池上彰のレビュー一覧
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池上彰さんの本は、世界のあらゆる物事を単純化して、分かりやすく理解しやすいように解釈して、私たちに教えてくれる。そのため、偏った情報もあるように感じるし、そんな単純じゃないだろうと思うこともあるし、池上さんが教えてくれる世界だけが全てではないと思うけれど、幅広くて圧倒的な知識量で新しい文化や考え方、世界の情勢を教えてくれるので、いつも発見があり、とても貴重だし、ありがたいし、ついつい読み漁ってしまう。
2019年に出版された本なので、世界情勢を知るには少し情報としては古いのだが、勉強になることがたくさん書かれていた。EU離脱に至った背景と課題、イギリスのスパイ組織、日本がお手本にした立憲君主制と2大政党制、イギリスの教育とリーダーの育て方等、世界がイギリスをお手本にして、かつて世界の中心だったイギリスの姿を始めてしっかりと感じられた気がした。そもそも私はイギリスの国土の範囲をきちんと理解できていなかった。
イギリスの教育とリーダーの育て方には特に関心を持った。日本にもお手本にすべきことがたくさんあるのではないかと思うので、もう少し勉強しようと思った。
選挙の投票率についても、日本よりもイギリスの投票率が何倍も高いのに衝撃を受けた。ブレイディみかこさんの本を読んでも思ったけれど、学生のうちからリーダー教育や政治へのアンテナのはり方も含めて、教育の仕組みが日本とイギリスでは全然違うのだと思ったし、個人的には日本はもっと外国の教育の仕組みを取り入れるべきだと思う。
本書の中でほとんど取り上げられなくて少し残念だったのは、イギリスは文学や演劇、音楽など文化的にも世界で最も発展している国の一つだということ。文化を育む素地についてはもう少し詳しく知りたかったなと思った。
EU離脱で揉めている最中に出版された本だったので、EU離脱の内容が過多な印象だった。 -
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池上彰氏と竹内政明氏による文章術の対談。
「いわゆる『名文』を書くノウハウのようなものにはしたくない」と、「はじめに」に書かれているように文章術のノウハウ集ではない。
対談は池上氏が巧みに話をリード。竹内氏から文章術の「秘密」を引き出したものになっている。主に竹内氏が読売新聞のコラム「編集手帳」をどのように書いたかのネタばらしである。
竹内氏の話を聞いた後に、池上氏も自分の考えを述べている。池上氏の言っていることは「伝える力」と「伝える力2」で書かれていることと同じだったため既視感があった。
内容自体は難しくなく、誰でも読めるが、文章作成に関しては上級者向けの内容である。うまいコラムを書きたいという人には非常に参考になるだろう。一般の人が文章上達を目的とするなら、ほかの実践的な文章術の本の方が役に立つ。 -
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ネタバレあと1週間足らずで米国にはトランプ大統領が再来して、世界を変えていくことになると言われています。実際に登場する前に具体的にどのように変化するかを本に記すことは大変勇気の要ることだとは思いますが、読者としては大変興味がある所です。
今までにも何冊か読んでお世話になっている池上氏の最新本が出て、それが第1章に記されています。その内容も参考にして、激動の幕開けとなる2025年も過ごしていく所存です。
以下は気になったポイントです。
・戒厳令とは、戦争などの非常事態が起きた時、政府や裁判所などの権限を軍隊に移す宣言である、議会を開かせないようにするため、大統領の命令で軍隊が出動した、しかし国会議員たちは、国会に入ろうとする軍隊を押し留め、戒厳令を解除させた。韓国の憲法では大統領は戒厳令を出せるが、一方で国会議員の過半数が反対すれば解除できるとなっている、国会で大統領弾劾が決まり、今後は憲法裁判所が大統領を辞めさせるかどうかを判断する(p5)
・関税は他国の製品を輸入する企業が負担するもの、従って不用意に関税をあげると、アメリカの輸入企業にとって大打撃、輸入製品の値段が上がることになり、それはアメリカでの物の値段が上がることを意味する(p33)
・大統領選挙と同時に行われた連邦議会選挙でも、共和党が上院と下院の両方で多数派となり、共和党が、ホワイトハウス・上院・下院を掌握する「トリプルレッド」の状態となり、トランプ政権は政策を通しやすい状況になっている(p51)
・アラブ系アメリカ人の多くは民主党を指示してきたが、今回の選挙ではアラブ系コミュニティが「どちらの政党も支持しない」という姿勢を示していた「トランプは嫌いだが、結局はリスもイスラエル寄りだろう」と反発が広がったことが、ハリス氏には致命的になった可能性がある、ハリス氏の夫がユダヤ人であることも影響していたかも(p59)
・日本ではすべての大臣が衆議院解散に反対しても、総理大臣は全員を辞めさせて自らが大臣を兼務し、閣議決定を行うことができる。憲法や法律でこのように定められているため「解散権は首相にある」と言われる、実際に小泉総理が行ったことがある(p83)
・衆議院には「大衆の代表が議論する場所」という意味がある、それに対して参議院は「衆議院の議論に参加する人たちの場所」ということを意味している(p84)参議院を半数ずつ選ぶのは、衆参同時に選挙が行われるときに、国会に議員がいなくなり、緊急事態が起きたときに十分な対応が取れないから(p86)
