池上彰のレビュー一覧
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地政学的にも経済的にも世界の中心に位置せず、いまいち日本とのつながりが薄いために注目することがなかった中南米を知るきっかけになったが、やはり中南米という題材自体が地味なため、あまり興味を持って読み進められなかった。
中南米は、19世紀以前に欧州の一方的な侵略を受け、20世紀にはキューバやコロンビア等の多数の国がアメリカの自分勝手な都合で翻弄された歴史が客観的に記されている。
現在ロシアによるウクライナ侵攻が行われているが、時代背景は違えども20世紀という現代に、ウクライナ侵攻と同じことをアメリカが仕掛けてきたという中南米から見た歴史を理解できた。
池上彰さんの感情に流されず客観的に事実 -
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本の読み方は人それぞれ、修行のような人もいれば、ただただ娯楽としてという場合も多い。知識を得る、論理を紐解く、ストーリーを追う。そのためにも、行間と文脈を理解する必要がある。文字通りにしか理解できないのがAIの弱点だと、ロボットが東大に入れるかを考察する新井紀子が解説していた。多義的な文章を一義的に解釈できるには、経験や共感、想像が必要だからだろう。
では、佐藤優と池上彰の言う〝読解力”とは。
本質を見抜き、いやそれを悠々と突き破り、文章以外の連想から著者の言外を広げる力。二人の対話が知的にスリリングだと感じる程、面白かった。対話本の相互に忖度するような予定調和ならウンザリだが、もはやその次 -
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以下、引用
S (略)あるいは日本の新左翼運動が残したのは、島耕作型のサラリーマンを大量生産したことかもしれません。
(略)
S 個としての自立にはこだわるけれど、目の前の利益にだけ執着するという生き方です。島耕作は社内の派閥に属さないけれど仕事はでき、出世のチャンスも逃さないという男でしょう?新左翼の連中は信頼していた仲間に裏切られ、党も何も信用できず頼れるのは自分だけ、という局面を程度の差こそあれ経験しているから、運動から身を引いた後にこのタイプのサラリーマンになった人たちは多かったはずです。もうひとつは「最後に信用できるのは家族だけ」という意識から発する生活保守主義です。政治など社会の -
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佐藤優・池上彰の両氏は現代日本の知の巨人と同時に貴重な時代の批判者。特に後者について学ぶこと多い。
佐藤優氏の知識・知見は圧倒的。Globalの力を見せつける
1.ソ連は資本主義を善導していた→修正資本主義
社会福祉・教育・格差など アンチ新自由主義
ソ連崩壊の後、西側体制も放任・劣化した
2.需給調整 長期的に生産的なのは?
「価格」
「行列」=「時間」のコストor配給・割り当て
→必然的に国家独占体制へ
停滞・非効率温存・競争力低下
3.安倍政権の迷走 新自由主義と国家独占主義
アクセルとブレーキを同時に押す愚かな国家運営
安倍政権は積極的にウソをつく
縁故主義 近親者以 -
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ミクロ編では、企業間の競争や技術の発展によって、市場がどのように動いているかを学んだ。マクロ編では、経済成長や国際収支など国レベルに範囲を広げて、市場と政府の関係について述べられている。ミクロはより身近な話題を、マクロではニュースなどで議論される内容を取り扱う。
経済成長のためには、金利やインフレ・貿易による資金の移動など様々な原因が絡み合っており、誰もその動きを完璧に読み解くことはできない。しかし、その傾向を知ることはできる。
お金の価値は、儲けが出ることを見越して、投資される。それは、銀行を通すことで行われるのでデータ上で金銭の移動が発生する。そして、貸した側はリターンを利子付き