森博嗣のレビュー一覧

  • 夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

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    今作の事件は前作の事件と並行して起きていることであるから、今作には偶数章しかない、ってとこからお洒落でかっこいい〜。定期的に摂取したくなるS&Mシリーズ。今回は萌絵の最強お嬢様っぷりが控えめだったような気がする。杜萌が犀川先生のことを「どこにでもいる特徴のない男」と評しているのが面白い。最後の最後に少しの希望があってよかった。

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    2026年05月12日
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

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    自分の院生時代を思い出して、そうそう研究ってこうだったと共感の嵐だった。
    喜嶋先生との師弟関係に胸を打ち、主人公とスピカのやり取りが甘酸っぱく愛おしかった。

    良い読み心地で読み終わると思いきや、最後の最後で大どんでん返し(?)、心が抉られた。
    ある種のミステリーかも。

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    2026年05月10日
  • 夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

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    一夏の再会が、私を一つ大人にした。

    S &Mシリーズも随分と読み進め、犀川と西之園二人の掛け合いにもだいぶ心地よさを覚えてきたこのタイミングで起こった事件は、前巻のマジシャン事件と同時並行に起こっており、そのため犀川、西之園コンビがあまり出てこない。キーパーソンの杜萌の視点から殺人事件と失踪事件が描かれていた。

    ミステリーを読む時には色々と推理をしながら読み進める人もいれば、そのときの雰囲気に浸るのを楽しむ人もいる中でこの作品はどちらかというと「後者」の読み手がより楽しめると思う。いつものような「仮定」とか「論理」とかの視点よりも、登場人物の「立場」や「過去」、「心情」といった視点から味わうことができ、それはいつもと違うキーパーソン杜萌の視点から描いたという良さが出たところだと思う。

    人はどのようなときに大人に近づくのであろうか。受け入れられないことが受け入れられるようになったとき、過去の出来事に区切りをつけられたとき、新しい自分を人や自分が見つけたとき、色々なときがある。「変化」をどのように捉えて、どのように受け入れるか、それにより「今」の見え方、「真相」の見え方も変わるのであろう。

    物語のラストに向けて様々な「余韻」が残されている。一夏の出会いや別れ、出来事ってそんな感じの「虚い」や「儚さ」を纏った朧げなものがあって、自分が目の前にしている「現実」に向き合えるのではないだろうか。そんな一夏に魅せられて、人はまた一つ何かしらのカタチで大人になるのだろう。

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    2026年05月05日
  • 神様が殺してくれる

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    パリから始まった連続殺人はミラノ、フランクフルト、東京と舞台を移す。殺害現場で拘束されていた重要参考人は「神が殺した」と証言する。
    「女にしては、美しすぎる。」
    彼の異常な美しさだけが手がかりだった。
    海外が舞台ならではの物語に心を奪われる。

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    2026年05月04日
  • 幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

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    S&Mシリーズ6作目!大好きシリーズなので、サクサク読めますね。犀川と萌絵のやり取りや駆け引きも、もう定番ですね。最初の頃から考えると二人の関係はすこーしづつだけど進んできてるますね。

    今回の事件はイリュージョン。作品読んだ感想としては、ミステリのトリックとマジックって本質は殆ど同じですね。結果として人を幻惑させるという点において。ただ、その目的は全く異なるけども。

    トリック自体は本当に無理そうなものを、しっかり論理的な方法で解いていくのは流石。楽しませてもらいました。

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    2026年05月04日
  • 恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits

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    ネタバレ

    この辺から保呂草さんの怪盗ムーブがキマってきて面白くなってくる。絵を盗み出すためにヘリコプターの足につけておくトリックだけでも感心したのに、そっちは囮で実は郵送のお土産に仕込んであったり。メインの被害者女性を実は事前に籠絡してたり。
    今までは当たり前に殺人を推理する、その前後での脚色の面白さを楽しむのが森博嗣シリーズだったけど、ここから怪盗ムーブをどういうトリックでどう盛り上げるか、というもうひとつの切り口というか、盛り上がるためのツールが増えた気がする。
    めっちゃ個人的には紫子ちゃんのラブラブムーブは別に興味ない、、

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    2026年05月02日
  • 道なき未知

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    森 博嗣さんという人の考え方が分かる本。
    正論とはまた違う、癖のある文章で、あくまでこの人はこう考えるんだ。こんな考え方をするのかと参考になりました。考えを押し付ける訳でもなく、淡々と語る様子が安心感を感じました。

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    2026年04月30日
  • 幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

