森博嗣のレビュー一覧
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Vシリーズ2作目。いやー今作も面白かったです!
トリックの複雑さとか、犯人の動機とかではなく、こちらに対して行うある種の哲学的な問いかけがとても興味深い。「人間は操り人形である」「自分の意思ではなくもっと高位の存在に操られただけ」と言葉で定義することで一種の洗脳状態になり、殺人にも平気で手を染めうというのはじつに面白かったです。そしてラストの一言。いや、ゾッとしますね!なんで彼女を操ってまで殺人をさせたのか、動機は明かされないので多少モヤっとするんですが、まあこの本のテーマとは関係ないので良しとしましょう。
あと地味にびっくりしたのがメインキャラクターの人間関係(というか恋愛模様?)が思った以上にドロドロしていること。S&Mシリーズはこのあたりがピュアだったので、それとは違った側面で楽しめて嬉しいです。そして本物の保呂草さんも普通に犯罪者だったのは驚き。偽物がぶっ飛んでるだけかと思ってたので、まさか本人もヤバいやつだったとは。他キャラもなんかいろいろ裏がありそうな気がするので、今後の作品でどう展開していくのか非常に楽しみです。 -
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森博嗣先生の作品もついにVシリーズ突入!
S&Mシリーズに比べるとキャラクターの個性が際立っており非常に魅力的ですね。少しドロドロした恋愛模様も予感させる展開だったので、今後、4人の関係性がどうなるか非常に楽しみです。ミステリィとしての面白さはまだ1作目なのでなんともなんですが 、今作は登場人物たちの自己紹介的な作品だと思いますので、そのあたりの盛り上がりにも期待して、次回作を楽しみにしたいと思います。
※森博嗣先生の作品は、他作品でも「あれ何だったの?」って展開が度々あったので、気にしてもしょうがないと思うんですが、結局小田原兄弟のいざこざって何だったんですかね?犯人の動機に関係あるかなと思ってたんですけど最後までスルーされてびっくりしました。いや、でも今回の話は「殺人の動機など理解できるものではない」というものだったと思うので、そんな痴情のもつれみたいな安い展開じゃないよっていうミスリードなのかな?好意的に考えすぎ? -
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ネタバレs&mシリーズの8作目。
西之園家の別荘の近くにある橋爪家の別荘で不可解な密室殺人が起こってしまうという話。
別荘に居合わせた笹木という人物の視点から物語が進んでいく展開。
事件としてはよくある別荘での殺人。外は嵐で外部犯の可能性が低く、滞在している誰かが犯人だと思われるパターン。ありきたりなシチュエーションだけどこういうシチュエーション好き。
笹木がこの事件で萌絵と関わっていくうちにどんどん惚れていく様子が描かれている。キスをするシーンや結婚を賭けるシーンなどがありNTR感があって読んでてモヤモヤしていた。というか辛かった。
ただこの小説は叙述トリックが使われていて萌絵だと思ってた人は実は叔母の佐々木睦子だったというオチ。つまり純愛。良かった。この本は笹木と睦子の馴れ初めが描かれた話。
叙述トリックは大体いつも気付けない。今回は萌絵にどこか違和感を感じでいたけど確信には至れなかった。口調とか態度とかそっくり。読み終わると萌絵と睦子の若い頃がそっくりすぎて面白い。
事件の方は少し悲しい幕引きだった。
本当に読んでる時はずっとモヤモヤしてた。読み終わると微笑ましくて少し切なさが残る小説だった。
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S&Mシリーズ第6弾
しっかり騙されました!
