【感想・ネタバレ】学び続ける力のレビュー

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改めて勉強の大切さを感じました

2024年02月01日

日々の雑務に追われる中で何か自己啓発しなければと思うようになり、最近、池上さんや出口治朗さん、佐藤優さんの本をよく読むようになりました。本書は、おそらく大学生を対象としているのだと思いますが、中高年が読んでも十分、自己啓発できると感じました。というか、むしろ、学生時代にもっと教養を身につけるために勉...続きを読む強をしておくべきだったと自省してしまいました。ただ、学びはいつから始めても遅くはないと思いますし、学び続けることを楽しめるようになれれば良いのかなという気持ちになりました。

#タメになる #スカッとする #共感する

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Posted by ブクログ 2023年11月15日

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池上彰
1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年、NHK入局。2005年まで三二年間、報道記者として、さまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題などを担当する。1994年から一一年間は「週刊こどもニュース」のお父さん役を務めた。現在は、フリージャーナリストとして多方...続きを読む面で活躍中。2012年より、東京工業大学リベラルアーツセンター教授

本好きというのは、そういうもの。文芸評論家の斎藤美奈子さんの講演を聴いたときのこと。「本好きというのは、手元に読む本がないまま時間が空いてしまうのが恐怖。いつも何冊か手元に 本を持ち歩くもの」という話に、わが意を得たり、と思いました。たとえば、東京から大阪に新幹線で日帰り出張するときのこと を考えましょう。行きの車内で読む本を一冊。帰り用に一冊。 こまでは本好きの人なら用意するでしょうが、私は「新幹線が止まったら」と考えて、さらにもう一冊用意するのです。結局読ま ずに持ち帰るのですが、こうしていないと不安になるのです。本好きというのは度し難いですね。

いろんなタイプの大学で教えた経験からいえば、偏差値の違いは集中力の違いでもあるような気がします。入学試験段階での偏差値の高い大学の学生は、長時間集中力が持続します。東工大生は集中力が長持ちしますが、別の大学では、もっとしばしば場面転換や話題の転換が必要かもしれません。

歴史を学ぶというのは、ものごとの因果関係をきちんと知ることです。それを知ることで、これからの時代についても、推測したり、自分なりの考えが持てるようになったりします。

一つの話にいちいち引っかかって「えっ、どういうこと?」と 考えていたら、進度が遅くなってしまう。そうすると受験競争に は勝てません。先生が言うことはすべて正しいこととして、すぐ に吸収し、試験で吐き出していく。あるいは、先生が何を求めて いるかということをいち早く察知し、喜ばれる答えをすることに 長けている学生が多いのかな、とも思います。 でも、本当はそれだけでなく、「えっ、どういうこと? 「えっ、そうなの?」という引っかかりも大事なのです。それが 「批判力」です。

人間関係ですべてを疑っていると友人をなくしますけれども、 少なくとも読書や学問の世界においては、とりあえずすべてを疑ってみることが大事です。研究者をめざすならなおさら、批判力を身につけなければいけない。 批判力を身につけるのに大切なのは、何についても「引っかかるところを見つける」ことです。本も、引っかかりを見つけるつもりで読む、著者はこんなことを言っているけれど、本当かな? と思いながら読む、そうすると、ときどき「あれ?」というこ とに出合います。 本当によくできた本は、内容が吟味され、論理的に書かれていますから、引っかからないものです。大胆な主張を読んで本当かな?と思っても、そうだよねと説得されていってしまいます。 でも、中には、おい、ちょっと待てよ。どうしてこんなことが言えるんだ?という本もあります。

お国柄が違うというのは、こういうことなのですね。アメリカは、黙っていると、「話す内容のない人」と評価されてしまいます。「言わなくてもわかるだろう」ということが絶対に通用しない社会です。世界中からさまざまな人々が移住してきて出来上がった国家ですから、言葉を使って理解してもらうしかないのです。自己主張をしないと認めてもらえないのです。

