森博嗣のレビュー一覧

  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    ネタバレ

    犀川の勤める大学内の低温実験室で起きた殺人。前作は物理的な密室といえる状況で、今作は状況的な密室であったが、似た作品という感じはなかった。大学の研究室という舞台だけあり、院生、学部生、教授などを描くシーンも多く、懐かしい気持ちになった。たまに出てくる西之園の豪華な暮らしぶりも、いいアクセントとなっており面白い。
    シリーズ2作目にして早くも犀川と西之園の間柄にも進展がありそうな感じだったので、そのあたりもシリーズの醍醐味として楽しんでいきたい。

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    2026年03月14日
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

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    ネタバレ

    前2作に比べるとトーンダウン感はあったが、天王寺博士というまたまた印象的なキャラクターもあり、ページはよく進んだ。
    オリオン像のトリックは、もしかして…と思っていた通りだったので、少し拍子抜けした。天王寺博士の崇高で概念的な言葉たちが、トリックの鍵になっていて最後に繋がるあたりは、やはり著者らしさが出ていた。
    天王寺宗太郎、片山基生という、死んだ(ことになっている)人物達が事件の肝を握っていたが、想像上でしか登場しなかったため、そこはいまいち共感に欠けたかもしれない。

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    2026年03月14日
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

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    ネタバレ

    定義するものが存在するもの。

    数学とは学生時代以降無縁の世界にいる自分からしたら、定義という言葉を久方ぶりに聞いた気がする。
    定義するとは一体なんのことやら。
    よくよく考えてみればなんとあやふやなものかと思う。自分が定義したものが真実、真理ではないし、誰かが定義したものが真実、真理ではないけれど、確かにそこにあるものとなるなんて、とても曖昧なのに自分にとってはそれが真実となってしまうかもしれない。
    今回は完全文系の自分には堂々巡りなところでした。
    ストーリーのトリックは割と序盤から見抜いてはいたのですが、このお話の真髄は、星座のことでもなく、犯人を見抜くことでもなく、定義とは というところに

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    2026年03月12日
  • 四季 冬 Black Winter

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    ランダムに再構築されていくことで進んでいく物語。長い年月をかけて成長し、前進してきた物語。そこに天才の思考の一端を垣間見たような気がする。美しくはかない思考の帰結に読んでいて深い感動を覚えた。まさに芸術としてふさわしい一冊である。

    19歳 酒井くん

    ↑生まれ出てきて19年でこの感想文。

    生まれて飛び出て44歳のワタクシ。

    四季、めっちゃあったまいぃよなぁ。
    ゼーんぜんついてけないけど、
    それがやっぱ天才って感じ。
    え!あれ四季だったの!?やっば!

    ↑こんなんでしたけど。

    19歳酒井くんの中身はキシオかな。って思ったわ。そこでも繋がっちゃうかー
    森博嗣のエッセイ読むと、
    売れる本を書

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    2026年03月10日
  • 詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE

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    ネタバレ

    相次ぐ大学での密室殺人。関与が疑われるロックシンガーの結城稔だが、彼自身も密室で殺される。複雑で緻密なトリックと、それを成し遂げる犯人の信念は、やはりこのシリーズの代名詞と感じた。解説にもあったが、動機に興味がない犀川と、それに呼応するように動機が曖昧な犯人の姿は、純粋に読者を密室の謎解きにフォーカスさせ、新たなミステリであることを実感した。
    犀川の萌絵に対する気持ちや考え方が変わっていることを感じさせる描写もあり、シリーズとしてどんどん成熟したしていると感じる。

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    2026年03月08日
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

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    ネタバレ

    実存主義的な文学感を感じる作品だった。「いかに生きるか」という人生の大きな方針に対して、自分の価値観や現状に応じて自分で選択し、その責任を担っていく。
    いいとこ取りだけはできなくて、院進なのか就職なのか、研究なのか家庭なのか、常に選択をし続けるのが人生だと教えてくれる。その中で、自分の魂の内面に従い続けることを選んだ喜嶋先生の選択した世界線を「静かな世界」と呼ぶのは美しいなと。
    マルクス・アウレリウス『自省録』にも
    「自分自身の魂の中よりも静謐で煩わしいものが少ない場所はない」
    とあるように。

    カミュ『異邦人』
    サルトル『嘔吐』
    カフカ『城』
    とかとテーマは似てる気がするのに本書の方がめちゃ

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    2026年03月08日
  • 黒猫の三角 Delta in the Darkness

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    人を殺すのに値する動機というのはなんなのだろう。
    多様な思想を持つことは、今の世では許されているようなことになっているが、その実はそうなっておらず、人に認められないもしくは認められにくい価値観はたくさんある。
    保呂草(仮)の殺人に対する思想というのは人間が平和に生きていく上では異端思想として許されてはいけない。
    だが、そういった価値観が歪んでるというのはどうやって判断すべきなのだろうか。
    どうして少数派が間違っていると言い切れるのだろうか。
    生きている限りそんなことを考え続けなければならないのだろう。

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    2026年03月07日
  • つぶやきのクリーム The cream of the notes

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    森博嗣先生の100のつぶやきをまとめたクリームシリーズ一作目

    ビジネスに通じるものから、死生感、政治にまで多岐に及んで呟かれている
    共感できないものもあれどその中に強烈に刺さってくるものもあり面白かった。

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    2026年03月07日
  • 封印再度 WHO INSIDE