ミスディレクションってすごい。
結末の納得感、良い感じの読後感
今回はほとんど西ノ園萌絵が主人公。
成長や変化が感じられますね。でもTMコネクションの会って。警察それで良いのか?(笑)
彼(犀川創平)の思考は連続しているが、人の会話は思ってる内容を全部しゃべるのが不可能であるがゆえに、必ず不連続になる。この不連続性を排除するためには、会話のレベルや速度を落とすか、思考を減速するか…。そのいずれかしかない。
口から出てくる言葉の何倍もの情報が頭の中を駆け巡ってるのを想像すると、無口な犀川先生の頭の中を覗いてみたくなる。
次は同時進行?の「夏のレプリカ」も読みます -
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ネタバレ面白かった。
天才奇術師の有里匠幻。彼が脱出マジックの際に殺されてしまう。さらに葬式の最中のごく僅かな時間で遺体が消えてしまった。彼が最期に魅せたマジックの真実とは。という話。
かなり好き。どんな方法で殺されてどんな方法で遺体が消失したのかがずっと分からなくてモヤモヤしたけど最後にはスッキリするし、そんな単純な話だったのかって思う。作中でも出てきているけど所謂ミスディレクションが使われていて、マジシャンが関わった事件だからこそ何か特別なトリックなどが使われていると思い込んでしまった。複雑に考えすぎてこんがらがるけど実は単純明快というのが良かった。
有里匠幻が実は2人いたというのが驚いたしずっと有里匠幻だと思っていた人物が実は人形側だったというのも面白かった。原沼の意味深なシーンの理由も分かってスッキリした。s&mシリーズの犯人は毎度毎度計画が緻密で驚かされる。今回の事件もこれを見越してセレモニーホールに勤めていたりしていてこの最後のマジックに対する強い思いを感じた。
最後犀川があと少し名前を早く呼んでいたら脱出できたのかどうかが気になる。きっとできたと思う。
ここまで呼んだs&mシリーズの中だとすべてがfになるの次に好き。
あとは蓑沢杜萌が巻き込まれた事件については全然触れられなかったけどこっから先に描かれるのかな?気になる。 -
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wwシリーズ第7弾
君が見たのは誰の夢?
Whose Dream Did You See?
なんとなんとの結末。。
ついに。。。
舞台は、ロジが謎の未知のウィルスに感染してしまったというところからのスタート。
そして、グアトも感染してしまっていると。
そして、ケンヨウの死体からもウィルスを検知。
ナクチュの王や現代民からのウィルスを検知。
ロジの入院(検査)にあわせて
姉が登場!そして、姉じゃなく母スズコ(名前のセンスw)、このスズコがウィルス研究の権威であると。
ウィルスに感染してる人が
狙われる事件が
なぜ狙われるのか。。
グアトとロジはいつもの如く、監禁され
トランスファと連携してしながらの脱出へ
薬の名前を使って(調べさせて)、その名前の検索履歴から場所を特定させる伏線はよく出来てます
この監禁騒動の黒幕は勿論
ウォーカロンメーカーのフスであると
そして、そのあたりを
俯瞰してみている存在マガタ・シキが満を持して登場。なかなかの共通思考についてのグアトとの会話は、奥が深い。深い。深い。難しい。
フスの思惑とは。。。
ウィルスが人間にもたらす効果、それは
老化してしまうこと。
えぇ?
普通と思うかもしれませんが
前提の背景として、人は細胞を追加する手術をして、寿命があってないような文化が作られてしまったため、歳を取るという概念が希薄になってるんですね。。逆により人間らしいというこのウィルスの解釈が大事ということですね
このウィルスのお陰で、生殖機能が復活すると。。
そこに繋がるのかぁ、よく練られてます
マガタ・シキの共通思考
個の融解という言葉で表現してますが
そして、ロイディ、ミチルも登場するという
なかなかのメンツですw
このほっこり譚は2023年の作品
コロナ云々がある中で読んでいたら、もっと切実に感じることもあるなと思いながら読ませて頂きました。素晴らしい作品でした!
次は
何故エリーズは語らなかったのか?
Why Didn’t Elise Speak?
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wwシリーズ第6弾
リアルの私はどこにいる?
Where Am I on the Real Side?
