池上彰のレビュー一覧
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正しいことを言うときは少し控えめにするほうがいい。
まずは、何を書くかをはっきりとさせる
自分の小さな経験から入る。
なんでもいいから書いてみる。
書いているうちに結論が浮かんでくる。
要素を書き出す
言葉というのは、受け取る人によって、イメージがまったく違う。
これは誰に向けて書いた文章なのかを自覚しながら書く。
自分が腹の底から意味のわかる言葉以外は使わない。
わかりにくい文章を書いている人は、その物事についてよくわかっていない。
自分が本当にわかっていることを、自分の言葉で書くのが基本です。
これは誰に読んでもらうものかを常に意識しながら書く、というのが、文章を書く基本になる。
小学生にもわかるように
失言の多くは、読者、視聴者が見えていないときに、口から出てしまう。
演説の勉強をするために、仕事の隙間を見つけては片っ端から落語を聴いている。
二度読まなくても意味が頭に入ってくるような文章の書き方をしなければいけない。
厳しく批判したいときほど、8割くらいの力に抑える。
改善点というのは、いくらでも出てくる。
同じ文章を繰り返し書き写せば書き写すほど、いい発見が出てくる。
読む途中でひっかかるところが出てくる。そこがダメな文章である。
基本的には、淡々と事実だけを書いていく。
文章の執筆には、書く力だけではなくて、読む力もとても重要になってくる。
簡潔に書くということと、短く書くということの間には大きな距離がある。
失敗談は、その書き手が、その失敗について、心の中で解決できていないとダメだということです。
読んでいる文章の内容が頭に沁み込む速度は、活字を目で追う速度よりも遅い。 -
Posted by ブクログ
①なぜ、いま、大世界史か
歴史は現代と関連づけて理解することで、初めて生きた知になる。読書や歴史を学ぶことで得た代理経験は、いわば世の中の理不尽さを経験すること。だからこそ社会や他人を理解し、共に生きるための感覚を養ってくれる。例えば「今は新帝国主義の時代である」というキーワードによって世界の動きがかなりはっきり見えてくる。それだけで説明できないものも残る。
②中東こそ大転換の震源地
これまでアラブ人といえばスンニ派だった。しかし、イラクの現政権を実効支配しているのは「シーア派アラブ人」であり、新しい民族が生まれつつある。こういう混乱した状況になると、最終的には思想が人を動かす。だから過去にどういう思想の鋳型があったのかを調べることが重要だ。「イスラム国」の狙いは、アッラーが唯一であることに対応して、地上においてもシャリーア(イスラム法)のみが適応される単一のカリフ帝国を建設すること。暴力やテロに訴えることを辞さない。既存の国際秩序、人権など普遍的価値を一切認めていない。
③オスマン帝国の逆襲
イランは「ペルシャ帝国」、トルコのエルドアン大統領は「オスマン帝国」よ再びという動きを見せている。かつてのオスマン帝国の境界地帯で現在さまざまな紛争が生じているが、オスマン帝国の統治下では平和的に共存していた。エルドアンは専制君主ではあるが、帝国的な寛容は望むべくもない。
④習近平の中国は明王朝
国には、膨張志向の国と収縮志向の国がある。アラブも日本もアメリカ、ロシアも収縮の国。今の中国は膨張する国。それを象徴するものは「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」と「南シナ海への海洋進出」である。明は漢民族中心の帝国主義の国で、習近平は「かつて鄭和の時代に南シナ海を開拓し、平和の海にした。それ以来、中国の領地なのだ」と言う。かつて、「海はみんなのもの」としたほうが海洋帝国であるだいえいていこくに有利であった。だから、領海の拡大は、本来、反帝国的な動きである。中国は、とにかく資源が欲しくて場当たり的に動いている。韓国の歴史教科書は「テロリスト史観」で日本にとって脅威。
⑤ドイツ帝国の復活が問題だ
ギリシャ問題に関しては、そもそもギリシャをヨーロッパと考えるのが間違い。現在のギリシャは、ロシア帝国と大英帝国のグレートゲームになかで恣意的につくられた仇花である。オスマン帝国を解体するために西側の出店としてつくった国家だから、いわばそこに存在すること自体がギリシャ人の仕事になっている。ギリシャ人の働き方は、ロシアと一緒で生産性は低い。それに対して、ドイツ人は勤勉で生産性が高く、これがドイツの強さの根源である。ドイツ人のライフスタイルは質素で内需の拡大は期待できないので、産業は輸出に頼るしかない。新たなパートナーは誰か。パートナーたちは、経済と国家の安全保障を結び付けて考える。さあ、EUの行き詰まりをどうしていけばよいのか。
⑥「アメリカvs.ロシア」の地政学
ロシアは、自国国境の周辺に自由に動ける緩衝地帯や衛星国がないと安心できない。だから、ウクライナ問題に対しては強硬姿勢である。ウクライナは、フィンランド化していくだろう。
オバマの弱いアメリカは、世界から軽んじられている。ネオコン的なヒラリーが大統領になれば、オバマ民主党路線との違いを見せた外交になって、戦争が起きやすくなるだろう。大統領選で鍵を握るのは、非白人人口の中の特にラティーノ、南部諸州、リバタリアン(自由至上主義者)たちである。
⑦「右」も「左」も沖縄を知らない
沖縄では、日本からの分離の動きの下地ができている。安保賛成というと辺野古への新基地建設を強要されるのはおかしい。自分の頭で日米同盟はどうすれば維持できるか考えなければならない。