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    殺人者の動機という、第三者のもつ「幻想」

    S &Mシリーズを読み進めている中で思うことの中に探偵役の犀川氏は殺人者の動機というものを謎解きにあまり重要視していなく、純粋に方法に着目している中で、最後に語られる、または想像される殺人者の「動機」が読み手にとってはこの作品の満足度を高めるものになっているところだ。

    今回の作品はマジシャンたちに起こる殺人事件ということで、「消失」、「どこに消えたのか」といった視点から読み解くと、様々な奇術に翻弄されていくのがわかる。確かにエンタメ重視したマジックショーは大掛かりなセット、テレビ受けする画角や設定など大衆の娯楽を重視している。一方で謎解きのラストに描かれる真相のトリックにはマジックとしても推理小説としてもストレートすぎる手法であり、色々な推理小説を読んでいる読み手にとっては色々邪推する中でこのような結末になるのはある意味いい裏切りだと思う。

    物語の根幹とも言える「手法」と「動機」について語ることはできないが、その真犯人の生涯に及ぶ幻術、動機に関わる真犯人の思惑には、我々が考えうるポイントを超えたところがあり、それはこのS &Mシリーズにはよくあるなとも思った。

    この作品は二つの事件が同時並行で起こっている片方ということで、もう片方もすぐに読んでみたいと思う。

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    2026年04月29日
  • φは壊れたね PATH CONNECTED φ BROKE

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    ついにスタートしたGシリーズ!
    久しぶりに再開した萌絵ちゃんですが、すっかり大人になっちゃって。棘がなくなったのが成長を感じられて嬉しくもあり、寂しくもあり…。代わりに事件に首突っ込むストーリーの進行役が山吹くんになったのかな?犀川先生役が海月くんという感じ?なんにせよ新シリーズだけど、犯人の動機などが曖昧なまま終わるところなど、どこか懐かしさも感じる一作。次作も楽しみにしたいと思います!

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    2026年04月29日
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

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    森博嗣という人は天才を描く天才なのではないかと思う。
    隠遁生活に入った天才数学者とのやりとり。
    ある意味頭は良いのだろうけど、なんか真理をついているというより、はぐらかされているだけではないだろうかなんて思ってしまい、
    そうか自分が年取ってしまったからそう見えてしまうのか、と思っていたら、
    そうか、そういうことだよね。
    トリックについては、再読だからか、途中でこうだったのではないだろうか、と思い出してしまったが、
    やはり途中の会話の切れ味が最高。
    小説の楽しさとさ、最後のオチ一発勝負も良いのだけれど、
    想像もしない角度から切れ味鋭い視座を得られることだと思っていて、まさにこれ。
    S&Mシリーズ再読3冊目。
    25年前に感じれなかった、天才の視座を少しでも近づけてたらなんで思ってましたが、1ミリも寄れていませんでした。すごい。

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    2026年04月29日
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    面白かった!ハラハラドキドキシーンがあったり。萌絵と犀川先生の距離が近くなったような、、?次回作を読むのが楽しみです。

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    2026年04月25日
  • 集中力はいらない

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    人間は一つのことに集中するよりも、思考を拡散させることの方が向いているのかもしれない。多様な事象に気を配り、マルチタスクをこなしながら、並行して様々な事柄を成し遂げていく。そこで重要となるのは、解決策を出すこと自体ではなく、「問題を与えること」や「問いを作ること」である。
    ​すなわち、研究者や作家の本質とは、この「問題を作る」という行為に集約される。適切な問いを立てることさえできれば、その解決プロセスは、もはや自動化できると言っても過言ではないのだ。

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    2026年04月24日
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

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    その存在は何により「定義」され、何者によって「観測」されるのか

    S &Mシリーズを2→5→3という順番で読んでいる私は作者にとっては想定された展開では読んでいない厄介者かも知れないが、今作品もまた他作品にはない、「どうやって」の面白さが存在した。

    今回はどちらかというと「消失トリック」について、皆が「観測」している「事実」と反する出来事が起きてしまったことに対する謎解きがメインであった。
    ミステリー小説をいくつか読むと「困難の分割」であったり「誤認識」であったりといった手段で
    「事実」としてはあることを「認識」の歪ませや、時間、条件、複数人といった仕掛けにより可能とすることが多いため、どうしてもその視点で読んでしまうと今回の一番のトリックは分かりやすい、、それは筋道立てた思考ではなく、様々なミステリー小説を読んできた経験知による当てはめといったところがあり、それもまた作者のあまり期待してない読み手の姿なのかも知れないと反省、、

    順序をめちゃくちゃに読んでいるため、主役二人の距離感や人となり、関わりには色々とここからこうなるのか、このときにはこうだったのかといった膨らませがとてもいいところに感じる。

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    2026年04月22日
  • 君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species?

