池上彰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
電子書籍や動画、AIの時代になったけど、それでも本はたくさん読んだ方が良さそうだと再認識した(途中で、ただ数を読めばいい訳ではない、という章もあったが)。1年に300冊は、なかなか凄い事だし、過去に読んだ本を紹介できる事も、それだけ自分のしっかり印象に残っている本が多いという事なので、羨ましい。
池上さんは、説明が分かりやす過ぎて少し警戒していたけど、本書では(他の解説本と異なり)池上さん個人の考え方や生い立ち(?)がより多く書かれており、共感・納得出来るところも多かったので、少し警戒を解こうと思った。
本書に出てきた中で、君たちはどう生きるか、一九八四年、ソラリス、三体、は特に気になった。次点としては、学問のすゝめ、民主主義、日本国憲法、井上陽水英訳詞集、社会的共通資本。 -
Posted by ブクログ
あとがきの「いくつになっても、自分磨きの勉強が必要」に集約されている。まだ知らないことが圧倒的に多く、もっと視野を拡げようと思う一冊。
仕事編
◉時代に取り残されない=多様な人間関係の構築、社会との接点を維持。
◉自分の知識のアップデート=リスキリング。
教育編
◉うきこぼれ=落ちこぼれの反対。
→優秀な子が「うく」とは皮肉。
◉高所得者の親の多くは規則正しい生活をすることで、子供も優秀になる。
◉デジタル教材の扱い:紙の方が記憶に残るとの指摘あり。
→これ分かる。読書は両方使うが、デジタルで読むのは軽めの内容になりがち。
自然災害編
◉原発汚染水を浄化処理した処理水の海洋放出は2050年代まで。核のゴミの最終処分場は決まる見込みなし。
◉再エネ賦課金は再生エネルギーで電気を作っている人に届く仕組み。
◉鉄道は迂回路想定。新幹線も例外ではない。
◉行政は地震の備えを進めている。例)火葬が間に合わない時の土葬想定。
◉富士山の噴火で首都機能は麻痺。
暮らし編
◉モノからコトが進むとGDPは意味をなさなくなる。
◉日本が借金しても破綻しないのは、個人保有の金融資産が大きいから。
◉少子高齢化対策として、事実婚。夫婦別姓さえ進まない中、先が長い。
健康編
◉遺伝医療の発展で、遺伝子差別化が起こるとな…難病になりやすい遺伝子を持っている人とは結婚しないなど。確かにありうる話で、発展しすぎることによる弊害を十分考慮する必要性を感じる。 -
Posted by ブクログ
わかりやすい本で、良くも悪くも池上彰らしい意見なのだが、気になった点がいくつか。
3-8
「昔は日本にも普通の選挙はなかった」で、アメリカが日本に女性の参政権を取り入れた憲法を作り、というくだりで、「女性は戦争になると子どもを戦争に行かせなくてはならないので、戦争が嫌だ。結果的に日本は平和な国になると思ったんじゃないでしょうか。」とある。
この箇所、なんかすごくもやっとする。主語が曖昧なので、アメリカがそういう国にしたのだ、という風にも読めるし、女性はそういうものです、というステレオタイプにも取れるし、なんとももやっとする。
7-3
「お金の使い方で未来も変わる」で、基礎研究に政府がお金を出したおかげでノーベル賞受賞者が出た、みたいな話がされる。その中で、最後に「一方で、今、中国ではものすごくお金をかけて、世界中から優秀な人を呼び集めているので、20年後、30年後のノーベル賞は中国人ばかりになるかもしれません。」
この箇所ももやっとする。なんで中国人がノーベル賞を取ると良くないの? 良くないとは書いてないけど、ノーベル賞を取れることが科学においてそんなに重要なこと? それを言うならノーベル賞の選考そのものがすごくいい加減で、ロザリンド・フランクリンのようにアイデアをパクられた例とか、そんなものはいくらでもあるじゃん。ノーベル賞級の業績というのはどこの国の人が受賞しようが等しく科学業績で世界の科学を前進させると考えるなら、どこの国の人が取ろうと関係ない話では?(補足すれば、科学の普遍性と賞の偏りの問題は、科学哲学では極めて常識的な議論になっている)
みたいな感じで、非常にもやっとする内容が多い本だったが、そういう反感をコメントしても批判されないことも、この日本社会の言論の自由が許していることだから、それを大切にしなくてはならない、というふうには思う。 -
Posted by ブクログ
ヨーロッパを中心に繰り広げられた第二次世界大戦や、アジア太平洋地域で日米が激突した先の大戦以降も、世界各地で戦争は行われてきた。今もアメリカはイランを攻撃しているし、イスラエルもロシアも他国へ侵攻している。地球上では常に何処かで内戦なら紛争が起こっており、今こうしている間も攻撃により失われていく命があるのは悲しい事だ。人間は古代から戦争を繰り返してきたし今もそれは変わらない。近代以降は2度の世界大戦が多くの死者を出したことから、国際平和の構築や維持に向けた国際連盟や国際連合が発足してきた。だがそれでも戦争を止める事は出来なかった。世界の警察を自認し、秩序の維持を図るのが自らの役目だと考えるアメリカも、かつての朝鮮戦争、ベトナム戦争が示す通り、共産圏との戦いに足を踏み入れた。キューバ危機もそう、グレナダ侵攻もそう、アメリカ兵は世界中どこでも送られていく。私個人の記憶で言うならテレビで見た湾岸戦争の映像は衝撃的だったし、幼い頃からアメリカは戦争ばかりしてる国、というイメージが染み付いている。
アメリカを悪く言うつもりはない。戦争はアメリカ以外の国、例えば中国もベトナムへ攻め入ったし、旧ソ連もアフガニスタンへ侵攻した。人間は力を持つと、それを何処かで試したくなるかの様に、戦争を起こす。いや、戦争するために力をつけているのかもしれない。ケンカに負けたくないから体を鍛えたり、ボクシングジムに通う様な輩がいるのと同じだ(勿論スポーツ精神から言えばあってはならない)。世界が過去の経験から何か学びを得たのか、それら教訓を忘れてしまったのか、はたまた実力がついて要らぬ自信から来るのか。
世界から戦争がなくならない理由、これがわかれば戦争を無くす方向に近づけるのだろうか。本書はそれについて答えをくれるのか。その答えをここに記載する事は出来ないが、少なくとも、過去の戦争がどの様な理由・背景で起こり、どうやって収束したのか学ぶ事は重要だ。終わり方が見えれば、終わらせ方が見えてくるに違いない。だが答えはそれ程簡単な事ではない。テクノロジーも人類の思考もみな進化している。かつての冷戦時代の様な白か黒かといった単純な色付けもできない。戦場も陸海空に加えて宇宙やサイバー空間にまで広がった。言論の世界での対立もある。やり方も原因も複雑さを増す中で、これまで以上に解決策を探すのは難しくなっている。だからこそ起こさない事が重要だし、起こさせない様な各国の連携とバランスが大事になる。だからと言って他国の軍事力の強化に、こちらも軍事力で対抗していたら意味がないしキリもない。
この文章が何を言いたいのかわからない様に、世界から戦争がなくならない本当の理由もわからない、とあきらめない様に読む一冊。著者はわかりやすく物事を伝えるプロフェッショナル、第一人者の池上彰氏であるから、安心して読める内容である。