森博嗣のレビュー一覧
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殺人者の動機という、第三者のもつ「幻想」
S &Mシリーズを読み進めている中で思うことの中に探偵役の犀川氏は殺人者の動機というものを謎解きにあまり重要視していなく、純粋に方法に着目している中で、最後に語られる、または想像される殺人者の「動機」が読み手にとってはこの作品の満足度を高めるものになっているところだ。
今回の作品はマジシャンたちに起こる殺人事件ということで、「消失」、「どこに消えたのか」といった視点から読み解くと、様々な奇術に翻弄されていくのがわかる。確かにエンタメ重視したマジックショーは大掛かりなセット、テレビ受けする画角や設定など大衆の娯楽を重視している。一方で謎解きの -
Posted by ブクログ
森博嗣という人は天才を描く天才なのではないかと思う。
隠遁生活に入った天才数学者とのやりとり。
ある意味頭は良いのだろうけど、なんか真理をついているというより、はぐらかされているだけではないだろうかなんて思ってしまい、
そうか自分が年取ってしまったからそう見えてしまうのか、と思っていたら、
そうか、そういうことだよね。
トリックについては、再読だからか、途中でこうだったのではないだろうか、と思い出してしまったが、
やはり途中の会話の切れ味が最高。
小説の楽しさとさ、最後のオチ一発勝負も良いのだけれど、
想像もしない角度から切れ味鋭い視座を得られることだと思っていて、まさにこれ。
S&M -
Posted by ブクログ
その存在は何により「定義」され、何者によって「観測」されるのか
S &Mシリーズを2→5→3という順番で読んでいる私は作者にとっては想定された展開では読んでいない厄介者かも知れないが、今作品もまた他作品にはない、「どうやって」の面白さが存在した。
今回はどちらかというと「消失トリック」について、皆が「観測」している「事実」と反する出来事が起きてしまったことに対する謎解きがメインであった。
ミステリー小説をいくつか読むと「困難の分割」であったり「誤認識」であったりといった手段で
「事実」としてはあることを「認識」の歪ませや、時間、条件、複数人といった仕掛けにより可能とすることが多いた