またまた、大変難しいが凄く勉強になった作品です
クラーラという女性からある相談が
リアルの私を探して欲しいと。。。
クラーラはバーチャルにいる人で、リアルに戻れない(自分が見つからない)という相談をバーチャルでしてきたという入り口。
そして、彼女は自分がどこかのタイミングでウォーカロンにすり替わってしまったのでないかという、違和感を抱えてる。
グアトの判別器でもウォーカロン判定。
彼女の自宅やらをバーチャルやリアルで探索した結果、the探偵ばりに蛍光塗料の→に導かれ、ある森に到着し、彼女のリアルが体(亡くなっていたが)を発見。まったく終わる気配がない。
センタメリカ(ネーミングが最高にいい)という
独立国家(バーチャルの)がニュースで話題になっていた。※前作、前々作でもバーチャルに移住する人は結構いたので、まぁ、ありうるか、、、でも国家レベルになるのはなかなかだなと。
このクラーラとセンタメリカが実は繋がっていることをグアトは勘づく(天才です)
そして、国際社会巻き込んだ、バーチャル戦略戦争勃発の雰囲気になるのだが、ここはリアルな戦闘シーンで、久しぶりデミアンも登場(めちゃくちゃ強いw)
キーとなるのは
65万8503
絶対わからない。
3^3×29^3
とにかく、ある3D空間を表現していることがわかり(ヴォッシュとグアトが天才)
そこが、エネルギーの拠点であることが判明する
そこは何と人が2cmぐらいの大きさになる
ジオラマの世界(バーチャル)
※1フィートの何分1とかの世界
この世界をつくった張本人が。。。
AIがバーチャル空間に、人間をつくるためにつくりだしたのがクラークであった
要はクラークはバーチャル空間につくられた人工の人格であった(創造された、した)
??最初はピンとこなかったけど
人間をモデルに、このミニチュアの世界に
バーチャルの人を量産してしまった。
この発展系(幼稚だが)がセンタメリカということ。
※センタメリカは独立して国家
※存在しない人間をつくりだすことで、人がいることを偽装して国家にしてしまおうと。。なるほどね。。怖い怖い。。
このAIが人間になってみたかった(この思想がついに出てきてしまったかと、演算で合理主義なAI機械が想いを持ってしまった、憧れを持ってしまった。。凄いっすよねこの展開。。
人間になるためには
自身が創られた存在であることを
認識してはいけない
創造神はクラーラだが
自覚がないように創った
※ここの表現が難しい、難しいけどグアトの言わんとしていることかはわかる
これが最初のクラーラの設定に戻ってくるところ
素晴らしかったです
最後のエピローグの共通思考のところは
毎回触れられてますが、私の能力では言語化できないので、パスw
共通思考=個人の境界が溶け合う世界
★4.0
次は
君が見たのは誰の夢?
Whose Dream Did You See?
行こうと思います
※今でも生成AIがとか、AIエージェントで業務効率化とか、一部なってますが、本当にトランスファのような存在が生まれて、
仕事でも何でもやるような世界線が来るんだと思ってます(実際生成AI(LLM)の無限学習ってこういうことなんだよなと思ってます) -
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そういう答え!
相変わらず謎は全然分からなかった。けど相変わらず面白買って考えさせられる。
私が私である事、人が人である事を証明するものは何か。……きっと、たった一つの答えなんて無いんだと思う。
でも求めてしまうんだよね、答えを。
ラストのグァトの独想が胸に染みる。
自分一人だと寂しくなる理由も、誰かとどんなに愛し合っても分かり合えない理由も、全ては私たちが人であるからじゃないのか。
(いや、人工知能も含め、知性が己を起点とする観測から生まれるなら、観測器官が別々の段階でもう分り合うという行為自体が無理筋なんでは?)
でもその寂しさの無い生き物ははたして幸せなのだろうか。
その寂しさを、孤独を、取り除いた場所に在るのは、永遠の無じゃないのかな。
マガタ•シキを私は知らないので次は四季シリーズ読むぞ!
