森博嗣のレビュー一覧
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ネタバレ既存の「人間」という定義から我々が徐々に離れていることを、一個ずつ証明されている感覚。
信じる神も持たず、続く子孫もいないから歴史も持てない、さらに、電子空間と反転している、していく可能性の浮上。
ーー我々ははたして本当に生きているのか。
永久に動き続けるものはない。ただ、エネルギィが供給され続ければ、ものは動く。だが、動くことは生きている証ではない。
すべてを諦め、すべてから手を引き、生きることをやめてしまうという選択が、残されている道なのだろうか。何百年も生きられるとしたら、最後にはその選択をするのだろうか。
電子空間に存在するものがいる、というのは正直、怖いという感情が先に立つ。現代 -
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ネタバレ水柿助教授シリーズの第2弾である。水柿君=作者 森博嗣 ととらえていいと思う。多分。普段の森博嗣はというか、この時期辺りの著作はGシリーズを書き始め、スカイ・クロラシリーズも手掛けており、無駄のない洗練された文章がウリになっていた。が、しかし本書は無駄が多い。ダジャレやこの前置きはどこまで続くんだ?というような叙述トリックもびっくりのグダグダっぷりにぶん投げたくなる購入者もいるかもしれない。
そういう意味で、評価を1つ下げている。が、作家 森博嗣がある意味のびのびと好きなことを書いているととらえれば、これほど自由に書いている作品もそうそうないだろう。奥さんへの惚気かわからないが、ミステリー作 -
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Vシリーズ最終話。
もう、最初から終わりの予感を感じさせる登場人物たちのセリフまわしに、寂しさが押し寄せる。
事件は猟奇殺人の様相だけど、森作品でよく語られる動機問題がここでも繰り返される。
多くの人に理解されない動機。そもそも動機とも言えない、ただ殺したいから殺すという人間も一定数いるということ。そこに都合よく動機らしきものを後付けする愚かしさ。
真賀田四季の登場と林の祝儀袋で仄めかすへっくんの正体、ここでS&Mシリーズとの繋がりを知りゾクゾクする。
保呂草と紅子の間で交わされる女王と下僕のようなラストシーンは美しく、胸がキュンとする。
あ〜、終わってしまった。だけど、次のステー -
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Vシリーズ第9弾。
シリーズ第7弾「六人の超音波科学者」から連なり、短編集「地球儀のスライス」の中の「気さくなお人形、19歳」が大いに関わっている作品。
山の中の研究所地下に隠された大きな秘密。
入れ子構造になった密室で発見された遺体。どう考えても自殺としか思えない状況で、どう見ても他殺としか考えられない遺体の状況。その謎を解くのはやはり自称科学者の瀬在丸紅子。科学的論理で謎を解く場面はまるで探偵ガリレオを彷彿とさせワクワクする。
そして最後に紅子と保呂草が、林警部と祖父江刑事ひと芝居打つシーンがいい。
シリーズも終盤を迎え、紅子に加え、練無の魅力が際立ってくる。あと1作。どんな結末を迎え -
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Vシリーズ第7弾。
山中深くにある土井超音波研究所。唯一のアクセスルートである橋が爆破されるというクローズドサークル的な状況に気分が高まる。電話回線も分断され、外界との連絡手段がない中で発見される遺体。
研究所に招かれていた紅子と練無、作為か不作為かその場に残った保呂草と紫子。偶然そちら側に居合せることになった祖父江刑事。
紅子の論理的な推理がなんとも美しく、読後に余韻を残す。
林をめぐる紅子と七夏の火花が散りそうなやりとりに苦笑し、怜悧で論理的な紅子が林のことになると感情に支配されただの恋する女になる可愛さも魅力的。
相変わらず紫子はガサツでうるさくて好きになれないけど。
だけど一番び