• うたえ! エーリンナ(1)

    知る人ぞ知る女詩人、サッポー

    …の、学校の生徒である少女が主人公の4コマ漫画です。当然サッポーも出てきますし、アルカイオスなども出てきます。

    驚いたのは色々と古代ギリシアの豆知識や情報が作中に組み込まれていたことです。
    もともとサッポーという人物に興味があったので購入したのですが、思った以上に有意義な作品で、この機会に古代ギリシアについて本格的に勉強したくなりました。
    というわけで、恥ずかしながら全然古代ギリシアについて知らない状況で読んだのですが、ふつうに、いやそれ以上に面白かったです。
    ただ、サッポーは同性愛的な指摘もあるため(私はこのためにサッポーの名前だけは知ってました)、作品もちょっぴり百合風味です。

    読み終...続きを読む

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  • 学び続ける力

    彼の価値観・哲学に触れられる

     この本は池上さんの考える「リベラルアーツ(一般教養)」について、彼の経験や価値観に基づいて書かれたものです。そのため「こういうものをリベラルアーツというんだ」「教養とはこうあるべきだ」というような強い論調にはならず、あくまで池上さん個人の考える勉強の楽しさや教養の重要性といったことをメインに、なぜそう考えるに至ったか、そうすることでどういう力がつくのかといったことを、彼の経験や知識、価値観を通して見ることができます。
     こういった問題は込み入った事情をいくつも考慮することで複雑怪奇な内容になっていくことがあります。しかし彼自身が文系寄りの人間で、いかに専門的な知識を誰にでも分かるよう説明す...続きを読む

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  • あんハピ♪ 10巻

    「幸福」ってなんだろう?

    きらら的な日常漫画でありながら、「幸福と不幸の違いってなんだろう?」というテーマが敷かれ、ふんわりと考えることのできる作品でした。
    作中で必要な知識はしっかりと下調べされ、裏設定なんかも練られており、作者さまの作品への愛がひしひしと伝わってくるようです。記念すべき10巻が最終巻となってしまうのは、非常に寂しいですね。

    アニメ化された際も一風変わった雰囲気で、目を惹くものがありました。二期が無理でも、OVAなどの形でまた動く姿が見たかった…。いえいえ、まだ諦めているわけではないですけれども!
    なにはともあれ、10巻続くにふさわしい作品で(もっと続いてもよかったけど…!)、きららファン、ゆるふわ...続きを読む

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  • スロウスタート 1巻

    女性作家さんらしいきらら四コマ

    ぱっと見は標準的なきらら作品ですが、ところどころ女性らしい生々しさというか、エロスというか…なんかそういうものが溢れ出てる四コマ。けどそれらの要素が「きらら」らしさを邪魔しているということもなく、いいバランスを保っています。

    個人的にはけっこう稀有なきらら作品と思っていて、割とあからさまに同性愛的な匂いを残しています。主にあの二人が。同性愛というか、もっと直接的なエロさですが…。
    アニメでもあの二人の絡みが強調されていたのは気のせいではないでしょう。特にあの回のことですね。
    百合っぽい作品や某キス漫画もあるきららですが、ある意味、この作品が一番百合漫画らしい要素を持っている気がします。
    この...続きを読む

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  • もふかのポプリ(1)【電子限定特典ペーパー付き】

    人×ケモっ娘の百合漫画

    人族と獣人族の存在する世界観で、ほどほどにゆるーく百合百合する漫画です。
    なのですが、さっそくネタバレです。
    途中から主人公ちゃん(人間)は定期的に獣人化するようになるので、純粋な人×ケモだけを求めている方であれば少々がっかりするかもしれません。
    一応、基準が人間でときどきケモになったりするという体質なので、人によっては欲張りな構図にもなりえるかもしれませんね。
    ただ、この部分は作品ラストのメッセージを伝えるうえで重要な役割を担っているので、作品としてみるなら欠かせない部分でもあるように思えました。

    作中では「体(髪も?)の匂い」がひとつの重要なファクターとなっているため、そういうフェチを持...続きを読む

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  • ちゃんとした音楽理論書を読む前に読んでおく本

    音楽理論と昭和のノリが学べる

    タイトルに惹かれ、音楽理論を本格的に学ぶ前段階として本書を購入しました。
    コンセプトとしては、小難しそうな「音楽理論」とラフに接することで勉強アレルギーともいうべき症状を緩和し、最低限の知識を身につけようといった感じでしょうか。「この知識を元に本格的な音楽理論の勉強に移ってね」という、まさにタイトルそのまんまで素晴らしいですね。
    実際のところ、分かりやすく伝えようとする工夫が随所に見られ、教えられる側にとってみれば親しみをもって学ぶことのできるとても有難い存在のように思えます。

    ただしそれは、昭和の古いノリをスルーすることができればの話です。
    ラフに、気軽に読んでもらおうという意図...続きを読む

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