・年収103万円の壁とは、それを超えると所得税がかかる、103万円とは給与所得控除額(=必要経費)55万円(年収162.5以下)と所得税の基礎控除(=最低限生活に必要)48万円との合計、106万円の壁:従業員51人以上の企業で働くひとについて、週20時間年収106万円を超えると配偶者扶養から離れて、厚生年金・健康保険の保険料支払いが発生する、130万円の壁:50人以下でも年収が130万円を超えると配偶者扶養から外れて、国民年金・国民健康保険料の支払いが発生する、150万円の壁:超えると配偶者特別控除の38万円から徐々に減少して配偶者の所得税負担がルエル、210万円を超えると配偶者特別控除が適用外となる、これらを踏まえて、国民民主党は103万円を178万円に引き上げようとしている(p98)
・トラフとは、海底の溝や窪みのことで、水深600メートルまでのものをトラフ、それより深いものを海溝と呼ぶ、南海トラフとは、静岡県の駿河湾から九州の東方沖にかけた水深4000メートルの海底に、フィリピン海プレートが潜り込んで作った、約700キロに渡って続く海底の窪地のことである(p106)
・現在まで続くパレスチナ問題の原因の1つに、イギリスの「三枚舌外交」がある、1)フサイン=マクマホン協定:オスマン帝国支配下のアラブ人たちに、オスマン帝国と戦えば、パレスチナの地にアラブ人国家の建設を認める、2)バルフォア宣言:ユダヤ人たちに、連合国側(第一次世界大戦)に味方すればパレスチナの地にユダヤ人国家の建設を認める、3)サイクス=ピコ協定:フランスおよびロシア帝国とオスマン帝国の分割を密約していた(p136)
・国連安全保障理事会による北朝鮮制裁は、制裁の実施状況を監視する専門家組織の活動によって支えてれてきたが、常任時理事国であるロシアの拒否権発動により、2024年4月30日をもって停止した(p211)
・2024年10月、北朝鮮が韓国を 「第一の敵対国、不変の主敵」と明記した憲法改正を行ったことが報じられた、これは、金正恩総書記が、長年目標として掲げてきた南北の平和統一を放棄したことを意味する(p215)
・ノーベルが書面(遺書)に遺していたのは、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の5分野である。1968年にスウェーデン国立銀行創立300年記念にあたり、これに経済学賞を加えることを提案し「ノーベル経済学賞」と通称される学術賞が設立されたが、ノーベル財団は「同賞はノーベル賞ではない」としている、正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」という。各賞の選考は遺言で指示された、スウェーデンのアカデミーや研究所が行うが、平和賞だけはノルウェーで選考される、これは当時スウェーデンとノルウェーが連合王国だったから、両国に敬意を払う意図があるとされる。ノーベル賞の授賞式はノーベルの命日に当たる12月10日にスウェーデンのスットックホルムで行われるが、平和賞だけはノルウェーのオスロで行われる(p223)
2025年1月13日読破
2025年1月14日作成 -
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タイトルの「伝える」には、「話す、書く、聞く」が含まれるとし、コミュニケーション能力を高める方法を指南した本である。
「簡単なことは簡単に」「難しいことも簡単に」
これは、何かを伝えるときの基本です(p154)
このように書いているだけあり、読みやすい。
2007年の発行の本で、現在でも版を重ねている。だが、いくらベストセラーとは言え、約20年経った今(2025年)読むとさすがに古さを感じる。言っていることはうなずけることが多いが、その例が古いからだ。
例として挙げているのは新書らしく、時事ネタが多い。時事ネタは発行直後は身近なこととして理解しやすいかもしれないが、発行後年数が経つとわかりにくくなるという欠点がある。
例えば、下記の指摘自体はその通りだと思う人が多いだろう。
「正しいか正しくないか」とは別に、「今、何を言うべきか」を判断する能力はビジネスパーソンに求められる資質といえる(p94) (「謝ることは危機管理になる」より)
ここで例として挙げられているのは、村上ファンドの村上世彰氏だ。
「インサイダー取引の嫌疑がかかっているのに、得々として自説を展開してしまったからです。逮捕直前の場で発言する内容としては、適切ではありませんでした」のあとに、先ほど例に挙げた「今、何を言うべきか」を判断する能力が必要だと説明している。
本書は40歳以下のビジネスパーソンを想定して書かれた本である。現在のターゲット層の読者は、村上ファンド事件をリアルタイムで見ていないのでピンとこないのではないか。
古さを感じることを織り込み済みであれば、40歳以下のビジネスパーソンは読んでみてもいいかもしれない。経験を積んだそれ以上の年代だと物足りなさを感じる可能性が高い。 -
Posted by ブクログ
ちょっと前の池上さん解説本、ちょうどBrexitの頃の本です。
そしてこのあと悪しきコロナパンデミックが世界中に..........。
資本主義の欠陥、経済格差について言及されていますが4年後の今はよりエグくなりましたね............。NVIDIAやOPEN AIといったキーワードはまだ出てきません....。
中曽根康弘のエピソードが載っていて、自分は中曽根は安倍や岸田らと比較して抜群に頭が良いことは認める一方、早くから原子力を推進したりあまり好きではないのだが、東日本大震災での福島の事故をうけて「自分のやってきたことは間違いだったかも知れない」と述懐しており、そこが強く印象に残りました.......。 -
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予備知識なく、なんとなく本屋で手に取って読みました。
南北戦争?白人黒人?
