池上彰のレビュー一覧
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質問力を磨く、というより自分の関心の枠を広げるあるいは自分の関心と事物を結びつけてしまう能力を磨く本。
内容はかなり池上さんのキャリアを改めて振り返るものになっていて、ノウハウ的なものではない。でも、それがいい。体験性は良い本の条件だと思う。
しばしば政権に対する皮肉があるのもいい。自分は、おもねる言説も、叩くのが目的化した言説も入ってこない。けど、意味がある文脈で、何気なく皮肉が書いてるとスッと受け入れられる。
心に残ったのは、複雑なものを簡単にするのでは意味がなくて、複雑なものを複雑なままでわかりやすくする、といった記述。あと、本を読むのは「いつか」役に立つという記述。もどかしいけど -
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ネタバレこの本の内容は池上彰さんの立教大学での「国際情勢を読み解く」という講義がもとになっているそうです。
一時限目 世界地図から見えてくる世界
二時限目 アメリカはどのような国か
三時限目 EUの理想と現実
四時限目 ソ連からロシアへ
五時限目 中東問題の本質は「土地問題」
一時限目では、イギリスの地図がスタンダードであることを、まず学びました。
世界地図は国によって描かれ方がまるで違い、著者の池上さんは地図の収集をするのが、趣味だそうです。
ロシアの地図では北方領土は「ロシアの領土」とされていますが、中国の世界地図ではでは北方領土は「日本の領土」だそうです。理屈としては、「敵の敵は味方」で「中 -
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ネタバレ少し、世界のことにも関心を持った方がいいかと思いました。まずはこのくらいがいいかなと(中高生レベル)手に取りました。
六つの特定のテーマで世界を見る本です。
こんな感じです。
第一章「地図」から見る世界
Q世界地図を見ると日本は世界の真ん中にあるのになぜ「極東」というのか。
Aイギリスの地図による。
Q「中東」「アラブ」「イスラム世界」この三つは同じ国々のことだと思いますか。
A「中東」とはインドとヨーロッパの間。
「アラブ」アラビア語を話すアラブ人が多く住んでいる地域。
「イスラム世界」イスラム教を国教、またはイスラム教徒の人口が多い諸国。
こんな、普段何げなく耳にしていた常識みたい -
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大学時代に読んだ本だが、社会人になってから読み直したら内容がスッと入ってきた。
仕事を通して自分の価値観が見えてきたからではないかと思う。
本を読むことで知識を増やしていると勘違いしていたが、池上さんは「読書はザルでの水汲みのようなもの」と言っている。
ショーペンハウエルも食べ物と栄養に例えて「50分の1の栄養」と書いている。
「読書をしなければ教養は身につかないが、読書をしただけで教養が身につくわけではない。」
「感動した本や自分にとって意味がある本は、すぐに次の本にいかずに、著者が言いたかったこと、その本から自分が何を得ることが可能かを考える時間を持たなければいけない。」
2回、3回 -
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2019/5/19
大学入試のあり方や教育の今後のあり方についての池上さんと佐藤さんの対談形式の本。
対談形式だったのでとても読みやすかったです。
内容に関してはというと、2020年の大学入試改革や、学習指導要領の変化に関して、今の日本の教育に関しての構造上の問題点を指摘しています。特に大学入試に関しては高校の段階で文系理系を早くから選別し特定の科目しか学ばせなないことで大学に入れることだだけを目的とした自称進学校、この本では受験刑務所と表現していましたが、そうしたことの問題点を考え直し、今後の日本の教育について新制度のもとにどのように変化して行ったらよいのかを考えさせられました。
大学と受験 -
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「伝える力」の第2弾として購入。
序盤は、東日本大震災が起きた時の専門家や政治家が発する言葉の伝え方を池上さんの視点から解説しています。現在でもありますが、その業界の聞いたことのない専門用語を言われても一般人には伝わらず、「?」が飛び交います。結局最後に残ったとすれば、よくわからなかったという印象がありました。
本書でも池上さんが感じたことやわかりやすく伝えるために前作では伝えきれなかったこと、様々な言葉に関する語源などがわかりやすく書かれています。
相手のことを考え、分かりやすく伝えることが大切であるとわかってはいるものの、ついつい専門用語を言ったり、間違った解釈で、相手に伝えることが多くあ -
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平成時代をザクッと知ることができる。普段は年号なんてなしにして、西暦だけでいいじゃないかと思いがちだけれど、「区切る」ことによって、ひとまとまりにして考えることができるし、改元前後の浮足立っている感じ、たまにはそういうのもいいじゃないかと思えてくる、平成最後の日でした。そういう意味でいうと、昔、災いのあと改元していた理由も納得できる。いつ頃から「昭和時代」「平成時代」という言い方は「馴染んだ感じ」になるのだろうか。そう考えると、江戸時代とか明治時代とか大正時代とかも、今は普通に使うけれど、次の元号に変わって暫くの間は「時代」をつける言い方に違和感があった時期があったのかも知れないと思えた。関係
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【問いかけて30年】「怒涛の時代」とも称される平成の世を、「生きづらさ」をテーマとして、主に宗教面から読み取ることを試みた作品です。著者は、東京工業大学でリベラル・アーツを教える上田紀行ら4名。
「そんなこともあったなぁ」と読み進めるうちに、平成の一側面をわかりやすく解説してくれる一冊でした。難解なところはまったくなく、コンパクトでありながら同一テーマに関する複数名の指摘を合わせて読み進められるため、頭の中で比較をしながら考えることができる点も高評価です。
〜私たちを取り巻く社会はさまざまな問題を抱えています。それらの問題の根底には,日本でも世界でも,若者を中心にして広がる「生きづらい」と