紙の新聞なら、自分の関心以外の記事も自然に目に入ってきま す。私は、自分の関心以外のニュースや情報を、敢えて「ノイズ」と呼んでいます。 ネットはノイズなしで自分が知りたいことだけを知ることができます。結果として、関心のあることには詳しいけれども、それ以外には全然興味を持たなかったり、知らなかったりということ になります。

深く感動した本や、自分にとって意味があると思った本については、次の本にすぐに行かないで、しばらく余韻に浸るということが大事なのです。その後で、著者は、何を言いたいのか、そこ から自分は何を得ることがあるのかと考える時間を持たなければいけないのです。

子ども心にストレスがたまったりしたときには、本を読んでいました。本の中のまったく別の世界を経験することによって、ふと 気がつくとすっかり気持ちが穏やかになったり、朗らかになっていたりしました。あるいはいま自分は辛い目にあっているけれども、世の中はそんなことばかりではないと思えたのです。 これは、「現実逃避」です。現実逃避と聞いて、否定的な印象 を持たれるかもしれませんが、そうではありません。本を読めば、嫌な現実から逃げることができます。本当に辛くなったら、 逃げればいいのです。 子どもにとって、自分の生きている社会は、家庭と学校と友人との社会しかありません。その中でいじめられていたり、辛い思いをしていたりしたら、逃げ場がありません。子どもは追い詰め られていきます。 いじめ相談室も、そうした逃げ場所を提供しています。でも、 もし違う世界をもう一つ持っていれば、そっちに行けば助かるのです。本の中に登場する主人公のほうが、よほど辛かったり、人生の ピンチにあったりしながら、生き抜いているではありませんか。 あるいは、絶海の孤島で孤独に生きているではありませんか。 それに比べたら、いまの自分の世界など、小さい、小さい⋯⋯。 そういうふうにも思えるのです。

「はじめに」にも書きましたが、「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」ことが多いのです。すぐには役に立たないけれ ども、あるいは、一見役に立ちそうにないけれども、長い目で見 ると、心の栄養になったり、自分を高めたり、自分の世界を広げてくれる本もあります。 そういう本が、教養にとっては大事であり、生きていく上でも大事なのではないかと私は思うのです。 すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。 後からジワジワ役に立つものもある。 本を読むときには、そういう考え方も、また必要ではないかなと思います。

MITは、東工大と同じく理科系の大学ですが、教養教育を重視しています。ハーバードやウェルズリーカレッジは教養教育の充実で古くから知られています。ウェルズリーカレッジは、全米から学生を集める全寮制のエリート女子大。クリントン政権のオルブライト国務長官や、オバマ政権一期目のヒラリー・クリント ン国務長官も、ここの出身です。

この三つの教養教育に共通した考え方は、まさに「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」という考え方でした。とりわけウェルズリーカレッジでは、「社会に出て役に立ちすぎることは敢えて教えない」という徹底した姿勢でした。教養としての経済学は教えるが、すぐに役に立つビジネス(経営)は教えない。そ れを学びたかったら、大学院のビジネス・スクールに行きなさい、というわけです。 同じように、サイエンス(科学)は教えるが、テクノロジー(技術)は教えない。学びたかったら、MITの大学院に行きなさい、 というわけです。 これこそが、教養なのだ。私は深く同感しました。

問題設定そのものを自らしなければいけない、決められた解が存在しない典型的な課題が、原子力発電の問題である。これから原発をどうしていくのか。優先すべきは経済合理性なのか安全性なのか。原発の技術開発をどう考えていくのか、さまざまなオプ ションの中で何を決めていくか。理系の専門知識だけでも、文系の経済知識だけでも、解は出てこない。既存の枠組みを一歩も二歩も踏み出さなければ、対応できない。

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Posted by ブクログ 2021年05月05日

学ぶことは生きること。生きることは学ぶこと。

今これ学んで私意味あるのかな‥と頭よぎっても、知識欲に従順に、読書や情報収集を楽しんでいこう。

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Posted by ブクログ 2020年10月25日

リベラルアーツとは何か。
すぐに役にたつものは、すぐに役にたたなくなる。
8年前の著作を読み、はっ!と考えさせられる。
勉強にたいするモチベーションがあがった。

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Posted by ブクログ 2019年09月02日

面白かった。ぐいぐいと引き込まれて、一気に読んだ。学べば学ぶほど視野が広がり、知的好奇心を刺激され、自分を客観視でき、自分の学びがいかに足りないかがよく分かってくるという著者の言葉に、心から納得。折に触れ読み返したい。

