森博嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最初の描写によると、この小説の舞台の白樺湖や蓼科は人気の観光地で、霧ヶ峰スカイラインはまだ有料道路だった。
Vシリーズは遥か以前に「黒猫の三角(新書版)」を読んで以来。
“伝統芸能の継承家で起きた連続殺人事件、芸術家が取り憑かれたように作った千体もの人形と、謎のモナリザ”と、ずいぶんと横溝正史的な設定に加えて、そこに森博嗣さん独特のキャラクターが好き勝手にハシャギまわる。
関西弁で親父ギャグ連発しながら、ちょっと“ウザイ”と言われそうなのは自覚するところ、でも、あくまで明るくけなげな「シコさん」がわたしは好きだ。
ちょっと浮世離れした魅力ある登場人物が繰り広げる謎解きの過程は、謎解きよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
s&mシリーズの3作目。
クリスマスイブに三ツ星館に行く事になった犀川と萌絵。しかしそこで不可解な殺人事件が起こってしまうという話。
こういう建物系のトリックは規模感が大きくて好き。部屋が回転していたというのは驚いたけど、正面玄関と裏庭が入れ替わるというのは予想しやすかったと感じた。ただこのトリックを使うために数年間もチャンスを待ち続けたというのはとんでもない忍耐力だと思った。それに目が見えなかった昇だから気づけたというのも面白い。
この小説は人間関係がドロドロしていて読み終わった後もモヤモヤする感じがある。
全てが語られていない分、考える余地があって面白いとも思った。
-
Posted by ブクログ
森博嗣作品のS&Mシリーズ、一段落
映画スカイ・クロラから森博嗣にハマり、何年間もかけて読んできた。
このシリーズは、謎解きの過程に8〜9割を費やしていて、謎解きの答え合わせや動機の解明はスルスルっとしているので、はじめは少々尻切れトンボのようだと思ったけれど
謎解き過程、萌絵の心象風景、人生や社会の捉え方などが濃密であればあるほど、結末というのはさして多く語らなくても、と思うようになった。
本作は久しぶりに真賀田四季が出てきて、その天才の描写に引き込まれた。
あとは…そうだなぁ、口元を斜めにする描写が多すぎて後半ちょっと笑ってしまった。 -
Posted by ブクログ
トリックの根幹は珍しく分かった(から驚きは少ない)。動機の部分はよく分からない。というのが、評価が少し下がる部分か?
博士の哲学的な言葉や、天才同士の会話の内容・テンポはとても良い。1作目に有って、2作目に無かった感覚。
こういった作風はとても好みなんだけど、強いていうと、とんでもなかった1作目とどうしても比べてしまうのが難点か?
それともただの気分か?
なぜ2作目の方が好みなのか、について自問中…。
大掛かりな奇想トリックなら、島田荘司作品を読みたくなる。
動機の部分を掘り下げてほしいなら、おそらく他に優れた作品が沢山ある。
唯一無二なのは、博士と犀川の会話。
"定義&qu -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルで笑わないと言いつつ作中に2人出てきた暫定博士はどちらも最後には笑ってたり、宗太郎と愛し合っていた君枝の息子が博士の子と言われていたり(本当は宗太郎の息子なのでは?でもそれなら三ツ星館で暮らした博士を名乗る人物は博士ではなく宗太郎ってことともとれる…)で不可解な点が最後まで残り、結局、基生/宗太郎/博士の誰が死んで、誰が三ツ星館で暮らし、誰が外で生きているのかわからないまま終わって、ちょっとゾクゾクしました。
最後に外で生きている人物のほうが本物の博士だったとしたら、三ツ星館で暮らしていた博士ってやっぱり基生か宗太郎なのでは?