⑧「イスラム国」が核を持つ日
冷戦下で相互抑止体制を築き、なんとか核戦争は先送りされた。それがここにきて、相当の数の国が核を保有しながら併存する時代にとつにゅうしつつある。しかし、本当に併存が可能か誰も分からない。
⑨ウェストファリア条約から始まる
宗教戦争を終結させる、宗教のために戦うのをやめるというのは、神よりも重要な価値を認めるということであり、その意味で、ウェストファリア条約とコペルニクス革命は、同じパラダイムにある。これをきっかけとして、「人権」という概念が出てきた。それに対して、「イスラム国」などのイスラム過激派は、今日においても「神の主権」を主張している。間違いを起こす人間が法律をつくるなどとんでもない。民主主義はだめだ、神なら間違えない、ということでシャリーア(イスラム法)を絶対視する。イスラムは、キリスト教と違って、現在意識にない楽観的人間観であり、神が命じれば、聖戦の名の下にいかなる暴力も許されてしまう。
⑩ビリギャルの世界史的意義
イスラム、アフリカの人口増加、これが歴史を動かしていくのかもしれない。豊かな経済基盤によって移民を呼び寄せられる国が、「帝国」になりうる。
そして、教育も重要である。しかし、日本のエリート教育は、ビリギャルが話題になるぐらいの受験刑務所で酷いものである。今こそ真の教養教育が行わなければならない。今日において教養となにか。「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」の7つのリベラルアーツを学ぶことによって、偏見や束縛から逃れて、自由な発想や思考を展開できるのだ。実証性や客観性を軽視して自分が欲するように世界を理解する反知性主義は、極めて危険だ。
⑪最強の世界史勉強法
自分を知るために歴史を学ぶ!
1~11章まで、自分自身がひっかかった言葉を中心にまとめてみた。このまとめ方に、私自身の考えが出ている。私のような歳になっても教養を付けようとするのは、まだまだ遅くないように思う。 -
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池上さんの講義を書籍化したもの(『世界の見方』シリーズなど)は、わかりやすい語り口で大好きなのだが、この本も非常にエキサイティングだった。
まさに、学生時代を思い出した。
思考を深めて、自分の論を展開する……それを徹底的に叩き込まれた学生時代だった。
それで、人間的にひと回りもふた回りも成長できたと思う。
池上さんのよいところは、けして自分の意見を押し付けないところ。
いい情報も、悪い情報も、等しく前に並べて、
「さぁ、君はどう考える?」と問いかけてくる。
それに真剣に向き合う姿勢が問われる。
私も、池上さんの講義、直接受けたかったなぁ。 -
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ネタバレこの本は中高生向けに書かれたということですが、それでも中東は、宗教や民族のあたりが難しく、理解しにくい箇所もありました。でも、今まで全く知らなかったことがかなり理解できました。中東を理解する1冊目の本としてはかなり良書だと思います。
第一章「混乱の始まり」から見る中東
第二章「戦争とテロ」から見る中東
第三章「地理・民族・歴史」から見る中東
第四章「イスラム教」から見る中東
第五章「石油利権」から見る中東
第六章「難民大発生」から見る中東
特に一番の問題点であると思われる「戦争とテロ」の項目のまとめを覚書のため、以下抜粋します。
ソ連が「国境を接している国に、自分たちのいうことを聞く政権をつくろう」という勝手な都合で、アフガニスタンに攻め込んだことがそもそもの発端でした。東西冷戦でソ連と対立していたアメリカは、これはソ連を叩く絶好のチャンスだと考え、アフガニスタンの反対勢力を支援した。その反対勢力の中からオサマ・ビンラディンという鬼っ子が生まれた。
湾岸戦争をきっかけに、オサマ・ビンラディンはアルカイダを使ってアメリカに対し大規模なテロを仕掛けた。それに怒ったアメリカが、アルカイダのいるアフガニスタンを攻撃し、さらにブッシュ大統領の私怨もあってイラクも攻撃し、フセイン政権を倒した。しかしアメリカのいい加減な統治で、イラク国内は大混乱し、内戦が勃発。その中からさらに過激な自称「イスラム国」が生まれ、世界中でテロを起こしてきた。
要するに、ソ連とアメリカの身勝手な思惑によって、中東の大混乱が引き起こされたということです。
とりわけアメリカの責任が大きい。
いろんな国の思惑や民族・宗教が複雑に入り混じって、理解するのは容易でないと著者も語られています。
あとは第五章「石油利権」の問題もわかりやすく、興味深かったです。 -
Posted by ブクログ
質問力を磨く、というより自分の関心の枠を広げるあるいは自分の関心と事物を結びつけてしまう能力を磨く本。
内容はかなり池上さんのキャリアを改めて振り返るものになっていて、ノウハウ的なものではない。でも、それがいい。体験性は良い本の条件だと思う。
しばしば政権に対する皮肉があるのもいい。自分は、おもねる言説も、叩くのが目的化した言説も入ってこない。けど、意味がある文脈で、何気なく皮肉が書いてるとスッと受け入れられる。
心に残ったのは、複雑なものを簡単にするのでは意味がなくて、複雑なものを複雑なままでわかりやすくする、といった記述。あと、本を読むのは「いつか」役に立つという記述。もどかしいけど、真理なんかな。