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    ネタバレ

    ここ数作の中では最も事件自体は単純で、特にトリックなどがあるわけではなく偶然の産物で難しくなってしまったという類のものだったが、その分、日本人の美徳や心にフォーカスされた丁寧なストーリーでよかった。物理現象も結構多く出てきて、自分好みの作品だったと思う。萌絵の悪戯には犀川と同様に焦ったが、犀川の意外な一面が垣間見えたり、登場人物たちの進展をしっかり描いてくれるのが、やはりこのシリーズは嬉しい。タイトルの「封印再度」「Who Inside」の上手さには恐れ入った。

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    2026年03月07日
  • 幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

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    ネタバレ

    脱出マジックショーの最中に殺されたマジシャン・有里匠幻。さらに葬儀中に遺体が消え、大騒ぎとなる。誰が、何のために?あるいはこれもマジックなのか?
    マジックという人々を幻惑させるショーに迫りながらその中にミステリがあるという二重構造のようなストーリーで、なかなかのボリュームだったがだらけることなく読めた。ものには、すべて名前がある。他者に何かを伝えることで「人々」はその一瞬に「人」となり、それこそが生きる目的である。人生に対する問いのようなものに少しヒントをもらえた気がして、ストーリーの真相以上に印象に残る作品となった。

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    2026年03月05日
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    ネタバレ

    数学は何の役に立つのか。
    という問いに、
    何故、役に立たなくちゃあいけないのか。
    と聞き返す犀川先生のセリフが印象的でした。
    以下抜粋。

    役に立たないものの方が楽しい。
    音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。
    最も役に立たないという事が、数学が1番人間的で純粋な学問である証拠。人間だけが役に立たないことを考える。
    そもそも僕たちは、何かの役に立っていますか?


    言われてみればその通り。
    将来的な可能性も含めて、何の役にも立たないと思われるものこそ、心を豊かにするものの1つになりうるかもしれない。逆に、何かの役に立つと思ってしまった時点で、純粋に楽しめないのかも。
    数学嫌いな自分はそん

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    2026年03月05日
  • 夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

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    ネタバレ

    前作「幻惑の死と使途」と並行して起きていた事件を扱っており、前作が奇数章しかなかったのに対して今作は偶数章しかないという細かい仕掛けに感心した。
    これまでのシリーズとは少し変わって萌絵の親友・杜萌が巻き込まれた事件を主に杜萌に中心に描くが、まさかの結末に驚いた。たしかに見返してみると、家での誘拐シーンなど、事実と矛盾しないように表現されており、一種の叙述トリックのようで、してやられたという感じだった。男女の痴情のもつれではあるが、杜萌と赤松の背景がもう少し描かれても読者としては面白かったと思う。
    シリーズも後半に入ってきたが、まだまだ先が楽しみ。

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    2026年03月01日
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    これまで読んだ作品よりはオチとか展開が自然な流れに感じた。とくに犯人がわかってからの流れは引き込まれるものがあった。
    rootの話が面白かった
    しかしそんな冒頭から伏線があったのか。まったく違和感なく読んでいたので、思わず読み返したが、なるほどたしかにそう想像できたのかもしれない。

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    2026年02月28日
  • 目薬αで殺菌します DISINFECTANT α FOR THE EYES

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    加部屋さんと海月くんの恋の行方が気になる今回は山吹の出番は控え目に。事件の中に見え隠れする陰の正体は⋯⋯真賀田四季なのか!?

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    2026年02月28日
  • つくねもハンバーグ The cream of the notes 14

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    いつもの森博嗣エッセイ。もはや中身に目新しいことは不要、森博嗣の書いた最新の文章が読めればそれで満足できると言える。

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    2026年02月24日
  • そして二人だけになった Until Death Do Us Part

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    なんとも言えない読後感。
    天才の考えはやはり理解できなかった。
    森博嗣さんの作品に登場する天才は最後まで天才としてあり続けてくれるから嬉しい。
    ネタバレになるので詳しくは言わないがずっと感じていた違和感に殆ど説明がされていてスッキリした。少し疑問が残る部分もあるけど。あとお金は強い。

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    2026年02月24日
  • 四季 夏 Red Summer

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    春を読んで、今、夏を読み終わった。

    13歳の天才少女、真賀田四季。

    こちらの本は、本友達のまっちゃんから頂いたのだが、わたしは春を読んだあとに、水泳サークルで知り合いになった13歳の本が大好きな姉妹に真賀田四季を託してみた。

    同い年の天才少女を描いたこの本。
    彼女たちはどのように読むんだろうか。

    ちょっと聞いてみたい。

    非の打ち所がないほどの美人で、天才、色白で、ただ、わたしには1番大切な心だけがないような気がしていたけども。
    なんと、夏で恋をしていたことが発覚。

    あ、あったんだね。心っていう部品。

    って思うような。メカニカルな天才少女です。
    もう何が起こっても、真賀田四季ならあ

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    2026年02月23日
  • 人形式モナリザ Shape of Things Human

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    トリックがシンプルなんだけど、気づかなかった!
    そうだよな、って感じでやられた〜

    独特のキャラたちが醸し出す独特な空気感。
    保呂草ってこんな感じだっけ、と前作から間が開いたので考えつつ読み進めた。

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    2026年02月22日
  • 銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency

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    なんだろう、この小説は。

    夢遊病みたいにふわふわした感じで物語が展開していくな、と思ったてたら。

    特に何か事件が起きたりするわけではないけど、幸せな気分に浸れる小説だ。

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    2026年02月20日
  • まどろみ消去 MISSING UNDER THE MISTLETOE

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    ノンシリーズではあるがS&Mの二人も出てきて楽しめた。読者が犯人のアイデアはクスってなった。逆に真夜中の悲鳴のラスト一文にはゾッとした。

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    2026年02月18日