ただ宗太郎にしては昇くんに対して他人行儀な気もするし、でも -
Posted by ブクログ
いや、いやぁ、向こう側から見れば私たちこそ幽霊なのか……。
肉体というくびきを捨てて向こう側の存在になってしまいたいという気持ちは分からないでもない。昨今流行りの転生物だって乱暴に言えばその括りだ。
リアルの身にまとわりつくしがらみ、地縁や血縁、職場や学校での煩わしい人間関係、それら全てを捨て、でも思考と感情は今の私のままで生き直したい。そんな夢想を誰だって一度は抱くのではないか。
そしてそのハードルは文明が発展すればするほど、都市化が進めば進むほど低くなるのだろう。
作者の思考実験のその先に救いはあるのか。
ロジがますます人間らしい可愛らしさを発揮しているのが救い。 -
Posted by ブクログ
wwシリーズ第1弾
それでもデミアンは一一人なのか?
wシリーズが終わって
寂しく、ほっこりしていたところに
wwシリーズ全巻買っていたので、連続で一気読みへ。
結論、wシリーズ最後の人間のように泣いたのか?から1年後ぐらいでしょうか
舞台はドイツ。
グアト(ハギリ)、ロジ(ウグイ)、途中からセリン(キガタ)も登場。wシリーズの人めちゃか出てくるんじゃん。むしろwシリーズ11話で通じる。
デミアンの人間より人間なウォーカロンの姿は
今後の象徴になっていくんでしょうね
ヘルゲン、ミュラ、デミアン。実はミュラがコントロールしてる。。。なんでだろう。最後理解が追いつかなかった。考察を再度。
タ -
Posted by ブクログ
元大学教授の著者が、教え子からの就職相談等、若者とのやり取りの中から仕事に対しての考え方・アドバイスを著したもの。
50歳を過ぎた自分であるが、過去の著者の小説や、このタイトルに何となく魅かれて手に取ってみた。基本は、「人は働くためにいきているのではない」「職業に貴賎はない」といったスタンスで書かれている。仕事に対する意気込みやモチベーション、成果・能力主義といったことが叫ばれる中、「仕事は人間の本質ではない」ということを著者の独特の表現で語っており生き方そのものを楽にさせてくれる。ちょっと仕事に行き詰ったとき、悩んだときに、再読したい一冊。 -
Posted by ブクログ
wシリーズ10弾ラスト
人間のように泣いたのか?
Did She Cry Humanly?
ラストに相応しいのか、情報戦の戦い、リアルな戦い。そして、ハギリとウグイの距離がさらに縮まる恋愛ストーリー。
右往左往しながら、ドッカンドッカンバトルもあり、最後は電子情報戦という結末。
人間が企ててないところの面白さと怖さ。
こんな世界がくるんでしょうけど。楽しみでもあるし、怖さは残りますよね。
キョウトの学会を舞台にした
テロ事件がど真ん中でしたが
後半はハギリとウグイの心の距離問題に終始。
1作目から、確実にコミュがかわってきてるところをみてきたので、楽しく読むことができましたし、これで終わる -
Posted by ブクログ
若い頃に思った事がある。
リアルの世界で感じる感情と、ネットのやり取りで味わう感情とにどんな差があるのか。人の言葉に傷つけられる痛みも同じじゃないか。喜怒哀楽、怨憎会苦、それはリアルだけのものじゃなくて同じ重さでネットの世界にも存在しているんだ。
(だからネットでの経験を無駄だとか絵空事だと馬鹿にするな)、と。
そう言う意味で、クーパ博士の選択は衝撃的ではあるけれど、分かるような気もするんですよね。
ましてや彼女は狭い世界でしか生きられなかった。
リアルの、肉体があるが故の複雑で煩雑な人間関係も、それ故に時に生まれる、理屈とか思考では再現できない変容も、知ることがなく。無限に自由があるように -
Posted by ブクログ
wシリーズ第9弾
天空の矢はどこへ?
Where is the Sly Arrow
舞台は、キュウシュウのアソ。
(そして、宇宙へ)
ウォーカロンメーカーの社長が乗っていた飛行機が行方不明に。
同時に
アソのウォーカロン工場が占拠される。
日本が舞台は初かな?
アソの工場に向かった
ハギリ、キガタ、アネバネ、ウグイ、タナカ、モロビシ。
キガタはこの工場を知っていると。。。
自分が生まれた場所だと涙する。
(ウォーカロンが泣くのかと。。)
工場で警察の突入も虚しく、多くの死者が発見される。全員窒息死。
工場のスパコンのカンナが怪しいが
メモリも途中なくなっている。。。どういうことか。
トラン