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Posted by ブクログ 2019年06月16日

大学時代に読んだ本だが、社会人になってから読み直したら内容がスッと入ってきた。
仕事を通して自分の価値観が見えてきたからではないかと思う。

本を読むことで知識を増やしていると勘違いしていたが、池上さんは「読書はザルでの水汲みのようなもの」と言っている。
ショーペンハウエルも食べ物と栄養に例えて「5...続きを読む0分の1の栄養」と書いている。

「読書をしなければ教養は身につかないが、読書をしただけで教養が身につくわけではない。」

「感動した本や自分にとって意味がある本は、すぐに次の本にいかずに、著者が言いたかったこと、その本から自分が何を得ることが可能かを考える時間を持たなければいけない。」
2回、3回と繰り返し読むことで深く考えることをしていくことが必要だと思う。

「読む⇨考える」を繰り返すことで教養を身につけていきたい。

池上さんは教養について「よりよく生きる」と考えており、哲学を学ぶことが教養と言えるのは、自分がどう生きるかに関わってくるからだと言っている。

「自分がどう考えれば良いのかということを知るために、過去の先人たちがどのようなことを考えたかを知る。それはすなわち「どう生きるべきか」ということにつながる」
読書同様に「教養(哲学)学ぶ⇨行動する」を繰り返していきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月07日

「学び続ける大人になる」ことが、大学受験後に感じた人生の目標だったワタシにピッタリだ!と思って即買い。きっとこれから何度も読み返すことになると思う。池上さん自身も、まだ現代教養については思索を重ねているのだなぁと感じられた。名刺なくして自分の名前で仕事をしたい、読書の力、これからの教養は生きる力であ...続きを読むること。自分が大学生の今、いかにして自分の頭で考え、学びを楽しみ、社会に出た時どう生きていくかを再考していくきっかけになった。

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Posted by ブクログ 2023年12月27日

教養を積むってかっこいいと思う。自分の人生をいかによりよく生きるかということを考えることが大事。主体性を持って客観的にいくのが今風なのかなと思った。

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Posted by ブクログ 2023年09月21日

池上彰さんがNHK記者時代に、そしてNHK退職後に、どんな勉強を、どんなふうにしてきたか。東京工業大学リベラルアーツセンターではどんな授業を、どんなふうにしているか。それを通して考える「リベラルアーツ」「教養」とは。

池上さん流のノートのとり方やPCでの原稿の書き方も解説されていて、その部分も興味...続きを読む深かったです。池上さんはPCでも縦書き20×20字の原稿用紙設定で原稿を書いらっしゃるんですね(pp. 81-82)。「日本語は縦書きでなければ」とまでは、私は考えていなかったけれど、縦書き、ちょっと試してみようかな。

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Posted by ブクログ 2022年12月09日

大学ではかなり極端に実学を学んだので、枠組みから離れて考える力が備わってないと言われている気がした。
そこは自ら学ぶことによって補っていると考えているが果たしてどうだろうか

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Posted by ブクログ 2022年10月22日

○組み合わせて引っ張り出す能力
○ビジュアル化して伝える
○すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなる

自分が全く興味がない分野に対しても積極的に関心を持っていくことで教養を深めていきたい。またビジネス小説と呼ばれるもの読んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2022年06月20日

学生時代に読みたかった一冊。
ブックマークだけつけてここまで来てしまった…

主に大学生に向けて講義する際に留意している点などが記載されているので、大学生には特におすすめ。
学生じゃなくなっても学ぶ姿勢、学びとは何かを池上さんなりに説明しているので、とても参考になる。
何よりテレビの解説と同じくらい...続きを読むわかりやすい。

池上さんがショーペンハウエルの本から抜き出した、「読書は他人の思考を反復するだけ」、というのはなるほどと思い、学んでる気になってる身からすると、ぐさっと刺さりました。
たしかに読み終えてからこの感想を書くまでにも、すでにぽろぽろと内容は抜け落ちてる。
自分なりにインプット、アウトプットして定着させていこう。

