森博嗣のレビュー一覧
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今作も非常におもしろかった!事件のトリックはまさかの内容でビックリ。なんでそもそもスイッチ押したのとか色々気になるんですが、「人はすべての現象に意図を求めるけど、常に理由を持って行動するわけではない」と言われたら、確かにと頷かざるを得ないですね。
そして3作品目まで読んで、Vシリーズの方向性がなんとなく見えてきた印象です。保呂草は語り手かつ事件の裏で暗躍するダークヒーロー的な存在。探偵役の紅子はあまりに人間離れしていて、ともすれば親しみを持てない人物ですが、元夫とその愛人との人間関係のおかげで一気に人間らしい存在に。この2人だけだと暗い話になりそうなところ、大学生組の賑やかさが癒しになり、い -
Posted by ブクログ
“「無事」を重ねることが、人生の成功である。少し気をつけていれば、誰でもできる。ときどき予期せぬ不運が襲ってきても、また少しずつ無事を重ねて挽回していけば良い。”(p.214)
“大事なことは、何が常識か、何が自然か、という判断の基礎となる個人の価値観なるものが、長く揺らがないほど強固なものではない、という点である。考え方は、年齢を重ねるにしたがって変化する。もちろん、社会も時代とともに変化する。「これはこういうものだ」とある時期に見切ったつもりでいても、少し時間が経てば、もうそのとおりではない場合が多い。”(p.70)
“人間の感性というのは、現在の絶対値ではなく、現在の変化率に支配 -
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ネタバレ〈概要〉
「仕事」とは何か。「やりがい」とは何か。
「楽しく生きる」とはどういうことか。
著者なりの解釈が書かれた一冊。
〈感想〉
・「どんな仕事をしているか、ということによって人の価値は決まらない」ということが繰り返し述べられており、理屈としてはその通りだと思うが、感情的になかなか受け入れられない自分もいて、「こういうところが、自分はすごく人間っぽいなあ」と改めて感じた。
・「仕事にやりがいを見出だす必要はなく、仕事以外のことで楽しいことを見つければ良い」という言葉が響いた。ついつい仕事を生きがいだと感じなければならないと思い込んでしまうが、これも過去の教育等により植え付けられてきた幻想な -
Posted by ブクログ
森博嗣「Gシリーズ」を最初から読んで4作目。
今回は「バスジャックもの」。そうきたか…という感
じです。
こういうこと稀にあるかもしれない…なんて考えな
がら通勤の隙間時間に読んでいると、帰宅したとき
に
「あれからどうなったかなあ?」
…と物語の続きをテレビをつけてチェックしたくな
ったりして(^^;; リアルとの境目がちょっとぼんや
りする。
読後。 意外な!事件の顛末に驚いて…それを知った
うえでもう一度読んでみるのもまた楽しそうです。
一方で、背景に蠢めくいろんな謎は全く解明されて
おらず、早く続編へ読み進めたい気持ちも。
なんだか「名探偵コナン」みたいになってきたかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレs&mシリーズの10作目。
ナノクラフトの社長である塙理生哉に招待され長崎のユーロパークに行く萌絵達一行。そこで不可解殺人事件に巻き込まれてしまうという話。
s&mシリーズの完結作というのもあり分厚めで読み応えがあった。
今作は待望の真賀田四季の再登場でテンション上がった。タイトルもthe perfect insiderとthe perfect outsiderで対比になっている。四季が1作目では中から観ていて、今作では外から観ていたからかな。あとは今作は作中でも俯瞰で観るのが大事だと言われていたからoutsiderなのかなって思った。
実際に今回の事件は萌絵視点で観てると本当