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    久しぶりにWWシリーズを読んだ。
    もう5年も積んでいた。
    もう記憶がなくて、トランスファが誰か思い出せなかった。

    もう一度SMから読み直したら楽しそうだなと思う。
    森博嗣が今年で引退と知って、ショック。
    でも、もう25年くらい読んでいるからそういうこともあるのだなと。
    あと何冊か積んでいるものを読めるし、手放してしまった本がほとんどで、もう一度全シリーズ買い直したい。
    エッセイもこれを機に読もうかな…。

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    2026年04月21日
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    すべてがfになるの続編。
    前作の衝撃的なトリックとは対照的に 今作のトリックはシンプル。ただ、それでも謎解き部分がつまらないわけではない。
    今回はどちらかと言えばなぜその殺人を犯したのかに焦点が当てられていて、その部分をしっかりと書いた作品だった。
    またキャラの会話回しもよく出来ているので、ダレることなく読めた。
    トリックの部分に面白さを求める人には物足りないかもしれないけど、物語として読めば非常に面白いと思う。

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    2026年04月16日
  • つくねもハンバーグ The cream of the notes 14

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    前書きで、「つ」ではじまるエッセイシリーズと
    書いてあって、なんだそのシリーズ⁉︎となった笑
    表紙の謎の物体がとても可愛い。
    突然始まる日本語の文法解説、勉強になった!
    虎穴に入らずんば、からの虎穴に入るルンバ、ウマい笑

    「好きなことをしていれば、お金はかからない。
    好きなことがわからない人たちが、
    宣伝に釣られてお金を貢いでいるらしい」

    「人生の負け組といった言葉が出てくること自体、
    人生が勝負だと思い込んでいるからだ。
    勝負だと思った瞬間に勝ち負けが生じる。ここから、
    負けてしまうのは勝ちたい人だ、との道理が導かれる」

    「人は群れたがる、安心安全のために。しかしその結束力はいずれ排他的な方向性を持ち、敵を作ることでしか
    存続できなくなり、他の集団と戦争になる」

    「僕はそこまで熱くなれない。
    オークションで競り負けても、全く悔しいとは感じない。
    使わずに済んだ金額を儲かった、と感じる。
    無限に価値があるものなんて存在しない。
    僕はどんなものにも、自分で値段をつけることができる。」

    「そもそも、ニュースというのは珍しい出来事を
    知らせるものだ。身近ではなく無関係なことを報じる。
    関係がある出来事は、
    今では瞬時に伝わるようなネットワークができている」

    「怪獣くらい分かりやすい悪なんて、実際地球上には
    存在しない。悪は非常に分かりにくい存在になっている。
    このままいくと、どんどん正義の味方は
    消えていくだろう。人間は例外なく罪深い存在だから、
    もしヒーロが現れるとしたら、
    それは人間でない確率が高い」

    森さんの思考はとてもシンプルで分かりやすい。
    確かにそうだよなあ、と納得してしまう。
    ときどき出てくる家族の話でパートナーのことを奥さま、と呼ぶのが可愛らしいなと思った。
    まだまだたくさんシリーズがあるみたいなので、
    読みたいなあ。

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    2026年04月18日
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

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    前回の事件とは違い、主人公本人が危ない目にあったところがハラハラした。
    どうやって密室を作り出したのか読みながら考えても思いつかなかった。
    解決に導くヒントとなる文が前半の方に出てきてるのが、最後まで読んでみて気づいた。森さんすごいな。

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    2026年04月13日
  • 奥様はネットワーカ

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    六人の登場人物たちが目まぐるしく入れ代わり立ち代わりしながら物語は進んで行く。
    視点が代われば話も変わる。理解しながら読み進めないと迷子になります。
    コジマケンさんの挿絵もイイ感じに物語に不穏な雰囲気を醸し出しています。
    最後の解説?漫画も面白かったです。
    いつもと違った森博嗣ワールドでした。

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    2026年04月13日
  • 黒猫の三角 Delta in the Darkness

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    ネタバレ

    このシリーズは保呂草さんが軸で動いていくんだろうなあって思ってたから、裏切られたと思ったらもう1回裏切られた笑
    次作も楽しみです

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    2026年04月12日
  • 読書の価値

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    ネタバレ

    最初から最後まで森博嗣節で面白かった。
    ほぼミステリを読まないのは驚き。ミステリ作家とSF作家は特に、自分の書くジャンルに造詣が深いものだと思っていた…。いつも気になるけど、どうして研究者をしながらミステリ小説を書こうと思ったんだろうか。
    自らの興味の範囲を広げるため本を読む、というスタイルを、70近くなった今も続けているのはすごい。子供みたいな本の読み方。

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    2026年04月12日