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Posted by ブクログ 2022年05月29日

読むだけでなく考える
机上の理論ではなく自己の見解、いろんな角度からものをみること
すぐ役立つ知識はすぐに不要となる
自己を深めることが知恵となる

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Posted by ブクログ 2022年01月23日

読書は役に立つのか以前から疑問があったが、読書はザルで水汲みのようなものと知ったいまは、すぐに役に立たない本も含めて、長期的な視点で読書を継続することも役に立つような気がした。

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Posted by ブクログ 2021年01月16日

「すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる」

「すぐには役に立たないことを学んでおけば、ずっと役に立つ」

今日からわたしの座右の銘

大学時代に読んでおきたかったと思う本でした。

池上彰さんの授業に対するスタンスが良い。
出席は取らないけど面白いから出席すると学生に思わせるような授業にするは大...続きを読む学で勉強するということに対して非常に的を得たアクションではないでしょうか。

ショーペンハウウェルの読書についての引用部分がとても良い。
読書を食物を食べることと消化に置き換えて表現している。
池上彰さんの読書はザルで水を汲むようなものという表現も印象的。
例えば200ページの本の0.5%(1ページ)しか理解できなかったとしても、100読めば100ページ分理解(身に付いた)ことになると思う。チリも積もればですね。

教養はそもそも役に立つのか、役に立つのが教養か、役立たないものも教養か?
→役立つかどうかは人それぞれ。教育の場はその選択肢をたくさん与えられる場であって欲しい気がする。一方でそこから選び取る力、自分の理念や生きる目的はどう学ぶのがいいのだろうか、、、どうしても自身の環境に依存した部分もあるのがやるせない。先生ってかなりハードな職業、尊敬する。

「大学で教養を学び、社会に出ることにどんな意味があるか」
池上彰さんの一種の回答
「自分の存在が社会でどんな意味を持つのか、客観視できる力を身につけることができる」
→こんなこと大学時代考えなかったなあ〜
でも究極的に考えたら一つの会社にいるだけじゃ社会での自分の意味を見出せない気がする、、、

また自分が何になりたいのかわからなくなってしまった笑

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Posted by ブクログ 2020年11月27日

学ぶ楽しさ、大学で教える、身につけたい力、読書の楽しさ、学ぶこととは。
子供から大人にまで誰にでも分かるように解説できる知識と教養を持っている著者にも関わらず、未だに身銭を払い学問の戸を叩いてるとは驚かされる。現在大学で教壇に立つ著者の視点から、社会人や特に大学生などの学ぶ人へ向けて「学問」の学び方...続きを読むや捉え方、考え方を語る。

本を読むことが自分にとって、現在唯一の勉強方法なので"第4章読書の楽しさ"は特に関心を持った。ただ読書するだけでは、著者の考えを反復するだけでほとんど身にならない、まるで点線で書かれた字をなぞるだけの習字様なものだと。確かに読書すると、この本から何を学んだのかまったく語れないこともある。そのためにアウトプットを増やしてみたり、メモしてみたりと工夫するが、そういった小手先ではないのかもしれない。すぐに「役立つ」ばかりを意識してきたが、一見役に立ちそうにないことも、実は栄養になるのかもしれない。もっと幅広いジャンルに手を伸ばし、考えることも意識しながら続けていきたい。


メモ
読書について
・(ショーペンハウエル)読書は他人にものを考えてもらうことである。他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。だから読書の際にはものを考える苦労はほとんどない。
→読書はザルで水をすくうようで50分の1栄養程にしかないと言うショーペンハウエルの言葉を読み、著者は、意味があると思った本については、すぐに次の本にはいかず、しばらく余韻に浸ること。著者が何を言いたいのか、そこから自分は何を得ることがあるのかと考える時間を持たなければならない。