そんなレベルからでした。
今を知るためには過去の歴史から読み解かないとわからない。まさにそうでした。
内容は非常にわかりやすい。
池上先生が書かれた本で、トランプ政権に対して、非常に危機感を持たれていることもあり。
内容にバイアスがかかっている可能性もあるので、表現の仕方が批判的なところや、意見が入っているところがありますが、非常にわかりやすくスッと内容が入ってきます。
ニュースを見る目線や、裏側を考える力を身につける一歩になりました。
ただしバイアスは捨てて、あくまで客観的に見ることは忘れないようにしたい。
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Posted by ブクログ
読み始めた時は、鬼ヶ島の子守唄を思い出した。
「お母さん怖いよ、桃太郎が来るよ」
昔話の英雄も見方を変えれば侵略者。
読み進める内にそんな単純な話じゃないって事は理解したけど。侵略行為、軍事行為は決して許される事ではないけれど、ロシアにも言い分はある、アメリカを筆頭とする西側諸国の振舞いに配慮が足りない部分はあった、何よりコミュニケーションが成立していない、そんな事は理解したと思う。
公式ホームページに原文が掲載されているから誰でも当たれる、って言うけど、読むのも理解するのも大変。背景まで理解して解説してもらっても充分に理解出来る自信はない。報道してる側でチェックしてるもんだとばっかり思ってたけど、そうでもないのね。
「グローバリゼーション」と呼ばれるものは普遍的価値観ではなく、アメリカにとって都合がいいゲームのルールに過ぎない
西側にいてロシアやそれ以外の国の立場を理解しようとするのは、地球にいながら地動説を理解するのが難しかった中世の民衆と同じくらい難しいかもしれない、という事を肝に銘じつつ、せめてこういった良書に当たっていく努力は惜しまずにいようと思う。
関係ないがトルコ、という国にとても興味を持った。海難事故の救助活動をきっかけに親日感情を持って下さっているという彼の国は、外交の場でとても存在感があるイメージ。トルコの事も知りたくなった。 -
Posted by ブクログ
仕事編、教育編、自然災害編、暮らし編、健康編に大別され、幅広い分野をざっくり分かりやすく知ることができた。
不安は未知から来るものが多い。そのため、不安を解消して前向きに明るい未来を想像するためにはまず勉強して知識をつけることが重要だと感じた。以下は、自分が興味を持ったことのメモ書きと所感をまとめる。
●仕事編
・新しい仕事が増える。
生成AIに優れた指示(プロンプ)を出し高品質な答えを引き出す「プロンプトエンジニア」、企業ごとの専門知識や個性を身につけた「最適な」生成AIを作っていく「AIトレーナー」新しくかつ需要のある仕事を生み出すのは、仕事の目的や意義を常に考えられる人、そのような「人間力」が大事。
→ どんな分野でも思考力は重要になる。
●教育編
・教員不足で自治体ごとに「教育格差」が生まれる。
・都市部では親の所得による教育格差が生まれる。優秀な子が私立に集中すると、公立の子は受け身の子どもたちが多くなって、危機意識が強い所得がある家庭はますます私立に子どもを入学させ、格差が広がる。
●自然災害編
・食料の最適な産地は南から北へ(世界的)
(例)北海道のお米、長野のワイン
→ 魚の産地も変わってきている。採れる地域で採れなくなったり、採れなかった地域が名産になったりしてきている。海水温の変化が影響していると思われる。
・富士山は必ず噴火する。
●暮らし編
・政治におけるクォーター制を採用していない日本は少数派と言える。これまで男性ばかりだった意思決定の場に女性の参画を促すことは、多くの人が生きやすい社会を作るために必要なこと。