力な選択肢の一つだろう。
未来に不安を抱えるのではなく、今できる一歩を踏み出す。その大切さを考えさせる良書であった。
Posted by ブクログ
著書「After 2040」で気になったのはデジタル社会への日本国の遅れは相変わらず「古き良き時代」を妄想・堅持させる現役労働者(経営者・幹部)が多く、いつ世界の波に追いつき、ついていけるのか疑問に思った。日本の将来で気になるのは、少子化とデジタル化で教育が劇的に変化することは間違いなく、背景にあるグローバル化での正しい日本語の存在、更に一番は気候変動(温暖化)による自然災害に伴う生活環境と食問題が恐ろしく思えた。それは現在の農水産省の備蓄米問題を含め自給管理など主食・食品の異常な高騰・品不足などから全く世間を見ていない、調べもしない、胡座を描いている姿勢では災害時にはどうなるのかとても心配だ。
Posted by ブクログ
各章ごとに池上さんの考える明るい未来、暗い未来が例示されており、どの分野でも明るい未来に向かって着々と進んでいてほしいと願ってやまない。仕事、教育、経済、自然災害、健康…どれも興味深い。特に自然災害編は是非とも早く明るい未来が実現してほしい。電子だと頭に入りにくい問題はやはり感じるところなので、教科書は併用が1番良いと思う。メインの教科書はデジタルで資料集などのサブ的補足本を紙の本にするorその逆パターン。ジェンダーギャップは埋める気なんてさらさらない政治家が多そう。「AI×衣食住」の仕事は面白そう。
Posted by ブクログ
さすがは池上彰さん!
社会問題、時事問題、戦争、温暖化問題、、いろいろな問題の本質がよく分かっていない中で、めちゃくちゃわかりやすい解説。
そして未来予測も悲観的な観点、そして、悲観だけではなく、楽観とまでは言わないものの、リスクに備えることができるという考え方を教えてくれる本。
不安だけを煽るのではなく、具体的な行動指針も示してくれる問題提起をしてくれる、そういう本だなと思う。
Posted by ブクログ
2040年に訪れる日本の現状を幅広く知れる本であった。また、地震や原発問題など知らない知識も同時に学べた。それらをもっと知りたいとYouTubeで関連動画を見たことで、更に知識を深めることができた。
新たに得た知識
・核、原発、放射線とは
・自民党と民主党の違い
・日本が金利を上げづらい理由、国際との繋がり
2030年にもう一度読み返したい。
Posted by ブクログ
「未来を予測するいちばん良い方法は、自分で未来をつくることだ」(ドラッカー)
はい、池上彰さんと割と近しい未来、16年後の2040年を考えます
この2040年を明るい未来とするために、「仕事」「教育」「自然災害」「暮らし」「健康」の各分野について今ある問題点やリスクを洗い出し、解決作について考えようってことですな
もう相変わらず読みやすい!分かりやすい!
本書では問題解決に向けた方策の(あくまで)ひとつとして「人間力」を高めよう!という提言がありました
そして「人間力」を高める「教育」とはどういったものがあるか考えます
やっぱりね
「教育」大事ですよ
もちろんわいらも頑張るけどさ
これからもう様々な問題が出てくるわけです
もうね無理っすよ
いや簡単に無理とか言っちゃいけないんだけどね
おじさんたち、ほんとたいしたことないですから、ほんともう口だけですから
君たちにかかっているわけです2040年は
でね「救世主」をたくさん生み出すためには教育の現場が重要なわけですよ、もちろん
問題解決能力に寄与する「人間力」を高める教育とは?と考えた時にやはり人と人とが関わり合う場所として教育現場(学校)が整備されないといけないわけです
あれですよ、どうしても人と関わり合うのがダメな子たちの迂回ルートもちゃんと用意した上でですよ
そしてこのためにはまず学校とはどいう場所なのか?という再定義が必要となるわけです
では、ひまわりめろんさんが考える学校とは?なんですが…
「学校とは失恋をする場所である」
また変なこと言い出しましたね
でもさー、わい思うに失恋って「人間力」めちゃめちゃ高めない?