・すぐに役立つことは、すぐに役に立たなくなる。一見役に立たなそうなことが、長い目で見ると心の栄養になったり、自分を高めたり、世界を広げてくれる


学ぶこととは
・「自分の存在が社会の中でどんな意味を持つのか、客観視できる力を身につけること」客観的になれるかどうか、視野が広げられるか、枠の外側から眺められるかどうか、そういった力をつけることが教養を学ぶこと

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Posted by ブクログ 2019年12月01日

池上さんの今までの勉強法が序盤に記載されていた。今更ながらどうして学ぶことが重要なのか解説されていた。勉強というより学ぶ姿勢についてよくわかった。また、アナウンサーをやめてから人に教える際の工夫や方法についても記載されていた。講義をする機会が増えているため、参考になる部分が多かった。

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Posted by ブクログ 2019年07月27日

2019/7/27
教養について書かれた本だったらしいけれども、最終的には学ぶこととはどういうことなのかについて、池上さん的視点で語られた内容になっている。
東工大で教授として授業をやった時の学生に対する印象や感じたことををもとにして書かれている。
池上さんも本書の中で日本語はなんとなく縦書きが適し...続きを読むている気がする…というような内容が出てくるのだが、これはまさに外山滋比古さんが出されている本の中でも言葉についての内容で何度も出てくることであり、やはり共通しているんだなというのを実感した。
また、どうやって分かりやすく物事を伝えるのかということについても言及していて、人間の右脳と左脳の構造を生かしながら、文字で伝える一方でビジュアル面も意識して伝えることも大切だと考えている。
実際はどうなのか、どうなっているのか、知識では身についたとしても、それを生かすというところまでは辿り着かないことが多いので、知識をどうやって生かすかということが教養につながってくる…的なところが読んでいてピンと来た部分であった。
池上さんも色々な本で共通したことや同じような内容のことも書かれていて、前にもこの内容読んだことあるなーという部分が結構多かったので、振り返る良いきっかけになった。

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彼の価値観・哲学に触れられる

2019年07月08日

 この本は池上さんの考える「リベラルアーツ(一般教養)」について、彼の経験や価値観に基づいて書かれたものです。そのため「こういうものをリベラルアーツというんだ」「教養とはこうあるべきだ」というような強い論調にはならず、あくまで池上さん個人の考える勉強の楽しさや教養の重要性といったことをメインに、なぜ...続きを読むそう考えるに至ったか、そうすることでどういう力がつくのかといったことを、彼の経験や知識、価値観を通して見ることができます。
 こういった問題は込み入った事情をいくつも考慮することで複雑怪奇な内容になっていくことがあります。しかし彼自身が文系寄りの人間で、いかに専門的な知識を誰にでも分かるよう説明するかを常に考えている彼だからこそ、この手の曖昧な問題も「池上さん」という個人をバイアスにすることで、何が伝えたいのかしっかりと理解できるようにできています。

 一つ難点(?)を挙げるとすれば、タイトルからして当たり前ではありますが、池上さん自身にも興味がなければ価値が薄れるかもしれない、ということでしょうか。
 何度か触れたように、この本は彼の目を通して「教養」や「勉強」を見る…すなわち、彼の人生の轍にそれらの答えを見ようとする一種の伝記的な作品でもあるわけです。彼自身、論理的かつ客観的なものの見方を得意とする方ですが、なぜそれができるのかを紐解くと当然彼自身の経験を語るほかありません。池上さんが好きな人ほど、より頭に入ってくるかと思われます。

 私自身、学生の頃は勉強を疎かにして友達と遊んでばかりいた人間で、勉強の楽しさに気づいたのは成人してからでした。それもここ数年の話です。こういった人間(私)にとって、この本は勉強について再び考えるいい機会となりました。
 社会人でなくとも、彼のわかりやすい文章は高校生や大学生でも気軽に接することができると思いますので、勉強に興味を持たれた方(それから池上さんが好きな方)なら誰にでもおすすめできる一冊です。

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Posted by ブクログ 2019年06月03日

ジャーナリストというイメージが強かった池上彰さん、東京工業大学の教授もされていたそう。批判的思考を促すための発問やレポート課題、研究とバイトで'慢性疲労状態にある学生を睡魔に誘われないようにする為の工夫'など教授として苦労と試行錯誤されてることが伺えました

