森博嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前書きで、「つ」ではじまるエッセイシリーズと
書いてあって、なんだそのシリーズ⁉︎となった笑
表紙の謎の物体がとても可愛い。
突然始まる日本語の文法解説、勉強になった!
虎穴に入らずんば、からの虎穴に入るルンバ、ウマい笑
「好きなことをしていれば、お金はかからない。
好きなことがわからない人たちが、
宣伝に釣られてお金を貢いでいるらしい」
「人生の負け組といった言葉が出てくること自体、
人生が勝負だと思い込んでいるからだ。
勝負だと思った瞬間に勝ち負けが生じる。ここから、
負けてしまうのは勝ちたい人だ、との道理が導かれる」
「人は群れたがる、安心安全のために。しかしその結束力はいずれ排他的な方向性を持ち、敵を作ることでしか
存続できなくなり、他の集団と戦争になる」
「僕はそこまで熱くなれない。
オークションで競り負けても、全く悔しいとは感じない。
使わずに済んだ金額を儲かった、と感じる。
無限に価値があるものなんて存在しない。
僕はどんなものにも、自分で値段をつけることができる。」
「そもそも、ニュースというのは珍しい出来事を
知らせるものだ。身近ではなく無関係なことを報じる。
関係がある出来事は、
今では瞬時に伝わるようなネットワークができている」
「怪獣くらい分かりやすい悪なんて、実際地球上には
存在しない。悪は非常に分かりにくい存在になっている。
このままいくと、どんどん正義の味方は
消えていくだろう。人間は例外なく罪深い存在だから、
もしヒーロが現れるとしたら、
それは人間でない確率が高い」
森さんの思考はとてもシンプルで分かりやすい。
確かにそうだよなあ、と納得してしまう。
ときどき出てくる家族の話でパートナーのことを奥さま、と呼ぶのが可愛らしいなと思った。
まだまだたくさんシリーズがあるみたいなので、
読みたいなあ。 -
Posted by ブクログ
【2026年49冊目】
物語は視点を変えて、四季を紡ぐ。S&Mシリーズでお馴染みの西之園萌絵と犀川創平に、真賀田四季の影が忍び寄ろうとしていた。表舞台から姿を消した彼女に導かれると同時に二人の仲も少しずつ進展していき――?! 真賀田四季の物語、秋。
今作で、真賀田四季はほとんど出てこず、これまでのシリーズに出てきたキャラクターたちが登場します。犀川と西之園の登場は読者にとって何より嬉しかったはずですし、Vシリーズの二人も然り。登場人物の関係性が進展していたりとか、クロスオーバーしたりするのを見れるのはファン冥利につきますね。
ここで終わらないのが、森博嗣さん。まだ冬が残っています。果たして四つの季節をどう締めくくるのか、楽しみです。 -
Posted by ブクログ
読み終わったー!
秋のときの興奮とはまた違うけど、これはこれでめちゃくちゃ面白かったです。
時系列バラバラで最初は混乱しましたが、むしろそれが楽しかったですね。四季の思考をなぞってる感じがして、「ああ天才ってこういう世界の見え方なんだな」って体験してる気分になれました。
それにしても「死=自由」と言ってた四季が、肉体を捨てて長く生きる選択をするというのがめっちゃいいですね。この矛盾すら楽しんでる感じがして、本当に底が見えない存在だなと思いました。
あとやっぱりシリーズのつながりが見えるとテンション上がりますね。百年シリーズのサエバミチルが四季の子供ってわかった瞬間は本当に驚きました。パトリシアも出てきて、メグツシュカ=四季説もかなり濃厚になりました。冷凍睡眠をくり返して長く生きてるって考えると、ミチルに興味持ってるのもめちゃくちゃ納得です。
ここまで来ると、森博嗣作品ぜんぶ四季の手のひらの上なんじゃないかって思えてきて、ちょっと怖いですね。まあ、そのスケール感がたまらないんですが。
さて次はいよいよGシリーズ。ここからどう広がっていくのか、ますます楽しみです! -
Posted by ブクログ
ネタバレS&Mシリーズ4作目。
ちょくちょく読み進めてる本シリーズだけどスルスル読めてよいなー。
西之園が正しくヒロイン的になっているというか……。いわゆるサスペンス的な構成が取り入れられているのは個人的に良かったかな。事件自体はアッサリしているのもあって、うまく緩急がつけられていた印象。
事件の構造としては、(数式のような)完璧なものを求めたがゆえに不要なものを排除したことが契機になっているという部分に特に注目したいね。
本作は所謂「見立て殺人」の形式なんだけど、「見立て殺人」である以上「見立てる」ことに意味がある(ここは「密室」であることに意味があるのと同義だな)。
不純な物事すべてを排除し、全てに意味を付けて見出したからこそ犯人として露呈してしまったという矛盾。
こうした意味付けを、別の形では西之園も犀川に対してハッキリさせたという対比が良いね。
そういう文脈で読むと、菅聡子氏の解説は少しピントがずれていると言わざるを得ないんじゃないかなぁ。
女学生の質問に対する犀川の発言は、ジェンダー論に対する犀川の意見というより、個人の価値をジェンダーという明確な論理(つまり「数式」だ)で語ることの危うさを語ったのだと思うなぁ。それは今回の犯人の論理とまったく同じなので。
世界は多角的に語られるべきだし、何か一つの論理で語り切れてしまう(語らなくてはならない)と誤解したとき、必ず零れ落ちてしまう……というのが京極夏彦御大が『絡新婦の理』や『邪魅の雫』で語ったことではなかったか。 -
Posted by ブクログ
S&Mシリーズ二作目。過去に読んだ事あったので、再読でした。
詳細は全然覚えてなくて印象としては、前作「全てがFになる」が凄すぎて、それと比較すると。。。しかなかったけど、改めて読むと密室トリックはしっかりしてて納得感ある名作でしたね。
今更だけど、このシリーズが好きな理由に気づいた。自分が国立大の工学部卒だったからだわ。登場人物や各シーンのイメージの想像がしやすいのだろうね。
よくある「数学が何の役に立つの?」の回答で作内の回答はなるほどとは思った。しかし、私の個人的な考えは、高校や大学の理系学問はふるいであり、役に立てる事の出来る天才を炙り出す為のもの。ふるいにかけられて落とされた側は、役に立てる役割につけない。だから役に立たないと言うのだろう。それは私自身も含めてね。