人としてのステージが一個あがるね確実に
色々さー考えるじゃん
カンガルーじゃん
失恋して成長するんだよ
いいこと言うなー
Posted by ブクログ
テレビ番組しか視聴したことはなかったですが、やはり文章が分かりやすい!未来予測系の本は暗くなりがちですが、自分たちで考えて創ればこういった素晴らしい未来も待っているという考えを知ることができた。
Posted by ブクログ
池上さんのすごさはもう世の中に知れ渡ってはいるものの敢えて言いたい。
やっぱり分かりやすく伝える技術はこの人に勝る者はいないな、と。
近い将来のことを池上目線で推測しているこの本。
なおかつそれらに対して読者にキッチリ提言までしてくれてます。
面白い一冊なのは間違いない。
Posted by ブクログ
2040年、今から数10年後。普通に生きてるとすぐ辿り着いて、小さな変化を繰り返しながら昔と比べると大きな変化をしてるのかもしれない。
何気なく日々を過ごすより、未来を予測することで人は変化に対する心構えや準備ができる。そのために読んでみた。
技術でいえばAIが普及してきて単純作業とか取られたりするけど逆にAIを利用、一緒に協力する働き方が必要。
遺伝子技術の発展でガンとか大病にかからぬよう遺伝子を組み替えたりで対応できるかもしれないが、そういった人は特殊と言われ逆に差別されるかもしれない。
技術の進歩に伴い人間しかわかりえない倫理観の教育を向上させることが必要だ。
Posted by ブクログ
2040年に向けて日本は様々な分野で課題を抱えている。現役時代は好奇心を持ってAIを活用しつつ、代替できない人間の感情を大切にして仕事する。引退後は培った幅広いコミュニティとの接点を持ち学びを止めないことが今後日本で生きていくうえで大切になる。
経済から自然災害まで幅広い内容で、事例も豊富だったため直近ニュースの基本事項に対するおさらいにもなった。言葉遣いもわかりやすくさすが池上彰さん。この本を元に興味の出た分野を深堀りしていきたい。
Posted by ブクログ
明るい未来は自分で作る。
そのためにはいろいろ現実を知っておく事が必要。
さすが池上彰さん。
まるでテレビを見ているようなわかりやすい解説。
すごく自分の為になりました。
Posted by ブクログ
未来はみえないから、不安になる。何か明るい未来が思い描けて、それに向かって進んでいる実感を持てると、過ごし安心する。
変化が大きい、多様性の時代だからこそ、未来を描いて進むのが難しい。だから、本に頼ってみた。
海外の略書もいいけど、池上さんの本なら、日本の課題に目を向けて、自分にはリアリティがあるから。最初はこの本を選択。
Posted by ブクログ
2040年までの16年間のうちに、技術革新や人口動態、世界はどうなる?ということを章を分けて説明された本。
文字大きめで、とっても読みやすい。
テレビやインターネットからの一方向の情報だけで、ニュースや事実を判断してしまいがちだが、
いろんな観点から情報を知りに行くことで、別の世界が見える。
知っていこうとする力が、もしかしたらこの2040年予想を良い方向へと導く力の原動力になるかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
「未来のニュースを見るたびに、なんとなく不安になる。」
人口減少、AI、国際情勢…知らなきゃいけないのに、知るほど怖くなる気がする。そんな“未来疲れ”の読者に、池上彰『未来予測 After 2040』はとてもやさしい薬になる。
本書は、2040年以降の世界をめぐる大きなテーマ――人口問題、エネルギー、環境、AI、自動化、世界政治――を扱いながらも、読んでいて息が詰まらない。不安を煽る未来予測とは真逆で、「理解すれば恐れは薄まる」という池上さんの姿勢が貫かれているからだ。
特に印象的だったのは、AIと自動化の章。
「仕事が奪われる」と悲観するのではなく、“仕事の中身が再編されるだけで、人間はより創造的な領域にシフトする”という説明が胸に落ちる。未来が矢印一つで語れないことを、丁寧に教えてくれる。
また、環境問題や国際情勢も「複雑だからこそ正しく知る」ことで、漠然とした不安が輪郭を持ち、理解へと変わる。池上さんの語り口は落ち着いていて、どんなテーマも平坦に歩かせてくれる心地よさがある。
読み終えたあと一番強く残ったのは、
「未来は怖いものではなく、準備すればいいだけのもの」