「すぐ役に立つことは...続きを読む、すぐに役に立たなくなる」逆に、「すぐには役に立たないこと」を学んでおけば、「ずっと役に立つ」かもしれない。

即戦力を求める現場に向けての格言。
得た教養をコミットメントしたりエンゲージメントしたり、実践につなげていくことがいまの教養のあり方。

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Posted by ブクログ 2019年03月30日

教養とは何か、またその重要性について考えるキッカケとしてオススメ。今まであまり池上彰さんの本を読まなかったが、テレビと同じように理解しやすい文章だったので、見習いたい。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

読みやすい。行の間隔が広い。すぐに読んでしまった。池上さんが学生のころから今の仕事をするようになったまでの自身の勉強方法や現在の学生を教えるやり方などを書いてある。それなりに面白いけど、池上さんの本の密度は高くないな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年06月22日

池上さんの今に至るまでの大変な努力が感じられます。社会人講座についての感想は、誉めるかと思えば意外と辛口だったり。何でも、良いですね良いですね。ではなく、批判力を持ってるから真剣さ感じられる。

読書はざるで水をすくうようなもの、しっかり思索して自分のものにするように!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年05月02日

著者の長年の疑問「教養とは何だろう」を、東工大教授としての経験を踏まえ、「学び続ける力」と絡めて著した本。「教養」や「大学で身に付けるべき力」について、著者の卓見がちりばめられている。
ただ著者がいう、教養(culture)=リベラル・アーツ(Liberal Arts)には、若干疑問符が付く。しかし...続きを読む、リベラル・アーツが、自ら自由(Liberal)に問題を設定して新しい解を探していく技法(Arts)を意味し、その力を身につけて、市民自らの責任で積極的に社会に関わること(engagement)が、教養であると定義するならば、リベラルアーツと教養は不可分の関係にあると言える。ただ、本書は、いわゆる「教養論」をテーマにしたものではない(著者も認めている)。あくまでも読書を通して学び続けることの意味や楽しさを説いたものである。
大切な点は、読書だけではだめだということで、「読んだことを後でさらに自分で考えてみなければ、(略)多くは失われてしまう」ということだろう。つまり、読書→自分で考える→行動すること。このプロセスが、社会の中で発揮できる力となり、「より良く生きること」に繋がれば、それこそが現代版「教養」であり、「学び続ける力」に繋がると著者は言う。示唆に富んだ著書である。

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

1 どんな本
学び(教養)の意味と教養を学び続ける意義を説
く本。教養を学び続ける理由が力になる。「この
本を読んでおいていつしか役立ったと気づく。」そ
れが本書の目的

2 何で読んだの?
(1) 貸出図書であったから。
(2) 学び続ける方法。
(3) ...続きを読む 学習法が具体的に変化した状態になりたい。

3 著者の問題提起
教養はすぐに使える学びでは無い。すぐに役に
立つものはすぐに役に立たなくなる。

4 命題に至った理由
著者の東工大でのリベラルアーツ指導経験から。

5 著者の解
教養を学び続け、社会と個人等の繋がりを理解
し、講師問わず自分の役割、社会の在り方等に意
見を持てる事が教養を学び続ける意義。学んです
ぐに役に立つものでは無い。

6 構 成
全5章構成183頁(新書)
著者の父の話から始まり、学ぶ事は楽しい〜大学
での講義〜身につけたい力〜読書の楽しさ〜学ぶ
事は生きる事〜学びの意味を一人一人にが考えて
くれると嬉しい。と終わる。

7 重要な語句・文
(1) すぐに役に立つものはすぐに役に立たなく
なる。
(2) 分からないが勉強をすると分かる。
(3) リテラシー=(正しい理解)
(4) イメージと論理の両輪(説明のコツ)

8 感 想
この著者の著作は面白くは無い。学びにはな
る。
刺さったのは「すぐに役に〜」。まさに第二領域
なので教養に対する姿勢が変わった。
人に勧めるなら、勉強をすると分からない事が
わかると言う事。やらなきゃ何も分からない。
深く知りたい事は(4)の仕方。分かりやすい説
明に磨きをかけたい。
図画は無し。
タイトルの学び続ける力は最後に明かされたと
感じた。何を言いたいのか分かりづらい本。

9 TODO
(1) 説明はイメージと論理の2軸でやる。
(2) 第2領域の取り組みを増進(読書、運動、メ
モ、遊び)

10 問 い
学びとは?