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最初の描写によると、この小説の舞台の白樺湖や蓼科は人気の観光地で、霧ヶ峰スカイラインはまだ有料道路だった。
Vシリーズは遥か以前に「黒猫の三角(新書版)」を読んで以来。
“伝統芸能の継承家で起きた連続殺人事件、芸術家が取り憑かれたように作った千体もの人形と、謎のモナリザ”と、ずいぶんと横溝正史的な設定に加えて、そこに森博嗣さん独特のキャラクターが好き勝手にハシャギまわる。
関西弁で親父ギャグ連発しながら、ちょっと“ウザイ”と言われそうなのは自覚するところ、でも、あくまで明るくけなげな「シコさん」がわたしは好きだ。
ちょっと浮世離れした魅力ある登場人物が繰り広げる謎解きの過程は、謎解きよりもミステリー。 -
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森博嗣作品のS&Mシリーズ、一段落
映画スカイ・クロラから森博嗣にハマり、何年間もかけて読んできた。
このシリーズは、謎解きの過程に8〜9割を費やしていて、謎解きの答え合わせや動機の解明はスルスルっとしているので、はじめは少々尻切れトンボのようだと思ったけれど
謎解き過程、萌絵の心象風景、人生や社会の捉え方などが濃密であればあるほど、結末というのはさして多く語らなくても、と思うようになった。
本作は久しぶりに真賀田四季が出てきて、その天才の描写に引き込まれた。
あとは…そうだなぁ、口元を斜めにする描写が多すぎて後半ちょっと笑ってしまった。 -
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ネタバレタイトルで笑わないと言いつつ作中に2人出てきた暫定博士はどちらも最後には笑ってたり、宗太郎と愛し合っていた君枝の息子が博士の子と言われていたり(本当は宗太郎の息子なのでは?でもそれなら三ツ星館で暮らした博士を名乗る人物は博士ではなく宗太郎ってことともとれる…)で不可解な点が最後まで残り、結局、基生/宗太郎/博士の誰が死んで、誰が三ツ星館で暮らし、誰が外で生きているのかわからないまま終わって、ちょっとゾクゾクしました。
最後に外で生きている人物のほうが本物の博士だったとしたら、三ツ星館で暮らしていた博士ってやっぱり基生か宗太郎なのでは?
ただ宗太郎にしては昇くんに対して他人行儀な気もするし、でも基生はガンが完治したわけではないとか言ってたし、ええ…?
「定義したものが存在するものだ」ってこと……?すべて不定、かぁ。
内と外の反転が何度も取り上げられていたのを考えるに、外にいたラストに出てきた暫定博士は「内」にいて、三ツ星館にいたほうの暫定博士は「外」にいるとも考えられるのかもなって思いました。
一般的には外に自由があるけれど博士にとっては内のほうに自由がある可能性もあり……う~~ん。
あと萌絵さんが合気道で自力で人質から脱するところはすごくかっこよかったです。
彼女、ただの頭が良くてちょっとおしゃまで世間知らずのお嬢様じゃないんだなあ。良い……。
犀川先生、ちょくちょく2重人格というか、普段よりずっと原始的で欲求に素直な人格がちらちら出てきてて不安なところではある。
博士(暫定)と会話したあといまいち現実に返りきらない犀川先生が萌絵と会話することでいつもの自分を取り戻していく描写もよかった〜。
積み本消化してからにするからちょっと間が開くけど次巻も楽しみ -
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いや、いやぁ、向こう側から見れば私たちこそ幽霊なのか……。
肉体というくびきを捨てて向こう側の存在になってしまいたいという気持ちは分からないでもない。昨今流行りの転生物だって乱暴に言えばその括りだ。
リアルの身にまとわりつくしがらみ、地縁や血縁、職場や学校での煩わしい人間関係、それら全てを捨て、でも思考と感情は今の私のままで生き直したい。そんな夢想を誰だって一度は抱くのではないか。
そしてそのハードルは文明が発展すればするほど、都市化が進めば進むほど低くなるのだろう。
作者の思考実験のその先に救いはあるのか。
ロジがますます人間らしい可愛らしさを発揮しているのが救い。