という感覚だ。知識が“盾”になるというのはまさにこのこと。
2040年問題が気になる人、未来の話題になると不安が先に立つ人、そして少しでも前向きに未来と向き合いたい人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
Posted by ブクログ
未来の話というより今の特に社会制度の話が参考になった。移民の話、国家財政の話、原発や核燃料サイクルの話など。このあたりは暮らしに影響する大きなリスクだと思う。
脳細胞の寿命が120年という話は初めて知った。
Posted by ブクログ
### 『池上彰の未来予測 After 2040』要約とおすすめポイント
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「2040年以降、私たちはどんな世界を生きるのか?」
本書『池上彰の未来予測 After 2040』は、ニュース解説の第一人者・池上彰氏が、テクノロジー、教育、働き方、地球環境、そして国際情勢まで、未来に訪れるであろう変化を多角的に読み解きながら、私たちがいま何を考え、どう備えるべきかを提案する一冊です。
特に印象的なのは、「変化は不可逆であり、AIのない世界には戻れない」という現実の捉え方。AIに代表される急速な進化に対し、過去の成功体験を手放し、好奇心と柔軟な思考で未来に向き合うことの大切さが語られます。キーワードは「良い問いを立てる力」や「人間力」。AIに代替されない存在とは、どんな人間なのか──そのヒントが随所に散りばめられています。
さらに、本書は「未来の職業図鑑」としての側面も。AIトレーナー、感染症予報士、海洋都市プランナーといった新たな職業の紹介は、読み手にワクワクする未来像を与えてくれます。教育制度や働き方の改革に触れる章では、「教養(リベラルアーツ)」の重要性や、日本特有の構造的課題にも鋭く切り込んでおり、大人にも子どもにも未来を生き抜く視点を与えてくれます。
「地球沸騰」とも称される気候変動、水資源をめぐる国際問題、そして災害リスク──社会や自然環境の大きな変動に対しても、冷静かつ具体的な展望を示してくれる点は、池上氏ならではの説得力。
未来に不安を抱えるすべての人に、備えるための“地図”を渡してくれるような本。あなたの中の「未来」に対する解像度を、ぐっと高めてくれること間違いなしです。2040年以降を生き抜く「あなた」自身のために、ぜひ手に取ってみてください。
Posted by ブクログ
もし自分に15年後の未来予測を本にしてくれと依頼がきたらこの本の1/10も書けないんじゃ無いかと思う。
まず池上さんの知識量に脱帽。
ここに書かれた未来予測はいろんな情報から裏を取った、いわば割と堅実な予測が多いので全部とまでいかないにしても大筋はこの流れに収束するんじゃ無いかなと思う。
Posted by ブクログ
仕事編、教育編、自然災害編、暮らし編、健康編に大別され、幅広い分野をざっくり分かりやすく知ることができた。
不安は未知から来るものが多い。そのため、不安を解消して前向きに明るい未来を想像するためにはまず勉強して知識をつけることが重要だと感じた。以下は、自分が興味を持ったことのメモ書きと所感をまとめる。
●仕事編
・新しい仕事が増える。
生成AIに優れた指示(プロンプ)を出し高品質な答えを引き出す「プロンプトエンジニア」、企業ごとの専門知識や個性を身につけた「最適な」生成AIを作っていく「AIトレーナー」新しくかつ需要のある仕事を生み出すのは、仕事の目的や意義を常に考えられる人、そのような「人間力」が大事。
→ どんな分野でも思考力は重要になる。
●教育編
・教員不足で自治体ごとに「教育格差」が生まれる。
・都市部では親の所得による教育格差が生まれる。優秀な子が私立に集中すると、公立の子は受け身の子どもたちが多くなって、危機意識が強い所得がある家庭はますます私立に子どもを入学させ、格差が広がる。
●自然災害編
・食料の最適な産地は南から北へ(世界的)
(例)北海道のお米、長野のワイン
→ 魚の産地も変わってきている。採れる地域で採れなくなったり、採れなかった地域が名産になったりしてきている。海水温の変化が影響していると思われる。
・富士山は必ず噴火する。
●暮らし編
・政治におけるクォーター制を採用していない日本は少数派と言える。これまで男性ばかりだった意思決定の場に女性の参画を促すことは、多くの人が生きやすい社会を作るために必要なこと。