11 答 え
社会と個人の繁栄

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Posted by ブクログ 2022年02月07日

とても読みやすかった。頭にストンと入ってくる文章だった。

大学生の頃に読んでおきたかったな。
池上さんの授業を受けたことがあるのでなおさら。
どのような意図であの授業をやっていたのか分かっていれば、もっとまじめに受けただろうな…

歴史とか文化とか色々なものに興味を持っていることは自覚してたけど、...続きを読むそれに時間を割く意味を与えてもらえた。
これからもっと本を読んでいきたい。
内面を豊かにしていきたい。

以下見返したいこと

教養=リベラルアーツ
リベラルは様々な枠組みから自由になること
変化の激しい時代において、教養こそが次の解を出す
社会に対して傍観ではなくコミットメントする

すぐに役に立たないことは、あとから役に立つ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月19日

無知な自分を変えたくて、初めて池上さんの本を手にとりました。
学生の時にこういう本に出会いたかったな。
いい年齢ですが、少しでも勉強していきたいと思える1冊でした。

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Posted by ブクログ 2019年05月23日

昨年あたりから教養に関する本が多く出版されている。
この本は2013年,その頃から教養の意義が指摘され出したのかな。
すぐには役に立たないことなので,学んでいる方も評価しにくい。刹那的な評価ではなく,時間をかけた評価,展望的な評価ができるかも学び続ける上で大切な点だろう。

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Posted by ブクログ 2019年02月28日

第4章でショーペンハウエルの
読書は他人にものを考えてもらうこと、読書にいそしむ限り実は我々や頭は思想の運動場にすぎない。

これこそ大多数の学者の実態
彼らは多読の結果、愚者となった人間である

精神も、他人の思想によって絶えず圧迫されると弾力を失う。だが熟慮を重ねることによってのみ、読まれたもの...続きを読むは真に読者のものとなる

結構、衝撃的(笑) 本ばかり読んで賢くなった気になっていても自分でものを考える力がついていない‥

これを機に、読んだ本の感想カードを作ろうと決意!

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Posted by ブクログ 2019年02月20日

池上彰さんの買いた本は読みやすいし、文章の書き方の勉強にもなる。
池上彰さんの生い立ち、なぜこれだけ教養のある方になったのかが書かれている。

この本から学んだことを下記にまとめる。

・幼い頃から知的スリルを味わう喜びを知っていると、大人になっても学び続ける
・教養とは、ただ知識が豊富ということで...続きを読むはなく、物事を俯瞰的に考えられる力のことである。
・文系だけではなく、理系の学生も大学では、教養を身につけるべき。アメリカでは、大学で教養、大学院で実践で役立つ専門知識を学ぶ。

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Posted by ブクログ 2019年01月05日

良かった。著者への好感度がより上がった。自分は文系で専門的な知識をあまり身につけられておらずその点で理系の人達を羨んでいた所もあったが、理系の人達は一般教養つまりリベラルアーツが欠けていてそこを埋めるのは重要な意義があることなのだと感じた。また理系の知識も身につけていきたいと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月08日

◇目次
○はじめに
○第1章:学ぶことは楽しい
○第2章:大学で教えることになった
○第3章:身につけたい力
○第4章:読書の楽しさ
○第5章:学ぶことは生きること
○おわりに

池上氏のいう教養「リベラルアーツ」とは、答えのない社会的な課題(あるいは人生の課題)に対応していくための思考の材料やその...続きを読む力のこと。その教養(ここでいうのは、思考力や発想力に近いニュアンス)を磨くために読書や経験などで学び続けることが重要としている。
自分も、池上氏が引用していたショーペンハウエルの文章を受けて読書の在り方を見直してみようと思った。
読書の後に思考してみる、こうした方法論を知ることができただけでも本書を読んで良かった。

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